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公開番号
2024125088
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-13
出願番号
2023033193
出願日
2023-03-03
発明の名称
スラブの製造方法
出願人
株式会社神戸製鋼所
代理人
弁理士法人ATEN
主分類
B22D
11/124 20060101AFI20240906BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】UT欠陥を低減する。
【解決手段】スラブの製造方法は、脱ガス処理により溶鋼中の水素濃度を1.5ppm以下に調整する精錬工程と、垂直曲げ型連続鋳造機または曲げ型連続鋳造機によりスラブを鋳造する鋳造工程において、精錬工程で調整した溶鋼をタンディッシュに供給し、鋳型直下から矯正帯終了位置までにおいて、スラブの幅方向両端部の「IN面比水量/OUT面比水量」≦3.0とし且つスラブの幅方向両端部のIN面比水量を0.60L/kg-steel以下とする鋳造工程と、鋳造工程により鋳造されたスラブを切断し、鋳造後50分以内に、切断されたスラブの上および下に、同じ鋳造機または他の鋳造機で鋳造された鋳造後50分以内のスラブを置き、前記切断されたスラブの上および下に鋳造後50分以内のスラブが置かれた状態を40時間以上維持する冷却工程とを備える。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
脱ガス処理により溶鋼中の水素濃度を1.5ppm以下に調整する精錬工程と、
垂直曲げ型連続鋳造機または曲げ型連続鋳造機によりスラブを鋳造する鋳造工程において、
前記精錬工程で調整した溶鋼をタンディッシュに供給し、
鋳型直下から矯正帯終了位置までにおいて、スラブの幅方向両端部の「IN面比水量/OUT面比水量」≦3.0とし且つスラブの幅方向両端部のIN面比水量を0.60L/kg-steel以下とする鋳造工程と、
前記鋳造工程により鋳造されたスラブを切断し、鋳造後50分以内に、切断されたスラブの上および下に、同じ鋳造機または他の鋳造機で鋳造された鋳造後50分以内のスラブを置き、前記切断されたスラブの上および下に鋳造後50分以内のスラブが置かれた状態を40時間以上維持する冷却工程と、
を備えていることを特徴とするスラブの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラブの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
鋳造したスラブを圧延して得られた製品には、水素に起因した欠陥(以下、「UT欠陥」と称する)が存在することがある。UT欠陥は、圧延後の冷却時に、鋼中に固溶した水素が偏析等に集積し、温度が低下することで固溶度が下がり、気体となり、その圧力で開孔することにより生じる。
【0003】
UT欠陥を低減する方法として、UT欠陥の起点となる偏析等を低減する方法が知られている(特許文献1参照)。また、鋳造後、圧延前に、鋳片を保温カバーで覆ったり加熱炉内に置いたりすることにより鋳片を高温に保持し、その間に、鋳片中の水素を拡散させ、鋳片から水素を除去する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-102848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の偏析等を低減する方法では、UT欠陥を十分に低減できないことがわかった。また、鋳造後、鋳片を保温カバーで覆ったり加熱炉内に置いたりする方法では、保温カバーや加熱炉といった大掛かりな設備や多量の燃料が必要である。
【0006】
本発明は、従来の方法と異なる方法により、UT欠陥を低減できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らの研究から、圧延前の、精錬、鋳造および冷却の一連の工程において、以下の条件でスラブを製造することにより、大掛かりな設備や多量の燃料を使うことなく、UT欠陥を低減できることがわかった。
【0008】
本願明細書に開示されるスラブの製造方法は、脱ガス処理により溶鋼中の水素濃度を1.5ppm以下に調整する精錬工程と、垂直曲げ型連続鋳造機または曲げ型連続鋳造機によりスラブを鋳造する鋳造工程において、前記精錬工程で調整した溶鋼をタンディッシュに供給し、鋳型直下から矯正帯終了位置までにおいて、スラブの幅方向両端部の「IN面比水量/OUT面比水量」≦3.0とし且つスラブの幅方向両端部のIN面比水量を0.60L/kg-steel以下とする鋳造工程と、前記鋳造工程により鋳造されたスラブを切断し、鋳造後50分以内に、切断されたスラブの上および下に、同じ鋳造機または他の鋳造機で鋳造された鋳造後50分以内のスラブを置き、前記切断されたスラブの上および下に鋳造後50分以内のスラブが置かれた状態を40時間以上維持する冷却工程と、を備える。
【0009】
なお、従来、UT欠陥を低減できるスラブが製造できたとしても、その後の圧延条件等により、UT欠陥が発生することがあった。例えば、圧延停止時の温度が低い場合や圧延後に加速冷却する場合、鋼中の水素が製品の表面まで拡散せず、UT欠陥が発生することがある。また、製品の厚みが厚い場合、鋼中の水素が製品の表面から充分に拡散せず、UT欠陥が発生することがある。
上述したスラブの製造方法によると、スラブの製造後、UT欠陥が発生しやすい条件でも、UT欠陥を低減できることがわかった。
【発明の効果】
【0010】
上記方法によると、UT欠陥を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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