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公開番号
2024116108
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-27
出願番号
2024021278
出願日
2024-02-15
発明の名称
低屈折率材料、有機エレクトロルミネッセンス素子
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
H10K
85/60 20230101AFI20240820BHJP()
要約
【課題】 真空蒸着法によって高度に成膜が可能である低屈折率材料、これを用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】 分子内に、芳香環、ヘテロ芳香環、脂肪族環、および脂肪族ヘテロ環から選択される1つ以上の環と、
前記環に結合するフッ素原子、および/またはフルオロアルキル構造を有し、
分子中の炭素原子数に対するフッ素原子数の割合が20%以上であり、
分子量が500~6000であり、
真空蒸着成膜によって、450nm~900nmの範囲において光透過率が90%以上であり、450nm~900nmの範囲において屈折率が1.60未満の膜を形成可能である化合物を含む、
有機薄膜素子用の低屈折率材料。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
分子内に、芳香環、ヘテロ芳香環、脂肪族環、および脂肪族ヘテロ環から選択される1つ以上の環と、
前記環に結合するフッ素原子、および/またはフルオロアルキル構造を有し、
分子中の炭素原子数に対するフッ素原子数の割合が10%以上であり、
分子量が500~6000であり、
真空蒸着成膜によって、450nm~900nmの範囲において光透過率が90%以上であり、450nm~900nmの範囲において屈折率が1.60未満の膜を形成可能である化合物を含む、
有機薄膜素子用の低屈折率材料。
続きを表示(約 5,400 文字)
【請求項2】
フルオロアルキル構造が式(001)で表される、請求項1に記載の低屈折率材料:
JPEG
2024116108000344.jpg
17
150
式中、
Rf
001
は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、または環状の脂肪族炭化水素基を表す;
L
001
は、各々独立して、
О、S、または、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18の直鎖、分岐、環状の脂肪族炭化水素基、もしくは、
フッ素原子で置換されていてもよいビニレン基を表す;
a001は、各々独立して、0~4の整数を表す;
a002は、各々独立して、1~4の整数を表す;
*
Aは結合位置を表す。
【請求項3】
芳香環、ヘテロ芳香環、脂肪族環および脂肪族ヘテロ環から選択される2つ以上の環のうち少なくとも2つの環が互いに、酸素原子、第三級アミン、第四級炭素、および単結合からなる群から選ばれる少なくとも一種の原子、基、または結合を介して結合することを特徴にもつ、請求項1に記載の低屈折材料。
【請求項4】
芳香環、ヘテロ芳香環、脂肪族環および脂肪族ヘテロ環から選択される1つ以上の環と結合する第三級アミンを1~5つ有する、および/または、
芳香環、ヘテロ芳香環、脂肪族環および脂肪族ヘテロ環から選択される1つ以上の環と縮環構造を形成するジオキシン骨格を有する、請求項1に記載の低屈折率材料。
【請求項5】
芳香環、ヘテロ芳香環、脂肪族環および脂肪族ヘテロ環から選択される1つ以上の環が、ベンゼン構造、ピリジン構造、トリアジン構造、アダマンタン構造、ピリミジン構造から成る群より選ばれる骨格を包含する環である、請求項1に記載の低屈折率材料。
【請求項6】
ベンゼン構造が式(101)で表され、ピリジン構造が式(102)で表され、ピリミジン構造、トリアジン構造が式(103)で表され、アダマンタン構造が式(104)で表され、ピリミジン構造が式(105)で表される、請求項5に記載の低屈折率材料:
JPEG
2024116108000345.jpg
82
170
式中、
Rfは、各々独立して、式(001)で表される置換基を表す。
*
Aは結合位置を表す。
Gは、各々独立して、
フッ素原子で置換されていても良いメチル基、シアノ基、ニトロ基を表す。
a101は、1~5の整数を表し、
a102、a103、a104は、各々独立して、0~5の整数を表す。
ただし、a102とa103の合計は1以上である;
b101は、1~4の整数を表し、
b102、b103、b104は、各々独立して、0~4の整数を表す。
ただし、b102とb103の合計は1以上である;
c101は、1~3の整数を表し、
c102、c103は、各々独立して、0~2の整数を表す;
d101は、1~4の整数を表す。
e101は、1~4の整数を表し、
e102、a103は、各々独立して、0~4の整数を表す。
【請求項7】
式(201)または式(202)で表される請求項1に記載の低屈折率材料:
JPEG
2024116108000346.jpg
44
160
式中、
E
201
および、E
202
は、各々独立して、下記式(211)で表される構造を表す。
JPEG
2024116108000347.jpg
14
81
X
201
、X
202
