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公開番号2024139980
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023050950
出願日2023-03-28
発明の名称差圧計
出願人アズビル株式会社
代理人個人
主分類G01L 13/00 20060101AFI20241003BHJP(測定;試験)
要約【課題】平面視で長方形のセンサチップに組み込まれた差圧計の出力のドリフトを抑制する。
【解決手段】第1領域141において未接合領域112を設け、ガラス板102の第1接合領域111と第2領域142との間の第1領域141に溝を設け、第1接合領域111を、第1領域141において、第1半導体層103とガラス板102との間で、第1圧力室105を囲い平面視で第1圧力室105の周方向に均一な幅とする。
【選択図】 図1B
特許請求の範囲【請求項1】
半導体から構成された基体と、
前記基体の上に接合された耐熱ガラスからなり、平面視の形状が長方形とされ、平面視長方形の長辺方向の一端側の第1領域と平面視長方形の長辺方向の他端側の第2領域とを備えるガラス板と、
前記ガラス板の上面に配置され、前記第1領域に平面視の形状が正方形とされた第1圧力室を備える第1半導体層と、
前記第1半導体層の上に配置され、前記第1領域において、平面視で前記第1圧力室が形成された領域を含み、平面視の形状が前記第1圧力室より広い正方形の第2圧力室を備える第2半導体層と、
前記第1圧力室と前記第2圧力室との間を隔てる状態に形成されたダイアフラムと、
前記ダイアフラムの周端部近傍に設けられ、前記ダイアフラムの歪みを測定する歪計測部と、
前記第1領域において、前記ガラス板および前記基体を貫通して形成され、前記第1圧力室と連通する第1導圧路と、
前記第2領域において、前記第1半導体層、前記ガラス板、および前記基体を貫通して形成され、前記第2圧力室と連通する第2導圧路と、
前記第1領域において、前記第1半導体層と前記ガラス板との間で、前記第1圧力室を囲い平面視で前記第1圧力室の周方向に均一な幅とされ、前記第1半導体層と前記ガラス板とを接合する第1接合領域と、
前記第1領域において、前記第1接合領域の周囲で、前記第1領域の前記ガラス板の平面視長方形の長辺方向の一端側の短辺の側、および前記ガラス板の平面視長方形の2つの長辺の側に至る未接合領域と、
前記第2領域において、前記第1半導体層と前記ガラス板と接合する第2接合領域と、
前記ガラス板の前記第1接合領域と前記第2領域との間の前記第1領域に、平面視長方形の短辺方向に延在して形成された溝と
を備える差圧計。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
請求項1記載の差圧計において、
前記溝は、前記ガラス板の平面視長方形の一方の長辺から他方の長辺にかけて形成されている差圧計。
【請求項3】
請求項1または2記載の差圧計において、
前記基体、前記第1半導体層、および前記第2半導体層はシリコンから構成され、
前記ガラス板はテンパックスガラスから構成されている
差圧計。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、差圧計に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
工業用の差圧計は、小型化や耐食性などの要望により、センサチップ本体をシリコンなどの半導体やサファイアなどから構成している。例えば、ピエゾ抵抗素子などによる歪計測部が形成された半導体(シリコン)の膜から構成されたダイアフラムの一方の面および他方の面の各々に、第1圧力室および第2圧力室を設けた差圧計がある(特許文献1)。この差圧計では、第1圧力室および第2圧力室の2方向から受ける圧力の差を測定している。第1圧力室、第2圧力室、およびこれらの圧力室の各々に接続する圧力伝達のための導管には、オイルなどの圧力伝達物質が充填され、圧力は、圧力伝達物質を介してダイアフラムに作用する。
【0003】
この種の圧力計で用いられるダイアフラムは、可動領域の平面視の形状を円形または四角形とする構成が代表的であるが、四角形の方が円形より出力の線形性が高いことから、正方形とすることが多い。このように正方形としたダイアフラムや各圧力室につながる導管を組み込んだセンサチップは、平面視の形状が長方形となる。
【0004】
一方で、上述したダイアフラムおよび圧力室が形成されたセンサチップは、パッケージに収容されて用いられている。センサチップを半導体から構成する場合、主に金属から構成されるパッケージとの間を電気的に分離するために、耐熱ガラスによるガラス板を挟んでパッケージに固定している。平面視長方形のセンサチップに設けるガラス板も、平面視の形状は長方形となる。
