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公開番号2024104396
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-05
出願番号2023008580
出願日2023-01-24
発明の名称リリーフ設定圧調整システム
出願人キャタピラー エス エー アール エル
代理人個人,個人,個人
主分類F15B 11/02 20060101AFI20240729BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約【課題】コントロールバルブから油圧アクチュエータに至るアクチュエータラインから分岐形成されたラインリリーフ油路に、手動操作によりリリーフ設定圧を調整する手動式のラインリリーフ弁が配された油圧システムにおいて、ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整作業を、単独で精度良く行えるようにする。
【解決手段】ラインリリーフ弁25のリリーフ設定圧調整作業を補佐する制御を行うコントローラ20に、リリーフ設定圧調整作業時のポンプ流量を制御するポンプ流量制御手段と、手動操作によるリリーフ設定圧調整作業の実行を指示する指示指令出力手段54と、リリーフ設定圧調整作業時に圧力センサ31により検出されたポンプ圧が目標リリーフ設定圧の所定範囲内になったことを報知する報知指令出力手段55とを設けた。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
可変容量型の油圧ポンプと、該油圧ポンプを油圧供給源とする油圧アクチュエータと、油圧ポンプから油圧アクチュエータへの油供給油路に配されて油圧アクチュエータへの油供給を制御するコントロールバルブと、該コントロールバルブから油圧アクチュエータに至るアクチュエータラインから分岐形成されて油タンクに至るラインリリーフ油路に配され、手動操作によりリリーフ設定圧を調整できる手動式のラインリリーフ弁とを備えてなる作業機械の油圧システムにおいて、前記手動操作によるラインリリーフ弁のリリーフ設定圧の調整作業を補佐する制御を行う制御装置と、油圧ポンプのポンプ圧を検出して該検出されたポンプ圧を制御装置に出力するポンプ圧検出手段とを設けるとともに、前記制御装置は、ラインリリーフ弁の目標リリーフ設定圧および目標流量を設定する目標値設定手段と、ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整作業時に前記目標流量をラインリリーフ弁から流出させるべく油圧ポンプのポンプ流量を制御するポンプ流量制御手段と、手動操作によるラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整作業の実行を指示する指示指令出力手段と、リリーフ設定圧調整作業時にポンプ圧検出手段から入力されるポンプ圧が前記目標リリーフ設定圧の所定範囲内になったことを報知する報知指令出力手段とを備えることを特徴とするリリーフ設定圧調整システム。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
請求項1において、作業機械の油圧システムは、さらに、油圧ポンプからコントロールバルブに至るポンプ油路から分岐形成されて油タンクに至るメインリリーフ油路に配されるメインリリーフ弁を備えるとともに、制御装置は、ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整作業時におけるメインリリーフ弁のリリーフ設定圧を、ラインリリーフ弁の目標リリーフ設定圧よりも所定圧以上高くするための制御を行うメインリリーフ弁制御手段を備えることを特徴とするリリーフ設定圧調整システム。
【請求項3】
請求項1において、制御装置は、油圧ポンプのポンプ容量を制御するポンプ容量制御手段と、油圧ポンプの駆動源となるエンジンの回転数を制御するエンジン回転数制御手段とを備えるとともに、ポンプ流量制御手段は、ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整作業時に油圧ポンプの容量を最低容量に固定した状態でエンジン回転数制御手段によりエンジン回転数を調整することで油圧ポンプのポンプ流量を制御することを特徴とするリリーフ設定圧調整システム。
【請求項4】
請求項1において、作業機械の油圧システムは、複数の油圧ポンプを備えるとともに、制御装置は、ラインリリーフ弁毎に設定された目標流量に応じて、リリーフ設定圧調整作業の実行時にラインリリーフ弁に複数の油圧ポンプのポンプ流量を合流して供給する制御を行うことを特徴とするリリーフ設定圧調整システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械の油圧システムに設けられるラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整システムの技術分野に関する。
続きを表示(約 5,100 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル等の作業機械の油圧システムには、油圧ポンプ、該油圧ポンプを油圧供給源として駆動する油圧アクチュエータ、油圧ポンプから油圧アクチュエータへの油供給油路に配されて油圧アクチュエータへの油供給を制御するコントロールバルブ等が設けられるが、さらに、個々の油圧アクチュエータにかかる最大圧力を制限するべく、コントロールバルブから油圧アクチュエータに至るアクチュエータラインからラインリリーフ油路を分岐形成し、該ラインリリーフ油路にラインリリーフ弁を配設することが一般的に行われている。このものでは、個々の油圧アクチュエータが許容できる最大圧力に応じてラインリリーフ弁のリリーフ設定圧が設定されるが、初期に設定したリリーフ設定圧は、ラインリリーフ弁を構成する弁体の摩耗やスプリングのへたり等の経年変化により低下してしまうことがある。ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧が低下すると、油圧アクチュエータの圧力が低下して作業効率が悪くなるため、経年等に応じてラインリリーフ弁のリリーフ設定圧を調整する必要がある。
