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公開番号2024113601
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-22
出願番号2023018718
出願日2023-02-09
発明の名称蓋付結束バンド
出願人個人
代理人個人
主分類B65D 63/10 20060101AFI20240815BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】本発明は、ロック機構付結束バンドにおいて、ヘッド部に通したテール部を引っ張って被結束物を結束し、引抜かれたバンド部を切り落とす後処理されるが、この切り口部が鋭利な刃物となってメンテナンス作業者の指先や手、腕など切ってしまうなど怪我の原因となることを回避し、安全なメンテナンス等の保全作業を可能とする蓋付結束バンド技術を提供する。
【解決手段】ヘッド部10とテール部20とをそれぞれ両端に有するバンド部30から構成されるロック機構付き結束バンド40に用いる補助部材50であって結束バンドのヘッド部からバンド部を引き抜き出して余剰分を切除した後のバンド部の切り口部を被覆する蓋体により、蓋体70の挿通12に設けた爪11と切除後のバンド部の切り口部60近傍の裏側に残存するセレーション41とがかみ合って係止される構成を採用した。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ヘッド部(10)とテール部(20)とをそれぞれ両端に有するバンド部(30)から構成されるロック機構付き結束バンド(40)に用いる安全のための補助部材(50)であって
前記ヘッド部(10)の挿通穴(12)から前記バンド部(30)を引き抜き出した後に余剰分が切除された前記バンド部(30)の切り口部(60)を被覆する蓋体(70)により構成され、
該蓋体(70)には挿入穴(71)と爪(11)が設けられ、
該爪(11)と前記切り口部(60)の近傍に残存するセレーション(41)とがかみ合って係止されることを特徴とする結束バンド用安全蓋(1)。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
ヘッド部(10)とテール部(20)とをそれぞれ両端に有するバンド部(30)から構成されるロック機構付き結束バンド(40)に用いる安全のための補助部材(50)であって
蓋体(70)と、繋ぎ部(90)によって構成され、
前記蓋体(70)は、前記ヘッド部(10)の挿通穴(12)から前記バンド部(30)を引き抜き出した後に余剰分が切除された前記バンド部(30)の切り口部(60)を被覆し、
繋ぎ部(90)は、前記バンド部(30)を挿通させて前記ロック機構付き結束バンド(40)に前記補助部材(50)を装着するための挿通穴(80)を有し、
前記蓋体(70)の挿入穴(71)には爪(11)が設けられ、
該爪(11)と前記切り口部(60)の近傍に残存するセレーション(41)とがかみ合って係止されることを特徴とする結束バンド用安全蓋(1)。
【請求項3】
前記蓋体(70)と前記ヘッド部(10)とを係止する係着機構(100)が備えられていることを特徴とする請求項2に記載の結束バンド用安全蓋(1)。
【請求項4】
前記蓋体(70)にフック(110)が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の結束バンド用安全蓋(1)。
【請求項5】
ヘッド部(10)とテール部(20)とをそれぞれ両端に有するバンド部(30)から構成されるロック機構付き結束バンド(40)に、蓋体(70)と繋ぎ部(90)が一体に成形されて成り、
前記蓋体(70)は、前記ヘッド部(10)の挿通穴(12)から前記バンド部(30)を引き抜き出した後に余剰分が切除された前記バンド部(30)の切り口部(60)を被覆し、
繋ぎ部(90)は、前記バンド部(30)に前記蓋体(70)を連結し
前記爪(11)と前記切り口部(60)の近傍に残存させたセレーション(41)とがかみ合って係止されることを特徴とする安全蓋付き結束バンド(2)。
【請求項6】
前記蓋体(70)と前記ヘッド部(10)とを係止する係着機構(100)を有することを特徴とする請求項5に記載の安全蓋付き結束バンド(2)。
【請求項7】
前記蓋体(70)にフック(110)が設けられていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の安全蓋付き結束バンド(2)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、安全な結束バンドに関し、詳しくは、結束バンド装着後に起こる、切りっぱなし部分での怪我を防止するための安全蓋付結束バンドの技術に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
結束バンドは、その名の通り、バラバラになったものを1つに束ねるバンド(ベルト)である。その主な用途は電気の配線やケーブルを束ねてまとめたり、パイプや柱に配線を留めるときなどに使われたりするものである。日本で結束バンドが使用されるようになったのは、50年程前であり、バンドの素材である樹脂の柔軟性を活かした締め付けやすさや、強い耐久力により、配線を結束するための資材として徐々に普及したものである。現在は様々なタイプがあり、最も一般的なものは、ナイロンなどの樹脂を一体成形したもので、基本的には一度結束するとロック機構により取り外しができなくなるというものである。そのため、一度結束したものを元に戻したいという場合は結束バンドそのものをニッパーなどでカットするしかない。ただし、最近ではリピートタイプといわれる、ロック部分をレバーで解除できるタイプも販売されており、繰り返し使えるものや、シリコンやエラストマーなどの弾性によって簡易的にロックするものなどもあって、より手軽に使用できるようになっている。
