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公開番号2024108250
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2023012519
出願日2023-01-31
発明の名称火薬類貯蔵施設及びその構築方法
出願人日本ヒューム株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類E02D 29/05 20060101AFI20240805BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】プレキャスト工法を用いて火薬類貯蔵施設を短期間に構築する。
【解決手段】側壁部10A~10D、貯蔵室底版20A、20B、隔離室底版30、貯蔵室頂版40A、40B、隔離室頂版50、側板60は、それぞれコンクリートで構成されたプレキャスト部材として製造される。ここでは側壁部10A~10Dの各々を同一、貯蔵室底版20A、20Bの各々を同一、貯蔵室頂版40A、40Bの各々を同一、の形状とすることができる。また、側壁部と貯蔵室頂版の間は、上下方向に延伸する鉄筋(鉛直鉄筋)を用いて連結し、貯蔵室頂版と隔離室頂版の間は、水平方向に延伸する鉄筋(水平鉄筋)を用いて連結することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内部に火薬類が貯蔵される2つの貯蔵室と、2つの前記貯蔵室の間に設けられ火薬類が貯蔵されない隔離室と、が水平方向に並んで形成された火薬類貯蔵施設であって、
前記貯蔵室の水平方向における側面、及び前記貯蔵室と前記隔離室との水平方向における境界面を構成するように水平方向に離間して設置された4つの側壁部と、
隣接する2つの前記側壁部の間を上側から封止して2つの前記貯蔵室を形成し、それぞれ当該2つの前記側壁部に下側から支持される2つの貯蔵室頂版と、
2つの前記貯蔵室頂版の間において、隣接する2つの前記側壁部の間を上側から封止して前記隔離室を形成し、当該2つの前記側壁部に下側から支持される隔離室頂版と、
を具備し、
前記貯蔵室頂版における前記隔離室頂版が設けられない側において、前記貯蔵室頂版と当該貯蔵室頂版を下側から支持する前記側壁部は、各々において鉛直方向に沿って形成された孔部である鉛直孔部の内部に、前記貯蔵室頂版から前記貯蔵室頂版にかけて鉛直方向に延伸する鉄筋である鉛直鉄筋が設置された状態で固定され、
前記貯蔵室頂版における前記隔離室頂版が設けられた側において、前記貯蔵室頂版と前記隔離室頂版とは、各々において水平方向に沿って形成された孔部である水平孔部の内部に、前記貯蔵室頂版から前記隔離室頂版にかけて水平方向に延伸する鉄筋である水平鉄筋が設置された状態で固定されたことを特徴とする火薬類貯蔵施設。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記貯蔵室頂版における前記隔離室頂版が設けられない側において形成された前記鉛直孔部は、前記貯蔵室頂版を上下方向にわたり貫通するように形成され、当該鉛直孔部には、内部に前記鉛直鉄筋が設置された状態でモルタルが充填されたことを特徴とする請求項1に記載の火薬類貯蔵施設。
【請求項3】
前記側壁部は、最下部において局所的に水平方向に広く形成されたことによって自身が載置された際に自身を支持する脚部を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の火薬類貯蔵施設。
【請求項4】
前記貯蔵室及び前記隔離室を、2つの前記貯蔵室と前記隔離室が並んだ方向と垂直な方向かつ水平方向で封止する側板を具備し、
当該側板は、最下部において局所的に水平方向で広く形成されたことによって自身が載置された際に自身を支持する脚部を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の火薬類貯蔵施設。
【請求項5】
4つの前記側壁部、2つの前記貯蔵室頂版は、それぞれ共通の形状とされたことを特徴とする請求項1に記載の火薬類貯蔵施設。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の火薬類貯蔵施設の構築方法であって、
