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公開番号2024120326
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2023027046
出願日2023-02-24
発明の名称発泡断熱紙容器用シート、及び発泡断熱紙容器
出願人日本製紙株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/10 20060101AFI20240829BHJP(積層体)
要約【課題】発泡性と成形加工性とに優れた発泡断熱紙容器用シートと、この発泡断熱紙容器用シートを用いた発泡断熱紙容器を提供すること。
【解決手段】紙基材と、該紙基材の一方の面上に形成された熱可塑性樹脂からなる未発泡層と、を有し、
前記紙基材が、多層紙を備え、
前記多層紙が、前記未発泡層に最も近い最外層と該最外層より平均繊維長の短い短繊維層を備え、前記最外層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L1が1.1mm以下であり、前記短繊維層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L2が0.85mm以下である発泡断熱紙容器用シートと、この発泡断熱紙容器用シートを用いた発泡断熱紙容器。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
紙基材と、該紙基材の一方の面上に形成された熱可塑性樹脂からなる未発泡層と、を有し、
前記紙基材が、多層紙を備え、
前記多層紙が、前記未発泡層に最も近い最外層と該最外層より離解後の平均繊維長の短い短繊維層を備え、
前記最外層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L1が1.1mm以下であり、
前記短繊維層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L2が0.85mm以下であることを特徴とする発泡断熱紙容器用シート。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記紙基材が、前記最外層上に水溶性樹脂層を備えることを特徴とする請求項1に記載の発泡断熱紙容器用シート。
【請求項3】
前記最外層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維幅W1が17.5μm以上21.2μm以下、前記短繊維層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維幅W2が17.0μm以上19.8μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡断熱紙容器用シート。
【請求項4】
前記最外層におけるN材配合率が0~20質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡断熱紙容器用シート。
【請求項5】
前記短繊維層におけるN材配合率が0~5質量%、抄紙ブローク配合率が20~80質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡断熱紙容器用シート。
【請求項6】
前記最外層と前記短繊維層との坪量比率(最外層/短繊維層)が、0.4以上1.1未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡断熱紙容器用シート。
【請求項7】
最外層と短繊維層の坪量の和が、130g/m

以上285g/m

以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡断熱紙容器用シート。
【請求項8】
多層紙の坪量が、160g/m

以上380g/m

以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡断熱紙容器用シート。
【請求項9】
胴部材および底板部材の少なくとも一方に発泡断熱紙を用いた発泡断熱紙容器であって、
前記発泡断熱紙が、紙基材と、該紙基材の一方の面上に形成された熱可塑性樹脂からなる発泡層と、を有し、
前記紙基材が、前記発泡層に最も近い最外層と該最外層より離解後の平均繊維長の短い短繊維層を備え、
前記最外層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L1が1.1mm以下であり、
前記短繊維層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L2が0.85mm以下であることを特徴とする発泡断熱紙容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡断熱紙容器用シートと、このシートを用いた発泡断熱紙容器に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
ファーストフード店やコンビニエンスストア、自動販売機などでコーヒー、緑茶、紅茶、あるいはスープなどの温飲料の容器、およびカップ入り即席ラーメンなどの容器として、断熱容器が使用されている。このような断熱容器として、一般的に、断熱性に優れた発泡ポリスチレン(EPS)製のものが用いられている。
近年、プラスチック廃棄物や地球温暖化等の環境問題に端を発して脱石油、脱プラスチックの風潮が高まっており、化石資源由来の樹脂材料や非生分解性の樹脂材料の使用量を極力低減することが望まれている。このような風潮下において、断熱容器についても、プラスチック使用量削減が望まれている。
【0003】
特許文献1には、容器胴部材及び底板部材からなる紙製容器において、容器胴部材の外壁面に低融点の熱可塑性樹脂フィルムをラミネートし、これを加熱することにより、基材である紙に含まれている水分の蒸気圧を利用して熱可塑性樹脂フィルムを凹凸に発泡させる断熱性を付与する技術が開示されている。また、特許文献2には、紙基材の少なくとも片面に発泡熱可塑性樹脂層を積層した断熱紙製容器用シートの製造方法において、紙基材に水溶性高分子を含む表面処理剤で表面処理を施す発泡性(断熱性)に優れた断熱紙製容器用シートの製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭57-110439号公報
特開2012-206384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紙基材を用いる発泡断熱容器は、紙基材中の水分を加熱蒸発させて生じた水蒸気により熱可塑性樹脂層を発泡させて発泡層とし、この発泡層中の空気により断熱性が付与されている。熱可塑性樹脂層をより発泡させて断熱性を向上させるためには、紙基材中に適度な空隙が存在し、水蒸気が通りやすいことが好ましい。紙基材を構成するパルプの平均繊維長を長くすることにより、紙基材中の空隙を増やし発泡性(断熱性)を向上させることができるが、成形加工性が低下する(カップ成型時にカップ上部のトップカール部分が想定した形状にならない、もしくはシワが発生する)という問題がある。
本発明は、発泡性と成形加工性とに優れた発泡断熱紙容器用シートと、この発泡断熱紙容器用シートを用いた発泡断熱紙容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.紙基材と、該紙基材の一方の面上に形成された熱可塑性樹脂からなる未発泡層と、を有し、
前記紙基材が、多層紙を備え、
前記多層紙が、前記未発泡層に最も近い最外層と該最外層より離解後の平均繊維長の短い短繊維層を備え、
前記最外層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L1が1.1mm以下であり、
前記短繊維層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L2が0.85mm以下であることを特徴とする発泡断熱紙容器用シート。
2.前記紙基材が、前記最外層上に水溶性樹脂層を備えることを特徴とする1.に記載の発泡断熱紙容器用シート。
3.前記最外層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維幅W1が17.5μm以上21.2μm以下、前記短繊維層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維幅W2が17.0μm以上19.8μm以下であることを特徴とする1.または2.に記載の発泡断熱紙容器用シート。
4.前記最外層におけるN材配合率が0~20質量%であることを特徴とする1.または2.に記載の発泡断熱紙容器用シート。
5.前記短繊維層におけるN材配合率が0~5質量%、抄紙ブローク配合率が20~80質量%であることを特徴とする1.または2.に記載の発泡断熱紙容器用シート。
6.前記最外層と前記短繊維層との坪量比率(最外層/短繊維層)が、0.4以上1.1未満であることを特徴とする1.または2.に記載の発泡断熱紙容器用シート。
7.最外層と短繊維層の坪量の和が、130g/m

