TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024114771
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-23
出願番号2024100978,2022540177
出願日2024-06-24,2021-07-16
発明の名称偏光板、位相差層付偏光板、ならびに、該偏光板または該位相差層付偏光板を含む画像表示装置
出願人日東電工株式会社
代理人個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240816BHJP(光学)
要約【課題】極めて薄型でありながら、異形加工部におけるクラック発生が抑制された偏光板を提供すること。
【解決手段】本発明の偏光板は、偏光子と保護層とを有し、矩形以外の異形を有する。保護層は10μm以下の厚みを有する樹脂膜で構成されている。偏光子は、二色性物質を含むPVA系樹脂フィルムで構成されている。単体透過率をx%とし、PVA系樹脂の複屈折をyとし、PVA系樹脂フィルムの面内位相差をznmとし、PVA系樹脂の配向関数をfとした場合に、1つの実施形態において偏光子は下記式(1)を満たし、別の実施形態において偏光子は下記式(2)を満たし、さらに別の実施形態において偏光子は下記式(3)を満たす。さらに別の実施形態において、偏光子は突き刺し強度が30gf/μm以上である。
y<-0.011x+0.52 (1)
z<-60x+2850 (2)
f<-0.018x+1.1 (3)
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を有する偏光板であって、
該偏光板は矩形以外の異形を有し、
該保護層は10μm以下の厚みを有する樹脂膜で構成されており、
該偏光子は、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、単体透過率をx%とし、該ポリビニルアルコール系樹脂の複屈折をyとした場合に、下記式(1)を満たす、偏光板:
y<-0.011x+0.525 (1)。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を有する偏光板であって、
該偏光板は矩形以外の異形を有し、
該保護層は10μm以下の厚みを有する樹脂膜で構成されており、
該偏光子は、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、単体透過率をx%とし、該ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの面内位相差をznmとした場合に、下記式(2)を満たす、偏光板:
z<-60x+2875 (2)。
【請求項3】
偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を有する偏光板であって、
該偏光板は矩形以外の異形を有し、
該保護層は10μm以下の厚みを有する樹脂膜で構成されており、
該偏光子は、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、単体透過率をx%とし、該ポリビニルアルコール系樹脂の配向関数をfとした場合に、下記式(3)を満たす、偏光板:
f<-0.018x+1.11 (3)。
【請求項4】
偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を有する偏光板であって、
該偏光板は矩形以外の異形を有し、
該保護層は10μm以下の厚みを有する樹脂膜で構成されており、
該偏光子は、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、突き刺し強度が30gf/μm以上である、偏光板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板、位相差層付偏光板、ならびに、該偏光板または該位相差層付偏光板を含む画像表示装置に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置の画像形成方式に起因して、画像表示装置の少なくとも一方には偏光板が配置されている。近年、画像表示装置の薄型化への要望が高まるのに伴い、偏光板についても薄型化の要望が高まっている。ところで、近年、偏光板を矩形以外に加工すること(異形加工:例えば、ノッチおよび/または貫通穴の形成)が望まれる場合がある。しかし、薄型偏光板の異形加工部においては、クラックが発生しやすいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-343521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、極めて薄型でありながら、異形加工部におけるクラック発生が抑制された偏光板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの実施形態による偏光板は、偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を有し、かつ、矩形以外の異形を有する。該保護層は10μm以下の厚みを有する樹脂膜で構成されている。該偏光子は、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、単体透過率をx%とし、該ポリビニルアルコール系樹脂の複屈折をyとした場合に、下記式(1)を満たす:
