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公開番号2024142390
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023054513
出願日2023-03-30
発明の名称液体肥料製造装置及び液体肥料製造方法
出願人三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社,築上町,国立大学法人九州大学
代理人個人,個人,個人
主分類C05G 5/20 20200101AFI20241003BHJP(肥料;肥料の製造)
要約【課題】電気透析部のイオン交換膜の洗浄時に発生する洗浄液を液体肥料の成分として利用することができる液体肥料製造装置及び液体肥料製造方法を提供することを主たる目的とする。
【解決手段】有機物の消化液を原料として、無機態窒素を含有する液体肥料を製造する液体肥料製造装置であって、被処理液を濃縮する電気透析部40と、電気透析部40のイオン交換膜を薬品洗浄する薬品洗浄機構43と、を有し、該イオン交換膜の閉塞時に、薬品洗浄機構43が硝酸を用いてイオン交換膜を薬品洗浄する、液体肥料製造装置。被処理液を濃縮する電気透析工程と、該電気透析工程のイオン交換膜の閉塞時に、硝酸を用いて該イオン交換膜を薬品洗浄する薬品洗浄工程とを有する、有機物の消化液を原料として、無機態窒素を含有する液体肥料を製造する液体肥料製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機物の消化液を原料として、無機態窒素を含有する液体肥料を製造する液体肥料製造装置であって、
被処理液を濃縮する電気透析部と、
該電気透析部のイオン交換膜を薬品洗浄する薬品洗浄機構と、を有し、
該イオン交換膜の閉塞時に、該薬品洗浄機構が硝酸を用いてイオン交換膜を薬品洗浄する、液体肥料製造装置。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記薬品洗浄で発生した洗浄液を、前記電気透析部の前段に戻す機構を有する、請求項1に記載の液体肥料製造装置。
【請求項3】
前記薬品洗浄で発生した洗浄液を、前記電気透析部の電気透析濃縮液と配合する機構を有する、請求項1に記載の液体肥料製造装置。
【請求項4】
前記薬品洗浄で発生した洗浄液を、液体肥料の成分として利用する、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体肥料製造装置。
【請求項5】
前記薬品洗浄で発生した洗浄液を、外部に排出しない、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体肥料製造装置。
【請求項6】
有機物の消化液を原料として、無機態窒素を含有する液体肥料を製造する液体肥料製造方法であって、
下記工程(1)及び(2)を有する、液体肥料製造方法;
工程(1):被処理液を濃縮する電気透析工程、
工程(2):該電気透析工程のイオン交換膜の閉塞時に、硝酸を用いて該イオン交換膜を薬品洗浄する薬品洗浄工程。
【請求項7】
前記薬品洗浄工程で発生した洗浄液を、前記電気透析工程の前段に戻す工程を有する、請求項6に記載の液体肥料製造方法。
【請求項8】
前記薬品洗浄工程で発生した洗浄液を、前記電気透析工程の電気透析濃縮液と配合する工程を有する、請求項6に記載の液体肥料製造方法。
【請求項9】
前記薬品洗浄工程で発生した洗浄液を、液体肥料の成分として利用する、請求項6~8のいずれか一項に記載の液体肥料製造方法。
【請求項10】
前記薬品洗浄工程で発生した洗浄液を、外部に排出しない、請求項6~8のいずれか一項に記載の液体肥料製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体肥料製造装置及び液体肥料製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
液体肥料は穀物、野菜、果物、花卉等、様々な種類の植物の生育に有用である。液体肥料は無機態窒素を含有しており、無機態窒素は、(1)アンモニア態窒素、(2)硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素に大別される。
液体肥料の製造において肥料成分(窒素、リン酸、カリウム)を濃縮するために電気透析処理を行う工程がある場合、特に、有機物の消化液を原料として用いる液体肥料の製造において電気透析処理を行う工程がある場合、イオン交換膜付近で溶解度積以上の濃縮がかかると無機成分の析出が生じる。
