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公開番号2024118778
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-02
出願番号2023025261
出願日2023-02-21
発明の名称円錐ハブユニット軸受
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類F16C 33/58 20060101AFI20240826BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ハブ輪に小鍔部を設ける構成としつつも、スキューが発生した場合であっても、該スキューが増長されるのを抑制して、焼付きや小鍔部の破損を防止でき、かつハブ輪の組み付けが容易であり、さらに、製造コストも抑えることができる円錐ハブユニット軸受を提供する。
【解決手段】ハブ輪31は、内輪軌道33aと小径段部36との間にハブ輪側小鍔部35を備える。ハブ輪側小鍔部35の外径D1は、内輪41の内輪側小鍔部42の外径D2より小径であり、かつアウトボード側の円すいころ11が外輪軌道22aに接触するとともに、前記アウトボード側の前記円すいころを保持する保持器が封止部材12に接触する状態において、アウトボード側の円すいころ11の尾部11aの最大内接円径D3より小径である。ハブ輪側小鍔部35のアウトボード側側面35aの傾きは、アウトボード側の円すいころ11の尾部11aの端面の傾きより大きい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
外周面に、アウトボード側からインボード側に向かって、アウトボード側に車輪を支持固定する為の回転側フランジ、一方の列の内輪軌道、及び小径段部を少なくとも有するハブ輪と、アウトボード側端面を前記小径段部の段差面に突き当てた状態で前記小径段部の外周面に外嵌されて前記ハブ輪に固定され、外周面に他方の列の内輪軌道を有する内輪と、を備えるハブと、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の円すいころと、
前記外輪と前記ハブとの間を封止する封止部材と、
を備える円錐ハブユニット軸受であって、
前記ハブ輪は、前記一方の列の内輪軌道と前記小径段部との間にハブ輪側小鍔部を備え、
前記ハブ輪側小鍔部の外径は、前記内輪の内輪側小鍔部の外径より小径であり、かつアウトボード側の前記円すいころが前記外輪軌道に接触するとともに、前記アウトボード側の前記円すいころを保持する保持器が前記封止部材に接触する状態において、アウトボード側の前記円すいころの尾部の最大内接円径より小径であり、
前記ハブ輪側小鍔部のアウトボード側側面の傾きは、アウトボード側の前記円すいころの尾部の端面の傾きより大きい、
円錐ハブユニット軸受。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記内輪のインボード側端面は、前記ハブ輪のインボード側端面よりインボード側に位置しており、
アウトボード側の前記円すいころの尾部と前記ハブ輪側小鍔部の側面との隙間Δ2>インボード側の前記円すいころの尾部と前記内輪側小鍔部の側面との隙間Δ1である、
請求項1に記載の円錐ハブユニット軸受。
【請求項3】
前記内輪は、前記ハブ輪のインボード側端部を外径側に折り曲げることで前記ハブ輪に加締め固定され、
アウトボード側の前記円すいころの尾部と前記ハブ輪側小鍔部の側面との隙間Δ2<インボード側の前記円すいころの尾部と前記内輪側小鍔部の側面との隙間Δ1である、
請求項1に記載の円錐ハブユニット軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するために使用される円錐ハブユニット軸受に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
小型トラック、大型乗用車等、比較的重量が嵩む自動車のハブユニット軸受では、従来、転動体として円すいころを複列で備えるものが使用されている。
また、ハブユニット軸受としては、内輪軌道をそれぞれ有する一対の内輪がハブに組み込まれる、いわゆる第一世代や第二世代のハブユニット軸受のほか、近年、信頼性向上と自動車への取り付けの容易化などを目的として、片側の内輪軌道をハブ輪の外周面に直接形成した、いわゆる第三世代と呼ばれるハブユニット軸受が使用されている。
【0003】
第三世代のハブユニット軸受は、一般には、外輪の外側列に組込まれ、外側シールにより抜け止めされたころと保持器の組立体の中にハブ輪を通し、さらに、内輪ところと保持器の他の組立体(いわゆる、コーンの状態)をハブ輪の小径部に嵌合させる工順で製造される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