y<-0.011x+0.525 (1)。
本発明の別の実施形態による偏光板は、偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を有し、かつ、矩形以外の異形を有する。該保護層は10μm以下の厚みを有する樹脂膜で構成されている。該偏光子は、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、単体透過率をx%とし、該ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの面内位相差をznmとした場合に、下記式(2)を満たす:
z<-60x+2875 (2)。
本発明のさらに別の実施形態による偏光板は、偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を有し、かつ、矩形以外の異形を有する。該保護層は10μm以下の厚みを有する樹脂膜で構成されている。該偏光子は、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、単体透過率をx%とし、該ポリビニルアルコール系樹脂の配向関数をfとした場合に、下記式(3)を満たす:
f<-0.018x+1.11 (3)。
本発明のさらに別の実施形態による偏光板は、偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を有し、かつ、矩形以外の異形を有する。該保護層は10μm以下の厚みを有する樹脂膜で構成されている。該偏光子は、二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、かつ、偏光子の突き刺し強度が30gf/μm以上である。
1つの実施形態において、上記偏光子の厚みは10μm以下である。
1つの実施形態において、上記偏光子の単体透過率は40.0%以上であり、かつ、偏光度が99.0%以上である。
1つの実施形態においては、上記異形は、貫通穴、V字ノッチ、U字ノッチ、平面視した場合に船形に近似した形状の凹部、平面視した場合に矩形の凹部、平面視した場合にバスタブ形状に近似したR形状の凹部、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
1つの実施形態においては、上記U字ノッチの曲率半径は5mm以下である。
1つの実施形態においては、上記樹脂膜は、エポキシ樹脂および(メタ)アクリル系樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂を含む。
1つの実施形態においては、上記樹脂膜はエポキシ樹脂の光カチオン硬化物で構成されており、該樹脂膜の軟化温度は100℃以上である。
1つの実施形態においては、上記樹脂膜はエポキシ樹脂の有機溶媒溶液の塗布膜の固化物で構成されており、該樹脂膜の軟化温度は100℃以上である。
1つの実施形態においては、上記樹脂膜は熱可塑性(メタ)アクリル系樹脂の有機溶媒溶液の塗布膜の固化物で構成されており、該樹脂膜の軟化温度は100℃以上である。1つの実施形態においては、上記熱可塑性(メタ)アクリル系樹脂は、ラクトン環単位、無水グルタル酸単位、グルタルイミド単位、無水マレイン酸単位およびマレイミド単位からなる群から選択される少なくとも1つを有する。
本発明の別の局面によれば、位相差層付偏光板が提供される。当該位相差層付偏光板は、上記の偏光板と位相差層とを含み、該位相差層は、上記偏光子の上記保護層が配置された側と反対側に配置されている。
1つの実施形態においては、上記位相差層のRe(550)は100nm~190nmであり、Re(450)/Re(550)は0.8以上1未満であり、該位相差層の遅相軸と上記偏光子の吸収軸とのなす角度は40°~50°である。
1つの実施形態においては、上記位相差層は粘着剤層を介して上記偏光板に積層されている。
本発明のさらに別の局面によれば、画像表示装置が提供される。当該画像表示装置は、上記の偏光板または上記の位相差層付偏光板を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、異形(異形加工部)を有する偏光板において、偏光子のポリビニルアルコール(PVA)系樹脂の配向状態を制御することにより、極めて薄型でありながら、異形加工部におけるクラック発生が抑制された偏光板を実現することができる。また、このような偏光子(結果として、偏光板)は、実用上許容可能な光学特性を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態による偏光板の概略断面図である。
本発明の実施形態による偏光板における異形または異形加工部の一例を説明する概略平面図である。
本発明の実施形態による偏光板における異形または異形加工部の変形例を説明する概略平面図である。
本発明の実施形態による偏光板における異形または異形加工部のさらなる変形例を説明する概略平面図である。
本発明の実施形態による偏光板における異形または異形加工部のさらなる変形例を説明する概略平面図である。
