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公開番号
2024124209
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023032216
出願日
2023-03-02
発明の名称
膵臓がん抗原に対するVHH抗体及び膵臓がん細胞検出方法
出願人
国立大学法人金沢大学
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C07K
16/30 20060101AFI20240905BHJP(有機化学)
要約
【課題】膵臓がん抗原に対するVHH抗体及びそれを用いた膵臓がん細胞検出方法の提供。
【解決手段】膵臓がん細胞において発現したADAM8、サバイビン、及びグリピカン1からなる群から選択される膵臓がん抗原タンパク質に特異的に結合する重鎖抗体重鎖可変ドメイン(VHH)を含む抗体、並びにそれを用いた膵臓がん細胞検出用試薬及び膵臓がん細胞検出方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
膵臓がん細胞において発現したADAM8、サバイビン、及びグリピカン1からなる群から選択される膵臓がん抗原タンパク質に特異的に結合する重鎖抗体重鎖可変ドメイン(VHH)を含む抗体。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
前記VHHが、配列番号1に示されるアミノ酸配列又はその7アミノ酸長以上の部分配列からなる部分ADAM8ポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記VHHが、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるサバイビン又はその7アミノ酸長以上の部分配列からなる部分サバイビンポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
前記VHHが、配列番号3に示されるアミノ酸配列又はその7アミノ酸長以上の部分配列からなる部分グリピカン1ポリペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
前記VHHがラクダ科動物由来である、請求項1に記載の抗体。
【請求項6】
標識物質により修飾されている、請求項1に記載の抗体。
【請求項7】
標識物質が、放射性核種、ペプチドタグ、レポータータンパク質、色素、ビオチン、金コロイド、及び担体からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項6に記載の抗体。
【請求項8】
標識物質が放射性核種
67
Ga又は
125
Iを含む、請求項6に記載の抗体。
【請求項9】
請求項6に記載の抗体を含有する、膵臓がん細胞検出用試薬。
【請求項10】
イメージング剤である、請求項9に記載の膵臓がん細胞検出用試薬。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、膵臓がん抗原に対するVHH抗体及びそれを用いた膵臓がん細胞検出方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
膵臓がんは日本人のがんによる死亡数が男性で4位、女性で3位に上り、日本では合計で年間約3万7千人が膵臓がんで死亡している。膵臓がんの5年生存率は男性8.9%、女性8.1%と、全がんの中で最も予後が悪い。その原因として、膵臓がん初期には際立った症状がなく、膵臓がん発見時にはすでにがんが進行している例が多いことが挙げられる。従って、膵臓がんの治療成績向上には、(i)膵臓がんの早期発見、及び(ii)膵臓がんの質的診断を伴う個別化医療が可能になることが非常に重要である。現在の医療現場では、腫瘍マーカーのCA19-9等を中心に膵臓がんの検診が血液検査によって行われているが、膵臓がん特異的な血液腫瘍マーカーは確立されていない。
【0003】
核医学イメージングや光音響イメージングは、生体内の標的分子を非侵襲的に画像化できる診断手法であり、適切な分子プローブを用いることにより、分子レベルで診断組織の状態を定量的かつ質的に評価できる。核医学イメージングは極めて微量な放射性薬剤を体内に投与して、標的タンパク質に結合した放射性薬剤を体外から検出する診断法であり、空間分解能は1~2mm程度であるが、検出深度は無制限であり極めて感度の高い診断法である。一方、光音響イメージングは、生体に投与した近赤外蛍光分子や消光分子から発生した超音波を検出する空間分解能(50~500μm)と優れた測定深度(5cm)を兼ね備えたin vivoイメージング法であり、新しい深部画像診断法として期待されている。
【0004】
これまで主に開発されてきたイメージング剤は大きく分けて、(1)低分子有機化合物、(2)ペプチド、(3)抗体薬剤に分類される。低分子有機化合物である
18
