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公開番号
2024091517
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-04
出願番号
2023210555
出願日
2023-12-13
発明の名称
外用組成物
出願人
大正製薬株式会社
代理人
主分類
A61K
8/49 20060101AFI20240627BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】
本発明は、ナイアシンアミドを3質量%以上含有する外用組成物において、肌負担の低減とコク感が両立され、さらに経時安定性にも優れたものを提供することである。
【解決手段】
次の成分(a)、(b)及び(c)を含有する外用組成物(ただし、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシルを含有するコンシーラーを除く)。
(a)ナイアシンアミド3質量%以上
(b)シリコーンエラストマー3質量%以上
(c)次のc1)~c4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の固形脂又は半固形脂
c1)炭化水素
c2)フィトステロールエステル
c3)トリグリセリド
c4)パルミチン酸セチル、ホホバエステル、シア脂、ミツロウ、及び(モリンガ油/水添モリンガ油)エステルズからなる群から選ばれる少なくとも1種
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
次の成分(a)、(b)及び(c)を含有する外用組成物(ただし、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシルを含有するコンシーラーを除く)。
(a)ナイアシンアミド3質量%以上
(b)シリコーンエラストマー3質量%以上
(c)次のc1)~c4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の固形脂又は半固形脂
c1)炭化水素
c2)フィトステロールエステル
c3)トリグリセリド
c4)パルミチン酸セチル、ホホバエステル、シア脂、ミツロウ、及び(モリンガ油/水添モリンガ油)エステルズからなる群から選ばれる少なくとも1種
続きを表示(約 630 文字)
【請求項2】
c1)炭化水素が、キャンデリラロウ炭化水素、マイクロクリスタリンワックス、セレシン及びワセリンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
c2)フィトステロールエステルが、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、(ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)及びヒドロキシステアリン酸フィトステリルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の外用組成物。
【請求項4】
c3)トリグリセリドが、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル及びトリベヘニンからなる群より選ばれる請求項1に記載の外用組成物。
【請求項5】
(c)固形脂又は半固形脂が0.01~40質量%である請求項1~4のいずれかに記載の外用組成物。
【請求項6】
(b)シリコーンエラストマーが、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、又は(ジメチコン/(PEG-10/15)クロスポリマー)である請求項1~4のいずれかに記載の外用組成物。
【請求項7】
剤形が、クリーム、乳液、バーム、ゲル、パック、軟膏、又はスティックである請求項1~4のいずれかに記載の外用組成物。
【請求項8】
化粧品、医薬部外品又は医薬品である請求項1~4のいずれかに記載の外用組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナイアシンアミド、シリコーンエラストマー、及び特定の固形脂又は半固形脂を含有する外用組成物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
ナイアシンアミドは、水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種であり、ニコチン酸アミド、又はビタミンB3とも呼ばれている。医薬品、医薬部外品、化粧品、食品など、ナイアシンアミドを配合した製品は数多く上市されている(特許文献1)。特にナイアシンアミドの肌への効果として、肌荒れ改善、美白、血行促進、抗シワ等が知られている。近年では、ナイアシンアミドの美白や抗シワ等の効果を十分に発揮するために、高濃度でナイアシンアミドを配合した処方設計の試みが行われている。 例えば、特許文献2では、ナイアシンアミドを6%配合した油中水型ファンデーションが記載され、特許文献3には、ナイアシンアミドを4.5%配合したリップスティックが記載されている。
【0003】
シリコーンエラストマーは、シリコーンを低密度で三次元架橋させた高分子状の成分で、すべすべと滑らかでサラサラした軽い感触を付与し、肌表面に塗布すると、マットな質感や、キメや毛穴、シワなどの凹凸をぼかすソフトフォーカス効果を有する。また、塗布後の肌のべたつきやきしみ感の軽減、皮膚を柔軟化する効果があることが知られている。
