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公開番号
2024113372
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-22
出願番号
2023018305
出願日
2023-02-09
発明の名称
肥料組成物
出願人
冨士色素株式会社
,
GSアライアンス株式会社
代理人
個人
主分類
C05G
1/00 20060101AFI20240815BHJP(肥料;肥料の製造)
要約
【課題】栽培植物に取り込まれてその成長を促進し、かつ光照射によって当該栽培植物中から蛍光を発し得る肥料組成物を提供すること;並びに、そうした肥料組成物を用いて植物を効率的に栽培する方法を提供すること。
【解決手段】窒素含有酸化カーボン量子ドット100質量部、リン化合物0.1~1000質量部、及びカリウム塩0.1~100質量部を含有する肥料組成物;並びに、そうした肥料組成物を、植物及び/又は培地に供給する工程を備える、栽培方法。窒素含有酸化カーボン量子ドットは、含窒素官能基及びカルボニル基を有するグラフェン系量子ドットであることが好ましい。また、100質量部中の窒素原子量及び/又は酸素原子量が、0.1~60質量部であることが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
窒素含有酸化カーボン量子ドット 100質量部、
リン化合物 0.1~1000質量部、及び
カリウム塩 0.1~100質量部
を含有する肥料組成物。
続きを表示(約 540 文字)
【請求項2】
前記窒素含有酸化カーボン量子ドットが、含窒素官能基及びカルボニル基を有するグラフェン系量子ドットである、請求項1記載の肥料組成物。
【請求項3】
前記窒素含有酸化カーボン量子ドット100質量部中に含まれる窒素原子の量が、0.1~60質量部である、請求項1又は2に記載の肥料組成物。
【請求項4】
前記窒素含有酸化カーボン量子ドット100質量部中に含まれる酸素原子の量が、0.1~60質量部である、請求項1又は2に記載の肥料組成物。
【請求項5】
前記リン化合物が、リン酸の誘導体である、請求項1又は2に記載の肥料組成物。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の肥料組成物を、0.001~90質量%の固形分濃度で含有する、水性肥料。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の肥料組成物を、植物及び/又は培地に供給する工程を備える、栽培方法。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の肥料組成物を、植物及び/又は培地に供給する工程、及び
前記植物に波長200~900nmの光を照射し、その際の該植物の発光状態に基づいて栽培環境を制御する工程
を備える、栽培方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボン量子ドットを含有する肥料組成物、及びそうした肥料組成物を用いた栽培方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、農業の効率化及び環境保全の観点から、カーボンナノチューブ(CNT)等のナノ炭素材料が注目を集めている。従来より、農作物を栽培・育成するために肥料が多用されて来たが、一般的な肥料は栽培対象の植物中に効率よく取り込まれるとは限らない。例えば汎用の天然肥料の多くは、微生物分解等を経た上でないと植物に吸収されない。硫安や硝安等の化学肥料は微生物分解を必要としないものの、水に溶解するとその浸透圧を大幅に高めるきらいがある。そのため、高濃度の液肥とすることができず、根や葉等に直接付与することも不可能である。土壌に付与した肥料の内、実際に植物中に取り込まれる量は、50%程度以下とも報告されている(例えば、非特許文献1)。結果として、植物に吸収されない肥料が利用されずに終わることとなる。
【0003】
未利用の肥料は、単に無駄になるだけでなく、降雨等による流出や大気中への放出等によって環境汚染を引き起こす場合がある。他の農薬、例えば殺虫剤、除草剤、抗菌剤等も同様である。ここで、肥料等の農薬がナノサイズであれば、植物の細胞と細胞との間を通り抜け易くなり、微生物による分解を受けずとも植物中に吸収され易くなると考えられる。さらに、根からだけでなく葉からも植物体内に取り込むことが可能となる。このようにして肥料が拡散消失する前に植物中に取り込まれれば、養分の利用率が向上し、収穫量を増大させることができる。こうした考えから、最近は各種のナノ炭素材料、特にカーボン量子ドットを農業用に活用する検討がなされ始めている(例えば非特許文献1、2)。
