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公開番号
2024123413
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023030812
出願日
2023-03-01
発明の名称
光触媒及びその製造方法、並びに前記光触媒を用いた水の分解方法
出願人
住友金属鉱山株式会社
,
国立大学法人信州大学
代理人
個人
,
個人
主分類
B01J
23/22 20060101AFI20240905BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】水を分解して水素と酸素とを生成し得る新規な酸化バナジウム系光触媒を提供すること。
【解決手段】正方晶系結晶構造を有するScVO
4
を主成分化合物として含む複合酸化物粒子を備える光触媒。
【選択図】図21
特許請求の範囲
【請求項1】
正方晶系結晶構造を有するScVO
4
を主成分化合物として含む複合酸化物粒子を備える光触媒。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記複合酸化物粒子は、そのスカンジウム(Sc)含有量に対するバナジウム(V)含有量の原子比(V/Sc)が0.90以上1.00以下である、請求項1に記載の光触媒。
【請求項3】
前記複合酸化物粒子の表面に担持された助触媒をさらに含む、請求項1又は2に記載の光触媒。
【請求項4】
前記助触媒が、ロジウム(Rh)-クロム酸化物(Cr
2
O
3
)を含む、請求項3に記載の光触媒。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の光触媒の製造方法であって、
スカンジウム(Sc)原料とバナジウム(V)原料を混合して原料混合物を得る工程と、
前記原料混合物を580℃以上の温度で焼成して反応生成物を得る工程と、を備える方法。
【請求項6】
前記原料混合物は、そのスカンジウム(Sc)含有量に対するバナジウム(V)含有量の原子比(V/Sc)が1.05以上1.20以下である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記反応生成物をアルカリ性水溶液で洗浄処理する工程をさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記反応生成物に助触媒を担持する工程をさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記原料混合物を焼成する温度が680℃以上1300℃以下である、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の光触媒と水とを含む懸濁液に紫外光を照射し、それにより、前記水を分解して水素と酸素を発生させる、水の分解方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒及びその製造方法、並びに前記光触媒を用いた水の分解方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
地球温鈍化や化石資源枯渇の問題から、光触媒を用いた水の分解反応に関する技術開発が注目を集めている。水の分解反応を利用することで、太陽光エネルギーを水素などの化学エネルギーに変換して有効活用することができる。
【0003】
光触媒を用いた水の光分解では、微粒子状の半導体粒子を水中に分散させ、これに光照射することで水素と酸素が生成する。半導体粒子のバンドギャップ以上のエネルギーをもつ光を半導体粒子が吸収すると、価電子帯の電子が伝導帯に励起される。それに伴い、負の電荷をもつ自由電子が伝導帯に生じるとともに、正の電荷をもつ正孔が価電子帯に生成する。これらは半導体粒子の表面に移動し、そこで正孔が水を酸化して酸素を発生させ、自由電子が水素イオンを還元して水素を発生させる。
【0004】
水分解反応を起こす上で、半導体粒子のバンドギャップ以上のエネルギーをもつ光を照射する必要がある。言い換えれば、半導体粒子は、そのバンドギャップよりも大きいエネルギーをもつ光しか吸収できない。
【0005】
従来から、酸化チタンが光触媒材料として知られている。しかしながら、酸化チタンはバンドギャップが3.0eV以上と大きく、アナターゼ型の場合は酸素生成速度が低い。非特許文献1によると、ルチル型の場合はRh、Pt、Pdを助触媒とした場合に、水分解を可能とするとされているが、Rh-Cr
2
O
3
触媒を担持した場合に水分解活性を示さず、逆反応を防止しにくい。したがって、高効率化に適さない。
【0006】
そのため、酸化チタン以外の光触媒材料の開発が進んでおり、そのうち、酸化バナジウム系化合物が注目を集めている。例えば、酸化バナジウム(V
2
O
5
)や単斜晶バナジン酸ビスマス(BiVO
4
)は酸化物でありながら適切なバンドギャップ(2.3eVもしくは2.4eV)を有し、優れた酸素生成型光触媒として知られる。しかしながら、伝導帯の下端が水素生成準位より貴なために、水分解触媒ではなく、水素発生触媒と組み合わせたZスキーム型光触媒として利用されることが多い。
【0007】
酸化バナジウム系化合物に関する文献として、特許文献1には、BiVO
4
からなる光触媒粒子が開示されている。具体的には、水素発生用可視光応答型光触媒粒子と、酸素発生用可視光応答型光触媒粒子とを含む複合光触媒について、酸素発生用可視光応答型光触媒粒子がBiVO
4
等であること、及び可視光による水の光分解反応に複合触媒を用いることが記載されている(特許文献1の請求項1及び9)。
【0008】
水の分解反応とは異なる用途に用いられるものではあるが、特許文献2にはバナジン酸ビスマス(BiVO
4
)のBiサイトの一部にランタン(La)がドープされてなる可視光応答型光触媒が開示されている(特許文献2の請求項1)。特許文献2には、当該光触媒に関して、Laドープにより、BiVO
4
の価電子帯上端位置が下がり、酸化力が高まり、その結果、有機物の分解能を高めることが可能になると記載されている(特許文献2の[0008])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2014/046305号
特開2020-040830号公報
【非特許文献】
【0010】
Maeda, Kazuhiko. Photocatalytic properties of rutile TiO2 powder for overall water splitting. Catalysis Science & Technology 4.7 (2014): 1949-1953.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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