前記側壁部、前記貯蔵室頂版、及び前記隔離室頂版をプレキャストブロックとして製造し、
一方の側から他方の側に向かい第1から第4の前記側壁部を順次配置する側壁部配置工程と、
第1の前記側壁部と第2の前記側壁部の間、第2の前記側壁部と第3の前記側壁の間、及び第3の前記側壁部と第4の前記側壁部の間、の底部にそれぞれ底版を設置する底版配置工程と、
第1の前記側壁部と第2の前記側壁部の上側に、第1の前記貯蔵室頂版を設置し、第1の前記側壁部と第1の前記貯蔵室頂版とを、前記鉛直鉄筋を介して連結して固定する第1固定工程と、
前記第1固定工程後に、前記水平鉄筋を介して前記隔離室頂版と第1の前記貯蔵室頂版と連結して、前記隔離室頂版を第2の前記側壁部と第3の前記側壁部の上側に固定する第2固定工程と、
前記第2固定工程後に、前記水平鉄筋を介して第2の前記貯蔵室頂版と前記隔離室頂版とを連結し、かつ第4の前記側壁部と第2の前記貯蔵室頂版とを、前記鉛直鉄筋を介して連結して、第2の前記貯蔵室頂版を第3の前記側壁部と第4の前記側壁部の上側に固定する第3固定工程と、
を具備することを特徴とする、火薬類貯蔵施設の構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に爆発性の危険物である火薬等を貯留する火薬類貯蔵施設、その構築方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
爆発性の火薬類を貯蔵する火薬庫に対しては、火薬類取締法の技術基準に基づいた制限が要求され、例えば、その貯蔵量や保安距離(爆発時に一定の安全性が確保できる距離)が定められている。また、鉄筋コンクリートで構築されること、等の構造に関する制限も設けられる。特許文献1等には、こうした制限を考慮した火薬庫の構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4892106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鉄筋コンクリート造の火薬類貯蔵庫に対しても、他の鉄筋コンクリート製の施設と同様に、これを短期間に構築できることが望まれる。他のコンクリート構造物を短期間に構築する構築方法として、施工現場とは別の工場で型枠を用いて製造された複数のコンクリートブロック(プレキャストブロック)を施工現場で組み立てるプレキャスト工法が知られている。また、これによって、構築される構造物の品質も高くすることができる。
【0005】
一方で、単一の火薬類貯蔵庫における貯蔵量には保安距離の定めから制限があるため、単体の火薬庫(貯蔵室)が複数設けられ、これらが一定の隔離距離を介して離間して設けられた火薬類貯蔵施設とすることが好ましい。この場合、貯蔵室の間には、乾燥砂が充填される隔離室が設けられる。このように複数の貯蔵室、隔離室が設けられた貯蔵施設の構造は複雑となる。前記のようなプレキャスト工法は、例えば橋梁等の比較的単純な構造のコンクリート構造物の構築には適しているが、この貯蔵施設のような複雑な構造のコンクリート構造物の構築には適しておらず、適用が困難であった。
【0006】
特に、プレキャスト工法を用いてこのような火薬類貯蔵施設を構築する場合には、例えば直交する2つのプレキャスト部材間を強固に接合する工程が多く必要となる。このため、短期間で火薬類貯蔵施設を構築することは困難であった。このため、プレキャスト工法を用いて火薬類貯蔵施設を短期間に構築する技術が求められた。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、内部に火薬類が貯蔵される2つの貯蔵室と、2つの前記貯蔵室の間に設けられ火薬類が貯蔵されない隔離室と、が水平方向に並んで形成された火薬類貯蔵施設であって、前記貯蔵室の水平方向における側面、及び前記貯蔵室と前記隔離室との水平方向における境界面を構成するように水平方向に離間して設置された4つの側壁部と、隣接する2つの前記側壁部の間を上側から封止して2つの前記貯蔵室を形成し、それぞれ当該2つの前記側壁部に下側から支持される2つの貯蔵室頂版と、2つの前記貯蔵室頂版の間において、隣接する2つの前記側壁部の間を上側から封止して前記隔離室を形成し、当