例えば、消化液中にリン酸とカルシウムが含まれている場合、リン酸カルシウムが析出して、イオン交換膜を閉塞させる。
【0003】
イオン交換膜の閉塞時には、酸性薬剤を用いてイオン交換膜を洗浄することが一般的である。酸性薬剤としては、コスト的なメリットから塩酸を用いることが一般的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イオン交換膜の洗浄に塩酸を用いることは従来から実施されてきた。
洗浄作業で発生する洗浄液は塩酸を含み、酸性であることから、そのまま公共用水域へ放流することができない。
放流するためには、pHの中和作業が必要であり、中和処理するために作業やコストが発生することは、液体肥料の生産性の向上を考えるうえで、不利になるという課題があった。
また、中和処理後に放流すると、洗浄液に含まれる肥料成分のリン酸も放流することになり、原料中に含まれる肥料成分の一部が液体肥料として利用されないという課題があった。
【0005】
本発明の主たる目的は、電気透析部のイオン交換膜の洗浄時に発生する洗浄液を液体肥料の成分として利用することができる液体肥料製造装置及び液体肥料製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題の解決について鋭意検討した結果、イオン交換膜の閉塞時に用いる酸性薬剤として硝酸を使用し、硝酸を含む洗浄液を液体肥料の成分として利用することで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
【0007】
即ち、本発明は以下の特徴を有する。
[1]有機物の消化液を原料として、無機態窒素を含有する液体肥料を製造する液体肥料製造装置であって、
被処理液を濃縮する電気透析部と、
該電気透析部のイオン交換膜を薬品洗浄する薬品洗浄機構と、を有し、
該イオン交換膜の閉塞時に、該薬品洗浄機構が硝酸を用いてイオン交換膜を薬品洗浄する、液体肥料製造装置。
[2]前記薬品洗浄で発生した洗浄液を、前記電気透析部の前段に戻す機構を有する、[1]に記載の液体肥料製造装置。
[3]前記薬品洗浄で発生した洗浄液を、前記電気透析部の電気透析濃縮液と配合する機構を有する、[1]又は[2]に記載の液体肥料製造装置。
[4]前記薬品洗浄で発生した洗浄液を、液体肥料の成分として利用する、[1]~[3]のいずれかに記載の液体肥料製造装置。
[5]前記薬品洗浄で発生した洗浄液を、外部に排出しない、[1]~[3]のいずれかに記載の液体肥料製造装置。
[6]有機物の消化液を原料として、無機態窒素を含有する液体肥料を製造する液体肥料製造方法であって、
下記工程(1)及び(2)を有する、液体肥料製造方法;
工程(1):被処理液を濃縮する電気透析工程、
工程(2):該電気透析工程のイオン交換膜の閉塞時に、硝酸を用いて該イオン交換膜を薬品洗浄する薬品洗浄工程。
[7]前記薬品洗浄工程で発生した洗浄液を、前記電気透析工程の前段に戻す工程を有する、[6]に記載の液体肥料製造方法。
[8]前記薬品洗浄工程で発生した洗浄液を、前記電気透析工程の電気透析濃縮液と配合する工程を有する、[6]又は[7]に記載の液体肥料製造方法。
[9]前記薬品洗浄工程で発生した洗浄液を、液体肥料の成分として利用する、[6]~[8]のいずれかに記載の液体肥料製造方法。
[10]前記薬品洗浄工程で発生した洗浄液を、外部に排出しない、[6]~[8]のいずれかに記載の液体肥料製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造装置によれば、電気透析部のイオン交換膜の洗浄時に発生する洗浄液を液体肥料の成分として利用することができる。
本発明の製造方法によれば、電気透析部のイオン交換膜の洗浄時に発生する洗浄液の処理に煩わされることがなく、また、その洗浄液を液体肥料の成分として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の液体肥料製造装置の一形態例を示した図である。
本発明の液体肥料製造装置の運転例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の実施の形態は本発明を説明するための単なる例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。
本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。また、使用する図面は実施の形態の一例を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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