F-フルオロデオキシグルコース(FDG)は、日本において既に保険適用されている陽電子放出断層撮影(positron emission tomography;PET)用の放射性医薬品であり、糖代謝の盛んな組織に集積することから膵臓がんの画像診断に用いられている。しかしFDGは正常組織への生理的な集積も見られるため、膵臓がんの早期検出や悪性度、治療方針立案のための情報を得るには、その精度は不十分であり、より効果的な新たな画像診断薬の開発が望まれている。次世代がん診断薬として、ソマトスタチン受容体を標的としたペプチド性放射性薬剤も膵臓がん診断に用いられているが、それにより初期の膵臓がんを検出できるかどうかは不明である。
【0005】
非特許文献1は、抗体を用いた膵臓がんの分子イメージング技術について述べた総説である。非特許文献1は、CA19-9やインテグリンを標的としたIgGを用いた放射性薬剤が、長い血中半減期や、非特異的集積、体内被曝等の問題点を多く抱えていることにも言及している。
【0006】
多くの動物が産生する一般的な抗体は軽鎖と重鎖で構成されるが、ラクダ科動物などの一部の動物は重鎖のみで構成される抗体(重鎖抗体)を有している。重鎖は重鎖可変ドメインと重鎖定常ドメインから構成されており、重鎖抗体の重鎖可変ドメイン(抗原認識ドメイン)はVHH(Variable domain of heavy chain of heavy chain antibody)と呼ばれ、VHH単独で抗原に特異的に結合することができるため、単離形態で単一ドメイン抗体として利用されている。単一ドメイン抗体としてのVHH抗体(「ナノボディ」と呼ばれることもある)は一般的なIgGよりも分子サイズがおよそ10倍以上小さく、分子プローブとしての利用にも適している(非特許文献2)。しかし膵臓がん細胞の検出に適した具体的なVHH抗体についての報告はまだない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
England, C. G. et al., Mol. Pharm., (2016) 13, p.8-24
Van Audenhove, I. and Gettemans, J., EBioMedicine (2016) 8, p.40-48
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、膵臓がん抗原に対するVHH抗体及びそれを用いた膵臓がん細胞検出方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、膵臓がんの初期段階から膵臓がん細胞で高発現するタンパク質に特異的に結合するVHH抗体を取得し、当該タンパク質を高発現する細胞をVHH抗体により検出することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]膵臓がん細胞において発現したADAM8、サバイビン、及びグリピカン1からなる群から選択される膵臓がん抗原タンパク質に特異的に結合する重鎖抗体重鎖可変ドメイン(VHH)を含む抗体。
[2]前記VHHが、配列番号1に示されるアミノ酸配列又はその7アミノ酸長以上の部分配列からなる部分ADAM8ポリペプチドに特異的に結合する、上記[1]に記載の抗体。
[3]前記VHHが、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるサバイビン又はその7アミノ酸長以上の部分配列からなる部分サバイビンポリペプチドに特異的に結合する、上記[1]に記載の抗体。
[4]前記VHHが、配列番号3に示されるアミノ酸配列又はその7アミノ酸長以上の部分配列からなる部分グリピカン1ポリペプチドに特異的に結合する、上記[1]に記載の抗体。
[5]前記VHHがラクダ科動物由来である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の抗体。
[6]標識物質により修飾されている、上記[1]~[5]のいずれかに記載の抗体。
[7]標識物質が、放射性核種、ペプチドタグ、レポータータンパク質、色素、ビオチン、金コロイド、及び担体からなる群から選択される少なくとも1つを含む、上記[6]に記載の抗体。
[8]標識物質が放射性核種
67
Ga又は
125
Iを含む、上記[6]又は[7]に記載の抗体。
[9]上記[1]~[8]のいずれかに記載の抗体を含有する、膵臓がん細胞検出用試薬。
[10]イメージング剤である、上記[9]に記載の膵臓がん細胞検出用試薬。
[11]上記[1]~[8]のいずれかに記載の抗体、又は上記[9]又は[10]に記載の膵臓がん細胞検出用試薬を含む、膵臓がん細胞検出用キット。
[12]膵臓がん細胞に、上記[1]~[8]のいずれかに記載の抗体、又は上記[9]又は[10]に記載の膵臓がん細胞検出用試薬を接触させて、膵臓がん細胞と抗体との結合を検出することを含む、膵臓がん細胞を検出するための方法。
[13]膵臓がん細胞が、ヒト被験体由来の被験試料中の膵臓がん細胞である、上記[12]に記載の方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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