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公開番号2024103667
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024088874,2020061024
出願日2024-05-31,2020-03-30
発明の名称金属樹脂接合体およびその製造方法
出願人株式会社ノリタケカンパニーリミテド
代理人個人
主分類B22F 1/102 20220101AFI20240725BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】金属微粒子焼結体層と、樹脂層と、基材とを備える信頼性の高い接合体を提供すること。また、かかる接合体を製造する方法を提供すること。
【解決手段】ここで開示される接合体は、
基材と、該基材上に形成された、樹脂から成る樹脂層と、該樹脂層上に形成された、金属微粒子焼結体から成る金属層とを備える接合体であって、前記樹脂層には金属粒子が内在しており、該内在金属粒子のうち少なくとも一部は、前記金属微粒子焼結体と焼結していることを特徴とする。
【選択図】図4


特許請求の範囲【請求項1】
基材と、
該基材上に形成された、樹脂から成る樹脂層と、
該樹脂層上に形成された、金属微粒子焼結体から成る金属層と、
を備える接合体であって、
前記樹脂層には金属粒子が内在しており、該内在金属粒子のうち少なくとも一部は、前記金属微粒子焼結体と焼結している、接合体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記金属層と前記樹脂層との境界面には、該樹脂層の内側に向けて微細孔が存在しており、
前記微細孔の少なくとも一部には、前記金属微粒子焼結体が入り込んでおり、
ここで、前記境界面を映したFE-SEM断面画像における前記微細孔の開口径をa、該開口径aの中心から該微細孔における前記金属微粒子焼結体が侵入した最深部までの距離をb’としたとき、当該開口径aが1μm以上10μm以下であり、且つ、該距離b’が2μm以上であるものが存在する、請求項1に記載の接合体。
【請求項3】
前記境界面を映したFE-SEM断面画像において、前記開口径aの中心から前記微細孔の最深部までの距離をbとして、該開口径aが1μm以上10μm以下であり、且つ、該距離bが2μm以上である当該微細孔を100点以上検知したとき、前記距離b’が2μm以上であるものが60%以上存在する、請求項2に記載の接合体。
【請求項4】
前記60%以上存在する微細孔各々について、前記開口径aと、前記距離b’との比であるb’/a比を算出したとき、該b’/a比の平均値が1.3以上である、請求項3に記載の接合体。
【請求項5】
前記金属層と前記樹脂層との境界面を映したFE-SEM断面画像(10μm×10μm)を10枚用意し、各断面画像において該金属層と該樹脂層の境界線を5μm分測りとったとき、該境界線における当該金属層と当該樹脂層との間に隙間が生じている部分の距離の合計が各々1μm以上である、請求項2から4のいずれか一項に記載の接合体。
【請求項6】
前記金属微粒子焼結体を構成する金属微粒子の主構成金属元素が貴金属元素である、請求項1から5のいずれか一項に記載の接合体。
【請求項7】
前記金属微粒子焼結体を構成する金属微粒子の主構成金属元素が金(Au)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の接合体。
【請求項8】
前記樹脂は熱硬化性樹脂を構成要素とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の接合体。
【請求項9】
前記樹脂は熱硬化性エポキシ樹脂を構成要素とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の接合体。
【請求項10】
前記金属層の緻密度が80%以上である、請求項1から9のいずれか一項に記載の接合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金、銀、パラジウム等から構成される金属微粒子から成る焼結体層と、樹脂から成る樹脂層と、基材とを備える接合体に関する。さらに、本発明は、かかる接合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、金属微粒子から成る金属微粒子焼結体層と、樹脂から成る樹脂層との接合体が種々の用途向けに開発されている。例えば、下記特許文献1では、銅微粒子焼結体層とポリイミドフィルムとの接合体が、小型の電気機器等のプリント配線板用基材として用いられる旨が記載されている。