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公開番号
2024078662
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-06-11
出願番号
2022191141
出願日
2022-11-30
発明の名称
粉末化粧料
出願人
株式会社コーセー
代理人
主分類
A61K
8/19 20060101AFI20240604BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】本発明の課題は、透明感、伸び広がり、柔らかさ、しっとり感を維持しながらも高温・多湿安定性に優れる粉末化粧料を提供することである。
【解決手段】次の成分(A)~(C);
(A)生分解性粉体
(B)板状の体質粉体
(C)金属酸化物
を含有する粉末化粧料。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
次の成分(A)~(C);
(A)生分解性粉体
(B)板状の体質粉体
(C)金属酸化物
を含有する粉末化粧料。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
前記成分(B)板状の体質粉体が、無機粉体及び有機粉体である請求項1に記載の粉末化粧料。
【請求項3】
前記成分(B)における無機粉体が、マイカ、合成フルオロフロゴパイト、セリサイト、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム、ガラス末、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、及び酸化チタン被覆ガラス末よりなる群から選択される1種又は2種以上である請求項2に記載の粉末化粧料。
【請求項4】
前記成分(B)における有機粉体が、N-アシルアミノ酸末及び/又は金属石鹸末である請求項2又は3に記載の粉末化粧料。
【請求項5】
さらに、成分(D)球状の無水ケイ酸を含有する請求項1又は2に記載の粉末化粧料。
【請求項6】
さらに、成分(E)セルロース末(ただし、前記成分(A)及び(B)を除く)を含有する請求項1又は2に記載の粉末化粧料。
【請求項7】
前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が、0.01~10である請求項1又は2に記載の粉末化粧料。
【請求項8】
前記成分(C)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(C)が、0.01~20である請求項1又は2に記載の粉末化粧料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末化粧料に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、フェイスパウダー等の粉末化粧料においては、柔らかさ、伸び広がり、しっとり感といった使用感に優れる商品が求められている。柔らかさ、伸び広がり、しっとり感といった使用感を付与する目的で、マイクロプラスチック(以下MPと略す)を使用することが多い。しかしながら、近年MPの海洋流出に伴う環境及び生態系への影響が懸念されており、MPを含有しない化粧料が求められている。MPとは、粒子径が5mm以下の生分解性を有さない固形の合成高分子を指す。これまでにも、MPを用いずに製剤化するために様々な検討がなされている。例えば、微粉化生分解性ポリマーを含む、化粧品組成物への使用に適した粉末組成物とすることで、滑り特性及び質感が良好な化粧品及びパーソナルケア組成物の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、油剤中に油溶性コメヌカ抽出物を特定割合で含み、粉体を含有する粉末化粧料とすることで、滑らかで柔らかい感触で、粉っぽさがなく、しっとり感が得られる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2013-527204号公報
特開2021-98674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、生分解性粉体は吸湿しやすいため高温・多湿条件で変臭が発生しやすく、安定性を維持することが困難であり、従来の技術では、生分解性粉末を含有しながらも、柔らかさ、伸び広がり、しっとり感といった使用性、透明感の全てに優れる粉末化粧料を得ることが困難であった。
【0005】
従って本発明の課題は、透明感、伸び広がり、柔らかさ、しっとり感、高温・多湿安定性の全てに優れる粉末化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる実情において、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、粉末化粧料において、生分解性粉体を含有しながらも、板状の体質粉体、金属酸化物を組み合わせることで、高温・多湿安定性に優れながらも、透明感、伸び広がり、柔らかさ、しっとり感に優れる粉末化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
[1]
次の成分(A)~(C);
(A)生分解性粉体
(B)板状の体質粉体
(C)金属酸化物
を含有する粉末化粧料に関するものである。
[2]
前記成分(B)板状の体質粉体が、無機粉体及び有機粉体である[1]に記載の粉末化粧料に関するものである。
[3]
前記成分(B)における無機粉体が、マイカ、合成フルオロフロゴパイト、セリサイト、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム、ガラス末、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、及び酸化チタン被覆ガラス末よりなる群から選択される1種又は2種以上である[2]に記載の粉末化粧料に関するものである。
[4]
前記成分(B)における有機粉体が、N-アシルアミノ酸末及び/又は金属石鹸末である[2]又は[3]に記載の粉末化粧料に関するものである。
[5]
さらに、成分(D)球状の無水ケイ酸を含有する[1]又は[2]に記載の粉末化粧料に関するものである。
[6]
さらに、成分(E)セルロース末(ただし、前記成分(A)及び(B)を除く)を含有する[1]又は[2]に記載の粉末化粧料に関するものである。
[7]
前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(B)が、0.01~10である[1]又は[2]に記載の粉末化粧料に関するものである。
[8]
前記成分(C)に対する前記成分(A)の含有質量割合(A)/(C)が、0.01~20である[1]又は[2]に記載の粉末化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、透明感、伸び広がり、柔らかさ、しっとり感、高温・多湿安定性の全てに優れた粉末化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の詳細について以下に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。また、本発明における「平均粒子径」とは、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による測定により求めたメジアン径(D50)の値である。なお、非対称形状の場合、本発明においては最も大きい粒子径の分布から求めたメジアン径(D50)の値を平均粒子径とする。
【0010】
(生分解性粉体)
本発明における成分(A)生分解性粉体は、微生物の働きによって分解される有機粉体を指す。生分解性の程度は、OECD301Fに定められる、生物化学的酸素消費量(以下、「BOD)という)法による生分解度試験で確認することができる。生分解度試験は、例えば、生分解する対象物質を含む培地で微生物を28日間培養し、微生物による分解で消費される酸素の量を測定する方法が挙げられる。前記生分解度試験では、検体が完全に分解されて無機物になるために必要な酸素の量(理論的酸素要求量;以下、「ThOD」という)に対する前記BODとの割合から生分解度を算出することができる。すなわち、生分解度は、次の式(1)により算出することができる。
生分解度(%)=(BOD/ThOD)×100・・・(1)
(【0011】以降は省略されています)
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