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公開番号
2025015038
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023118100
出願日
2023-07-20
発明の名称
水溶性有機酸、水溶性窒素または水溶性リン酸を含むスラリー状有機廃棄物を活用した肥料およびその製造方法
出願人
パネフリ工業株式会社
代理人
弁理士法人 井手・小野国際特許事務所
主分類
C05G
1/00 20060101AFI20250123BHJP(肥料;肥料の製造)
要約
【課題】極めて腐敗しやすい高含水のスラリー状有機廃棄物の腐敗を防ぎつつ、植物に有用な固体肥料を提供する。
【解決手段】水溶性有機酸、水溶性窒素及び水溶性リン酸よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含むスラリー状有機廃棄物に、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛及び硫酸アンモニウムよりなる群から選ばれる1種または2種以上の硫酸塩を添加した後、半水石膏を加えて固化させることにより得られる肥料及びその製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
水溶性有機酸、水溶性窒素及び水溶性リン酸よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含むスラリー状有機廃棄物に、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛及び硫酸アンモニウムよりなる群から選ばれる1種または2種以上の硫酸塩を添加した後、半水石膏を加えて固化させることにより得られる肥料。
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【請求項2】
水溶性有機酸、水溶性窒素及び水溶性リン酸よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含むスラリー状有機廃棄物100質量部に対し半水石膏を50質量部以上500質量部未満添加するものである請求項1記載の肥料。
【請求項3】
スラリー状有機廃棄物に含まれる水溶性有機酸、水溶性窒素及び水溶性リン酸の総含有質量に対して、硫酸塩中の硫酸イオンの総含有質量が0.1倍以上50倍未満となるように硫酸塩を添加するものである請求項1または2記載の肥料。
【請求項4】
水溶性有機酸、水溶性窒素及び水溶性リン酸よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含むスラリー状有機廃棄物が、蒸留酒の発酵蒸留残渣である請求項1または2記載の肥料。
【請求項5】
水溶性有機酸、水溶性窒素及び水溶性リン酸よりなる群から選ばれる1種または2種以上を含むスラリー状有機廃棄物に、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸亜鉛及び硫酸アンモニウムよりなる群から選ばれる1種または2種以上の硫酸塩を添加した後、半水石膏を加えて固化させる工程を含む肥料の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分が多く腐敗しやすいスラリー状有機廃棄物を活用した肥料とその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
食品工場や畜舎などから排出される有機廃棄物は一般的に栄養価が高く、糖や有機酸、タンパク質やアミノ酸などの窒素分、リン、カリウムやミネラル分などが豊富に含まれている。そこで小規模な工場および畜産事業所などでは、近隣の農家がこれを一部引き取り、肥料としてそのまま圃場に散布したり、堆肥の発酵助剤として活用されている。しかし極めて腐敗しやすいため、そのほとんどは利用されずに産業廃棄物として速やかに廃棄されている。
【0003】
産業廃棄物として廃棄する場合、一般的にこれらの有機廃棄物は80%以上の水分を含んだ糊状、かゆ状のスラリーと呼ばれる高粘度懸濁液であり、BOD(生物化学的酸素消費量)、SS(懸濁物質量)の値が大きいため、そのまま環境中に廃棄することは難しい。そこで、まずは固液分離した後、液体画分は活性汚泥、発酵などを活用した生物的処理を要し、固体成分は燃焼処理が必要であった。
【0004】
一方、昨今の肥料原料の枯渇、価格高騰、エネルギー節減の流れを受け、これらの有機廃棄物を肥料資源として積極的に活用することが推奨されており、固液分離した固体画分を他の資材と混合して発酵熟成することで汚泥肥料や堆肥として活用するなどの試みがなされているが、スラリー状の有機廃棄物の場合は、他の資材に配合する場合においても含まれている水分を考慮すると大量に添加することが難しく、現在においても直接活用する方法は実用化に至っていない。
【0005】
すなわち、極めて腐敗しやすい高含水のスラリー状有機廃棄物を速やかに腐敗しにくい状態の肥料へと変換することのできる技術が社会的に望まれている。
【0006】
この要望に対して、例えば、発酵廃液に生石灰を添加し、その吸水反応および反応熱で水分を除去するという方法がある(特許文献1)。しかし、この方法では製造の際にかなりの発熱があり、混合作業に危険を伴うという問題がある。
【0007】
また、半水石膏が水和によって固化することに着目し、水分を含む糞尿等など有機物から固液分離手段などの手法によって分離された液類の発酵に伴う消化液に対して半水石膏を添加して固形化して肥料化するという技術が開示されている(特許文献2)。
【0008】
これも、水分を含む糞尿等から消化液を得るために、固液分離などの工程が必要となることから、製造コストがより多くかかってしまうという問題がある。
【0009】
そこで、発明者らは大量に水分を含みスラリー状になっている有機性廃棄物に半水石膏を加えて固化させようとしたところ、上記有機性廃棄物に水溶性有機酸、水溶性窒素、水溶性リン酸が多く含まれている場合、これらが強力な固化阻害を引き起こし、半水石膏の固化時間が著しく長くなる場合があった。通常、食品由来の廃棄物は排出されてから常温で1日以上放置すれば腐敗し始めるため、固化するまでの時間が長くなると細菌やカビ、悪臭が発生し、肥料化することができなかった。
【0010】
特許文献3にも、リン安(リン酸水素二アンモニウム)や硝安(硝酸アンモニウム)など水溶性リン酸や水溶性窒素を半水石膏で固化しようとしても、これらが強力な硬化遅延剤として作用するために硬化に極めて長時間を要したり、固形化できないことが示されており、これに対し、リン安および硝安をあらかじめ粘土と混和してペレット化し、半水石膏との接触を抑制することで固形肥料化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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