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公開番号2024160398
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-13
出願番号2024144196,2020210799
出願日2024-08-26,2020-12-18
発明の名称フラックス入りワイヤ
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B23K 35/368 20060101AFI20241106BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】ガスシールドアーク溶接時における溶接作業性が良好であり、引張強度及び低温靱性が優れた溶接金属を得ることができる、フラックス入りワイヤを提供する。
【解決手段】外皮にフラックスが充填されているガスシールドアーク溶接用のフラックス入りワイヤは、各化学成分を適切に制御するとともに、下記数式(I)により算出されるθが10.0以上30.0以下である。 θ=4.1×α-3.2×γ-32.3 ・・・(I) 但し、ワイヤ全質量に対するSi、Cr、Mo、Ti、C、N、Mn、Cu、Niの含有量を、それぞれ、質量%で[Si]、[Cr]、[Mo]、[Ti]、[C]、[N]、[Mn]、[Cu]、[Ni]としたとき、α=0.02×[Si]+[Cr]+1.20×[Mo]+0.3×[Ti]+0.30、γ=24×[C]+28×[N]+0.25×[Mn]+0.5×[Cu]+1.10×[Ni]とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外皮にフラックスが充填されているガスシールドアーク溶接用のフラックス入りワイヤであって、
ワイヤ全質量に対して、
Fe:40質量%以上70質量%以下、
Cr:15.0質量%以上25.0質量%以下、
Ni:5.0質量%以上11.0質量%以下、
Si:0.5質量%以上3.0質量%以下、
Mn:0.5質量%以上5.0質量%以下、
Na及びKの総量:0.05質量%以上1.0質量%以下、
TiO

:3.0質量%以上9.0質量%以下、
ZrO

:1.0質量%超4.0質量%以下、
Al



:0.3質量%以上2.0質量%以下、を含有し、
C:0.015質量%未満、
Ti:1.0質量%以下、
Mo:2.0質量%以下、
Cu:0.5質量%以下、
Al:0.9質量%以下、
N:0.040質量%以下、
F:0.30質量%以下、であるとともに、
下記数式(I)により算出されるθが10.0以上30.0以下であることを特徴とするフラックス入りワイヤ。
θ=4.1×α-3.2×γ-32.3 ・・・(I)
但し、ワイヤ全質量に対するSi含有量を質量%で[Si]、ワイヤ全質量に対するCr含有量を質量%で[Cr]、ワイヤ全質量に対するMo含有量を質量%で[Mo]、ワイヤ全質量に対するTi含有量を質量%で[Ti]、ワイヤ全質量に対するC含有量を質量%で[C]、ワイヤ全質量に対するN含有量を質量%で[N]、ワイヤ全質量に対するMn含有量を質量%で[Mn]、ワイヤ全質量に対するCu含有量を質量%で[Cu]、ワイヤ全質量に対するNi含有量を質量%で[Ni]としたとき、
α=0.02×[Si]+[Cr]+1.20×[Mo]+0.3×[Ti]+0.30
γ=24×[C]+28×[N]+0.25×[Mn]+0.5×[Cu]+1.10×[Ni]とする。
続きを表示(約 97 文字)【請求項2】
さらに、
ワイヤ全質量に対して、
Bi:0.001質量%以上0.10質量%以下、を含有することを特徴とする、請求項1に記載のフラックス入りワイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フラックス入りワイヤに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に、ガスは輸送・保管の効率を上げるため、低温で液化してタンクに貯蔵されるため、貯蔵タンクの構造部材には貯蔵するガスの液化温度域における低温靱性が求められる。
液化エチレンガス用の貯蔵タンク等の構造部材としては、引張強度及び低温靱性が良好な5%Ni鋼板が使用されている。5%Ni鋼板の溶接材料には、Ni基合金溶接材料が使用されることが多いが、Ni基合金よりも低コストであるステンレス鋼の溶接材料も使用されている。
【0003】
ここで、特許文献1には、5%Ni鋼板用のステンレス鋼フラックス入りワイヤが開示されている。このフラックス入りワイヤは、完全オーステナイト組織となるように溶接金属の成分の調整を行うことにより、低温靱性の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6719217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、液化天然ガス用の貯蔵タンクにおいては、液化エチレンガス用のタンクよりもさらに低い温度域での靱性特性が要求されるため、5%Ni鋼板よりも低温靱性に優れ、かつ高強度な9%Ni鋼板が使用されている。
【0006】
5%Ni鋼板同様、9%Ni鋼板においても、溶接材料にはNi基合金溶接材料が使用されることが一般的であるが、ステンレス鋼溶接材料が適用できれば低コスト化が可能である。
しかしながら、特許文献1に記載のステンレス鋼フラックス入りワイヤは、9%Ni鋼板用としては強度が不足することがあるため、使用出来ない。また、高温割れの発生を防止するためには完全オーステナイト組織ではなく、ある程度のフェライト相を含むことが望ましい。さらに、フラックス入りワイヤにおいては、アーク溶接時において、良好な溶接作業性も求められている。
【0007】
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであり、ガスシールドアーク溶接時における溶接作業性が良好であり、引張強度及び低温靱性が優れた溶接金属を得ることができる、フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フラックス入りワイヤ中の成分を所定の範囲に規定することによって、溶接金属中のオーステナイト相とフェライト相の割合を制御し、凝固形態をフェライト単相凝固であるFモードにしたうえで、微細なウィドマンステッテンオーステナイトを析出させることで、引張強度と低温靱性を向上させることができることを見出した。本発明は、これら知見に基づいてなされたものである。
【0009】
本発明の上記目的は、フラックス入りワイヤに係る下記[1]の構成により達成される。
【0010】
[1] 外皮にフラックスが充填されているガスシールドアーク溶接用のフラックス入りワイヤであって、
ワイヤ全質量に対して、
Fe:40質量%以上70質量%以下、
Cr:15.0質量%以上25.0質量%以下、
Ni:5.0質量%以上11.0質量%以下、
Si:0.5質量%以上3.0質量%以下、
Mn:0.5質量%以上5.0質量%以下、
Na及びKの総量:0.05質量%以上1.0質量%以下、
TiO

:3.0質量%以上9.0質量%以下、
ZrO

:1.0質量%超4.0質量%以下、
Al



:0.3質量%以上2.0質量%以下、を含有し、
C:0.015質量%未満、
Ti:1.0質量%以下、
Mo:2.0質量%以下、
Cu:0.5質量%以下、
Al:0.9質量%以下、
N:0.040質量%以下、
F:0.30質量%以下、であるとともに、
下記数式(I)により算出されるθが10.0以上30.0以下であることを特徴とするフラックス入りワイヤ。
θ=4.1×α-3.2×γ-32.3 ・・・(I)
但し、ワイヤ全質量に対するSi含有量を質量%で[Si]、ワイヤ全質量に対するCr含有量を質量%で[Cr]、ワイヤ全質量に対するMo含有量を質量%で[Mo]、ワイヤ全質量に対するTi含有量を質量%で[Ti]、ワイヤ全質量に対するC含有量を質量%で[C]、ワイヤ全質量に対するN含有量を質量%で[N]、ワイヤ全質量に対するMn含有量を質量%で[Mn]、ワイヤ全質量に対するCu含有量を質量%で[Cu]、ワイヤ全質量に対するNi含有量を質量%で[Ni]としたとき、
α=0.02×[Si]+[Cr]+1.20×[Mo]+0.3×[Ti]+0.30
γ=24×[C]+28×[N]+0.25×[Mn]+0.5×[Cu]+1.10×[Ni]とする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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