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公開番号2024117325
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-29
出願番号2023023360
出願日2023-02-17
発明の名称観察装置および観察方法
出願人浜松ホトニクス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G02B 21/36 20060101AFI20240822BHJP(光学)
要約【課題】観察対象物が多重散乱体である場合であっても、多重散乱光の影響を低減して観察対象物を容易に観察することができる観察装置を提供する。
【解決手段】観察装置1Aは、光源10、照射部31、撮像部50および処理部60等を備える。照射部31は、光源10から出力された空間的にコヒーレントな光を入力し、その入力した光から第1光および第2光を生成し、これら第1光および第2光を互いに重ね合わせて観察対象物Sに照射する。照射部31は、観察対象物Sに対して第1光を一定の光照射方向に沿って照射し、観察対象物Sに対して第2光を複数の光照射方向それぞれに沿って照射する。撮像部50は、第1光および第2光の双方を受光して、複数の焦点面それぞれにおける干渉強度画像を撮像する。処理部60は、干渉強度画像に基づいて所要の処理をして、複素振幅画像などを生成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の光照射方向それぞれに沿って光を観察対象物に照射したときの複数の焦点面それぞれにおける光の複素振幅画像を生成する初期画像生成部と、
前記複数の光照射方向それぞれについて、前記複数の焦点面のうちの任意の焦点面の複素振幅画像で表される光の波面を任意の他の焦点面まで伝搬させたときの光の波面を表す複素振幅画像に基づいて、前記他の焦点面の複素振幅画像を更新する画像更新部と、
を備え、
前記画像更新部は、前記複数の光照射方向それぞれ及び前記複数の焦点面それぞれについて、前記初期画像生成部により生成された複素振幅画像を初期画像として更新処理を繰り返す、
観察装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記複数の焦点面の相互間の離間距離は、前記観察対象物の観察に用いる対物レンズの開口数に基づく焦点深度より長い、
請求項1に記載の観察装置。
【請求項3】
前記複数の焦点面のうちの何れか1以上の焦点面は前記観察対象物中に位置する、
請求項1に記載の観察装置。
【請求項4】
前記画像更新部により繰り返し更新された前記複数の光照射方向それぞれの複素振幅画像に基づいて複素微分干渉画像を生成する複素微分干渉画像生成部を更に備える、
請求項1に記載の観察装置。
【請求項5】
前記複素微分干渉画像に基づいて位相微分画像を生成する位相微分画像生成部を更に備える、
請求項4に記載の観察装置。
【請求項6】
前記位相微分画像に基づいて前記観察対象物の屈折率分布画像を生成する屈折率分布画像生成部を更に備える、
請求項5に記載の観察装置。
【請求項7】
空間的にコヒーレントな光を出力する光源と、
前記光から第1光および第2光を生成し、前記第1光および前記第2光の双方を観察対象物に照射する照射部と、
前記観察対象物に照射されて前記観察対象物を経た前記第1光および前記第2光の双方を受光して、前記第1光と前記第2光との干渉による干渉強度画像を撮像する撮像部と、
前記焦点面の位置を設定する焦点面位置設定部と、
を更に備え、
前記照射部は、
前記観察対象物に対して前記第1光を一定の光照射方向に沿って照射し、
前記観察対象物に対して前記第2光を複数の光照射方向それぞれに沿って照射し、
前記撮像部は、
前記第2光の前記複数の光照射方向それぞれ及び前記複数の焦点面それぞれについて、前記第1光と前記第2光との間の位相差が複数の位相差それぞれに設定されたときの前記干渉強度画像を撮像し、
前記初期画像生成部は、
前記第2光の前記複数の光照射方向それぞれ及び前記複数の焦点面それぞれについて、前記複数の位相差それぞれに設定されたときに前記撮像部により撮像された前記干渉強度画像に基づいて位相シフト法により干渉項を求める干渉項算出部と、
前記複数の焦点面それぞれについて、前記第2光の前記複数の光照射方向それぞれについて求めた前記干渉項に基づいて前記第1光の複素振幅画像を生成する第1複素振幅画像生成部と、
前記第2光の前記複数の光照射方向それぞれ及び前記複数の焦点面それぞれについて、前記第1光の複素振幅画像に基づいて前記第2光の複素振幅画像を生成する第2複素振幅画像生成部と、
を含み、
前記画像更新部は、
前記第2複素振幅画像生成部により前記第2光の前記複数の光照射方向それぞれ及び前記複数の焦点面それぞれについて生成された前記第2光の複素振幅画像を初期画像として更新処理を繰り返す、
請求項1に記載の観察装置。
【請求項8】
前記照射部は、
互いに直交する第1方位および第2方位それぞれの直線偏光の光のうち前記第2方位の直線偏光の光に対して選択的に位相変調する空間光変調器を含み、
前記光源から出力された光を前記空間光変調器に入射させ、その入射光のうち前記第1方位の直線偏光の光を前記第1光とし、前記第2方位の直線偏光の光を前記空間光変調器により位相変調して前記光照射方向および前記位相差を設定して前記第2光とする、
請求項7に記載の観察装置。
【請求項9】
前記照射部は、
ミラーおよび強度変調型の空間光変調器を含み、
前記光源から出力された光を2分岐して前記第1光および前記第2光とし、前記第1光を前記ミラーにより反射させ、前記第2光を前記空間光変調器により強度変調して前記光照射方向および前記位相差を設定して、前記第1光および前記第2光を合波して出力する、
請求項7に記載の観察装置。
【請求項10】
前記照射部は、
第1ミラーおよび第2ミラーを含み、
前記光源から出力された光を2分岐して前記第1光および前記第2光とし、前記第1光を前記第1ミラーにより反射させ、前記第2光を前記第2ミラーにより反射させて、前記第1光および前記第2光を合波して出力し、
