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公開番号2024141512
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053207
出願日2023-03-29
発明の名称保持パッド及びその製造方法
出願人富士紡ホールディングス株式会社
代理人個人
主分類B24B 37/30 20120101AFI20241003BHJP(研削;研磨)
要約【課題】
本発明は、耐薬品性があり、被研磨物を保持するための保持層を備える保持パッドとして保持面に様々な凹凸構造を付与可能な保持パッドを提供する。
【解決手段】
被研磨物を保持するための保持層を備え、前記保持層は光硬化性樹脂で構成される、保持パッド。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被研磨物を保持する保持層を備える保持パッドであって、
前記保持層は光硬化性樹脂で構成される、保持パッド。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記保持層の密度が0.5kg/m

以上、3.0kg/m

以下である、請求項1に記載の保持パッド。
【請求項3】
前記保持層のショアA硬度が60以上、90以下である、請求項1に記載の保持パッド。
【請求項4】
前記保持層の圧縮率が0.1%以上、10%以下である、請求項1に記載の保持パッド。
【請求項5】
前記保持層の圧縮弾性率が60%以上、90%以下である、請求項1に記載の保持パッド。
【請求項6】
前記保持層は保持面を一体として備え、前記光硬化性樹脂が紫外線硬化樹脂である、請求項1に記載の保持パッド。
【請求項7】
前記光硬化性樹脂がアクリル樹脂である、請求項1に記載の保持パッド。
【請求項8】
前記保持面は凹部又は凸部が形成されており、凹部又は凸部の高さの平均が0.3mm以上、1.5mm以下である、請求項1に記載の保持パッド。
【請求項9】
請求項1に記載の保持パッドの前記保持面において外周部に枠状部材をさらに備え、前記枠状部材はガラエポ又はSUSで構成されている、保持具。
【請求項10】
請求項1に記載の保持パッドの前記保持面において、前記枠状部材を備える部分に凹部又は凸部が形成されている、請求項9に記載の保持具。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の研磨パッドは、被研磨物を保持する保持パッドに関する。詳細には、本発明は、半導体ウエハ等を研磨する際に被研磨物を好適に保持することができる保持パッド及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板、シリコーンウエハ、サファイヤガラスの表面を平坦化するための研磨法として、化学機械研磨(chemical mechanical polishing,CMP)法が一般的に用いられている。
CMP法について、図1を用いて説明する。図1はCMP法を実施する研磨装置の断面図であり、研磨定盤4に備えられている研磨パッド3と、保持定盤2に備えられている保持パッド10とで被研磨物Wを挟み込み、押圧された状態で回転駆動され、被研磨物Wを研磨する。なお、保持パッド10は、枠状部材12を備え、研磨を効率よく実施できるようにしている。
研磨の際には、研磨パッド3と被研磨物Wとの間には、スラリーが供給される。スラリーは溝又は孔を介して研磨面に供給され、排出される。スラリーは、水と各種化学成分や硬質の微細な砥粒の混合物(分散液)であり、その中の化学成分や砥粒が流されながら、被研磨物Wとの相対運動により、研磨効果を増大させるものである(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
一般的な保持パッドは、湿式成膜によって作製されたスウェードが用いられるが、湿式成膜では、製造過程で大量の溶剤が使用される。また、スラリーが強酸性の研磨条件下では、保持パッドがスウェード等の素材では耐えられず、保持パッドのライフが短くなるという課題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-61524
特開平11-151665
特開平11-151666
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、耐薬品性があり、保持パッドとして保持面に様々な凹凸構造を付与可能であり、適切な吸着力を調整でき、被研磨物の剥離を容易にすることができる保持層を備える保持パッド及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、保持層の材料として、光硬化性樹脂を用いることで、耐薬品性があり、保持パッドとして保持面に様々な凹凸構造を付与可能な保持層を備える保持パッドを作製することができることを見出した。本発明は、以下を包含する。
[1] 被研磨物を保持するための保持層を備える保持パッドであって、前記保持層は光硬化性樹脂で構成される、保持パッド。
[2] 前記保持層の密度が0.5kg/m

