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公開番号
2024157710
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023072230
出願日
2023-04-26
発明の名称
ラッピング加工装置
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B24B
21/00 20060101AFI20241031BHJP(研削;研磨)
要約
【課題】被加工部位の半径方向で外周側にスペースが確保されていない場合であってもフィルムラッピング加工を行うことのできる装置を提供する。
【解決手段】ラッピングフィルム4を軸線方向に案内する第1直線ガイド部3aと、フィルム4を巻き掛けて第1直線ガイド部3aに対して直角に曲げて軸線に直交する方向に案内する第1折り曲げガイド部3cと、フィルム4を巻き掛けて第1直線ガイド部3aと平行な方向に曲げかつ第1直線ガイド部3aによる案内方向とは反対方向に案内する第2折り曲げガイド部3dと、フィルム4を第1直線ガイド部3aと平行でかつ第1直線ガイド部3aによる案内方向とは反対方向に案内する第2直線ガイド部3bとを有するフィルムガイド3と、第1折り曲げガイド部3cと第2折り曲げガイド部3dとの間に張られているフィルム4を被加工物Wに対して選択的に押圧するシュー10とを備えている。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
所定の軸線を中心にして回転し、もしくは前記軸線の方向に往復動する被加工物に、ラッピングフィルムを接触させるとともに、前記被加工物とラッピングフィルムとを相対的に移動させて前記被加工物を研磨もしくは研削するラッピング加工装置であって、
帯状の前記ラッピングフィルムを前記軸線方向に直線的に案内する第1直線ガイド部と、前記第1直線ガイド部によって直線的に案内された前記ラッピングフィルムを巻き掛けて前記ラッピングフィルムの送り方向を前記第1直線ガイド部に対して直角に曲げて前記軸線に直交する方向に案内する第1折り曲げガイド部と、前記第1折り曲げガイド部によって前記軸線に直交する方向に案内された前記ラッピングフィルムを巻き掛けて前記ラッピングフィルムの送り方向を前記第1直線ガイド部と平行な方向に曲げかつ前記第1直線ガイド部による案内方向とは反対方向に案内する第2折り曲げガイド部と、前記第1折り曲げガイド部によって曲げられた前記ラッピングフィルムを前記第1直線ガイド部と平行でかつ前記第1直線ガイド部による案内方向とは反対方向に直線的に案内する第2直線ガイド部とを有するフィルムガイドと、
前記第1直線ガイド部と前記第2直線ガイド部との間に前記軸線に沿う方向に延びて配置され、先端部が前記第1折り曲げガイド部と前記第2折り曲げガイド部との間に張られている前記ラッピングフィルムに前記被加工物とは反対側で対向し、かつ前記ラッピングフィルムを前記被加工物に対して選択的に押圧するシューと
を備えていることを特徴とするラッピング加工装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械部品などの被加工物の表面を平滑に研磨もしくは研削するラッピング加工を行う装置に関し、特に一方の面に砥粒を付着させたフィルムを湾曲している被加工面に押し付けて研磨もしくは研削を行ういわゆるフィルムラッピングを行うラッピング加工装置に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
この種のラッピング加工を行う装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された装置は、一例としてエンジンに使用されているカムシャフトを研磨するように構成された装置であり、ラッピングフィルムをシューによって被加工面に押し付けるように構成されている。すなわち特許文献1に記載されたラッピング加工装置は、ラッピングフィルムを被加工物に被せて包み込むように構成されている。
【0003】
そのラッピングフィルムは、ロール(もしくはリール)に巻き付けられた一条のフィルムである。そのラッピングフィルムを巻き付けた繰り出しロールと巻き取りロールとが、回転可能に保持した被加工物と平行な軸線を中心に回転するように配置されている。繰り出されたラッピングフィルムは、被加工物の半径方向で外側に離れた位置から例えば被加工物の下側を被加工物に直交する方向に送られ、被加工物から離れた位置に設けられている折り返しロールで折り返されて被加工物の例えば上側を被加工物に直交する方向に送られ、さらに被加工物から半径方向で外側に離れた位置のガイドローラを経て巻き取りロールに送られる。すなわち、ラッピングフィルムは、折り返しロールによっていわゆる二つ折りされ、被加工物を上下から挟むように走行する。
【0004】
一方、シューは、上記の折り返しロール側に回転軸を持った一対のアームの先端部に取り付けられている。それらのアームは、回転可能に保持されている被加工物の半径方向で外側で、上記の折り返しローラ側から被加工物に向けて延びて配置され、ラッピングフィルムをシューを介して被加工物に押し付ける位置と、ラッピングフィルムおよびシューを被加工物から離隔させる位置との間で開閉動作する。
【0005】
