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公開番号2024120617
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2023027524
出願日2023-02-24
発明の名称金属化合物微粒子の分析方法および分散回収液
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 1/28 20060101AFI20240829BHJP(測定;試験)
要約【課題】金属材料中に含まれる金属化合物微粒子を凝集させずに安定して分散可能な、金属化合物微粒子の分析方法を提供する。
【解決手段】金属材料に対して電解抽出を行う電解工程と、電解抽出後の金属材料を分散回収液中に浸漬させて金属化合物微粒子を分散回収液中に分散させる分散工程と、金属化合物微粒子が分散された分散回収液を用いて、金属化合物微粒子を分析する分析工程と、を備え、分散回収液には、溶媒として、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3-ブタンジオール、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γ-ブチロラクトン、水からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上が含有される、金属化合物微粒子の分析方法を採用する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属材料に含有される金属化合物微粒子を分析する方法であって、
電解抽出用電解液中において前記金属材料に対して電解抽出を行う電解工程と、
電解抽出後の前記金属材料を分散回収液中に浸漬させ、前記金属材料に含有される前記金属化合物微粒子を前記分散回収液中に分散させる分散工程と、
前記金属化合物微粒子が分散された前記分散回収液を用いて、前記金属化合物微粒子を分析する分析工程と、を備え、
前記分散回収液には、溶媒として、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3-ブタンジオール、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γ-ブチロラクトン、水からなる群より選ばれる2種以上が含有される、金属化合物微粒子の分析方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記分散回収液の前記溶媒における、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3-ブタンジオール、水のうちの何れか1種または2種以上の合計濃度が2~60vol.%である、請求項1に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
【請求項3】
前記分散回収液の前記溶媒における、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γ-ブチロラクトンのうちの1種または2種以上の合計濃度が20~85vol.%である、請求項1に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
【請求項4】
前記分散回収液の前記溶媒における、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3-ブタンジオール、水のうちの何れか1種または2種以上の合計濃度が2~60vol.%であり、
ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γ-ブチロラクトンのうちの1種または2種以上の合計濃度が20~85vol.%である、請求項1に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
【請求項5】
前記分散回収液の前記溶媒として、さらに、メチルアルコールを含有し、前記溶媒におけるメチルアルコールの濃度が55vol.%以下である、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
【請求項6】
前記分散回収液は、更に分散剤を含有する、請求項1に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
【請求項7】
前記金属化合物微粒子が、Alの化合物および/またはMnの化合物である、請求項1に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
【請求項8】
前記分析工程は、前記分散工程において得た前記金属化合物微粒子を含む分散回収液に対して、フィールドフローフラクショネーション法を行うことにより、前記金属化合物微粒子を粒子サイズ毎に分別する工程と、
粒子サイズ毎に分別された前記金属化合物微粒子の成分を分析する工程と、を有する、請求項1に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
【請求項9】
前記分析工程は、前記分散工程において得た前記金属化合物微粒子を含む分散回収液に対して、前記分散回収液中の前記金属化合物微粒子を残しつつ液体成分を除去することにより、前記金属化合物微粒子を含む電子顕微鏡観察用の試料を作製する工程と、
前記試料を電子顕微鏡で観察する工程と、を有する、請求項1に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
【請求項10】
金属材料に含有される金属化合物微粒子を電解抽出後に分散回収するための分散回収液であって、
溶媒として、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3ーブタンジオール、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γーブチロラクトン、水からなる群より選ばれる2種以上を含有する、分散回収液。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属化合物微粒子の分析方法および分散回収液に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
金属材料中に含まれる介在物や析出物(以下、金属化合物微粒子という)は、その大きさや数量、化学組成などが金属材料の特性に大きな影響を及ぼす。金属材料の一例である鉄鋼材料について、例えば、粒径が数十マイクロメートルオーダーの比較的大きな金属化合物微粒子は、鉄鋼材料の特性を劣化させる有害なものとして扱われている。その一方で、近年、マイクロメートルオーダーあるいはそれ以下の大きさの金属化合物微粒子を積極的に利用して鋼の組織を制御することにより、鉄鋼材料の各種の特性を向上させる技術が発展している。これに伴い、鉄鋼材料中の微小な金属化合物微粒子の定量分析や粒度分布測定等を適切に行うニーズが高まっている。
【0003】
こうしたニーズを実現するには、金属化合物微粒子が溶媒中に安定して分散する溶液を調製する必要がある。そこで、従来から、金属材料から金属化合物微粒子を抽出分離する段階と、抽出分離された金属化合物微粒子を液中に分散させる段階とを経ることにより、金属化合物微粒子を液中に分散させた分散液の調製が試みられている。
【0004】
例えば、鉄鋼材料中の金属化合物微粒子の抽出分離法としては、非水電解液を用いた電解抽出法が知られている。電解抽出法は、鉄鋼材料を陽極とし、白金電極を陰極とし、これら陽極及び陰極を非水電解液に浸漬させた上で、電解を行うことによって、鉄鋼材料のマトリックスである鉄を溶解させて、金属化合物微粒子を抽出させる方法である。
【0005】