内側列のコーンは、内輪の小鍔部の外径を、保持器に組付けられたころの尾部の最大内接径より大きくすることによりコーンの状態が保たれるが、外側列はコーンの状態になることがなく、また、ころと保持器の組立体の中にハブ輪を通し易くする目的で、外側列の小鍔部が省略されることがある。
また、ハブ輪は、熱間鍛造後、旋削で成形(その後、熱処理→研削)されるので、ハブ輪に小鍔部が存在すると、鍛造材からの旋削量が増加し、コスト高となる虞がある。
【0005】
特許文献2には、図7に示すように、まず、軸方向外側の円すいころ301aと、該円すいころ301aが内径側に脱落しないタイプの保持器302aとの組立体を、外輪303に軸方向外側から挿入し、その後、外輪303の軸方向外端部に、外側密封部材304を装着する。次いで、ハブ輪305を、外輪303の内径側に挿入し、さらに、軸方向内側の円すいころ301bと、該円すいころ301bが外径側に脱落しないタイプの保持器302bと、内輪306との他の組立体を、外輪303に軸方向内側から挿入した円錐ハブユニット軸受300が開示されている。
この場合も、ハブ輪305に小鍔部が存在しないが、軸方向外側の円すいころ301aの尾部側(小径部側)には、内輪306の小鍔部306aの正面側端部が対向しているので、外側列の円すいころ301aを整列させることができ、ころ整列のためのなじませ回転を短くすることができる。
なお、なじませ回転とは、特許文献3にも記載されているように、円すいころを整列させる、即ち、円すいころが安定状態(各円すいころの頭部側端面と大鍔部の内側面とが当接する状態)に達するように、本組立を行う前に、外輪とハブ輪とを相対的に回転させるものをいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-35458号公報
特開2003-113841号公報
特開平10-205529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の円すいころ軸受ユニット300では、円すいころ301aがスキューして内輪306の小鍔部306aの正面側端部と接触する場合、相対速度の大きい円すいころ301aの中心側で接触するので、スキューを増長させたり、焼付きに発展する、或いは、ころ整列のためのなじませ回転が多くなる可能性がある。
【0008】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハブ輪に小鍔部を設ける構成としつつも、スキューが発生した場合であっても、該スキューが増長されるのを抑制して、焼付きや小鍔部の破損を防止でき、かつハブ輪の組み付けが容易であり、さらに、製造コストも抑えることができる円錐ハブユニット軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の上記目的は、円錐ハブユニット軸受に係る下記[1]の構成により達成される。
[1] 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
外周面に、アウトボード側からインボード側に向かって、アウトボード側に車輪を支持固定する為の回転側フランジ、一方の列の内輪軌道、及び小径段部を少なくとも有するハブ輪と、アウトボード側端面を前記小径段部の段差面に突き当てた状態で前記小径段部の外周面に外嵌されて前記ハブ輪に固定され、外周面に他方の列の内輪軌道を有する内輪と、を備えるハブと、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の円すいころと、
前記外輪と前記ハブとの間を封止する封止部材と、
を備える円錐ハブユニット軸受であって、
前記ハブ輪は、前記一方の列の内輪軌道と前記小径段部との間にハブ輪側小鍔部を備え、
前記ハブ輪側小鍔部の外径は、前記内輪の内輪側小鍔部の外径より小径であり、かつアウトボード側の前記円すいころが前記外輪軌道に接触するとともに、前記アウトボード側の前記円すいころを保持する保持器が前記封止部材に接触する状態において、アウトボード側の前記円すいころの尾部の最大内接円径より小径であり、
前記ハブ輪側小鍔部のアウトボード側側面の傾きは、アウトボード側の前記円すいころの尾部の端面の傾きより大きい、
円錐ハブユニット軸受。
【発明の効果】
【0010】
本発明の円錐ハブユニット軸受によれば、ハブ輪に小鍔部を設ける構成としつつも、スキューが発生した場合であっても、該スキューが増長されるのを抑制して、焼付きや小鍔部の破損を防止でき、かつハブ輪の組み付けが容易であり、さらに、製造コストも抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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