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公開番号2024111707
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-19
出願番号2023016360
出願日2023-02-06
発明の名称被覆肥料、肥料被覆用材料、および被覆肥料の製造方法
出願人住友ベークライト株式会社
代理人個人
主分類C05G 5/30 20200101AFI20240809BHJP(肥料;肥料の製造)
要約【課題】海水分解性に優れた被覆肥料を提供する。
【解決手段】本発明の被覆肥料は、粒状肥料と、粒状肥料の表面を被覆する被覆層と、を備え、被覆層が、イオン架橋型吸水性ポリマーを含むものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
粒状肥料と、
前記粒状肥料の表面を被覆する被覆層と、を備え、
前記被覆層が、イオン架橋型吸水性ポリマーを含む、被覆肥料。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載の被覆肥料であって、
前記イオン架橋型吸水性ポリマーが、下記の(A)~(D)の中から少なくとも2以上を含むポリマー塩として、下記の(i)~(vi)の少なくとも一つ以上を含む、被覆肥料。
(i)(A)および(C)、
(ii)(A)、(C)および(D)
(iii)(A)、(B)、および(C)
(iv)(A)および(B)
(v)(B)および(D)
(vi)(A)、(B)、(C)および(D)
(A)1価または2価以上のアニオン性基を有するポリアニオン
(B)1価または2価以上のカチオン性基を有するポリカチオン
(C)2価以上のカチオンを有する多価無機カチオン
(D)1価または2価以上のアニオン性基を有するアニオンモノマー
【請求項3】
請求項2に記載の被覆肥料であって、
前記イオン架橋型吸水性ポリマーが、(A)1価または2価以上のアニオン性基を有するポリアニオンおよび(D)1価または2価以上のアニオンを有するアニオンモノマーの少なくとも一方を含むポリマー塩であり、
前記(A)1価または2価以上のアニオン性基を有するポリアニオンは、カルボン酸、スルホン酸、およびリン酸の少なくとも一つ以上を分子中に含む多糖、および前記多糖を含む複合糖質からなる群から選ばれる一または二以上のポリアニオンA1を含み、
(D)1価または2価以上のアニオン性基を有するアニオンモノマーは、1個または2個以上のカルボキシル基を有するアニオンモノマーを含む、
被覆肥料。
【請求項4】
請求項3に記載の被覆肥料であって、
前記多糖および前記複合糖質が、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、カラギナン、ホモガラクツロナン、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、およびコンドロイチン硫酸からなる群から選ばれる一または二以上を含む、被覆肥料。
【請求項5】
請求項3に記載の被覆肥料であって、
前記(A)1価または2価以上のアニオン性基を有するポリアニオンが、リグニンスルホン酸、およびポリグルタミン酸からなる群から選ばれる一又は二以上のポリアニオンA2を含む、被覆肥料。
【請求項6】
請求項2に記載の被覆肥料であって、
前記(C)2価以上のカチオンを有する多価無機カチオンは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンからなる群から選ばれる一または二以上を含む、被覆肥料。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の被覆肥料であって、
前記被覆層が、充填剤を含む、被覆肥料。
【請求項8】
粒状肥料の表面にイオン架橋型吸水性ポリマーを含む被覆層を形成するために用いる肥料被覆用材料であって、
イオン架橋剤とイオン架橋を形成可能なイオン架橋性ポリマーを少なくとも含む、肥料被覆用材料。
【請求項9】
請求項8に記載の肥料被覆用材料であって、
前記イオン架橋性ポリマーを含む第1容器と、
前記イオン架橋剤を含む第2容器と、を備え、
前記イオン架橋性ポリマーが、(A)1価または2価以上のアニオン性基を有するポリアニオンおよび(B)1価または2価以上のカチオン性基を有するポリカチオンの少なくとも一方を含み、
前記イオン架橋剤が、(C)2価以上のカチオンを有する多価無機カチオンおよび(D)1価または2価以上のアニオン性基を有するアニオンモノマーの少なくとも一方を含む(ただし、前記イオン架橋性ポリマーおよび前記イオン架橋剤の一方にアニオンを他方にカチオンを少なくとも含む。)、肥料被覆用材料。
【請求項10】
イオン架橋性ポリマーと、イオン架橋剤と、を反応させ、粒状肥料の表面にイオン架橋型吸水性ポリマーを含む被覆層を形成する被覆工程を含む、被覆肥料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆肥料、肥料被覆用材料、および被覆肥料の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
これまで肥料被覆技術について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、粒状尿素と、粒状尿素表面を被覆するタルク被膜とを有する、被覆粒状尿素が記載されている(特許文献1の請求項1、実施例等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-007167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の被覆肥料において、海水分解性の点で改善の余地があることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
