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公開番号2024157391
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-07
出願番号2023071728
出願日2023-04-25
発明の名称破損検出機構
出願人ファクトリーファイブ株式会社
代理人個人,個人
主分類B24B 49/12 20060101AFI20241030BHJP(研削;研磨)
要約【課題】従来と比べて検出能力を向上させる。
【解決手段】制御部と、発光部と、投光ファイバと、複数の光ファイバを有する受光ファイバ群と、検出部とを備えて構成される。投光ファイバの出射端と、受光ファイバ群の入射端は、回転ブレードを挟んで、対向する位置に配置されている。発光部は、検査光を出力し、投光ファイバは、発光部から出力される検査光を出射する。受光ファイバ群は、投光ファイバから出射された検査光を受光して、検出部に送る。制御部は、検出部から送られる検出信号に基づいて、回転ブレードの破損を検出する。受光ファイバ群は、第1ファイバ及び第2ファイバを備え、第1ファイバ及び第2ファイバの入射端は、回転ブレードの径方向に沿って配置され、第1ファイバが回転ブレードの外周側に配置され、第2ファイバが回転ブレードの中心側に配置される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ダイシング装置が備える、対向する第1主面及び第2主面を含み、かつ第1主面及び第2主面の平面形状が円形状の平板状体である回転ブレードの破損を検出する破損検出機構であって、
制御部と、発光部と、投光ファイバと、複数の光ファイバを有する受光ファイバ群と、検出部とを備え、
前記投光ファイバの出射端と、前記受光ファイバ群の入射端は、前記回転ブレードを挟んで、対向する位置に配置されており、
前記発光部は、検査光を出力し、
前記投光ファイバは、前記発光部から出力される前記検査光を出射し、
前記受光ファイバ群は、前記投光ファイバから出射された前記検査光を受光して、前記検出部に送り、
前記制御部は、前記検出部から送られる検出信号に基づいて、前記回転ブレードの破損を検出し、
前記受光ファイバ群は、第1ファイバ及び第2ファイバを備え、
前記第1ファイバ及び前記第2ファイバの入射端は、前記回転ブレードの径方向に沿って配置され、
前記第1ファイバが回転ブレードの外周側に配置され、
前記第2ファイバが回転ブレードの中心側に配置される
ことを特徴とする破損検出機構。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記検出部は、
第1ファイバから受光した光を、受光量に応じた強度の電気信号に変換して第1アナログ電気信号を生成する、第1受光素子と、
第2ファイバから受光した光を、受光量に応じた強度の電気信号に変換して第2アナログ電気信号を生成する、第2受光素子と、
前記第1アナログ電気信号を、ディジタル信号に変換して、第1ディジタル電気信号を生成する、第1ADCと、
前記第2アナログ電気信号を、ディジタル信号に変換して、第2ディジタル電気信号を生成する、第2ADCと、
前記第1ディジタル電気信号と、前記第2ディジタル電気信号の、排他的論理和を示す排他的論理和信号を生成する、排他的論理和回路と、
前記排他的論理和信号と周期信号との論理積演算を行い、パルス信号を生成する、信号幅パルス変換回路と
を備える請求項1に記載の破損検出機構。
【請求項3】
前記光ファイバ群が、第1~第N(Nは3以上の整数)ファイバを備え、
前記第1~第Nファイバの入射端は、前記回転ブレードの径方向に沿って配置され、
前記第mファイバ(mは2以上N以下の整数)は、前記第m-1ファイバよりも回転ブレードの中心側に配置される
請求項2に記載の破損検出機構。
【請求項4】
切替により選択されるmに対し、
第1受光素子が、第m-1ファイバに入射された光を受光し、
第2受光素子が、第mファイバに入射された光を受光する
請求項3に記載の破損検出機構。
【請求項5】
前記光ファイバ群が、第1~第4ファイバを備え、
前記第3ファイバ及び前記第4ファイバは、前記第1ファイバ及び前記第2ファイバに対して、周方向に隣接する位置に設けられる
請求項2に記載の破損検出機構。
【請求項6】
前記検出部と同じ構成の予備検出部をさらに備え、
前記予備検出部の第1受光素子が、前記第3ファイバに入射された光を受光し、
前記予備検出部の第2受光素子が、前記第4ファイバに入射された光を受光する
請求項5に記載の破損検出機構。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、ダイシング装置が備える回転ブレードの破損を検出する機構に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
複数のデバイスが形成されたウエハは、例えば、回転ブレードを備えるダイシング装置で切削加工され、各デバイスに対応する複数のチップに分割される。回転ブレードは、円形状であり、回転するスピンドルの先端部分に装着される。回転ブレードの外周部分は、ダイヤモンドなどの砥粒を結合材料で結合して形成された切れ刃となっている。回転ブレードを回転させてウエハに切り込ませることで、ウエハが切削される。
【0003】
回転ブレードは、切削時の負荷によって欠け等の破損が発生することがある。破損した回転ブレードを使用し続けると、切削中に被加工物を破損させる恐れがある。このため、このような回転ブレードの不具合を検出するための機構が必要となる。
【0004】
回転ブレードの破損を検出する機構(破損検出機構)としては、光ファイバを利用する技術がある(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示された破損検出機構は、発光部と接続された光ファイバ(出射側光ファイバ)と、受光部と接続された光ファイバ(入射側光ファイバ)を備える。発光部からの光を出射する出射側光ファイバの出射端と、出射側光ファイバから出射された光が入射する入射側光ファイバの入射端とは、回転ブレードを挟んで、対向して配置される。
【0005】
特許文献1に開示された破損検出機構では、回転ブレードに破損がない場合には、出射側光ファイバから出射される光の少なくとも一部が切れ刃で遮られる。このため、入射側光ファイバに入射され、受光部で受光される光の受光量は小さくなる。一方、回転ブレードに欠け等の破損がある場合には、遮られていた光が入射側光ファイバに到達するため受光量が増大する。受光部は、受光した光を電気信号に変換する。この電気信号を検出し、例えばCPU(Central Processing Unit)で処理することによって、受光量の増大に基づく回転ブレードの破損が検出される。
【0006】
ここで、光ファイバを用いた破損検出機構の特性として、出射側光ファイバの出射端から放出される光は、光ファイバの内面反射を繰り返した結果として、広角な光となって出射される。対応する入射側光ファイバは、出射側光ファイバと同じ外径寸法の光ファイバを用いるので、入射側光ファイバは円錐状に拡散した光のうち、入射端の径分しか受け取ることができない。
【0007】
このため、回転ブレードには広い範囲で光が当たる一方で、入射側光ファイバにはその一部しか入射されない。このため、従来の破損検出機構では、例えば微少な欠け等を検出する場合、検出アンプの利得を上げる必要がある。この結果、利得を上げれば応答周波数が落ちるというアンプ特性に起因して、従来の破損検出機構では、微少な欠け等を高感度で検出することが難しかった。
【0008】
このような状況において、この出願に係る発明者らは、検査光の照射範囲を、回転ブレードの径に沿って細長く絞ることで、検出アンプの利得を上げなくても、十分な強度の検査光を回転ブレードに照射することができる破損検出機構を提案している(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に開示されている破損検出機構では、検出アンプの利得を上げる必要が生じないため、応答周波数の低下が生じず、回転ブレードの破損を高感度で検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2014-159064号公報
特開2020-096159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の特許文献2に開示されている破損検出機構では、例えば、外形φ56mmのブレードについて、スリットの無いブレードでは、0.5mm程度にまで検出能力が向上している。一方、スリットのあるブレードでは、検出能力の向上は、1mm程度にとどまっている。
(【0011】以降は省略されています)

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