したがって、特許文献1に記載された装置は、被加工物を挟んだ左右の一方側に、ラッピングフィルムを繰り出し、また巻き取るための機構が配置され、また他方側にアームあるいはシューを駆動するための機構が配置された構成になっている。そして、一対のシューを被加工物に近づけて被加工物を挟み付けることにより、ラッピングフィルムによって被加工物を包み込み、その状態で被加工物を回転させ、また軸線方向に往復動(オシレート)させることにより、ラッピング加工を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-26800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、特許文献1に記載されているような従来のラッピング加工装置では、ラッピングフィルムを繰り出しかつ巻き取るための機構およびシューを被加工物に接触させかつ離隔させる機構が、被加工物をその半径方向で挟んだ両側に配置されているので、被加工物に対するその軸線方向での相対位置を適宜に変更してラッピング加工を行うことができる。すなわち、カムシャフトのように軸長が長い被加工物の軸線方向での複数箇所をラッピング加工する場合であっても一台のラッピング加工装置で対応することができる。しかしながら、従来のフィルムラッピング加工装置は、上述したように、ラッピングフィルムを被加工物に対してその半径方向に直交するように直線的に張り渡して、被加工物の半径方向での外側から被加工物に向けてラッピングフィルムを走行させるように構成されている。また被加工物の半径方向で外側から延びているアームによってシューを被加工物に接触させまた離隔させるように構成されている。そのため、被加工物は、その被加工面の半径方向で外側が開放されている形状である必要があり、あるいは被加工物の半径方向での外側が開放空間となっていて周辺の加工機器などが存在しない加工環境であることが必要である。このように従来のラッピング加工装置では、被加工物の形状もしくは構成や加工環境が制限される課題があった。
【0008】
本発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、被加工部位の外周側が閉じていたり、スペースに制限があったりしてもフィルムラッピング加工を行うことが可能な装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の目的を達成するために、所定の軸線を中心にして回転し、もしくは前記軸線の方向に往復動する被加工物に、ラッピングフィルムを接触させるとともに、前記被加工物とラッピングフィルムとを相対的に移動させて前記被加工物を研磨もしくは研削するラッピング加工装置であって、帯状の前記ラッピングフィルムを前記軸線方向に直線的に案内する第1直線ガイド部と、前記第1直線ガイド部によって直線的に案内された前記ラッピングフィルムを巻き掛けて前記ラッピングフィルムの送り方向を前記第1直線ガイド部に対して直角に曲げて前記軸線に直交する方向に案内する第1折り曲げガイド部と、前記第1折り曲げガイド部によって前記軸線に直交する方向に案内された前記ラッピングフィルムを巻き掛けて前記ラッピングフィルムの送り方向を前記第1直線ガイド部と平行な方向に曲げかつ前記第1直線ガイド部による案内方向とは反対方向に案内する第2折り曲げガイド部と、前記第1折り曲げガイド部によって曲げられた前記ラッピングフィルムを前記第1直線ガイド部と平行でかつ前記第1直線ガイド部による案内方向とは反対方向に直線的に案内する第2直線ガイド部とを有するフィルムガイドと、前記第1直線ガイド部と前記第2直線ガイド部との間に前記軸線に沿う方向に延びて配置され、先端部が前記第1折り曲げガイド部と前記第2折り曲げガイド部との間に張られている前記ラッピングフィルムに前記被加工物とは反対側で対向し、かつ前記ラッピングフィルムを前記被加工物に対して選択的に押圧するシューとを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ラッピングフィルムは、第1直線ガイド部と第2直線ガイド部とによって、被加工物に対してその軸線の方向に送られ、かつリターンさせられる(戻される)。その過程で、ラッピングフィルムは、第1折り曲げガイド部と第2折り曲げガイド部とによって、前記軸線に対して直交する方向に向きを変えられ、被加工物に対してその外面側で軸線に対して直交する方向(被加工物の半径方向)に張られた状態になる。すなわち、フィルムガイドは、被加工物の外面側でその軸線に沿わせて配置した状態になる。その第1折り曲げガイド部と第2折り曲げガイド部との間に張られたラッピングフィルムを被加工物に押し付けるシューは、第1折り曲げガイド部と第2折り曲げガイド部との間で前記軸線に沿う方向に延びて設けられている。したがって、ラッピングフィルムがシューによって被加工物に押し付けられて、被加工物がラッピングフィルムによって研磨もしくは研削される。このように、ラッピングフイルムやシューなどは、被加工物の軸線に沿う方向に延びて配置されているので、被加工物における加工箇所の外周側に広いスペースが要求されることはない。言い換えれば、被加工面が円筒状の部分の内部に存在している被加工物や被加工物の周囲に周辺機器が接近して存在している加工環境などの場合であってもフィルムラッピング加工を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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