は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2~6価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2~6価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数3~14の2~6価環状脂肪族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~14の2~6価環状脂肪族ヘテロ炭化水素基、または、
置換されていてもよい2~4価炭素原子を表す;
L
201
、は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2~4価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2~4価ヘテロ芳香族基、または、
置換されていてもよい炭素数3~14の2~4価環状脂肪族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~14の2~4価環状脂肪族ヘテロ炭化水素基を表す;
L
211
は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2~4価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2~4価ヘテロ芳香族基、または、
置換されていてもよい炭素数3~14の2~4価環状脂肪族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~14の2~4価環状脂肪族ヘテロ炭化水素基
О、S、もしくは、NB
211
を表す;
B
201
、B
211
は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の1~4価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の1~4価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数1~14の環状の1~4価脂肪族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~14の環状の1~4価脂肪族ヘテロ炭化水素基、または、
式(001)で表される構造を表す;
a201、a202は、各々独立して1~4の整数を表す;
b201、b211は、各々独立して、0~8の整数を表す;
c201、c211は、各々独立して、1~3の整数を表す;
ただし、式(201)において、
X
201
、L
201
、B
201
、B
211
、およびL
211
のうち少なくとも1つは、式(101)で表される構造、式(102)で表される構造、式(103)で表される構造、式(104)で表される構造、式(105)で表される構造、または、式(106)で表される構造であり;
式(202)において、
X
202
、B
211
、およびL
211
【請求項8】
式(301)、式(302)、式(303)、式(304)、または式(305)で表される請求項1に記載の低屈折率材料:
JPEG
2024116108000348.jpg
109
170
式中、
X
302
、X
303
は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2~4価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2~4価ヘテロ芳香族基、または、
置換されていてもよい炭素数3~14の2~4価環状脂肪族炭化水素基
置換されていてもよい炭素数3~14の2~4価環状脂肪族ヘテロ炭化水素基、もしくは、
置換されていてもよい2~4価の炭素原子を表す;
L
301
、L
302
、L
303
、L
304
、L
305
は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2~4価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2~4価ヘテロ芳香族基、または、
置換されていてもよい炭素数3~14の2~4価環状脂肪族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~14の2~4価環状脂肪族ヘテロ炭化水素基、もしくは、
単結合を表す;
B
301
、B
302
、B
303
、B
305
は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基、または、
置換されていてもよい炭素数3~14の環状の脂肪族炭化水素基、もしくは、
置換されていてもよい炭素数3~14の環状脂肪族ヘテロ炭化水素基を表す;
E
304
、E
305
は、各々独立して、
置換されていてもよいベンゼン環、もしくはピリジン環を表す;
Mは、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基、または、
置換されていてもよい炭素数3~14の環状の脂肪族炭化水素基、もしくは、
置換されていてもよい炭素数3~14の環状脂肪族ヘテロ炭化水素基を表す;
a301は、各々独立して1~2の整数を表す;
a302は、0または1を表す;
a303は、0~2の整数を表す;
a304は、0または1を表す;
【請求項9】
式(401)または(402)で表されるアミン化合物:
JPEG
2024116108000349.jpg
75
170
式中、
B
401
、B
402
は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環のヘテロ芳香族基、または、
置換されていてもよい炭素数3~14の環状脂肪族炭化水素基を表す;
を表す;
