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公開番号2024103571
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024086206,2023523261
出願日2024-05-28,2023-01-26
発明の名称体液に含まれる成分の濃度を測定するシステムおよび方法
出願人アトナープ株式会社
代理人個人
主分類A61B 5/1455 20060101AFI20240725BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】多様な成分が含まれる血液などの体液に含まれる測定の対象(ターゲット)となる成分の濃度を精度よく測定するシステムを提供する。
【解決手段】体液に含まれる成分の濃度を測定するシステム30は、血管5aを流れている状態の血液5tの少なくとも一部にレーザー光を照射して得られるスペクトル51を時系列で含むデータ52を取得する装置32と、取得されたデータに含まれる解析対象のスペクトル51を、血液の複数の主たる構成成分のいずれかが主として反映された複数の参照スペクトル54の中の、解析対象のスペクトルと類似性の高い解析参照スペクトル53に基づき解析し、体液中のターゲットの成分の濃度を判断する解析装置20とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
体液に含まれる成分の濃度を測定するシステムであって、
流れている状態の前記体液の少なくとも一部にレーザー光を照射して得られるスペクトルを時系列で含むデータを取得する装置と、
取得された前記データに含まれる解析対象のスペクトルを、前記体液の複数の主たる構成成分のいずれかが主として反映された複数の参照スペクトルの中の、前記解析対象のスペクトルと類似性の高い解析参照スペクトルに基づき解析し、前記体液中のターゲットの成分の濃度を判断する解析装置とを有するシステム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1において、
取得された前記データに含まれる複数のスペクトルの中に繰り返し現れる類似性の高いスペクトルを含む類似スペクトル群に基づき前記解析参照スペクトルを決定する参照スペクトル生成装置をさらに有する、システム。
【請求項3】
体液に含まれる成分の濃度を測定するシステムであって、
流れている状態の前記体液の少なくとも一部にレーザー光を照射して得られるスペクトルを時系列で含むデータを取得する装置と、
取得された前記データに含まれる複数のスペクトルの中に繰り返し現れる類似性の高いスペクトルを含む類似スペクトル群に含まれる解析対象のスペクトルを、前記類似スペクトル群に共通するスペクトル成分を含む解析参照スペクトルに基づき解析し、前記体液中のターゲットの成分の濃度を判断する解析装置とを有するシステム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記解析装置は、前記体液中の前記複数の主たる構成成分のいずれかに含まれる前記ターゲットの成分の濃度を判断する、システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記解析装置は、前記解析参照スペクトルに基づき前記ターゲットの成分の濃度を得ることを学習した学習モデルを含む、システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、
前記取得する装置は、生体から前記データを取得する検出装置を含む、システム。
【請求項7】
請求項6において、
前記検出装置は、ラマンスペクトルを取得するラマン分光装置を含む、システム。
【請求項8】
請求項6または7において、
前記検出装置は、前記体液として、血管を流れている血液を対象として前記データを取得するプローブを含む、システム。
【請求項9】
請求項8において、
前記プローブは前記血管を圧迫して血液の流速を制御する機能を含む、システム。
【請求項10】
体液の成分を検出する方法であって、
流れている状態の前記体液にレーザー光を照射して得られるスペクトルを時系列で含むデータを取得することと、
取得された前記データに含まれる解析対象のスペクトルを、前記体液の複数の主たる構成成分のいずれかが主として反映された複数の参照スペクトルの中の、前記解析対象のスペクトルと類似性の高い解析参照スペクトルに基づき解析し、前記体液中のターゲットの成分の濃度を判断することとを有する、方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の体液に含まれる成分の濃度を測定するシステムおよび方法に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、細胞から得られるラマンスペクトルに基づいて、従来よりも正確に細胞の種類を判別することを可能にする判別方法、学習方法、判別装置及びコンピュータプログラムを提供することが記載されている。試料に含まれる細胞の種類を判別する方法において、一つの未判別の細胞から一つのラマンスペクトルを取得し、種類の判明している複数の細胞の夫々から一つずつ得られたラマンスペクトルからなる複数のラマンスペクトルの主成分分析により得られた複数の主成分のスペクトルに対して、前記未判別の細胞のラマンスペクトルが一致する度合を示す複数の一致度を計算し、前記主成分分析により得られた前記種類の判明している複数の細胞の夫々に対応する複数の主成分スコアを、教師あり学習を用いる学習モデルによって種類別に分類した結果に基づいて、前記複数の一致度を分類することにより、前記未判別の細胞の種類を判別することが記載されている。
