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公開番号
2024180106
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023099560
出願日
2023-06-16
発明の名称
アントラセン誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置
出願人
日本放送協会
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07D
235/18 20060101AFI20241219BHJP(有機化学)
要約
【課題】電子親和力が大きく、発光特性に優れたアントラセン誘導体を提供する。
【解決手段】下記一般式(1):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024180106000017.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">62</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">135</com:WidthMeasure> </com:Image>
[式(1)中、X及びYは、水素、又はシアノ基等であり、但し、Xの少なくとも2つはシアノ基で、且つYのいずれか1つはシアノ基であり、Rは、水素、又は炭素数1~10のアルキル基等である。]で表されることを特徴とする、アントラセン誘導体である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1):
TIFF
2024180106000016.tif
61
136
[一般式(1)中、X及びYは、それぞれ独立して水素、又はシアノ基、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルキルチオ基、炭素数1~10のアルキルアミノ基、炭素数2~10のアシル基、炭素数7~20のアラルキル基、置換若しくは未置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、及び置換若しくは未置換の炭素数3~30の芳香族6員複素環基からなる群から選択される1価の置換基であり、隣接する置換基が一体となって環を形成してもよく、但し、Xの少なくとも2つはシアノ基で、且つYのいずれか1つはシアノ基であり、
Rは、それぞれ独立して水素、又は炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルキルチオ基、炭素数1~10のアルキルアミノ基、炭素数2~10のアシル基、炭素数7~20のアラルキル基、置換若しくは未置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、及び置換若しくは未置換の炭素数3~30の芳香族6員複素環基からなる群から選択される1価の置換基であり、隣接する置換基が一体となって環を形成してもよい。]で表されることを特徴とする、アントラセン誘導体。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
陽極と、発光層と、陰極と、をこの順に具える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記発光層が、請求項1に記載のアントラセン誘導体を含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記発光層が、更に、前記アントラセン誘導体よりもイオン化エネルギーが小さい材料を含む、請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
前記陽極と前記発光層との間に、更に正孔輸送層を具え、
前記正孔輸送層が、前記アントラセン誘導体よりもイオン化エネルギーが小さい材料を含む、請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具えることを特徴とする、表示装置。
【請求項6】
請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具えることを特徴とする、照明装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アントラセン誘導体、有機エレクトロルミネッセンス(以下、エレクトロルミネッセンス(電界発光)を「EL」と記す場合がある。)素子、表示装置、及び照明装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
アントラセン誘導体、テトラセン誘導体等の縮合環化合物は、その電子的特性から機能性電子素子素材として注目されている。該縮合環化合物は、高い発光の量子収率を示すため、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層材料として広く使われている(例えば、非特許文献1~3参照)。
【0003】
また、上記の縮合環化合物は、三重項-三重項消滅を利用することで、電流励起により生成する三重項励起状態も、一重項励起状態からの発光として取り出すことができる(例えば、非特許文献3及び4参照)。
【0004】
この特長を利用して、近年、有機エレクトロルミネッセンス素子を低い印加電圧で発光させる取り組みが精力的に行われている。例えば、テトラセン誘導体であるルブレンをドナーに用い、アクセプターとして電子親和力が大きいフラーレンを用いて、その界面で形成される励起錯体(エキサイプレックス)のエネルギーを、三重項-三重項消滅を経て、有機エレクトロルミネッセンス素子において、ルブレンの一重項励起状態の発光として取り出せることが報告されている(例えば、非特許文献3及び5参照)。
【0005】
このルブレンとアクセプターを組み合わせた有機エレクトロルミネッセンス素子においては、ルブレンの最高占有軌道(HOMO)のエネルギーであるイオン化ポテンシャルと、アクセプターであるフラーレンの最低非占有軌道(LUMO)のエネルギー差が小さく、その小さいエネルギー差で励起状態を形成できるため、低い印加電圧で発光に寄与する励起状態を生成させることができる。一般的な有機エレクトロルミネッセンス素子では、一つの分子で電荷を再結合させるため、発光に寄与する励起状態を生成させるためにはバンドギャップのエネルギーに相当する印加電圧が必要であるが、ルブレンとアクセプターの励起錯体を利用した有機エレクトロルミネッセンス素子では、より低電圧で発光が得られる(例えば、非特許文献1~3及び5参照)。
【0006】
しかしながら、三重項-三重項消滅が起こる材料として、ルブレン等のテトラセン誘導体を用いた場合、材料のピーク波長が550nm以上となるため、橙色や赤色の発光しか得ることができない。青色や緑色の発光を得るためには、アントラセン誘導体など、より発光波長が短い縮合環化合物が必要となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Xiangyang Tang, Qing Bai, Tong Shan, Jinyu Li, Yu Gao, Futong Liu, Hui Liu, Qiming Peng, Bing Yang, Feng Li, and Ping Lu,Advanced Functional Materials,28:1705813,DOI:10.1002/adfm.201705813
Futong Liu,外8名,「Journal of Materials Chemistry C」,第7巻,2019年,p14881,DOI:10.1039/c9tc05040j
Sebastian Engmann,外5名,「Nature Communications」,第10巻,2019年,p227,doi.org/10.1038/s41467-018-08075-z
Youn Jue Bae,外9名,「Journal of the American chemical society」,2018年,第140巻,p15140,DOI:10.1021/jacs.8b07498
Seiichiro Izawa,外3名,DOI:10.26434/chemrxiv.14685417.v1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記非特許文献1及び2においては、シアノ基やトリフェニルトリアジン基といった、アクセプター性の置換基をアントラセン誘導体に導入することで、電子親和力が比較的大きいアントラセン誘導体が実現できている。これらアントラセン誘導体とドナー性材料との間で形成される励起錯体を利用することで、低電圧で駆動する青色や緑色の有機エレクトロルミネッセンス素子を実現できる可能性がある。しかしながら、さらなる低電圧化に向けては、電子親和力がより大きいアントラセン誘導体が必要である。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電子親和力が大きく、発光特性に優れたアントラセン誘導体を提供することを課題とする。
また、本発明は、かかるアントラセン誘導体を用いた、駆動電圧が低い有機EL素子、表示装置及び照明装置を提供することを更なる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、電子親和力が大きく、発光特性に優れたアントラセン誘導体について種々検討したところ、フタロニトリル部位(2つ以上のシアノ基を有する)と、シアノフェニル基とフェニル基を有するベンゾイミダゾール部位と、をアントラセン環に繋げることにより、上記課題をみごとに解決できることに想到し、本発明に到達したものである。
即ち、上記課題を解決する本発明のアントラセン誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置の要旨構成は、以下の通りである。
(【0011】以降は省略されています)
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