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公開番号2024119106
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2023025751
出願日2023-02-22
発明の名称ガスセンサ
出願人日本碍子株式会社
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類G01N 27/419 20060101AFI20240827BHJP(測定;試験)
要約【課題】センサ素子のライトオフ時間を十分に短縮する。
【解決手段】ガスセンサ100は、センサ素子101と制御装置とを備える。制御装置は、センサ素子101の通常駆動時には電圧V2が通常時目標値になるように測定用ポンプセル41を制御して第3内部空所61の酸素濃度を調整する通常時測定用ポンプ制御処理を行う。制御装置は、通常駆動時より前のセンサ素子101の起動時には、電圧V2が通常時目標値よりも高い起動時目標値になるように測定用ポンプセル41を制御して第3内部空所61の酸素濃度を調整する起動時測定用ポンプ制御処理を行う。制御装置は、通常時測定用ポンプ制御処理によって測定用ポンプセル41に流れるポンプ電流Ip2に基づいて、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出する。制御装置は、被測定ガス中の酸素濃度が低いほど起動時目標値が小さくなる傾向に、起動時目標値を設定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸素イオン伝導性の固体電解質層を含み、被測定ガスを導入して流通させる被測定ガス流通部が内部に設けられた素子本体と、
前記被測定ガスと接触するように前記素子本体の外側に設けられた外側測定電極と、前記被測定ガス流通部のうちの測定室に配設された内側測定電極と、を有し、前記内側測定電極の周囲と前記外側測定電極の周囲との間で酸素の汲み出し及び汲み入れを行う測定用ポンプセルと、
前記被測定ガス中の特定ガス濃度の検出の基準となる基準ガスと接触するように前記素子本体の内部に配設された基準電極と、
前記基準電極と前記内側測定電極との間の測定用電圧を検出する測定用電圧検出センサセルと、
を有するセンサ素子と、
前記センサ素子の通常駆動時には前記測定用電圧が通常時目標値になるように前記測定用ポンプセルを制御して前記測定室の酸素濃度を調整する通常時測定用ポンプ制御処理を行い、前記通常駆動時より前の前記センサ素子の起動時には、前記測定用電圧が前記通常時目標値よりも高い起動時目標値になるように前記測定用ポンプセルを制御して前記測定室の酸素濃度を調整する起動時測定用ポンプ制御処理を行うポンプセル制御部と、
前記通常時測定用ポンプ制御処理によって前記測定用ポンプセルに流れる測定用ポンプ電流に基づいて、前記被測定ガス中の特定ガス濃度を検出する特定ガス濃度検出部と、
を備え、
前記ポンプセル制御部は、前記被測定ガス中の酸素濃度が低いほど前記起動時目標値が小さくなる傾向に、前記起動時目標値を設定する、
ガスセンサ。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載のガスセンサであって、
前記被測定ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出部、
を備え、
前記ポンプセル制御部は、前記酸素濃度検出部が検出した前記酸素濃度に基づいて、前記起動時目標値を設定する、
ガスセンサ。
【請求項3】
請求項2に記載のガスセンサであって、
前記被測定ガスと接触するように前記素子本体の外側に設けられた酸素濃度検出用電極と、
前記基準電極と前記酸素濃度検出用電極との間の電圧を検出する酸素濃度検出用センサセルと、
を備え、
前記酸素濃度検出部は、前記酸素濃度検出用センサセルの前記電圧に基づいて前記被測定ガス中の酸素濃度を検出する、
ガスセンサ。
【請求項4】
前記酸素濃度検出部は、前記被測定ガス中の酸素濃度の検出として、前記酸素濃度検出用センサセルの前記電圧に基づいて前記被測定ガスがリッチ雰囲気とリーン雰囲気とのいずれであるかの判定を行い、
前記ポンプセル制御部は、前記酸素濃度検出部が前記被測定ガスがリッチ雰囲気であると判定した場合には、前記酸素濃度検出部が前記被測定ガスがリーン雰囲気であると判定した場合と比べて前記起動時目標値を小さい値に設定する、
