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公開番号2024122778
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030520
出願日2023-02-28
発明の名称水環境における微生物の分解性に優れた生分解性樹脂組成物及びその成形体
出願人国立大学法人神戸大学,国立大学法人群馬大学,国立研究開発法人海洋研究開発機構
代理人個人
主分類C08L 67/04 20060101AFI20240902BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】海、河川、湖、池、沼などの水環境のような、微生物密度が低く、温度が比較的低い条件下であっても微生物の分解性に優れた生分解性樹脂組成物及び生分解性樹脂組成物を成形してなる成形体を提供する。
【解決手段】水環境における微生物の分解性に優れた生分解性樹脂組成物であって、乳酸と3-ヒドロキシブタン酸との共重合ポリエステルを含有する、生分解性樹脂組成物及び前記生分解性樹脂組成物を成形してなる成形体により解決する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水環境における微生物の分解性に優れた生分解性樹脂組成物であって、
乳酸と3-ヒドロキシブタン酸との共重合ポリエステルを含有する、
生分解性樹脂組成物。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記共重合ポリエステル中の乳酸分率が5~70モル%である、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
【請求項3】
前記共重合ポリエステル中の乳酸分率が6~13モル%である、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
【請求項4】
前記微生物が、ポリヒドロキシアルカノエート分解能を有する微生物である、請求項1又は2に記載の生分解性樹脂組成物。
【請求項5】
前記微生物が、ベータプロテオバクテリア(Betaproteobacteria)綱、デルタプロテオバクテリア(Deltaproteobacteria)綱、ガンマプロテオバクテリア(Gammaproteobacteria)綱、バチリ(Bacilli)綱、アクチノバクテリア(Actinobacteria)綱からなる群から選択された少なくとも1つである、請求項4に記載の生分解性樹脂組成物。
【請求項6】
前記水環境が、海、河川、湖、池、沼、干潟、氷河、養殖場、水槽、ならびにそれらの岸辺及び底からなる群から選択された少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の生分解性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の生分解性樹脂組成物を成形してなる成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水環境における微生物の分解性に優れた生分解性樹脂組成物及びその成形体に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
現在、地球環境保全の観点から世界中でその開発が希求されているバイオプラスチックは、脱炭素戦略による地球温暖化抑止と海洋ゴミ汚染改善を同時に促進する効果が期待されている。しかしながら、種々多様な微生物が存在する土壌とは異なり、海、河川、湖、池、沼などの水環境では、微生物の密度、温度、酸素、pH、圧力など多くの制約があるため分解には相当の期間を要するか、ほとんど分解されないバイオプラスチックも存在する。一方で、長期間河川や海などを漂うプラスチック(魚網や買い物袋など)は、生物の体に巻き付いたり、誤飲によって死をもたらす要因となっている。さらに、紫外線や波力などによりプラスチックが崩壊し、微細化されたマイクロプラスチックが生体内に取り込まれるという新たな問題も引き起こしている。そのため、水環境のような制約された環境下においても生分解速度が速く、かつ、生分解度の高い生分解性樹脂組成物が提案されている。
【0003】
例えば、特開2022-172526号公報には、生分解性樹脂と、アガロース、アルギン酸ナトリウム、カゼイン及びケラチンからなる群から選択される1種以上の成分と、を含み、前記生分解性樹脂の含有量が50重量%以上である、生分解性樹脂組成物が開示されている。
【0004】
また、特許第7173259号公報には、ポリエステル樹脂と、窒素化合物及びその塩から選択される1種以上の化合物と、を含有する生分解性樹脂組成物であって、前記ポリエステル樹脂がジカルボン酸単位とジオール単位を有する樹脂であり、3種類以上の構造単位を有し、コハク酸単位及びセバシン酸単位の少なくとも何れかの単位を有し、前記窒素化合物がアミノ酸であり、前記化合物の含有量が0.1重量%以上70重量%以下であり、前記化合物中の窒素原子濃度が6重量%以上であり、前記化合物の分子量が10000未満である、生分解性樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-172526号公報
特許第7173259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
生分解性プラスチックが我々の社会で実用化されるためには、製品として使用される際には必要な強度や柔軟性等の性能・機能を安定的に発揮し、自然環境の循環系に組み込まれる際には様々な環境下で短期間で生分解され、マイクロプラスチック化しないことが必要とされる。
【0007】
しかしながら、現在ある多くの生分解性プラスチックは50℃以上の温度で生分解するため、常温又は低温での生分解は期待できない。とりわけ、微生物密度が極端に希薄な水環境下に蓄積するプラスチックが分解するチャンスは稀少である。
【0008】
したがって、本発明は、微生物密度が低く、低温下という厳しい環境である水環境でも微生物の分解性に優れた生分解性樹脂組成物及び生分解性樹脂組成物を成形してなる成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、多くのプラスチック廃材が浮遊蓄積し、温度条件や微生物密度等の点から、水環境の中でも過酷な環境であると思われる深海を選択し、深海においても生分解性に優れた樹脂組成物及びその成形体を検討したところ、乳酸と3-ヒドロキシブタン酸との共重合ポリエステルを含有する生分解性樹脂組成物及びその成形体が上記課題を解決しうることを見出した。
【0010】
本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、水環境における微生物の分解性に優れた生分解性樹脂組成物であって、乳酸と3-ヒドロキシブタン酸との共重合ポリエステルを含有する、生分解性樹脂組成物を提供するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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