肥料被覆材料として、上記特許文献1では、無機化合物のタルクが使用されており、市販品では、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂等が使用されている。これらの肥料被覆材料は、非分解性材料であるため、土壌に残留することがある。さらに、土壌に残留した残留物は、マイクロプラスチックとして、水の循環により川や海に流出してしまう恐れがある。
【0006】
本発明者はさらに検討したところ、肥料被覆材料として、イオン架橋材料を使用することにより、その海水分解性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の一態様によれば、以下の被覆肥料、肥料被覆用材料、および被覆肥料の製造方法が提供される。
1. 粒状肥料と、
前記粒状肥料の表面を被覆する被覆層と、を備え、
前記被覆層が、イオン架橋型吸水性ポリマーを含む、被覆肥料。
2. 1.に記載の被覆肥料であって、
前記イオン架橋型吸水性ポリマーが、下記の(A)~(D)の中から少なくとも2以上を含むポリマー塩として、下記の(i)~(vi)の少なくとも一つ以上を含む、被覆肥料。
(i)(A)および(C)、
(ii)(A)、(C)および(D)
(iii)(A)、(B)、および(C)
(iv)(A)および(B)
(v)(B)および(D)
(vi)(A)、(B)、(C)および(D)
(A)1価または2価以上のアニオン性基を有するポリアニオン
(B)1価または2価以上のカチオン性基を有するポリカチオン
(C)2価以上のカチオンを有する多価無機カチオン
(D)1価または2価以上のアニオン性基を有するアニオンモノマー
3. 1.又は2.に記載の被覆肥料であって、
前記イオン架橋型吸水性ポリマーが、(A)1価または2価以上のアニオン性基を有するポリアニオンおよび(D)1価または2価以上のアニオンを有するアニオンモノマーの少なくとも一方を含むポリマー塩であり、
前記(A)1価または2価以上のアニオン性基を有するポリアニオンは、カルボン酸、スルホン酸、およびリン酸の少なくとも一つ以上を分子中に含む多糖、および前記多糖を含む複合糖質からなる群から選ばれる一または二以上のポリアニオンA1を含み、
(D)1価または2価以上のアニオン性基を有するアニオンモノマーは、1個または2個以上のカルボキシル基を有するアニオンモノマーを含む、
被覆肥料。
4. 3.に記載の被覆肥料であって、
前記多糖および前記複合糖質が、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、カラギナン、ホモガラクツロナン、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、およびコンドロイチン硫酸からなる群から選ばれる一または二以上を含む、被覆肥料。
5. 3.又は4.に記載の被覆肥料であって、
前記(A)1価または2価以上のアニオン性基を有するポリアニオンが、リグニンスルホン酸、およびポリグルタミン酸からなる群から選ばれる一又は二以上のポリアニオンA2を含む、被覆肥料。
6. 2.~5.のいずれか一つに記載の被覆肥料であって、
前記(C)2価以上のカチオンを有する多価無機カチオンは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンからなる群から選ばれる一または二以上を含む、被覆肥料。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の被覆肥料であって、
前記被覆層が、充填剤を含む、被覆肥料。
8. 粒状肥料の表面にイオン架橋型吸水性ポリマーを含む被覆層を形成するために用いる肥料被覆用材料であって、
イオン架橋剤とイオン架橋を形成可能なイオン架橋性ポリマーを少なくとも含む、肥料被覆用材料。
9. 8.に記載の肥料被覆用材料であって、
前記イオン架橋性ポリマーを含む第1容器と、
前記イオン架橋剤を含む第2容器と、を備え、
前記イオン架橋性ポリマーが、(A)1価または2価以上のアニオン性基を有するポリアニオンおよび(B)1価または2価以上のカチオン性基を有するポリカチオンの少なくとも一方を含み、
前記イオン架橋剤が、(C)2価以上のカチオンを有する多価無機カチオンおよび(D)1価または2価以上のアニオン性基を有するアニオンモノマーの少なくとも一方を含む(ただし、前記イオン架橋性ポリマーおよび前記イオン架橋剤の一方にアニオンを他方にカチオンを少なくとも含む。)、肥料被覆用材料。
10. イオン架橋性ポリマーと、イオン架橋剤と、を反応させ、粒状肥料の表面にイオン架橋型吸水性ポリマーを含む被覆層を形成する被覆工程を含む、被覆肥料の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、海水分解性に優れた被覆肥料、それに用いる肥料被覆用材料、および被覆肥料の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態の被覆肥料について説明する。
【0010】
本実施形態の被覆肥料は、粒状肥料と、粒状肥料の表面を被覆する被覆層と、を備えるものであり、被覆層が、イオン架橋型吸水性ポリマーを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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