そこで従来、ポンプ油路の最大圧力を制限するリリーフ弁の経年変化によるリリーフ設定圧の低下に対応するために、リリーフ弁に調圧ピストンを具備するとともに、コントローラから出力される制御指令に基づいて調圧ピストンに制御圧を供給する電磁比例弁を設けて、リリーフ状態でのポンプ油路の圧力が初期のリリーフ設定圧と異なるときに、電磁比例弁から調圧ピストンに制御圧を供給することでリリーフ弁のリリーフ設定圧を調整できるようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
また、ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧を容易に変更できるようにするために、ラインリリーフ弁にリリーフ圧可変シリンダを具備するとともに、コントローラから出力される制御指令に基づいてリリーフ圧可変シリンダに制御圧(設定変更圧)を供給する電磁比例弁を設けて、ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧を変更する場合に、電磁比例弁からリリーフ圧可変シリンダに制御圧を供給することでラインリリーフ弁のリリーフ設定圧を変更できるようにした技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
一方、ラインリリーフ弁として、コントローラから供給される電流に応じてリリーフ設定圧を可変できる電磁式リリーフ弁を用いた技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平11-94105号公報
特開2003-185042号公報
特許第6347936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1、2のものは、何れも、リリーフ弁あるいはラインリリーフ弁として、制御圧により作動する調圧ピストンあるいはリリーフ圧可変シリンダを備えた特殊な構造のものが用いられているとともに、コントローラから出力される制御指令に基づいて調圧ピストンやリリーフ圧可変シリンダに制御圧を供給する電磁比例弁が設けられている。また、特許文献3のものは、コントローラから出力される制御指令に基づいてリリーフ設定圧を可変できる電磁式リリーフ弁が用いられている。つまり、特許文献1~3のものは、何れも、コントローラにより制御される電磁弁が用いられている。
しかるに、特にラインリリーフ弁においては、コスト的に有利である手動式のリリーフ弁(手動操作で調整ハンドルを回してスプリング力を調整することでリリーフ設定圧を変更できるリリーフ弁)が多く採用されている。このような手動式のリリーフ弁においては、前述した特許文献1~3のようにコントローラからの制御指令に基づいてリリーフ設定圧の調整を行うことができないため、リリーフ設定圧を調整する場合には、コントロールバルブから油圧アクチュエータに至るアクチュエータラインを油圧アクチュエータ用操作具の操作でリリーフ状態にした状態で、手動操作によりリリーフ設定圧を調整しなければならず、このため少なくとも二人以上の人員が必要であるうえ、リリーフ状態にする場合にリリーフ弁への供給流量を正確に制御することが難しいという問題がある。このため、ラインリリーフ弁として手動式のリリーフ弁が用いられている場合であっても、容易かつ正確にリリーフ設定圧の調整を行えるようにしたいという要望があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、可変容量型の油圧ポンプと、該油圧ポンプを油圧供給源とする油圧アクチュエータと、油圧ポンプから油圧アクチュエータへの油供給油路に配されて油圧アクチュエータへの油供給を制御するコントロールバルブと、該コントロールバルブから油圧アクチュエータに至るアクチュエータラインから分岐形成されて油タンクに至るラインリリーフ油路に配され、手動操作によりリリーフ設定圧を調整できる手動式のラインリリーフ弁とを備えてなる作業機械の油圧システムにおいて、前記手動操作によるラインリリーフ弁のリリーフ設定圧の調整作業を補佐する制御を行う制御装置と、油圧ポンプのポンプ圧を検出して該検出されたポンプ圧を制御装置に出力するポンプ圧検出手段とを設けるとともに、前記制御装置は、ラインリリーフ弁の目標リリーフ設定圧および目標流量を設定する目標値設定手段と、ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整作業時に前記目標流量をラインリリーフ弁から流出させるべく油圧ポンプのポンプ流量を制御するポンプ流量制御手段と、手動操作によるラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整作業の実行を指示する指示指令出力手段と、リリーフ設定圧調整作業時にポンプ圧検出手段から入力されるポンプ圧が前記目標リリーフ設定圧の所定範囲内になったことを報知する報知指令出力手段とを備えることを特徴とするリリーフ設定圧調整システムである。
請求項2の発明は、請求項1において、作業機械の油圧システムは、さらに、油圧ポンプからコントロールバルブに至るポンプ油路から分岐形成されて油タンクに至るメインリリーフ油路に配されるメインリリーフ弁を備えるとともに、制御装置は、ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整作業時におけるメインリリーフ弁のリリーフ設定圧を、ラインリリーフ弁の目標リリーフ設定圧よりも所定圧以上高くするための制御を行うメインリリーフ弁制御手段を備えることを特徴とするリリーフ設定圧調整システムである。
