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公開番号
2024120295
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-05
出願番号
2023026987
出願日
2023-02-24
発明の名称
放射性同位元素含有化合物、及びそれを含む骨用医薬
出願人
国立大学法人金沢大学
代理人
弁理士法人眞久特許事務所
主分類
C07K
5/072 20060101AFI20240829BHJP(有機化学)
要約
【解決課題】
99m
Tc-MDPや
99m
Tc-HMDPに対して代替可能で、低コストで供給可能、かつ骨に対して高い蓄積を示す放射性同位元素含有化合物、およびそれを含み、各種骨イメージング剤や骨転移の疼痛緩和薬剤のような骨用医薬を提供する。
【解決手段】 放射性同位元素含有化合物は、放射性同位元素の原子と配位している酸素原子と窒素原子と硫黄原子との少なくとも何れかを複数有する配位子に、直接又はスペーサー基を介して、オリゴ(γ-カルボキシグルタミン酸)が結合している錯化合物、又はその錯化合物の薬学的に許容される塩である。具体的には、前記放射性同位元素が
67
Ga、
68
Ga、
90
Y、
99m
Tc、
177
Lu、
186
Re、
188
Re、
76
Br、
123
I、
131
I及び
211
Atから選ばれる少なくとも何れかであって、前記配位子が、DOTA、HBED-CC、HINIC、及びMAG3から選ばれる少なくとも何れかである。骨用医薬は、この放射性同位元素含有化合物を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
放射性同位元素の原子と配位している酸素原子と窒素原子と硫黄原子との少なくとも何れかを複数有する配位子に、直接又はスペーサー基を介して、オリゴ(γ-カルボキシグルタミン酸)が結合している錯化合物、又はその錯化合物の薬学的に許容される塩であることを特徴とする放射性同位元素含有化合物。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記放射性同位元素が、
67
Ga、
68
Ga、
90
Y、
99m
Tc、
177
Lu、
186
Re、
188
Re、
76
Br、
123
I、
131
I及び
211
Atから選ばれる少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1に記載の放射性同位元素含有化合物。
【請求項3】
前記配位子が、DOTA、HBED-CC、HYNIC、及びMAG3から選ばれる少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1に記載の放射性同位元素含有化合物。
【請求項4】
前記放射性同位元素とそれに配位している前記配位子とが、
67
Ga、
68
Ga、
90
Y又は
177
LuとDOTA;
67
Ga又は
68
GaとHBED-CC;及び
99m
TcとHYNIC;
99m
Tc、
186
Re又は
188
ReとMAG3から選ばれる組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の放射性同位元素含有化合物。
【請求項5】
前記錯化合物が、下記化学式(1)
TIFF
2024120295000009.tif
58
170
(式(1)中、nは2~14である。)で表されるGa錯化合物(
67
Ga-HBED-CC-(Gla)
n
)、又は下記化学式(2)
TIFF
2024120295000010.tif
72
170
(式(2)中、nは2~14である。)
で表されるTc錯化合物(
99m
Tc-HYNIC-(Gla)
n
:nは上記に同じ)であることを特徴とする請求項4に記載の放射性同位元素含有化合物。
【請求項6】
前記錯化合物中、前記オリゴ(γ-カルボキシグルタミン酸)が、γ-カルボキシグルタミン酸の5~11分子のオリゴペプチドであることを特徴とする請求項1に記載の放射性同位元素含有化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の放射性同位元素含有化合物を含むことを特徴とする骨用医薬。
【請求項8】
前記放射性同位元素が
67
Ga、
68
Ga、
99m
Tc、
76
Br及び
123
Iから選ばれるイメージング核種であり、骨イメージング剤であることを特徴とする請求項7に記載の骨用医薬。
【請求項9】
前記放射性同位元素が
90
Y、
177
Lu、
186
Re、
188
Re、
131
I及び
211
Atから選ばれる治療核種であり、骨転移の疼痛緩和薬剤であることを特徴とする請求項7に記載の骨用医薬。
【請求項10】
オリゴ(γ-カルボキシグルタミン酸)からなることを特徴とする骨用医薬キャリア中間体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨イメージングや骨転移の疼痛緩和を可能にする放射性同位元素含有化合物、及びそれを含む骨用医薬に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
骨は、増殖因子を豊富に含むためがんにとって増殖しやすい環境であり、がんが転移しやすい組織である。Positron Emission Tomography (PET)やSingle Photon Emission Computed Tomography (SPECT)を用いた核医学診は、病巣部において形態変化に先行して起こる機能的変化を画像化することが可能な診断法であり、転移性骨腫瘍の早期の機能的変化を発見することができる。核医学検査において骨シンチグラフィ検査は頻度が高いものである。
【0003】
また、従来、臨床では
99m
Tc-methylene diphosphonate ([
99m
Tc]Tc-MDP)や
99m
Tc-hydroxymethylene diphosphonate ([
99m
Tc]Tc-HMDP)のように35年以上前に承認された薬剤が核医学検査に使用されている。
【0004】
上記以外の放射性核種を用いた骨造影剤として、DOTAで
67
Gaをキレートさせたアスパラギン酸誘導体[
67
Ga]Ga-DOTA-D
n
が開示されている(非特許文献1)。この非特許文献1は、アスパラギン酸の数n=11、14で、骨に対する高い蓄積があることを示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Ogawa K, Ishizaki A, Takai K, Kitamura Y, Kiwada T, Shiba K, et al. (2013) Development of Novel Radiogallium-Labeled Bone Imaging Agents Using Oligo-Aspartic Acid Peptides as Carriers. PLoS ONE 8(12): e84335. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0084335
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、
99m
Tc-MDPや
99m
Tc-HMDPに関し、使用されている核種である
99m
Tcのほとんどを海外からの輸入に頼っている。2009年には、カナダの原子炉が停止したことにより臨床使用が滞ったことがある。このため、
99m
Tc-MDPや
99m
Tc-HMDPは、安定供給に問題がある。
【0007】
また、アスパラギン酸誘導体[
67
Ga]Ga-DOTA-D
n
は、アスパラギン酸の数n=11、14で、特に骨に対する高い蓄積が示されているが、アスパラギン酸の数nが小さいものでは骨に対して十分に高い蓄積があるとはいえない。このため、アスパラギン酸が連続した長いペプチド鎖を合成する必要があり、その合成のために手間がかかるだけでなくコスト高となる問題がある。
【0008】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、
99m
Tc-MDPや
99m
Tc-HMDPに対して代替可能で、低コストで供給可能、かつ骨に対して高い蓄積を示す放射性同位元素含有化合物、及びそれを含む骨用医薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するためになされた本発明の放射性同位元素含有化合物は、放射性同位元素の原子と配位している酸素原子と窒素原子と硫黄原子との少なくとも何れかを複数有する配位子に、直接又はスペーサー基を介して、オリゴ(γ-カルボキシグルタミン酸)(以下、γ-カルボキシグルタミン酸をGlaで示すこともある)が結合している錯化合物、又はその錯化合物の薬学的に許容される塩であることを特徴とする。
【0010】
この放射性同位元素含有化合物は、例えば、前記放射性同位元素が、
67
Ga、
68
Ga、
90
Y、
99m
Tc、
177
Lu、
186
Re、
188
Re、
76
Br、
123
I、
131
I及び
211
Atから選ばれる少なくとも何れかであるというものである。
(【0011】以降は省略されています)
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