該2つの前記側壁部に下側から支持される隔離室頂版と、を具備し、前記貯蔵室頂版における前記隔離室頂版が設けられない側において、前記貯蔵室頂版と当該貯蔵室頂版を下側から支持する前記側壁部は、各々において鉛直方向に沿って形成された孔部である鉛直孔部の内部に、前記貯蔵室頂版から前記貯蔵室頂版にかけて鉛直方向に延伸する鉄筋である鉛直鉄筋が設置された状態で固定され、前記貯蔵室頂版における前記隔離室頂版が設けられた側において、前記貯蔵室頂版と前記隔離室頂版とは、各々において水平方向に沿って形成された孔部である水平孔部の内部に、前記貯蔵室頂版から前記隔離室頂版にかけて水平方向に延伸する鉄筋である水平鉄筋が設置された状態で固定されたことを特徴とする。
本発明において、前記貯蔵室頂版における前記隔離室頂版が設けられない側において形成された前記鉛直孔部は、前記貯蔵室頂版を上下方向にわたり貫通するように形成され、当該鉛直孔部には、内部に前記鉛直鉄筋が設置された状態でモルタルが充填されたことを特徴とする。
本発明において、前記側壁部は、最下部において局所的に水平方向に広く形成されたことによって自身が載置された際に自身を支持する脚部を具備することを特徴とする。
本発明において、前記貯蔵室及び前記隔離室を、2つの前記貯蔵室と前記隔離室が並んだ方向と垂直な方向かつ水平方向で封止する側板を具備し、当該側板は、最下部において局所的に水平方向で広く形成されたことによって自身が載置された際に自身を支持する脚部を具備することを特徴とする。
本発明において、4つの前記側壁部、2つの前記貯蔵室頂版は、それぞれ共通の形状とされたことを特徴とする。
本発明において、前記貯蔵室頂版における前記隔離室頂版が設けられない側において形成された前記鉛直孔部は、前記貯蔵室頂版を上下方向にわたり貫通するように形成され、当該鉛直孔部には、内部に前記鉛直鉄筋が設置された状態でモルタルが充填されたことを特徴とする。
本発明の火薬類貯蔵施設の構築方法は、前記火薬類貯蔵施設の構築方法であって、前記側壁部、前記貯蔵室頂版、及び前記隔離室頂版をプレキャストブロックとして製造し、一方の側から他方の側に向かい第1から第4の前記側壁部を順次配置する側壁部配置工程と、第1の前記側壁部と第2の前記側壁部の間、第2の前記側壁部と第3の前記側壁の間、及び第3の前記側壁部と第4の前記側壁部の間、の底部にそれぞれ底版を設置する底版配置工程と、第1の前記側壁部と第2の前記側壁部の上側に、第1の前記貯蔵室頂版を設置し、第1の前記側壁部と第1の前記貯蔵室頂版とを、前記鉛直鉄筋を介して連結して固定する第1固定工程と、前記第1固定工程後に、前記水平鉄筋を介して前記隔離室頂版と第1の前記貯蔵室頂版と連結して、前記隔離室頂版を第2の前記側壁部と第3の前記側壁部の上側に固定する第2固定工程と、前記第2固定工程後に、前記水平鉄筋を介して第2の前記貯蔵室頂版と前記隔離室頂版とを連結し、かつ第4の前記側壁部と第2の前記貯蔵室頂版とを、前記鉛直鉄筋を介して連結して、第2の前記貯蔵室頂版を第3の前記側壁部と第4の前記側壁部の上側に固定する第3固定工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プレキャスト工法を用いて火薬類貯蔵施設を短期間で構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施の形態に係る火薬類貯蔵施設の斜視図である。
本発明の実施の形態に係る火薬類貯蔵施設の分解図である。
本発明の実施の形態に係る火薬類貯蔵施設の構築方法を示す斜視図である。
本発明の実施の形態に係る火薬類貯蔵施設の構築方法を示す斜視図(続き)である。
本発明の実施の形態に係る火薬類貯蔵施設の構築方法における、特に貯蔵室頂版と側壁部の間の構造を詳細に示す図である。
本発明の実施の形態に係る火薬類貯蔵施設の構築方法における、特に貯蔵室頂版と側壁部の間の構造を詳細に示す図(続き)である。
本発明の実施の形態に係る火薬類貯蔵施設の構築方法における、特に貯蔵室頂版と隔離室頂版の間の構造を詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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