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公開番号
2024090490
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-04
出願番号
2022206438
出願日
2022-12-23
発明の名称
液状肥料の製造方法、製造装置及び液状肥料
出願人
三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C05F
11/00 20060101AFI20240627BHJP(肥料;肥料の製造)
要約
【課題】本発明の課題は、消化液に含まれる植物生育に有用な成分を取り出し、植物の生育条件や植物の種類に応じて様々な組成比の液状肥料を調製することである。
【解決手段】下記の第一工程から第三工程を含む、液状肥料の製造方法;第一工程:有機物の消化液を膜分離処理し、カリウム成分及び窒素成分を含む膜透過液と、汚泥を含む分散液を得る工程、第二工程:前記膜透過液を電気透析処理し、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記膜透過液よりも低い電気透析脱塩液と、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記膜透過液よりも高い電気透析濃縮液を得る工程、第三工程:前記電気透析脱塩液を逆浸透膜処理し、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記電気透析脱塩液よりも低い逆浸透膜透過液と、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記電気透析脱塩液よりも高い逆浸透膜濃縮液を得る工程。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の第一工程から第三工程を含む、液状肥料の製造方法;
第一工程:有機物の消化液を膜分離処理し、カリウム成分及び窒素成分を含む膜透過液と、汚泥を含む分散液を得る工程、
第二工程:前記膜透過液を電気透析処理し、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記膜透過液よりも低い電気透析脱塩液と、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記膜透過液よりも高い電気透析濃縮液を得る工程、
第三工程:前記電気透析脱塩液を逆浸透膜処理し、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記電気透析脱塩液よりも低い逆浸透膜透過液と、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記電気透析脱塩液よりも高い逆浸透膜濃縮液を得る工程。
続きを表示(約 920 文字)
【請求項2】
前記消化液が、嫌気性発酵の消化液又は好気性発酵の消化液である、請求項1に記載の液状肥料の製造方法。
【請求項3】
前記第一工程で得る汚泥を含む分散液が、前記消化液よりも高いリン成分濃度である、請求項1又は2に記載の液状肥料の製造方法。
【請求項4】
前記第二工程で得る電気透析濃縮液が、前記膜透過液よりも高いリン成分濃度である、請求項1又は2に記載の液状肥料の製造方法。
【請求項5】
前記第三工程で得る逆浸透膜濃縮液が、前記電気透析脱塩液よりも高いリン成分濃度である、請求項1又は2に記載の液状肥料の製造方法。
【請求項6】
下記の第一工程から第三工程を含む、液状肥料の製造装置;
第一工程:有機物の消化液を膜分離処理し、カリウム成分及び窒素成分を含む膜透過液と、汚泥を含む分散液を得る工程、
第二工程:前記膜透過液を電気透析処理し、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記膜透過液よりも低い電気透析脱塩液と、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記膜透過液よりも高い電気透析濃縮液を得る工程、
第三工程:前記電気透析脱塩液を逆浸透膜処理し、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記電気透析脱塩液よりも低い逆浸透膜透過液と、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記電気透析脱塩液よりも高い逆浸透膜濃縮液を得る工程。
【請求項7】
前記消化液が、嫌気性発酵の消化液又は好気性発酵の消化液である、請求項6に記載の液状肥料の製造装置。
【請求項8】
前記第一工程で得る汚泥を含む分散液が、前記消化液よりも高いリン成分濃度である、請求項6又は7に記載の液状肥料の製造装置。
【請求項9】
前記第二工程で得る電気透析濃縮液が、前記膜透過液よりも高いリン成分濃度である、請求項6又は7に記載の液状肥料の製造装置。
【請求項10】
前記第三工程で得る逆浸透膜濃縮液が、前記電気透析脱塩液よりも高いリン成分濃度である、請求項6又は7に記載の液状肥料の製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状肥料の製造方法、製造装置及び液状肥料に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、畜産廃棄物や食品廃棄物等の有機物の消化液を、肥料または肥料の原料として用いることが望まれている。
例えば、特許文献1では、有機物の消化液を限外濾過処理することで、リン成分及び汚泥を含む分散液とカリウム成分及び窒素成分を含む膜透過液とに分離し、膜透過液を電気透析処理して濃縮し、さらに濃縮液を蒸留処理することで、窒素成分の濃度が高い第1の溶液と、カリウム成分を含み窒素成分の濃度が低い第2の溶液に分離し、これらを肥料の原料とすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-131432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で提案された方法では、消化液から限外濾過処理及び電気透析処理によって植物生育に必要な成分を取り出すことはできるものの、植物生育に必要な成分を取り出した後の電気透析脱塩液には窒素成分及びリン成分が残留しているため、これを公共水域に放出すると環境負荷が増加するという課題があることを、本発明者らは見出した。