以上285g/m

以下であることを特徴とする1.または2.に記載の発泡断熱紙容器用シート。
8.多層紙の坪量が、160g/m

以上380g/m

以下であることを特徴とする1.または2.に記載の発泡断熱紙容器用シート。
9.胴部材および底板部材の少なくとも一方に発泡断熱紙を用いた発泡断熱紙容器であって、
前記発泡断熱紙が、紙基材と、該紙基材の一方の面上に形成された熱可塑性樹脂からなる発泡層と、を有し、
前記紙基材が、前記発泡層に最も近い最外層と該最外層より離解後の平均繊維長の短い短繊維層を備え、
前記最外層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L1が1.1mm以下であり、
前記短繊維層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L2が0.85mm以下であることを特徴とする発泡断熱紙容器。
【発明の効果】
【0007】
本発明の発泡断熱紙容器用シートは、未発泡層に最も近い層として、空隙の多い最外層を備え、水蒸気が通りやすいため、発泡性に優れており、断熱性に優れた発泡断熱紙容器を得ることができる。本発明の発泡断熱紙容器用シートは、多層紙を有し、この多層紙の最外層以外の層の少なくとも1つの層が短繊維層であることにより、カップ成型時にカップ上部のトップカール部分の形状不良やシワの発生を抑制でき、成形加工性を高く維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発泡断熱紙容器用シート)
本発明の発泡断熱紙容器用シートは、紙基材と、この紙基材の一方の面上に形成された熱可塑性樹脂からなる未発泡層とを有する。
本発明の発泡断熱紙容器用シートが有する紙基材は、多層紙を備え、この多層紙は、未発泡層に最も近い最外層とこの最外層より離解後の平均繊維長の短い短繊維層を備える。最外層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L1は1.1mm以下であり、短繊維層が含む製紙用繊維の離解後の平均繊維長L2は0.85mm以下である。
【0009】
本発明において、平均繊維長と平均繊維幅は、長さ加重平均繊維長と長さ加重平均繊維幅を意味し、例えば、ABB株式会社製ファイバーテスターやバルメット株式会社製フラクショネータ等の画像解析装置や、光学顕微鏡、電子顕微鏡等を用いて繊維を観察することにより測定できる。
本明細書において、「A~B」(A、Bは数値)との表記は、A、Bの値を含む数値範囲、すなわち、A以上B以下を意味する。
【0010】
(紙基材)
本発明の紙基材は、多層紙を備え、この多層紙は、未発泡層に最も近い最外層とこの最外層より離解後の平均繊維長の短い短繊維層を備える。本発明で用いる多層紙は、最外層と短繊維層の少なくとも2層以上の紙層を有する。多層紙の紙層の数は制限されず、例えば、2層以上5層以下とすることができ、製造工程を簡略化する点から、4層以下が好ましく、3層以下がより好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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