以上、3.0kg/m

以下である、[1]に記載の保持パッド。
[3] 前記保持層のショアA硬度が60以上、90以下である、[1]に記載の保持パッド。
[4] 前記保持層の圧縮率が0.1%以上、10%以下である、[1]に記載の保持パッド。
[5] 前記保持層の圧縮弾性率が60%以上、90%以下である、[1]に記載の保持パッド。
[6] 前記保持層は保持面を一体として備え、前記光硬化性樹脂が紫外線硬化樹脂である、[1]に記載の保持パッド。
[7] 前記光硬化性樹脂がアクリル樹脂である、[1]に記載の保持パッド。
[8] 前記保持面は凹部又は凸部が形成されており、凹部又は凸部の高さの平均が0.3mm以上、1.5mm以下である、[1]に記載の保持パッド。
[9] [1]に記載の保持パッドの前記保持面において外周部に枠状部材をさらに備え、前記枠状部材はガラエポ又はSUSで構成されている、保持具。
[10] [1]に記載の保持パッドの前記保持面において、前記枠状部材を備える部分に凹部又は凸部が形成されている、[9]に記載の保持具。
[11] 被研磨物を保持するため保持層を備え、前記保持層は光硬化性樹脂で構成されている保持パッドの製造方法であって、
型を用意する工程と、
前記型に、光硬化性樹脂を配置する工程と、
凹凸構造を付与できるようなマスキングシートを光硬化性樹脂の上に配置する工程と、
前記マスキングシートの上から光を照射することにより、マスキングされていない光硬化性樹脂を硬化する工程と、
溶媒を用いて未硬化の光硬化性樹脂を洗い流すことにより、硬化済の光硬化性樹脂によって構成された保持層を得る工程とを含む、保持パッドの製造方法。
[12] 被研磨物を保持するための保持層を備え、前記保持層は光硬化性樹脂で構成されており、前記保持面と反対側に別部材として基材を備える、保持パッドの製造方法であって、
型を用意する工程と、
前記型に基材を備える工程と、
前記基材の上に、光硬化性樹脂を配置する工程と、
前記光硬化性樹脂に対して基材側から光を照射することにより、前記基材と前記光硬化性樹脂を接着させる工程と、
前記光硬化性樹脂に対して基材の反対側において、凹凸構造を付与できるようなマスキングシートを配置する工程と、
前記マスキングシートの上から光を照射することにより、マスキングされていない光硬化性樹脂を硬化する工程と、
溶媒を用いて未硬化の光硬化性樹脂を洗い流すことにより、基材が接着され、かつ硬化済の光硬化性樹脂によって構成された基材付保持層を得る工程とを含む、保持パッドの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
被研磨物を保持する保持層を備え、保持層は保持面を一体として備え、保持層は光硬化性樹脂で構成される保持パッドは、耐薬品性があり、保持層を備える保持パッドとして保持面に様々な凹凸構造を付与可能であり、適切な吸着力を調整でき、被研磨物の剥離を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、研磨の模式図である。
図2は、保持層11の保持面の拡大図であり、図2(a)は本発明の第一態様であり、図2(b)は本発明の第二態様である。
図3は、保持層11(第一態様)の保持面の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、発明を実施するための形態に限定されるものではない。
【0009】
<<保持パッド>>
保持パッド10は、図1に示すように、保持定盤2の下面に設けられ、研磨対象となる被研磨物Wを保持面110に吸着して保持する。また、保持パッド10と保持層11の保持面110の外周部に備えられた枠状部材12とにより保持具1が構成されている。
外周部とは、保持面が回転し、回転の中心に近い部分を内周部とした場合、保持面の、回転の中心から離れた周の内側部分を意味する。
保持パッド10は、保持層11の他に、基材、両面テープ(図示されていない)等を備えているが、保持層11のみで構成されていてもよい。
【0010】
(保持層)
保持層11は、光硬化性樹脂で構成されている。光硬化性樹脂は、光を加えることにより硬化する性質の樹脂である。光硬化性樹脂は、光が加えられた部分は硬化し、加えられていない部分は硬化しない。本明細書では、光が加えられず硬化していない光硬化性樹脂を未硬化の光硬化性樹脂とし、光が十分に加えられて硬化した光硬化性樹脂を硬化済の光硬化性樹脂という。
(【0011】以降は省略されています)

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