【0005】
本発明の目的は、上記の課題を解決することにある。
即ち、本発明は、消化液に含まれる植物生育に有用な成分を取り出すことができ、さらに、植物の生育条件や植物の種類に応じて様々な組成比の液状肥料を調製することができる。また、植物生育に必要な成分を取り出した後の処理水中における窒素成分及びリン成分の濃度を低くでき、公共水域へ放出しても環境負荷が増加せず、水資源としても再利用できる処理水を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の液状肥料の製造方法を用いることで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
【0007】
即ち、本発明は以下の特徴を有する。
[1] 下記の第一工程から第三工程を含む、液状肥料の製造方法;
第一工程:有機物の消化液を膜分離処理し、カリウム成分及び窒素成分を含む膜透過液と、汚泥を含む分散液を得る工程、
第二工程:前記膜透過液を電気透析処理し、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記膜透過液よりも低い電気透析脱塩液と、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記膜透過液よりも高い電気透析濃縮液を得る工程、
第三工程:前記電気透析脱塩液を逆浸透膜処理し、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記電気透析脱塩液よりも低い逆浸透膜透過液と、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記電気透析脱塩液よりも高い逆浸透膜濃縮液を得る工程。
[2] 前記消化液が、嫌気性発酵の消化液又は好気性発酵の消化液である、[1]に記載の液状肥料の製造方法。
[3] 前記第一工程で得る汚泥を含む分散液が、前記消化液よりも高いリン成分濃度である、[1]又は[2]に記載の液状肥料の製造方法。
[4] 前記第二工程で得る電気透析濃縮液が、前記膜透過液よりも高いリン成分濃度である、[1]~[3]のいずれかに記載の液状肥料の製造方法。
[5] 前記第三工程で得る逆浸透膜濃縮液が、前記電気透析脱塩液よりも高いリン成分濃度である、[1]~[4]のいずれかに記載の液状肥料の製造方法。
【0008】
[6] 下記の第一工程から第三工程を含む、液状肥料の製造装置;
第一工程:有機物の消化液を膜分離処理し、カリウム成分及び窒素成分を含む膜透過液と、汚泥を含む分散液を得る工程、
第二工程:前記膜透過液を電気透析処理し、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記膜透過液よりも低い電気透析脱塩液と、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記膜透過液よりも高い電気透析濃縮液を得る工程、
第三工程:前記電気透析脱塩液を逆浸透膜処理し、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記電気透析脱塩液よりも低い逆浸透膜透過液と、カリウム成分及び窒素成分の濃度が前記電気透析脱塩液よりも高い逆浸透膜濃縮液を得る工程。
[7] 前記消化液が、嫌気性発酵の消化液又は好気性発酵の消化液である、[6]に記載の液状肥料の製造装置。
[8] 前記第一工程で得る汚泥を含む分散液が、前記消化液よりも高いリン成分濃度である、[6]又は[7]に記載の液状肥料の製造装置。
[9] 前記第二工程で得る電気透析濃縮液が、前記膜透過液よりも高いリン成分濃度である、[6]~[8]のいずれかに記載の液状肥料の製造装置。
[10] 前記第三工程で得る逆浸透膜濃縮液が、前記電気透析脱塩液よりも高いリン成分濃度である、[6]~[9]のいずれかに記載の液状肥料の製造装置。
【0009】
[11] [1]~[5]のいずれかに記載の液状肥料の製造方法の、第一工程で得られる膜透過液、第一工程で得られる汚泥を含む分散液、第二工程で得られる電気透析濃縮液、第三工程で得られる逆浸透膜濃縮液から選ばれる少なくとも一つを含む、液状肥料。
[12] [6]~[10]のいずれかに記載の液状肥料の製造装置の、第一工程で得られる膜透過液、第一工程で得られる汚泥を含む分散液、第二工程で得られる電気透析濃縮液、第三工程で得られる逆浸透膜濃縮液から選ばれる少なくとも一つを含む、液状肥料。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液状肥料の製造方法は、消化液に含まれる植物生育に有用な成分を取り出すことができ、さらに、植物の生育条件や植物の種類に応じて様々な組成比の液状肥料を調製することができる。また、植物生育に必要な成分を取り出した後の逆浸透膜透過液は窒素成分及びリン成分の濃度が低いことから、河川等の公共水域に放出しても環境負荷が増加せず、水資源としても再利用可能である。
本発明の液状肥料の製造装置は、消化液に含まれる植物生育に有用な成分を取り出すことができ、さらに、植物の生育条件や植物の種類に応じて様々な組成比の液状肥料を調製することができる。また、河川等の公共水域に放出しても環境負荷が増加せず、水資源としても再利用できる逆浸透膜透過液を得ることができる。
本発明の液状肥料は、消化液に含まれる植物生育に有用な成分を含み、植物の生育条件や植物の種類に応じて様々な組成比とすることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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