請求項3に記載のガスセンサ。
【請求項5】
請求項2に記載のガスセンサであって、
前記被測定ガス流通部のうち前記測定室の上流側に設けられた酸素濃度調整室の酸素濃度を調整する調整用ポンプセル、
を備え、
前記酸素濃度検出部は、前記調整用ポンプセルが前記酸素濃度調整室の酸素濃度を調整するときに流れる調整用ポンプ電流に基づいて前記被測定ガス中の酸素濃度を検出する、
ガスセンサ。
【請求項6】
前記酸素濃度検出部は、前記被測定ガス中の酸素濃度の検出として、前記調整用ポンプ電流に基づいて前記被測定ガスがリッチ雰囲気とリーン雰囲気とのいずれであるかの判定を行い、
前記ポンプセル制御部は、前記酸素濃度検出部が前記被測定ガスがリッチ雰囲気であると判定した場合には、前記酸素濃度検出部が前記被測定ガスがリーン雰囲気であると判定した場合と比べて前記起動時目標値を小さい値に設定する、
請求項5に記載のガスセンサ。
【請求項7】
請求項2~6のいずれか1項に記載のガスセンサであって、
前記被測定ガス中の酸素濃度と前記起動時目標値との対応関係を記憶する記憶部、
を備え、
前記ポンプセル制御部は、前記酸素濃度検出部が検出した前記酸素濃度と前記記憶部に記憶された前記対応関係とに基づいて、前記起動時目標値を設定する、
ガスセンサ。
【請求項8】
前記ポンプセル制御部は、前記起動時測定用ポンプ制御処理から前記通常時測定用ポンプ制御処理への切り替えを行う際に、前記測定用電圧の目標値を前記起動時目標値から前記通常時目標値に徐々に切り替える、
請求項1~6のいずれか1項に記載のガスセンサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排気ガスなどの被測定ガスにおけるNOxなどの特定ガスの濃度である特定ガス濃度を検出するガスセンサが知られている。例えば、特許文献1には、酸素イオン伝導性の固体電解質層を含む素子本体を有するセンサ素子と、素子本体の内部の測定室に配設された内側測定電極を有する測定用ポンプセルと、基準ガスと接触するように素子本体の内部に配設された基準電極と、基準電極と内側測定電極との間の測定用電圧を検出する測定用電圧検出センサセルと、を備えたガスセンサが記載されている。このガスセンサでは、センサ素子の通常駆動時には測定用電圧が通常時目標値になるように測定用ポンプセルを制御して測定室の酸素を汲み出す通常時測定用ポンプ制御処理が行われる。また、通常駆動時より前のセンサ素子の起動時には、測定用電圧が通常時目標値よりも高い起動時目標値になるように測定用ポンプセルを制御して測定室の酸素を汲み出す起動時測定用ポンプ制御処理が行われる。そして、通常時測定用ポンプ制御処理によって測定用ポンプセルに流れる測定用ポンプ電流に基づいて、被測定ガス中の特定ガス濃度が検出される。このように、通常駆動時より前のセンサ素子の起動時に起動時測定用ポンプ制御処理が行われることで、センサ素子の起動前から測定室に存在する酸素を速やかに測定室から除去することができる。これにより、センサ素子の起動時から測定用ポンプ電流が被測定ガス中の特定ガス濃度に対応する値になるまでの時間であるライトオフ時間を短くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-091669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、起動時測定用ポンプ制御処理を行った場合でも、ライトオフ時間を短くする効果が十分高くならない場合があった。本発明者らが検討したところ、被測定ガス中の酸素濃度に応じて起動時測定用ポンプ制御処理によるライトオフ時間の短縮効果が変化することが判明した。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、センサ素子のライトオフ時間を十分に短縮することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
[1]本発明のガスセンサは、
酸素イオン伝導性の固体電解質層を含み、被測定ガスを導入して流通させる被測定ガス流通部が内部に設けられた素子本体と、