【0003】
特許文献2には、血漿グルコース濃度の測定の精度を上げる技術を提供するために以下のステップを経て血漿グルコースの測定を行うことが記載されている。血液中の血球を溶血させ測定用試料を調製する試料調製ステップ、前記測定用試料を用いて全血のグルコース濃度を測定する全血グルコース測定ステップ、前記血液中の血球と血漿の比率、並びに、既知の値である血球の液体成分比率及び血漿の液体成分比率から、全血の液体成分比率を算出する全血液体成分比演算ステップが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開WO2019/117177号公報
特開2012-27008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
生体の体液、例えば、血液には主な組成成分として血球と血漿とが含まれ、血球としては、赤血球、白血球、血小板などが含まれる。また、生体の健康状態をチェックするためには、主な組成成分とは別に、血液中のグルコース、ヘモグロビンA1c、クレアチニン、アルブミンなどの測定が求められ、血糖値の測定基準としては血漿血糖値が要求される。多様な成分が含まれる血液などの体液に含まれる測定の対象(ターゲット)となる成分の濃度を精度よく測定することは容易ではない。さらに、指標として血漿血糖値のように、特定の組成成分中の測定値が重要であることもある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、体液に含まれる成分の濃度を測定するシステムである。このシステムは、流れている状態の体液の少なくとも一部にレーザー光を照射して得られるスペクトルを時系列で含むデータを取得する装置と、取得されたデータに含まれる解析対象のスペクトルを、体液の複数の主たる構成成分のいずれかが主として反映された複数の参照スペクトルの中の、解析対象のスペクトルと類似性の高い解析参照スペクトルに基づき解析し、体液中のターゲットの成分の濃度を判断する解析装置とを有する。
【0007】
体液、例えば血液にレーザー光を照射して得られるラマンスペクトルから血中のグルコース濃度を得ることが行われようとしている。その検査方法の一例は、従来の全血のグルコース濃度を測定している手続きにしたがって、時系列的に得られた複数のラマンスペクトルを平均化して、平均化されたスペクトルに含まれるグルコースに関連したピークの高さあるいは形状からグルコース濃度を求めることが検討されている。しかしながら、本願の発明者は、流れている状態の体液、例えば、血管を流れる血液から、血球の速度よりも短い間隔でラマンスペクトルを取得すると、それらのラマンスペクトルは平均的な濃度を示す情報ではなく、特に、比較的細い血管においては、スペクトルが経時的に変化することを見出した。
【0008】
それらのスペクトルを平均化して全血のスペクトルとすることは可能であろう。しかしながら、経時的に変化するスペクトルに血液の主たる構成成分である血球および血漿の情報、さらには、赤血球、白血球、血小板などの異なる成分の情報が含まれているとすると、主たる構成成分をそれぞれ反映した複数のスペクトルを平均化することにより、それらの情報より一般的に小さい、ターゲットの成分の濃度を示す情報、例えば、グルコースの濃度に関する情報は、平均化により埋没してしまう可能性がある。したがって、単に、数多くのスペクトルを平均化しても、測定精度は向上せず、逆に、ターゲットの成分の濃度を精度よく測定することを困難にしている可能性がある。
【0009】
一方、流れている状態の体液にレーザー光を照射して得られる複数のスペクトルを時系列で含むデータにおいては、それら複数のスペクトルを時系列で分類(区別、分解、分画)することが可能であり、それらのスペクトルには体液の主要な構成成分を時分解(分画)した情報が含まれることを本願の発明者らは見出した。すなわち、主要な構成成分が一様には含まれていない体液のスペクトルを、体液が流れている状態で取得することにより、それら主要な構成成分を分画した情報を得ることが可能となる。このため、解析対象のスペクトルを、体液の複数の主たる構成成分のいずれかが主として反映された複数の参照スペクトルの中の、解析対象のスペクトルと類似性の高い解析参照スペクトルに基づき(参照として)解析することにより、体液中に含まれるターゲットの成分の濃度を精度よく測定できる。さらに、複数の主たる構成成分のいずれかを特定し、それに含まれるターゲットの成分の濃度を判断することが可能となる。
【0010】
例えば、血液の場合、複数の参照スペクトルは、血球成分を主たる構成成分として含むものと、血漿成分を主たる構成成分として含むものと、それらが混合した成分を含むもの、などが含まれる。血球成分を主たる構成成分として含む参照スペクトルは、さらに、赤血球の成分を主たる構成成分として含むものなどに分けることができる可能性がある。複数の参照スペクトルの中の、例えば、血漿成分を主として含むスペクトルに類似する解析対象のスペクトルを、血漿成分を含む平均的なスペクトルを解析参照スペクトルとして参照して解析することにより、他の主たる構成成分、例えば、血球成分の情報が解析時の参照情報として不利益(ノイズ)となることを抑制でき、グルコースなどのターゲットの成分の濃度の測定精度を向上できる。さらに、糖尿病などの判断の基準となる血漿グルコース濃度を直に取得することも可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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