前記第2ミラーの反射面の方位によって前記光照射方向を設定し、
前記第1ミラーまたは前記第2ミラーの反射面の位置によって前記位相差を設定する、
請求項7に記載の観察装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、観察装置および観察方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、スフェロイドやオルガノイドと呼ばれる3次元の細胞組織を作製する技術が進歩している。また、これらの3次元細胞組織を創薬や再生医療などに応用する研究が進んでいる。これらの3次元細胞組織は光学的に透明な多重散乱体である。このような光学的に透明な散乱体をイメージングする技術として、これまでに多種多様な手法が提案されている。そのうち蛍光プローブを用いるイメージング技術としては、共焦点顕微鏡、多光子顕微鏡、ライトシート顕微鏡が挙げられる。一方、蛍光プローブを用いない非染色・非侵襲のイメージング技術としては、光コヒーレンス・トモグラフィ(Optical Coherence Tomography、OCT)などが知られている。
【0003】
スフェロイドやオルガノイドなどのような観察対象物については非染色・非侵襲のイメージングが望まれる場合が多いものの、これらの観察対象物のイメージングにOCTが適用されたという報告例は多くない。その理由としては、OCTによるイメージングの分解能が低いこと、および、OCTによるイメージングにより得られた信号の解釈が難しいこと、が考えられる。したがって、現時点では、ゴールドスタンダードとなりうる非染色の3次元細胞組織のイメージング技術は確立されていないと言ってよい。
【0004】
観察対象物の光路長を非染色・非侵襲でイメージングすることができる技術として、定量位相イメージング(Quantitative Phase Imaging、QPI)も知られている。QPIは、観察対象物(例えば細胞)の光路長という物理的な情報を取得することができることから、生物分野で応用が進んでいる。QPIにより取得した画像を用いて、微分干渉画像や位相差顕微鏡画像などの他の種類の画像を生成することができる。QPIは、情報量が比較的多い画像を取得することができる技術であり、従来の明視野画像を用いた解析よりハイコンテントな解析にも適用することができると期待されている。また、近年の機械学習による画像認識精度の向上により非染色のイメージング技術を使ったハイコンテントな解析が盛んに研究されており、今後、多重散乱体の非染色イメージングは重要な役割を担うことが期待される。しかし、QPIは、取得される画像があくまで光路長の2次元への投影であるので、真の3次元の構造を把握できない。
【0005】
また、観察対象物の光路長を非染色・非侵襲でイメージングすることができる技術として、特許文献1に記載されている光回折トモグラフィ(Optical Diffraction Tomography、ODT)も知られている。ODTは、QPIを3次元イメージング可能な技術に発展させたものであり、観察対象物の3次元屈折率トモグラフィを実現することができる。ODTを用いて細胞観察を行うことにより、細胞核やミトコンドリアなどの細胞小器官の同定が可能になり、また、3次元的な形態変化の追跡が可能になって、QPIより更にハイコンテントな解析ができることが期待されている。また、特許文献2に記載されている技術も、観察対象物の3次元屈折率トモグラフィを実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-219826号公報
米国特許第10215697号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2に記載された技術を含む従来の技術では、光源から出力された光を2分岐し、観察対象物を経た一方の分岐光を物体光とし、観察対象物を経ない他方の分岐光を参照光として、これら物体光と参照光との干渉による干渉強度画像を撮像部により撮像する。そして、この干渉強度画像に基づいて所要の演算をすることにより、複素振幅画像を生成することができ、更には観察対象物の3次元屈折率分布画像を生成することができる。従来の二光束干渉法では、観察対象物を経ない既知の波面(平面波)を有する参照光を用いて、干渉計により物体光と参照光とを干渉させて干渉強度画像を取得することにより、物体光の複素振幅(振幅および位相)を正確に求めることができる。
【0008】
しかし、従来の二光束干渉法では、互いに大きく異なる経路を経て撮像部に到達する物体光と参照光とを効率よく干渉させる為に、コヒーレンス長が長い単一周波数の光を出力するレーザ光源を用いる必要がある。物体光と参照光とを効率よく干渉させる為に、撮像部に到るまでの両光間の光路長差をできる限り短くする必要があるが、観察装置の光学系の調整は容易でなく、環境変動等の要因により光路長差が変化すると干渉信号も変化することから安定性に欠ける。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、観察対象物が多重散乱体である場合であっても、多重散乱光の影響を低減して観察対象物を容易に観察することができる観察装置および観察方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の観察装置の第1態様は、(1) 複数の光照射方向それぞれに沿って光を観察対象物に照射したときの複数の焦点面それぞれにおける光の複素振幅画像を生成する初期画像生成部と、(2) 複数の光照射方向それぞれについて、複数の焦点面のうちの任意の焦点面の複素振幅画像で表される光の波面を任意の他の焦点面まで伝搬させたときの光の波面を表す複素振幅画像に基づいて、他の焦点面の複素振幅画像を更新する画像更新部と、を備える。画像更新部は、複数の光照射方向それぞれ及び複数の焦点面それぞれについて、初期画像生成部により生成された複素振幅画像を初期画像として更新処理を繰り返す。
(【0011】以降は省略されています)

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