前記被測定ガスと接触するように前記素子本体の外側に設けられた外側測定電極と、前記被測定ガス流通部のうちの測定室に配設された内側測定電極と、を有し、前記内側測定電極の周囲と前記外側測定電極の周囲との間で酸素の汲み出し及び汲み入れを行う測定用ポンプセルと、
前記被測定ガス中の特定ガス濃度の検出の基準となる基準ガスと接触するように前記素子本体の内部に配設された基準電極と、
前記基準電極と前記内側測定電極との間の測定用電圧を検出する測定用電圧検出センサセルと、
を有するセンサ素子と、
前記センサ素子の通常駆動時には前記測定用電圧が通常時目標値になるように前記測定用ポンプセルを制御して前記測定室の酸素濃度を調整する通常時測定用ポンプ制御処理を行い、前記通常駆動時より前の前記センサ素子の起動時には、前記測定用電圧が前記通常時目標値よりも高い起動時目標値になるように前記測定用ポンプセルを制御して前記測定室の酸素濃度を調整する起動時測定用ポンプ制御処理を行うポンプセル制御部と、
前記通常時測定用ポンプ制御処理によって前記測定用ポンプセルに流れる測定用ポンプ電流に基づいて、前記被測定ガス中の特定ガス濃度を検出する特定ガス濃度検出部と、
を備え、
前記ポンプセル制御部は、前記被測定ガス中の酸素濃度が低いほど前記起動時目標値が小さくなる傾向に、前記起動時目標値を設定する、
ものである。
【0008】
このガスセンサでは、センサ素子の通常駆動時には、測定用電圧が通常時目標値になるように測定用ポンプセルを制御して測定室の酸素濃度を調整する通常時測定用ポンプ制御処理が行われる。そして、通常時測定用ポンプ制御処理によって測定用ポンプセルに流れる測定用ポンプ電流に基づいて、被測定ガス中の特定ガス濃度が検出される。また、このガスセンサでは、通常駆動時より前のセンサ素子の起動時には、測定用電圧が通常時目標値よりも高い起動時目標値になるように測定用ポンプセルを制御して測定室の酸素濃度を調整する起動時測定用ポンプ制御処理が行われる。すなわち、起動時測定用ポンプ制御処理では、測定室の酸素濃度の目標値を通常駆動時よりも低い値として、測定室の酸素濃度を調整する。これにより、センサ素子の起動時から通常時測定用ポンプ制御処理を行う場合と比較して、センサ素子の起動前から測定室に存在する酸素を速やかに測定室から除去することができる。したがって、センサ素子のライトオフ時間が短くなる。
【0009】
さらに、このガスセンサでは、被測定ガス中の酸素濃度が低いほど起動時目標値が小さくなる傾向に起動時目標値が設定される。ここで、起動時測定用ポンプ制御処理から通常時測定用ポンプ制御処理への切り替え時には、測定用電圧の目標値が起動時目標値から通常時目標値に切り替わるから、測定室の酸素濃度の目標値が高い値に切り替わることになる。このとき、被測定ガス中の酸素濃度が低いと、測定室の酸素濃度が切り替え後の通常時目標値に対応する値になるまで通常時測定用ポンプ制御処理によって多くの酸素を測定室に汲み入れる必要があり、測定室の酸素濃度が通常時目標値に対応する値に到達するまでの時間が長くなる。そのため、被測定ガス中の酸素濃度に関わらず同じ値の起動時目標値を用いると、被測定ガス中の酸素濃度が低い場合にライトオフ時間の短縮効果が不十分になる場合がある。これに対して、本発明のガスセンサでは、被測定ガス中の酸素濃度が低いほど起動時目標値が小さくなる傾向に起動時目標値が設定される。すなわち、被測定ガス中の酸素濃度が低いほど起動時目標値が通常時目標値に近くなる傾向に起動時目標値が設定される。これにより、被測定ガス中の酸素濃度が低い場合に、通常時測定用ポンプ制御処理に切り替わってから測定室に汲み入れる必要がある酸素の量を少なくすることができる。したがって、被測定ガス中の酸素濃度に関わらず同じ値の起動時目標値を用いる場合と比較して、ライトオフ時間を十分に短縮することができる。
【0010】
ここで、被測定ガス中の酸素濃度が低い場合には、被測定ガス中の酸素濃度が負の値である場合(被測定ガスがリッチ雰囲気である場合)も含む。また、センサ素子の起動前から測定室に存在する酸素としては、例えば、測定室内の空間に存在する酸素分子(O
2
),内側測定電極の表面に付着した酸素分子(O
2
),及び内側測定電極の構成材料と結合している(構成材料を酸化させている)酸素,が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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