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公開番号2024137344
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023048836
出願日2023-03-24
発明の名称制御装置および制御方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類C21B 5/00 20060101AFI20240927BHJP(鉄冶金)
要約【課題】高炉への操作や外乱に対して比較的遅い時間応答で観測可能な観測量結果を待つことなく、高炉の操作量を適切に決定できるようにする。
【解決手段】比較的早い時間応答で観測可能な観測量および対応する高炉の状態を推定する第1の状態空間モデルと外乱推定オブザーバとを用い、高炉への操作後第1の時間が経過したときの観測量から、外乱値を推定し、推定した外乱値から外乱に伴う熱変化量を算出し、算出した熱変化量から溶銑温度の変化量を算出し、比較的遅い時間応答で観測可能な観測量を含む観測量および対応する高炉の状態を推定する第2の状態空間モデルと溶銑温度の変化量とを用いた第3の状態空間モデルとを生成して、高炉への操作後、第1の時間より長い第2の時間が経過後の観測量および対応する高炉の状態を推定し、推定結果に基づいて、次回の高炉への操作量を決定する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
高炉のプロセスを制御する制御装置であって、
高炉への操作や外乱に対して比較的早い時間応答で観測可能な観測量および前記比較的早い時間応答で観測可能な観測量に対応する高炉の状態を推定する第1の状態空間モデルと、外乱推定オブザーバとを用い、高炉への操作後、第1の時間が経過したときに観測された観測量から、外乱値を推定する外乱推定部と、
前記推定した外乱値から、外乱の発生に伴う熱変化量を算出する熱変化量算出部と、
算出した熱変化量から、溶銑温度の変化量を算出する温度変化量算出部と、
高炉への操作や外乱に対して比較的遅い時間応答で観測可能な観測量を含む観測量および前記比較的遅い時間応答で観測可能な観測量を含む観測量に対応する高炉の状態を推定する第2の状態空間モデルと、前記温度変化量算出部によって算出された溶銑温度の変化量とを用いた第3の状態空間モデルとを生成して、高炉への操作後、前記第1の時間より長い第2の時間が経過したときに観測される観測量および前記観測量に対応する高炉の状態を推定する状態観測量推定部と、
前記状態観測量推定部の推定結果に基づいて、次回の高炉への操作に係る操作量を決定する操作量決定部と、
を有する、制御装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1の状態空間モデルに係る比較的早い時間応答で観測可能な観測量は、ガス組成、カーボンソリューションロス量、CO利用率、H

利用率、および、出銑量の少なくともいずれか1つであり、
前記第2の状態空間モデルに係る比較的遅い時間応答で観測可能な観測量は、溶銑Si、および、溶銑温度の少なくともいずれか1つである、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記操作量は、送風量、または微粉炭吹込み量である、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
高炉のプロセスを制御する制御装置の制御方法であって、
高炉への操作や外乱に対して比較的早い時間応答で観測可能な観測量および前記比較的早い時間応答で観測可能な観測量に対応する高炉の状態を推定する第1の状態空間モデルと、外乱推定オブザーバとを用い、高炉への操作後、第1の時間が経過したときに観測された観測量から、外乱値を推定する外乱推定ステップと、
前記推定した外乱値から、外乱の発生に伴う熱変化量を算出する熱変化量算出ステップと、
算出した熱変化量から、溶銑温度の変化量を算出する温度変化量算出ステップと、
高炉への操作や外乱に対して比較的遅い時間応答で観測可能な観測量を含む観測量および前記比較的遅い時間応答で観測可能な観測量を含む観測量に対応する高炉の状態を推定する第2の状態空間モデルと、前記温度変化量算出ステップの処理によって算出された溶銑温度の変化量とを用いた第3の状態空間モデルとを生成して、高炉への操作後、前記第1の時間より長い第2の時間が経過したときに観測される観測量および前記観測量に対応する高炉の状態を推定する状態観測量推定ステップと、
前記状態観測量推定ステップの推定結果に基づいて、次回の高炉への操作に係る操作量を決定する操作量決定ステップと、
を有する、制御方法。
【請求項5】
前記高炉への操作や外乱に対して比較的早い時間応答で観測可能な観測量は、ガス組成、カーボンソリューションロス量、CO利用率、H

利用率、および、出銑量の少なくともいずれか1つであり、
前記高炉への操作や外乱に対して比較的遅い時間応答で観測可能な観測量は、溶銑Si、および、溶銑温度の少なくともいずれか1つである、請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記操作量は、送風量、および、微粉炭吹込み量の少なくともいずれか1つである、請求項4または5に記載の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置および制御方法に関し、高炉への操作や外乱に対して比較的遅い時間応答で観測可能な観測量の観測結果を待つことなく、高炉の操作量を適切に決定する制御を実行できる制御装置および制御方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年の高炉プロセスにおいては、安価な鉄鉱石の利用や低還元材比条件下での操業が指向されており、高炉の炉況を安定化させたいというニーズが高まっている。
【0003】
しかしながら、安価で低品質の原材料や低還元材等を用いた操業は、炉況の不安定につながりやすく、生産量の変動や炉熱の低下の原因となってしまうことがある。例えば、鉄鉱石やコークス等の装入原料に起因して、多様な種類の外乱が発生し、高炉操業の変動が引き起こされることが知られている。そのため、安定な高炉操業の実現のためには、これらの外乱を考慮して操業する必要がある。
【0004】
また、高炉操業においては、材料の投入や条件の変更等、高炉に対して種々の操作がなされているが、高炉操業を適正化するために、操作の結果として生じる変化を観測量として観測し、観測量をフィードバックすることで次回に行う操作の操作量を調整するといった制御が行われている。
【0005】
高炉操業に関する技術としては、高炉内の状態を計算可能な物理モデルを用いて高炉における溶銑温度を予測する手法が提案されている(非特許文献1参照)。
【0006】
例えば、特許文献1には、高炉操業において、装入物由来の外乱の影響は一定時間が経過したときに初めて実測される場合が多いことに鑑みて、過去の所定区間における物理モデルの出力変数とその実測値との誤差を、出力変数をステップ的に変化させた際の出力変数の応答によりフィッテングしておき、出力変数の誤差を補償できるようにすることで、溶銑温度の予測精度を向上させる技術が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、物理モデルを用いて溶銑温度を予測する際には、鉄鉱石の被還元性やガス偏流等のモデル化が困難な外乱の影響によって溶銑温度の予測精度が低下する場合があることに鑑みて、溶銑温度以外の出力変数の過去区間における誤差の時間変化率に基づいて、計算値と実績値との差分を溶銑温度の計算誤差として算出し、操作変数の操作量が計算時点から変化したことに由来する予測誤差の影響を取り除くことで、溶銑温度の変化量の予測精度を向上させて溶銑温度の予測精度を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2018-24935
特開2019-19385
【非特許文献】
【0009】
萩原:ディジタル制御入門、コロナ社、1999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、操作や外乱の結果が反映されて観測される観測量には、操作後の比較的遅いタイミングで観測される観測量(操作や外乱に対して比較的遅い時間応答で観測可能な観測量)と、比較的早いタイミング(操作や外乱に対して比較的早い時間応答で観測可能な観測量)で観測される観測量とがある。
このため、比較的早いタイミングで観測される観測量を単純にフィードバックすることで次回に行う操作の操作量を調整したとしても、比較的遅いタイミングで観測される観測量を反映した適切な制御を行うことができず、また、比較的遅いタイミングで観測される観測量をフ単純にフィードバックすることで次回に行う操作の操作量を調整したとしても、対応が後手に回り、手遅れとなってしまうという課題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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