また、シリコーンエラストマーは、その性質上、クリーム状の製剤に多く含有させると塗布時に滑りやすくなるが、上記効果の発揮のため、或いは快適な感触をもつ製剤化のため、適度な量を配合することや適切な成分と共に配合すること等の検討がなされている。
【0004】
一方、肌へクリーム等を塗布する際、伸展刺激によりメラニンの生成促進や線維芽細胞の構造変化が引き起こされ、シミやくすみ、シワの形成に影響を及ぼす可能性が知られている。非特許文献1では、伸展刺激により角化細胞のひずみが蓄積され、皮膚バリア機能の脆弱化を引き起こすことが報告されている。そのため、外用組成物の塗布時においては、肌への伸展刺激による過度な物理刺激を避けることが求められ、塗布時の肌負担を考慮した製剤設計が重要である。また、外用組成物においては商品性上、塗布感触の良い製剤が求められる。例えば塗布時にコク感の感じられる製剤は、心地のいい抵抗感となめらかな感触により、日々使い続ける上で感性価値の高いものになる。
【0005】
高濃度のナイアシンアミドを配合し、肌負担が軽減された製剤は、上記ナイアシンアミドの効果を十分に発揮することが期待でき、また、使い心地が良く安定な製剤設計は、感性価値が高いものとなる。しかしながら、抵抗感がなくサラサラした製剤は、肌負担は軽減されるものの、コク感は感じられにくい。一方で、コク感が感じられる製剤は、抵抗感による肌負担が生じる傾向にある。これらを両立した肌負担が軽減され、かつコク感が感じられる製剤は、安定性に課題を生じることがあり、このような製剤設計にあたっては油性成分(炭化水素、油脂、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン、ワックス、エステル油等)、水性成分(糖、アミノ酸、ビタミン、ポリオール等)、界面活性剤、高分子成分(コラーゲン、ヒアルロン酸、カルボマー、エラストマー等)、粉体成分(酸化チタン、シリカ、マイカ等)等、種々の成分の配合の検討が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-63076
特開2019-131538
特表2002-536391
【非特許文献】
【0007】
菊地 謙次, マスクや衣服の擦れによる皮膚の脆弱化~摩擦刺激と角化細胞の塑性変形~, 皮膚病診療 43巻2号, 2021年2月, pp.172-173.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ナイアシンアミドを3質量%以上含有する外用組成物において、肌負担の低減とコク感が両立され、さらに経時安定性にも優れたものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、ナイアシンアミドを3質量%以上含有する外用組成物において、シリコーンエラストマーを配合するとともに、特定の固形脂又は半固形脂を配合することにより、肌負担の低減とコク感が両立され、さらに経時安定性にも優れた外用組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、
(1)次の成分(a)、(b)及び(c)を含有する外用組成物(ただし、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシルを含有するコンシーラーを除く)、
(a)ナイアシンアミド3質量%以上
(b)シリコーンエラストマー3質量%以上
(c)次のc1)~c4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の固形脂又は半固形脂
c1)炭化水素
c2)フィトステロールエステル
c3)トリグリセリド
c4)パルミチン酸セチル、ホホバエステル、シア脂、ミツロウ、及び(モリンガ油/水添モリンガ油)エステルズからなる群から選ばれる少なくとも1種
(2)c1)炭化水素が、キャンデリラロウ炭化水素、マイクロクリスタリンワックス、セレシン及びワセリンからなる群より選ばれる少なくとも1種である(1)に記載の外用組成物、
(3)c2)フィトステロールエステルが、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、(ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)及びヒドロキシステアリン酸フィトステリルからなる群より選ばれる少なくとも1種である(1)又は(2)に記載の外用組成物、
(4)c3)トリグリセリドが、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル及びトリベヘニンからなる群より選ばれる(1)~(3)のいずれかに記載の外用組成物、
(5)(c)固形脂又は半固形脂が0.01~40質量%である(1)~(4)のいずれかに記載の外用組成物、
(6)(b)シリコーンエラストマーが、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、又は(ジメチコン/(PEG-10/15)クロスポリマー)である(1)~(5)のいずれかに記載の外用組成物、
(7)剤形が、クリーム、乳液、バーム、ゲル、パック、軟膏、又はスティックである(1)~(6)のいずれかに記載の外用組成物、
(8)化粧品、医薬部外品又は医薬品である(1)~(7)のいずれかに記載の外用組成物、である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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