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公開番号
2024153168
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-29
出願番号
2023066893
出願日
2023-04-17
発明の名称
熱安定性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
C12N
15/54 20060101AFI20241022BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】 熱安定性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素、当該逆転写酵素の製造方法、および当該逆転写酵素を含む核酸増幅試薬を提供すること。
【解決の手段】 AMV逆転写酵素を構成するアミノ酸のうち、特定の位置にあるアミノ酸を他のアミノ酸に置換することにより、熱安定性が向上したAMV逆転写酵素を得ることができた。また前記逆転写酵素をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターで宿主を形質転換して得られる形質転換体を培養することで、前記逆転写酵素を製造することができた。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の(i)から(iii)のいずれかから選択される、トリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素:
(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるアミノ酸残基を少なくとも含み、ただし当該アミノ酸残基において、以下に示すアミノ酸置換が少なくとも生じている、AMV逆転写酵素;
配列番号1の751番目のアルギニンがヒスチジンに置換
(ii)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるアミノ酸残基を少なくとも含み、ただし当該アミノ酸残基において、配列番号1の751番目のアルギニンのヒスチジンへの置換が少なくとも生じており、さらに前記置換以外に1もしくは数個の位置での1もしくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入および付加のうち、いずれか1つ以上をさらに有し、かつ酵素活性を有するAMV逆転写酵素;
(iii)配列番号1に記載のアミノ酸配列において、配列番号1の751番目のアルギニンのヒスチジンへの置換が少なくとも生じたアミノ酸配列全体に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列であって、前記置換が残存したアミノ酸配列からなるアミノ酸残基を含み、かつ酵素活性を有するAMV逆転写酵素。
続きを表示(約 320 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のAMV逆転写酵素をコードするポリヌクレオチド。
【請求項3】
請求項2に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項4】
請求項3に記載の発現ベクターで宿主を形質転換して得られる形質転換体。
【請求項5】
宿主が大腸菌である、請求項4に記載の形質転換体。
【請求項6】
請求項4に記載の形質転換体を培養することでAMV逆転写酵素を発現させる工程と、得られた培養物から発現された前記逆転写酵素を回収する工程とを含む、AMV逆転写酵素の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載のAMV逆転写酵素を含む、標的核酸の増幅試薬
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱に対する安定性を向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
逆転写酵素の一つであるトリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素は、RNA依存DNAポリメラーゼ活性、DNA依存型DNAポリメラーゼ活性、およびリボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有しているため、cDNA合成等に必要な遺伝子工学試薬や遺伝子診断試薬などに利用されている。AMV逆転写酵素には、分子量約63kDaのα鎖および分子量約95kDaのβ鎖の2種類のサブユニットが知られているが、α鎖とβ鎖のヘテロ二量体(αβ体)は、α鎖のみの場合(α体)またはβ鎖のみの場合(β体)と比較して酵素活性が高く、これら試薬の成分として特に有用である(特許文献1)。
【0003】
AMV逆転写酵素の反応効率に影響を及ぼす要因のひとつに、RNAの二次構造があげられる。例えば、RNA分子の塩基配列が分子内でハイブリダイズするのに十分な相補性を有し、二本鎖RNAを形成する場合に、このような二次構造が形成されることがある。一般的に、RNA分子を含む反応液の反応温度を上げることによって、RNAの二次構造の形成を減らし、反応効率を向上させることができる。反応温度の上昇はまた、プライマーのミスアニーリングやプライマーダイマー形成などに起因する非特異的な反応の進行の抑制にも効果的である。そのため、多くの場合、十分に高い温度(一例として、37℃を超える温度)で反応を行なうことが望ましい。しかしながら、野生型AMV逆転写酵素(例えば、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド)は熱に対する安定性が低く、RNAの二次構造形成や非特異的反応の進行が抑制されるような温度では、酵素活性を失うことがあった。
【0004】
前記課題を解決すべく、α鎖にある特定位置のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換することで熱安定性が向上したAMV逆転写酵素が知られている(特許文献2)。しかしながら、特許文献2で開示のAMV逆転写酵素におけるアミノ酸置換は、α体より酵素活性の高いαβ体では熱安定性向上の効果が報告されていない。またα鎖および/またはβ鎖にある特定位置のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換することで熱安定性が向上したαβ体またはβ体のAMV逆転写酵素も知られている(特許文献3)が、当該逆転写酵素におけるアミノ酸置換でも熱安定性の向上が不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-334095号公報
特開2013-165669号公報
特開2014-209898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、熱安定性が向上したトリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素、当該逆転写酵素の製造方法、および当該逆転写酵素を含む核酸増幅試薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意検討した結果、トリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素を構成するアミノ酸残基のうち、特定位置にあるアミノ酸残基を他の特定アミノ酸残基に置換することにより、熱に対する安定性が向上することを見出し、本願発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本願は以下の<1>から<7>に記載の態様を包含する:
<1>以下の(i)から(iii)のいずれかから選択される、AMV逆転写酵素:
(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるアミノ酸残基を少なくとも含み、ただし当該アミノ酸残基において、以下に示すアミノ酸置換が少なくとも生じている、AMV逆転写酵素;
配列番号1の751番目のアルギニンがヒスチジンに置換
(ii)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるアミノ酸残基を少なくとも含み、ただし当該アミノ酸残基において、配列番号1の751番目のアルギニンのヒスチジンへの置換が少なくとも生じており、さらに前記置換以外に1もしくは数個の位置での1もしくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入および付加のうち、いずれか1つ以上をさらに有し、かつ酵素活性を有するAMV逆転写酵素;
(iii)配列番号1に記載のアミノ酸配列において、配列番号1の751番目のアルギニンのヒスチジンへの置換が少なくとも生じたアミノ酸配列全体に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列であって、前記置換が残存したアミノ酸配列からなるアミノ酸残基を含み、かつ酵素活性を有するAMV逆転写酵素。
【0009】
<2><1>に記載のAMV逆転写酵素をコードするポリヌクレオチド。
【0010】
<3><2>に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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