【0004】
ここで、量子ドットとは量子化学・量子力学に従うナノスケールの材料で、一般に0.5~100nm程度の平均直径を有する微粒子である。独特の光学特性を有するため、蛍光材料として検討され、発光素子やディスプレイ、さらには電池材料等の用途に活用されている(特許文献1~5)。農業分野においても、赤外光や紫外光を光合成に適する可視光へと変換する素子として検討されており、最近では肥料として用いる研究事例も報告されている。カーボン量子ドットはまた、殺菌剤等の農薬や、亜鉛、銅、鉄等のミネラル成分、組み換え用遺伝子等のキャリアーとしても検討されている。さらにはその蛍光特性故、植物体中からの蛍光等の状態を都度観測し、それを基に適切な育成環境を整備する新規栽培方法に使用し得る、有力な候補材料とも考えられている(非特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
再公表WO2016/129441号公報
特開2017-43539号公報
特開2017-165633号公報
特表2017-538041号公報
特開2021-111574号公報
【非特許文献】
【0006】
L. Zhu, et al.,Plants,2022年,11,511
J. Peralta-Videa, et al.,Processes,2020年,8,445
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、こうしたナノ炭素材料の農業への応用は検討の初期段階にあり、報告事例を見ても、効果や再現性が十分に確認されているとは言い難いものがある。例えば非特許文献2には、カーボン量子ドットを肥料として収穫量が増大したとの研究事例と共に、全生体重量が減少した事例も記載されている。報告事例の多くは研究室内での短期間の検討に基づくものであり、どのような種類のナノ炭素材料が実際に肥料として有用かは、未だ模索中の段階にある。生体中に取り込まれたカーボン量子ドットの蛍光なども、菌類等の生物について顕微鏡下で観察された段階に止まり、栽培植物中での蛍光が目視で観察される事例までは、報告されていない様子である。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決すべく、栽培植物に取り込まれてその成長を促進し、かつ光照射によって当該栽培植物体中から蛍光を発し得る肥料組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、そうした肥料組成物を栽培植物に供給してその成長を促進し、さらには蛍光状態に基づいて栽培環境を制御し、植物を効率的に栽培する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、ナノ炭素材料として窒素含有酸化カーボン量子ドットを用い、これを特定量のリン化合物及びカリウム塩と組み合わせることで、栽培植物の育成に有用な肥料組成物が得られることを見出した。本発明者らはまた、これら肥料組成物により栽培・育成された植物は、生体内にカーボン量子ドットを取り込み、その結果、光照射によって蛍光を発することを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、以下の(1)~(8)を提供する。
(1)窒素含有酸化カーボン量子ドット 100質量部、
リン化合物 0.1~1000質量部、及び
カリウム塩 0.1~100質量部
を含有する肥料組成物。
(2)前記窒素含有酸化カーボン量子ドットが、含窒素官能基及びカルボニル基を有するグラフェン系量子ドットである、上記(1)の肥料組成物。
(3)前記窒素含有酸化カーボン量子ドット100質量部中に含まれる窒素原子の量が、0.1~60質量部である、上記(1)又は(2)の肥料組成物。
(4)前記窒素含有酸化カーボン量子ドット100質量部中に含まれる酸素原子の量が、0.1~60質量部である、上記(1)~(3)のいずれかの肥料組成物。
(5)前記リン化合物が、リン酸の誘導体である、上記(1)~(4)のいずれかの肥料組成物。
(6)上記(1)~(5)のいずれかの肥料組成物を、0.001~90質量%の固形分濃度で含有する、水性肥料。
(7)上記(1)~(5)のいずれかの肥料組成物を、植物及び/又は培地に供給する工程を備える、栽培方法。
(8)上記(1)~(5)のいずれかの肥料組成物を、植物及び/又は培地に供給する工程、及び
前記植物に波長200~900nmの光を照射し、その際の該植物の発光状態に基づいて栽培環境を制御する工程
を備える、栽培方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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