L
401
、L
402
は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数3~14の環状脂肪族炭化水素基、または、
単結合を表す;
X
401
、X
402
は、各々独立して、
置換されていてもよい炭素数6~26の単環、連結、もしくは縮環の2~4価芳香族炭化水素基、
置換されていてもよい炭素数3~26の単環、連結、もしくは縮環の2~4価ヘテロ芳香族基、
置換されていてもよい炭素数3~14の環状の2~4価脂肪族炭化水素基、
置換されていてもよい2~4価の炭素原子を表す;
Yは、各々独立して、
窒素原子、メチル基で置換された炭素原子、ニトロ基で置換された炭素原子、アダマンチル基で置換された炭素原子を表す;
Zは、各々独立して、
窒素原子、メチル基で置換された炭素原子、ニトロ基で置換された炭素原子、アダマンチル基で置換された炭素原子、トリフルオロメチル基で置換された炭素原子を表す;
a401は、各々独立して、1または2の整数を表す;
a402は、0または1の整数を表す。
少なくとも一つ以上のB
401
は、
一つ以上のフッ素原子、もしくはフッ素原子で置換された芳香族基で置換されている基、または、
置換されていてもよい炭素数3~14の環状脂肪族炭化水素基である。
少なくとも一つ以上のB
402
は、
一つ以上のフッ素原子、もしくはフッ素原子で置換された基で置換されている基、または、
置換されていてもよい炭素数3~14の環状脂肪族炭化水素基である。
【請求項10】
有機薄膜素子が有機エレクトロルミネッセンス素子である、請求項1に記載の低屈折率材料。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、低屈折率材料、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、有機薄膜太陽電池、有機トランジスタ、有機センサーといった有機電子デバイスが広く開発されている。有機電子デバイスでは、素子効率を向上させるために低屈折率材料を用いて光取り出し効率を向上させる必要がある。
【0003】
低屈折率材料として、特許文献1は、有機EL素子の取り出し効率向上を目的として、酸化ケイ素やフッ化マグネシウムなどの無機材料を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-139262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1にかかる材料では、無機材料であるため、真空蒸着法による膜厚制御が難しく、光取り出し効率の向上が困難である。また、蒸着温度が高いため周辺の有機材料層に悪影響を与える懸念がある。
【0006】
そこで本開示の一態様は、真空蒸着法によって高度に成膜が可能である低屈折率材料、これを用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子の提供に向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、
分子内に、芳香環、ヘテロ芳香環、脂肪族環、および脂肪族ヘテロ環から選択される1つ以上の環と、
前記環に結合するフッ素原子、および/またはフルオロアルキル構造を有し、
分子中の炭素原子数に対するフッ素原子数の割合が10%以上であり、
分子量が500~6000であり、
真空蒸着成膜によって、450nm~900nmの範囲において光透過率が90%以上であり、450nm~900nmの範囲において屈折率が1.60未満の膜を形成可能である化合物を含む有機薄膜素子用の低屈折率材料が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、真空蒸着法によって高度に成膜が可能である低屈折率材料、これを用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の一例を示す概略断面図である。
本開示にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の一例を示す概略断面図である。
化合物(A526)について、屈折率測定の結果を示す図である。
化合物(A526)について、透過率測定の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一態様にかかる真空蒸着法によって高度に成膜が可能である低屈折率材料、これを用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子について詳細に説明する。なお、本明細書中、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、具体的に明示する場合を除き、「~」の前後に記載される数値の単位は同じである。
[第一の態様:有機薄膜素子用の低屈折率材料]
本開示の一態様にかかる有機薄膜素子用の低屈折率材料は、
分子内に、芳香環、ヘテロ芳香環、脂肪族環、および脂肪族ヘテロ環から選択される1つ以上の環と、
前記環に結合するフッ素原子、および/またはフルオロアルキル構造を有し、
分子中の炭素原子数に対するフッ素原子数の割合が10%以上であり、
分子量が500~6000であり、
真空蒸着成膜によって、450nm~900nmの範囲において光透過率が90%以上であり、屈折率が1.60未満の膜を形成可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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