【0005】
このような構成においては、耐熱性ガラスの上にセンサチップの一部となる第1半導体層を形成し、第1半導体層に一方の圧力室(第1圧力室)を形成し、この第1圧力室の上にダイアフラムを配置している。例えば、上述した第1半導体層に形成した凹部により第1圧力室を構成することで、凹部の部分の薄くされた第1半導体層の部分をダイアフラムとすることができる。この第1圧力室の平面視の形状によりダイアフラムの形状が規定され、第1圧力室の平面視の形状を正方形とすることでダイアフラムの可動領域が正方形となる。
【0006】
ところで、耐熱性ガラスは、クリープ、応力緩和などの粘弾性を持つ。耐熱性ガラスは半導体材料と接合されているため、線膨張係数差による熱応力が発生している。このため、ガラス板に接合されている第1半導体層のガラス板との間に形成されている第1圧力室にも熱応力が伝わっている、よって、平面視で正方形の各辺には上述した粘弾性により、応力の(経時)変化が発生する。平面視長方形のガラス板に対し、第1圧力室は平面視正方形としているため、正方形の各辺での応力は一様ではなく変化量は辺毎に異なる。ダイアフラムの変位を測定するための歪計測部は、正方形とされているダイアフラムの各辺の周縁部に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2021-092490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、正方形としたダイアフラムの各辺に加わる応力が辺毎に変わっていると、各々の歪計測部の測定値が異なることになり、正確な測定を阻害することになる。例えば、歪計測部としてピエゾ抵抗素子を用い、4つのピエゾ抵抗素子によりブリッジ回路を構成し、このブリッジ回路に一定の電流が流れている、もしくは一定の電圧が印加されている状態においてダイアフラムに変位が発生すると、発生した変位による各ピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化を、電圧の変化として出力することができる。このような構成において、上述したように接合しているガラス板の粘弾性影響が辺毎に変わると、各ピエゾ抵抗素子に異なる抵抗値の変化を引き起こし、図2に示す4つのR(ピエゾ抵抗素子)の粘弾性による経時変化分ΔR1,ΔR2,ΔR3,ΔR4が異なることになり、上述した電圧出力が経時変化する、すなわち、センサ出力Voutがドリフトすることになる。なお、図2において、Rは初期状態の抵抗値、ΔRpは圧力印加による抵抗値の変化、ΔR1~ΔR4は粘弾性による経時変化分の抵抗値変化を示す。
【0009】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、平面視で長方形のセンサチップに組み込まれた差圧計の出力のドリフト抑制を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る差圧計は、半導体から構成された基体と、基体の上に接合された耐熱ガラスからなり、平面視の形状が長方形とされ、平面視長方形の長辺方向の一端側の第1領域と平面視長方形の長辺方向の他端側の第2領域とを備えるガラス板と、ガラス板の上面に配置され、第1領域に平面視の形状が正方形とされた第1圧力室を備える第1半導体層と、第1半導体層の上に配置され、第1領域において、平面視で第1圧力室が形成された領域を含み、平面視の形状が第1圧力室より広い正方形の第2圧力室を備える第2半導体層と、第1圧力室と第2圧力室との間を隔てる状態に形成されたダイアフラムと、ダイアフラムの周端部近傍に設けられ、ダイアフラムの歪みを測定する歪計測部と、第1領域において、ガラス板および基体を貫通して形成され、第1圧力室と連通する第1導圧路と、第2領域において、第1半導体層、ガラス板、および基体を貫通して形成され、第2圧力室と連通する第2導圧路と、第1領域において、第1半導体層とガラス板との間で、第1圧力室を囲い平面視で第1圧力室の周方向に均一な幅とされ、第1半導体層とガラス板とを接合する第1接合領域と、第1領域において、第1接合領域の周囲で、第1領域のガラス板の平面視長方形の長辺方向の一端側の短辺の側、およびガラス板の平面視長方形の2つの長辺の側に至る未接合領域と、第2領域において、第1半導体層とガラス板と接合する第2接合領域と、ガラス板の第1接合領域と第2領域との間の第1領域に、平面視長方形の短辺方向に延在して形成された溝とを備える。
(【0011】以降は省略されています)

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