本発明の実施形態による偏光板に用いられ得る偏光子の製造方法における加熱ロールを用いた乾燥収縮処理の一例を示す概略図である。
本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
実施例および比較例で作製した偏光子の単体透過率とPVA系樹脂の複屈折との関係を示すグラフである。
実施例および比較例で作製した偏光子の単体透過率とPVA系樹脂フィルムの面内位相差との関係を示すグラフである。
実施例および比較例で作製した偏光子の単体透過率とPVA系樹脂の配向関数との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
A.偏光板
A-1.偏光板の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光板の概略断面図である。図示例の偏光板100は、偏光子10と、偏光子10の一方の側に配置された保護層20と、を有する。目的に応じて、偏光子10の保護層20と反対側に別の保護層(図示せず)が設けられてもよい。保護層20は10μm以下の厚みを有する樹脂膜で構成されている。偏光板は、画像表示装置の視認側偏光板として用いられてもよく、背面側偏光板として用いられてもよい。偏光板は、代表的には視認側偏光板として用いられる。この場合、保護層20は、視認側(画像表示セルと反対側)に配置され得る。
【0010】
本発明の実施形態による偏光板は、矩形以外の異形を有する。本明細書において「矩形以外の異形を有する」とは、偏光板の平面視形状が矩形以外の形状を有することをいう。異形は、代表的には、異形加工された異形加工部である。したがって、「矩形以外の異形を有する偏光板」(以下、「異形偏光板」と称する場合がある)は、異形偏光板全体(すなわち、偏光板の平面視形状を規定する外縁)が矩形以外である場合のみならず、矩形の偏光板の外縁から内方に離間した部分に異形加工部が形成されている場合も包含する。偏光板において、このような異形加工部にはクラックが発生しやすいところ、本発明の実施形態によれば、そのようなクラックを顕著に抑制することができる。より詳細には、以下のとおりである。通常の(すなわち、異形ではない)偏光板(実質的には、偏光子)においては、クラックは多くの場合偏光子の吸収軸(延伸方向)に沿って発生する。一方、異形加工部においては、L字クラック(吸収軸に対して斜め方向のクラック)が発生し得る。本発明の実施形態によれば、後述するように、偏光子のPVA系樹脂の分子鎖の吸収軸方向への配向を従来の偏光子よりも緩やかにすることにより、通常のクラックのみならずこのようなL字クラックも顕著に抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

日東電工株式会社
光学積層体
21日前
日東電工株式会社
押出成形装置
今日
日東電工株式会社
押出成形装置
今日
日東電工株式会社
光学粘着シート
18日前
日東電工株式会社
光学粘着シート
18日前
日東電工株式会社
光学粘着シート
18日前
日東電工株式会社
快適性評価システム
1か月前
日東電工株式会社
配線回路基板の製造方法
21日前
日東電工株式会社
脱臭システム及び脱臭方法
28日前
日東電工株式会社
端面加工フィルムの製造方法
8日前
日東電工株式会社
光学積層体および画像表示装置
18日前
日東電工株式会社
照明空間の快適性評価システム
1か月前
日東電工株式会社
ガラス積層体および画像表示装置
1か月前
日東電工株式会社
光学部材および光学部材の製造方法
21日前
日東電工株式会社
ダイボンドフィルム及び半導体装置
8日前
日東電工株式会社
硬化物除去方法及び塗膜形成用組成物
14日前
日東電工株式会社
積層フィルムの製造方法及びその製造装置
1か月前
株式会社ニトムズ
清掃用部材、清掃用具
今日
日東電工株式会社
塗膜、塗膜形成用組成物、及び塗膜付き物品
14日前
日東電工株式会社
粘着シートおよびダイシング・ダイボンドフィルム
14日前
日東電工株式会社
補強フィルム、デバイスの製造方法および補強方法
14日前
日東電工株式会社
補強フィルム、デバイスの製造方法および補強方法
14日前
日東電工株式会社
補強フィルム、デバイスの製造方法および補強方法
14日前
日東電工株式会社
光学積層体および該光学積層体を用いた画像表示装置
29日前
日東電工株式会社
位相差層付偏光板および該位相差層付偏光板を有する画像表示装置
21日前
日東電工株式会社
位相差層付偏光板および該位相差層付偏光板を有する画像表示装置
21日前
日東電工株式会社
位相差層付偏光板および該位相差層付偏光板を有する画像表示装置
21日前
日東電工株式会社
光学補償層付偏光板
29日前
日東電工株式会社
透明導電性フィルム
16日前
日東電工株式会社
光学補償層付偏光板
29日前
日東電工株式会社
粘着シート用光硬化性組成物、粘着シート、光学積層体及び画像表示装置
今日
日東電工株式会社
半導体ワーク用のテープ処理装置および半導体ワーク用のテープ交換方法
14日前
日東電工株式会社
半導体ワーク用のテープ処理装置および半導体ワーク用のテープ交換方法
14日前
日東電工株式会社
偏光板および画像表示装置
16日前
日東電工株式会社
配向液晶フィルムの製造方法
21日前
日東電工株式会社
配向液晶フィルムの製造方法
2日前
続きを見る