そして、かかる接合体は、ポリイミドフィルムの一方側の面をアルカリ処理し、かかる面に銅微粒子が含まれる導電性インクを塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させた後、焼成することで製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-114680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、上記特許文献1に記載される技術は銅微粒子を用いた技術であるが、現在は銅のみならず金、銀のような貴金属から成る金属微粒子焼結体層を備える接合体が求められている。しかしながら、上記特許文献1の技術では、金属酸化物および金属酸化物に由来する基によって樹脂との接合が保たれるため、貴金属をはじめとしたさまざまな金属種から構成される焼結体層を備えた高い接合強度を有する接合体を得ることが困難であると思われる。また、樹脂の耐熱温度以下で焼結できる低温焼結金属微粒子は焼結性が高く、焼成過程の早期段階で微粒子同士の焼結が進行してしまうため、樹脂層との反応性・接合性が失われ、信頼性の高い接合体を実現することが困難であるというような課題もあった。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属微粒子焼結体層と、樹脂層と、基材とを備える信頼性の高い接合体を提供することである。また、ここで開示される接合体の製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、基材と、該基材上に形成された、樹脂から成る樹脂層と、該樹脂層上に形成された、金属微粒子焼結体から成る金属層(即ち、金属微粒子焼結体層)とを備える接合体が提供される。また、上記樹脂層には金属粒子が内在しており、該内在金属粒子の少なくとも一部は、上記金属微粒子と焼結していることを特徴とする。かかる構成の接合体においては、内在金属粒子と金属微粒子との焼結により、高い接合強度を実現することができる。
なお、本明細書ならびに特許請求の範囲において「金属微粒子」という場合は、特に1粒単位を指している場合を除いて、多数の微粒子の集団(即ち、particles)を意味している。例えば、後述する<金属微粒子分散体>における当該金属微粒子は、1粒ではなくparticlesとしての金属微粒子を指す。日本語では、単数か複数かが曖昧なため、「金属微粒子」の意味を明確にするために上記のように規定する。
【0007】
ここで開示される接合体の好ましい一態様においては、上記金属層と上記樹脂層との境界面に、該樹脂層の内側に向けて微細孔が存在している。そして、上記微細孔のうち少なくとも一部には、上記金属微粒子焼結体が入り込んでおり、ここで、上記境界面を映したFE-SEM断面画像における上記微細孔の開口径をa、該微細孔における上記金属微粒子焼結体が侵入した距離をb’としたとき、該開口径aが1μm以上10μm以下であり、且つ、該距離b’が2μm以上であるものが存在する。かかる構成の接合体においては、微細孔中の金属微粒子焼結体がいわゆるアンカー効果の役割を果たすため、高い接合強度を実現することができる。
【0008】
より好ましくは、上記境界面を映したFE-SEM断面画像において、上記開口径aの中心から上記微細孔の最深部までの距離をbとして、該開口径aが1μm以上10μm以下であり、且つ、該距離bが2μm以上である当該微細孔を100点以上検知(無作為的に、100点以上検知)したとき、上記距離b’が2μm以上であるものが60%以上存在する。かかる構成の接合体においては、上記アンカー効果がより好適に発揮されるため、より高い接合強度を実現することができる。
【0009】
より好ましくは、上記60%以上存在する微細孔各々について、上記開口径aと、上記距離b’との比であるb’/a比を算出したとき、該b’/a比の平均値が1.3以上である。
かかる構成の微細孔は長細く、金属微粒子焼結体がより奥深くまで入り込み易いため、上記アンカー効果がより好適に実現される。かかるb/a比は、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましく、2.5以上であることが特に好ましい。
【0010】
また、好ましい一態様においては、上記金属層と上記樹脂層との境界面を映したFE-SEM断面画像(10μm×10μm)を(無作為的に)10枚用意し、各断面画像において該金属層と該樹脂層の境界線を(無作為的に)5μm分測りとったとき、該境界線における当該金属層と当該樹脂層との間に隙間が生じている部分の距離の合計が各々1μm以上である。
かかる構成によると、接合が主に金属微粒子と内在金属粒子との焼結によりなされているため、接合強度が高くなる。また、隙間が存在することにより、熱応力の緩和が好適になされる。
(【0011】以降は省略されています)

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