非水電解液を用いた電解抽出法では、抽出対象の物質に応じた溶媒と電位を選ぶことにより、金属化合物微粒子を選択的に抽出できるという特長がある。例えば、非特許文献1には、鉄鋼材料の電解抽出方法に使用する電解液として、アセチルアセトン、塩化テトラメチルアンモニウム及びメチルアルコールを含む非水電解液や、サリチル酸メチル、サリチル酸、塩化テトラメチルアンモニウム及びメチルアルコールを含む非水電解液が記載されている。
【0006】
しかし、非特許文献1に記載された非水電解液は、金属化合物微粒子を選択的に抽出できる反面、抽出された金属化合物微粒子を凝集させてしまう場合がある。そこで、金属化合物微粒子を液中に安定して分散させる目的で、電解抽出後の鉄鋼材料を、非水電解液とは異なる別の分散液に浸漬させて超音波振動を印加することにより、鉄鋼試料の表面に現れた金属化合物微粒子を鉄鋼試料から分離させつつ分散溶液中に分散させることが行われている。こうした分散液としては、従来、水やメチルアルコールを主成分とする分散溶媒に、分散剤が添加された溶液が用いられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
“試料分析講座 鉄鋼分析”,社団法人日本分析化学会編,丸善出版株式会社,平成23年9月15日発行,p.91,p.101
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来から利用されている分散溶媒は、鉄鋼材料から抽出した金属化合物微粒子を安定して分散できずに、むしろ凝集させてしまう場合があった。金属化合物微粒子が分散液中で凝集してしまうと、金属化合物微粒子の粒度分布の測定や、粒子径の測定に支障が生じるおそれがあった。
【0009】
本発明は上記事象に鑑みてなされたものであり、金属材料中に含まれる金属化合物微粒子を凝集させずに安定して分散させることが可能な、金属化合物微粒子の分析方法および分散回収液を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する手段は以下の通りである。
[1] 金属材料に含有される金属化合物微粒子を分析する方法であって、
電解抽出用電解液中において前記金属材料に対して電解抽出を行う電解工程と、
電解抽出後の前記金属材料を分散回収液中に浸漬させ、前記金属材料に含有される前記金属化合物微粒子を前記分散回収液中に分散させる分散工程と、
前記金属化合物微粒子が分散された前記分散回収液を用いて、前記金属化合物微粒子を分析する分析工程と、を備え、
前記分散回収液には、溶媒として、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3-ブタンジオール、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γ-ブチロラクトン、水からなる群より選ばれる2種以上が含有される、金属化合物微粒子の分析方法。
[2] 前記分散回収液の前記溶媒における、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3-ブタンジオール、水のうちの何れか1種または2種以上の合計濃度が2~60vol.%である、[1]に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
[3] 前記分散回収液の前記溶媒における、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γ-ブチロラクトンのうちの1種または2種以上の合計濃度が20~85vol.%である、[1]に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
[4] 前記分散回収液の前記溶媒における、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3-ブタンジオール、水のうちの何れか1種または2種以上の合計濃度が2~60vol.%であり、
ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γ-ブチロラクトンのうちの1種または2種以上の合計濃度が20~85vol.%である、[1]に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
[5] 前記分散回収液の前記溶媒として、さらに、メチルアルコールを含有し、前記溶媒におけるメチルアルコールの濃度が55vol.%以下である、[1]乃至[4]の何れか一項に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
[6] 前記分散回収液は、更に分散剤を含有する、[1]に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
[7] 前記金属化合物微粒子が、Alの化合物および/またはMnの化合物である、[1]に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
[8] 前記分析工程は、前記分散工程において得た前記金属化合物微粒子を含む分散回収液に対して、フィールドフローフラクショネーション法を行うことにより、前記金属化合物微粒子を粒子サイズ毎に分別する工程と、
粒子サイズ毎に分別された前記金属化合物微粒子の成分を分析する工程と、を有する、[1]に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
[9] 前記分析工程は、前記分散工程において得た前記金属化合物微粒子を含む分散回収液に対して、前記分散回収液中の前記金属化合物微粒子を残しつつ液体成分を除去することにより、前記金属化合物微粒子を含む電子顕微鏡観察用の試料を作製する工程と、
前記試料を電子顕微鏡で観察する工程と、を有する、[1]に記載の金属化合物微粒子の分析方法。
[10] 金属材料に含有される金属化合物微粒子を電解抽出後に分散回収するための分散回収液であって、
溶媒として、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3ーブタンジオール、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γーブチロラクトン、水からなる群より選ばれる2種以上を含有する、分散回収液。
[11] 前記溶媒における、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3-ブタンジオール、水のうちの何れか1種または2種以上の合計濃度が2~60vol.%である、[10]に記載の分散回収液。
[12] 前記溶媒のおける、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γ-ブチロラクトンのうちの1種または2種以上の合計濃度が20~85vol.%である、[10]に記載の分散回収液。
[13] 前記溶媒における、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、2-アミノエタノール、ベンジルアルコール、サリチルアルデヒド、1,3-ブタンジオール、水のうちの何れか1種または2種以上の合計濃度が2~60vol.%であり、
ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、アセトン、γ-ブチロラクトンのうちの1種または2種以上の合計濃度が20~85vol.%である、[10]に記載の分散回収液。
[14] 前記溶媒として、さらに、メチルアルコールを含有し、前記溶媒におけるメチルアルコールの濃度が55vol.%以下である、[10]乃至[13]の何れか一項に記載の分散回収液。
[15] 前記分散回収液は、更に分散剤を含有する、[10]に記載の分散回収液。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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