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公開番号
2024137360
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-07
出願番号
2023048855
出願日
2023-03-24
発明の名称
悪性グリオーマ再発マーカー及びその使用
出願人
国立大学法人金沢大学
,
国立大学法人 熊本大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
33/574 20060101AFI20240927BHJP(測定;試験)
要約
【課題】新規な悪性グリオーマ再発マーカー、前記悪性グリオーマ再発マーカーを測定するための悪性グリオーマ再発診断薬及び悪性グリオーマ再発診断キット、並びに前記悪性グリオーマ再発マーカーを用いた血液の判定方法の提供。
【解決手段】Ataxin-2からなる悪性グリオーマ再発マーカー。また、前記悪性グリオーマ再発マーカーを検出する悪性グリオーマ再発診断薬及び悪性グリオーマ再発診断キット。また、悪性グリオーマの治療を受けた経験のある被験者の血液試料において、Ataxin-2の存在量を測定する工程Aと、前記工程Aで測定されたAtaxin-2の存在量が、基準値と比較して多い場合に、前記血液試料が、悪性グリオーマを再発した被験者由来のものであると判定する工程Bと、を含む、血液試料の判定方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Ataxin-2からなる悪性グリオーマ再発マーカー。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
(a)Ataxin-2に対する特異的結合物質、及び
(b)安定同位体標識された、Ataxin-2又はAtaxin-2のペプチド断片、
からなる群より選択される1種以上を含む、
悪性グリオーマ再発診断薬。
【請求項3】
請求項2に記載の悪性グリオーマ再発診断薬を含む、悪性グリオーマ再発診断キット。
【請求項4】
悪性グリオーマの治療を受けた経験のある被験者の血液試料において、Ataxin-2の存在量を測定する工程Aと、
前記工程Aで測定されたAtaxin-2の存在量が、基準値と比較して多い場合に、前記血液試料が、悪性グリオーマを再発した被験者由来のものであると判定する工程Bと、
を含む、血液試料の判定方法。
【請求項5】
前記基準値が、前記被験者の悪性グリオーマの治療終了時の血液試料におけるAtaxin-2の存在量である、
請求項4に記載の血液試料の判定方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、悪性グリオーマ再発マーカー及びその使用に関する。本発明は、特に、悪性グリオーマ再発マーカー、悪性グリオーマ再発診断薬、悪性グリオーマ再発診断キット、及び血液の判定方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
日本国内での脳腫瘍の発生頻度は年間に約2万人と考えられ、脳腫瘍は組織学的におおよそ150に分類される。悪性神経膠腫治療の第一段階は腫瘍の可及的切除であるが、脳の機能温存と、神経膠腫による強い浸潤性の観点から、手術による根治は困難である。従って、悪性神経膠腫は外科療法に引き続いて化学療法、放射線療法を中心とした補助療法を行うことが不可欠と考えられ、治療効果改善の試みが続けられてきた。この40年間に神経膠腫を含む悪性脳腫瘍の治療成績は改善したが、悪性グリオーマ(特に膠芽腫)は未だあらゆる癌の中で最も予後不良である。悪性グリオーマの治療成績を改善するために、無症状の状態での早期発見を可能とし、再発早期に診断するためのマーカーが求められている。
【0003】
悪性グリオーマの再発検査は、まず、MRI等の画像診断により行われる。画像診断により、造影病変が確認されると、再発疑いとなる。しかしながら、造影病変は、放射線治療や抗癌剤による腫瘍組織の壊死により生じる場合がある。造影病変が、悪性グリオーマ病変ではなく、腫瘍組織の壊死によるものである場合は、偽再発と呼ばれる。画像診断では、造影病変が、偽再発によるものであるのか、真の悪性グリオーマの再発によるものであるのか、見分けることが困難である。そのため、真の再発と偽再発とを区別可能な、悪性グリオーマ再発マーカーが求められている。
【0004】
悪性グリオーマのバイオマーカーとしては、これまでに幾つかのタンパク質が報告されている。例えば、特許文献1では、膠芽腫マーカーとして、C9(complement component 9)、SERPINA3(alpha-1-antichymotrypsin)、GSN(gelsolin)、IGHA1(Ig alpha-1 chain C region)及びAPOA4(apolipoprotein A-IV)が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第7029745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の悪性グリオーマのバイオマーカーは、主に初発の悪性グリオーマ患者と健常者とを区別するものであり、悪性グリオーマの再発バイオマーカーは報告されていない。
【0007】
そこで、本発明は、新規な悪性グリオーマ再発マーカー、前記悪性グリオーマ再発マーカーを測定するための悪性グリオーマ再発診断薬及び悪性グリオーマ再発診断キット、並びに前記悪性グリオーマ再発マーカーを用いた血液の判定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]Ataxin-2からなる悪性グリオーマ再発マーカー。
[2](a)Ataxin-2に対する特異的結合物質、及び(b)安定同位体標識された、Ataxin-2又はAtaxin-2のペプチド断片、からなる群より選択される1種以上を含む、悪性グリオーマ再発診断薬。
[3][2]に記載の悪性グリオーマ再発診断薬を含む、悪性グリオーマ再発診断キット。
[4]悪性グリオーマの治療を受けた経験のある被験者の血液試料において、Ataxin-2の存在量を測定する工程Aと、前記工程Aで測定されたAtaxin-2の存在量が、基準値と比較して多い場合に、前記血液試料が、悪性グリオーマを再発した被験者由来のものであると判定する工程Bと、を含む、血液試料の判定方法。
[5]前記基準値が、前記被験者の悪性グリオーマの治療終了時の血液試料におけるAtaxin-2の存在量である、[4]に記載の血液試料の判定方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、新規な悪性グリオーマ再発マーカー、前記悪性グリオーマ再発マーカーを測定するための悪性グリオーマ再発診断薬及び悪性グリオーマ再発診断キット、並びに前記悪性グリオーマ再発マーカーを用いた血液の判定方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
画像診断により膠芽腫再発疑いとされた各症例において、Ataxin-2の血漿中濃度の経時変化を調べた結果を示す。
膠芽腫の偽再発の症例群と、真の再発の症例群とで、血漿中のAtaxin-2の濃度を比較した結果を示す。
Ataxin-2血漿中濃度による膠芽腫再発判定について、ROC解析を行った結果を示す。
初発膠芽腫患者の正常脳組織及び膠芽腫組織において、ウェスタンブロット解析により、Ataxin-2を検出した結果を示す。
初発膠芽腫患者の正常脳組織及び膠芽腫組織において、免疫組織化学染色により、Ataxin-2を検出した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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