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公開番号
2025036307
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2024146561
出願日
2024-08-28
発明の名称
肥料及びその製造方法
出願人
三洋化成工業株式会社
,
学校法人 龍谷大学
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
C05B
1/00 20060101AFI20250306BHJP(肥料;肥料の製造)
要約
【課題】安全かつ簡便な方法で得られる肥料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】難溶性リン酸塩を含有する物質と、分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物とを含み、前記分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物に含まれるカルボキシ基及びカルボン酸塩基の合計量が5mmol/g以上である肥料。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
難溶性リン酸塩を含有する物質と、分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物とを含み、
前記分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物に含まれるカルボキシ基及びカルボン酸塩基の合計量が5mmol/g以上である肥料。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物が、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸塩由来の構成単位を含む重合体である請求項1に記載の肥料。
【請求項3】
さらに水を混合してなる請求項1又は2に記載の肥料。
【請求項4】
難溶性リン酸塩を含有する物質と、分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物とを含む成分を混合する工程1を含み、
前記分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物に含まれるカルボキシ基及びカルボン酸塩基の合計量が5mmol/g以上である肥料の製造方法。
【請求項5】
分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物が、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸塩由来の構成単位を含む重合体である請求項4に記載の肥料の製造方法。
【請求項6】
工程1において、前記成分にさらに水を添加して混合する請求項4又は5に記載の肥料の製造方法。
【請求項7】
工程1において、前記成分にさらに水を添加して混合することにより得られる混合物を10℃~80℃の温度条件で静置する工程を含む請求項6に記載の肥料の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥料及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
リンは、窒素及びカリウム等とならび植物の成長に必要な栄養素であり、これらの供給は 、多くの場合、農地に化学肥料等を施肥すること等により行われる。
近年、環境負荷の低減及びリン肥料の経済的な生産の観点から、汚泥焼却灰、汚泥、土壌(産廃土壌、施設園芸廃土等を含む)、製鋼スラグ、家畜の糞、及び、生ごみ等の廃棄物から水溶性のリン酸を回収し肥料として用いることが検討されている。
従来の技術によりリン酸を回収する際には、処理対象のpHを酸性又はアルカリ性にする工程が必要となることがある(特許文献1の[0003]を参照)。前記のような工程において用いる装置は腐食しやすく、前記のような工程を含む方法では、リン酸回収業務に携わる人の安全性が懸念される。
さらに、pHが酸性又はアルカリ性になった処理対象は、そのままの状態で環境に放出することができないため、pHが酸性又はアルカリ性になった処理対象を中性にする処理も必要であり、リン酸を回収する技術においては、簡便化において改善が求められており、検討がなされている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5664995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の方法によれば、重金属を含む焼却汚泥の水懸濁液に二酸化炭素を吹き込み、次いで固液分離し、ろ液を回収することによりリン酸を回収することができる。よって特許文献1に記載の方法によれば、従来の技術よりも簡便な方法によりリン酸を回収することができる。
しかしながら、この方法では、焼却汚泥の水懸濁液を調製する作業及び二酸化炭素を吹き込む作業、及び固液分離する作業等が必要であり、簡便化においては改善の余地があった。
本発明の課題は、従来よりも安全かつ簡便な方法で得られる肥料及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、以下の通りである。
[1]難溶性リン酸塩を含有する物質と、分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物とを含み、前記分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物に含まれるカルボキシ基及びカルボン酸塩基の合計量が5mmol/g以上である肥料。
[2]分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物が、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸塩由来の構成単位を含む重合体である[1]に記載の肥料。
[3]さらに水を混合してなる[1]又は[2]に記載の肥料。
[4]難溶性リン酸塩を含有する物質と、分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物とを含む成分を混合する工程1を含み、前記分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物に含まれるカルボキシ基及びカルボン酸塩基の合計量が5mmol/g以上である肥料の製造方法。
[5]分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物が、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸塩由来の構成単位を含む重合体である[4]に記載の肥料の製造方法。
[6]工程1において、前記成分にさらに水を添加して混合する[4]又は[5]に記載の肥料の製造方法。
[7]工程1において、前記成分にさらに水を添加して混合することにより得られる混合物を10℃~80℃の温度条件で静置する工程を含む[6]に記載の肥料の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、安全かつ簡便な方法により得られる肥料及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<肥料>
本発明の肥料は、難溶性リン酸塩を含有する物質と、分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物とを含み、前記分子内にカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基を有する高分子化合物に含まれるカルボキシ基及びカルボン酸塩基の合計量が5mmol/g以上である。
本明細書においてカルボキシ基及び/又はカルボン酸塩基は、「カルボン酸(塩)基」とも記載する。
【0008】
本発明において、難溶性リン酸塩を含有する物質は、難溶性のリン酸塩を含有していれば特に限定はない。難溶性リン酸塩を含有する物質としては、例えば、リン酸アルミニウム、リン酸鉄(III)二水和物及びリン酸三カルシウム等のリン酸化合物;土壌、米ぬか、もみ殻、もみ殻炭化物、家畜の糞(牛の糞、豚の糞、鶏の糞)、家畜の糞の炭化物、汚泥、汚泥焼却灰、製鋼スラグ及び生ごみ等の資源等が挙げられる。
【0009】
本発明において、「難溶性リン酸塩」とは、水溶性リン酸塩以外のすべてのリン酸塩」をいう。本発明において、「水溶性リン酸塩」とは「25℃の水に溶けているリン酸塩」をいう。
本発明において「25℃の水に溶けている」とは「25℃の1000gの水に、0.1mg以上溶解する」ことを意味する。
【0010】
本発明において、分子内にカルボン酸(塩)基を有する高分子化合物は、カルボキシ基及びカルボン酸塩基の合計量が5mmol/g以上である。前記化合物におけるカルボキシ基及びカルボン酸塩基の合計量が5mmol/g以上であることにより、難溶性リン酸塩を含有する物質中の難溶性リン酸塩を可溶化する作用が充分に発現する。カルボン酸(塩)基を有している高分子化合物であっても、カルボキシ基及びカルボン酸塩基の合計量が5mmol/g未満である化合物を用いると、難溶性リン酸塩を含有する物質中の難溶性リン酸塩を可溶化する作用が充分に発現しない。
難溶性リン酸塩を含有する物質中の難溶性リン酸塩を可溶化する作用に優れるという観点から、分子内にカルボン酸(塩)基を有する高分子化合物としては、カルボキシ基及びカルボン酸塩基の合計量が9mmol/g以上のものが好ましく、10mmol/g以上のものがより好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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