請求項3の発明は、請求項1において、制御装置は、油圧ポンプのポンプ容量を制御するポンプ容量制御手段と、油圧ポンプの駆動源となるエンジンの回転数を制御するエンジン回転数制御手段とを備えるとともに、ポンプ流量制御手段は、ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整作業時に油圧ポンプの容量を最低容量に固定した状態でエンジン回転数制御手段によりエンジン回転数を調整することで油圧ポンプのポンプ流量を制御することを特徴とするリリーフ設定圧調整システムである。
請求項4の発明は、請求項1において、作業機械の油圧システムは、複数の油圧ポンプを備えるとともに、制御装置は、ラインリリーフ弁毎に設定された目標流量に応じて、リリーフ設定圧調整作業の実行時にラインリリーフ弁に複数の油圧ポンプのポンプ流量を合流して供給する制御を行うことを特徴とするリリーフ設定圧調整システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、ラインリリーフ弁のリリーフ設定圧調整作業を単独で容易に行えることになって、調整作業の作業効率向上に大きく貢献できるとともに、リリーフ設定圧調整の精度向上にも貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、ラインリリーフ弁の設定圧調整作業時にメインリリーフ弁が前漏れしてしまう不具合を確実に回避できる。
請求項3の発明とすることにより、ポンプ流量制御を精度良く行えることになって、リリーフ設定圧調整の精度向上に大きく貢献できる。
請求項4の発明とすることにより、油圧アクチュエータが複数の油圧ポンプからの圧油供給流量を必要とするものであっても、リリーフ設定圧調整作業を支障なく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
油圧ショベルの側面図である。
作業機械の油圧システムの一部を示す概略油圧回路図である。
コントローラの入出力を示すブロック図である。
メインルーチンの手順を示すフローチャート図である。
準備制御の手順を示すフローチャート図である。
メインリリーフ設定圧変更制御の手順を示すフローチャート図である。
ラインリリーフ設定圧調整制御の手順を示すフローチャート図である。
第二の実施の形態におけるメインルーチンの手順を示すフローチャート図である。
第二の実施の形態におけるメインリリーフ設定圧変更制御の手順を示すフローチャート図である。
第二の実施の形態におけるメインリリーフ設定圧復帰制御の手順を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の作業機械の一例である油圧ショベル1の側面図であって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2の上方に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に装着されるフロント作業機4等の各部から構成されており、さらに該フロント作業機4は、基端部が上部旋回体3に上下揺動自在に支持されるブーム5、該ブーム5の先端部に前後揺動自在に支持されるスティック6、該スティック6の先端部に揺動自在に取付けられるバケット7等の各種部材を備えて構成されている。さらに、油圧ショベル1には、前記下部走行体2を走行せしめる左右の走行モータ(図示せず)、上部旋回体3を旋回せしめる旋回モータ(図示せず)、ブーム5を揺動させるべく伸縮作動するブームシリンダ8、スティック6を揺動させるべく伸縮作動するスティックシリンダ9、バケット7を揺動させるべく伸縮作動するバケットシリンダ10等の各種油圧アクチュエータが設けられている。
【0009】
図2に、前記油圧ショベル1に設けられる油圧システムの一部概略図を示すが、該図2において、P1、P2はエンジンEにより駆動され、前記油圧ショベル1に設けられる各種油圧アクチュエータの油圧供給源となる可変容量型の油圧ポンプ、P1a、P2aは油圧ポンプP1、P2の容量可変手段、Tは油タンク、Aは前記各種油圧アクチュエータのうちの一例としての油圧アクチュエータ(例えば、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10等)、11は油圧ポンプP1から油圧アクチュエータAへの圧油供給油路に配されて油圧アクチュエータAへの油供給を制御するコントロールバルブ、12~18は油圧ポンプP1、P2から他油圧アクチュエータ(前記各種油圧アクチュエータのうち油圧アクチュエータA以外の油圧アクチュエータ、図2に図示せず)への油供給を制御する他油圧アクチュエータ用コントロールバルブである。
【0010】
前記コントロールバルブ11は、電磁式の方向切換弁であって、後述するコントローラ(本発明の制御装置に相当する)20からの制御指令に基づいて、油圧アクチュエータAへの油給排を行わない中立位置Nから、油圧アクチュエータAへの油給排を行う作動位置XまたはYに切換るように構成されている。尚、図2では、コントロールバルブ11が作動位置Xに位置している状態を示している。また、他油圧アクチュエータ用コントロールバルブ12~18も同様に、コントローラ20からの制御指令に基づいて中立位置と作動位置とに切換る電磁式の方向切換弁であるが、図2では簡略化して図示してある。
(【0011】以降は省略されています)

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