【0003】
また、係るロック機構付きの結束バンドはインシュロック(登録商標)やタイラップ(登録商標)などとも呼ばれており、四角い出っ張り(ヘッド)部分に、一方の先端を通し締めつけるだけでヘッド部分の爪がかみ合い、反対方向、つまり抜ける方向には動けなくなるといった構造になっているものをいい、素材は、主にナイロン樹脂が使われている。これはナイロン樹脂が非常に丈夫ということがあるとともに、ケーブルや配線などを結束した際に傷がつかないということや、比較的安価であるということから、多く利用されている。使われるナイロン樹脂は、ナイロン66やナイロン46などである。一般的なのはナイロン66で、安価で引っ張り強度も高く、比較的耐候性にも優れているというのが特長である。もう1つのナイロン46はナイロン66よりも耐熱性に優れ、さらに耐油性も高いことから、クルマのエンジンルームなど、より厳しい環境での使用に適している。他にナイロン11、ナイロン12なども使用されている。
【0004】
なお、係るナイロン製のロック機構付き結束バンドには白いものと黒いものがあるが、この違いは白いものは主に室内用で、黒いものは室外用となっている。係る色の違いについては、黒い結束バンドには紫外線遮蔽剤が添加されており、紫外線による劣化がおきにくくしたものであり、他方、白いものは遮蔽剤が添加されていないので、紫外線による劣化で破断してしまうことがあるため、使用する場所に合わせて選択するというものである。
【0005】
また、ポリプロピレン(PP)も結束バンドによく使われている材質である。強度も高く、耐熱性もあることに加えてナイロンよりも酸やアルカリといった薬品に強いのが特長であり、そのため医療器具などにも使わる材質である。
さらに、フッ素樹脂は、耐薬品性や耐熱性(170度くらいまで対応)、さらに耐寒性(-80度くらいまで対応)に耐候性、耐放射能性に優れた材質であり、フッ素樹脂が使われた結束バンドは高性能である。
【0006】
結束バンドは、主に複数の電線やケーブルを束ね、整えるプラスチック製配線結束材として使われてきた。1950年代以降、大量輸送機関、自動車、工業プラント、電気・通信機器の技術的発展に伴い、ケーブルマネジメントの需要がグローバルに拡大していく中で、結束バンドは、従来の紐による結束に代わり、プラスチックの柔軟性を活かした締め付けやすさ、耐久性の良さから、配線結束材として広く採用されるようになった。
【0007】
しかし、このように多様な用途に用いられる便利な結束バンドであるが、この結束バンドの取扱いによっては作業者に怪我を負わせてしまう場合があり、安全面において解決しなければならない課題を残すものであった。これは即ち、ロック機構付結束バンドにおいて、ヘッド部に通したテール部を引っ張って被結束物を結束し、引抜かれたバンド部(セレ-ション)はニッパーなどで切り落とされ、この切り口部が鋭利な刃物となってメンテナンス作業者の指先や手、腕など切ってしまうなど怪我の原因となる。係る事故防止対策としては、結束を行った作業者が引抜いたバンド部(セレ-ション)をヘッド部から突き出ないように丁寧に切除すれば良いわけであるが、神経を研ぎ澄ませた作業を強いることとなり作業負担が大きくなってしまうという問題がある。特に、自動車整備作業や電気配線工事のメンテナンス作業等では、刃物だらけの狭いところに手を入れるのと同様であり、大変危険である。
【0008】
係る問題を解決しようと従来からも種々の技術が提案されている。例えば、発明の名称を「電気接続箱へのワイヤーハーネスの固定構造及び固定方法」とし、解決しようとする課題を「 安価で省スペース化が可能であると共に、ワイヤーハーネスを電気接続箱に確実に固定・保持することが出来、しかも、ワイヤーハーネスを電気接続箱に固定・保持した後に不要となる蓋体を設ける必要がない電気接続箱へのワイヤーハーネスの固定構造を提供する。」とするもので、具体的な解決手段を「本発明は、ワイヤーハーネスを接続箱本体に固定する電気接続箱へのワイヤーハーネスの固定構造であって、ワイヤーハーネスの外周に巻き付けられて結束する結束バンドがワイヤーハーネスを結束する前に前記接続箱本体に固定されるバンド固定部を、前記接続箱本体の外周に設けた。これにより、結束バンドを介してワイヤーハーネスが電気接続箱に確実に固定・保持され、安価で省スペース化が可能となる。」としたものである。しかしながら、係る技術は、結束バンドを用いて被結束物であるワイヤーハーネスを電気設続箱へ固定するものであり、係る固定にはバンド固定部としての突起部や篏合凹部を設ける必要があり、被固定物に予め加工を施さなければならない。従って汎用性に欠けると考えられる。
【0009】
また、発明の名称を発明の名称を「筐体へのワイヤーハーネスの取付構造」とし、解決しようとする課題を「作業性が良く、かつ作業工程数を低減できるようにする。」とするもので、具体的な解決手段を「結束バンドは、ロック部及びバンド部を含む。ロック部は、バンド挿通孔及びバンドロック部を有する。バンド部には、バンド挿通孔内でバンドロック部に係合する係合部が、長手方向に連続して複数形成されている。箱体は、第1バンド取付部を有する。蓋体は、残余部を第1バンド取付部との間に挿入自在に構成される第2バンド取付部を有する。第2バンド取付部の第1バンド取付部との対向面に、係合部に係合するバンド係止部が設けられる。」としたものである。しかしながら、係る技術もバンドロック部に係合する係合部を箱体等に設けておく必要があるため、汎用性に欠けるという点で特許文献1と同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平9-51624号
特開2012-147537号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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