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公開番号2024103450
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2023197265
出願日2023-11-21
発明の名称光電変換素子
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類H10K 30/60 20230101AFI20240725BHJP()
要約【課題】暗電流を低減した光電変換素子を提供する。
【解決手段】第一電極と、第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されている光電変換層と、を有する光電変換素子であって、前記光電変換層は、量子ドットを有し、前記量子ドットは、ナノ粒子と保護配位子とを有し、前記ナノ粒子は、第11族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素及び第16族元素からなる群から選ばれる少なくとも2種の元素を含み、前記保護配位子は、陽イオン性配位子と、陰イオン性配位子とを含み、陽イオン性配位子および陰イオン性配位子のいずれも、分子量が250以下である光電変換素子。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
第一電極と、第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されている光電変換層と、を有する光電変換素子であって、
前記光電変換層は、量子ドットを有し、
前記量子ドットは、ナノ粒子と保護配位子とを有し、
前記ナノ粒子は、第11族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素及び第16族元素からなる群から選ばれる少なくとも2種の元素を含み、
前記保護配位子は、陽イオン性配位子と、陰イオン性配位子とを含み、
前記陽イオン性配位子および前記陰イオン性配位子のいずれも、分子量が250以下であることを特徴とする光電変換素子。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ナノ粒子は、第14族元素と第16族元素を含むことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項3】
前記量子ドットの粒径は4nm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
【請求項4】
前記保護配位子は、陽イオン性配位子の少なくとも1種と陰イオン性配位子の少なくとも1種との組み合わせ、または陽イオン性かつ陰イオン性配位子の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
【請求項5】
前記陽イオン性配位子は、陽イオン性置換基を有する芳香族化合物であり、前記陰イオン性配位子は、陰イオン性置換基を有する芳香族化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
【請求項6】
前記陽イオン性置換基は、アミノ基であり、前記陰イオン性置換基は、チオール基、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基またはホスホン酸基であることを特徴とする請求項5に記載の光電変換素子。
【請求項7】
前記保護配位子は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
(A
1
-L
1

m
-Ar-(L
2
-A
2

n
(1)
一般式(1)において、Arは、環員数6以上の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基である。

1
及びL
2
は、直接結合または2価の連結基である。

1
は、水酸基、カルボン酸基、チオール基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基のいずれかを表す。

2
は、アルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、複素芳香環基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基、カルボン酸基、チオール基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基のいずれかを表す。
mは1以上3以下の整数、nは0以上2以下の整数を表す。
【請求項8】
前記Arは、1環または2環の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であることを特徴とする請求項7に記載の光電変換素子。
【請求項9】
前記陽イオン性配位子はベンゼンジアミン誘導体であり、前記陰イオン性配位子はベンゼンジチオール誘導体であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
【請求項10】
前記保護配位子は、アミノベンゼンチオール誘導体であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
長波長領域に感度を有する量子ドットは、大粒径で表面積が大きくなることにより量子ドット表面での酸化や凝集が起こりやすくなる。この量子ドットを感光層に用いた光電変換素子においては、電子トラップ準位の形成やバンドギャップの狭小化により暗電流量が多くなる。従来の量子ドットを用いた光検出装置における光電変換膜は、量子ドットのみで構成されたものが殆どであり、量子ドットの凝集が起こりやすい構造となっていた。
以下の先行技術文献においては、表面が有機配位子及び無機配位子で保護された量子ドットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2009-509129号公報
特開2020-194844号公報
国際公開第2011/037042号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、アミン誘導体で表面を保護された量子ドット及びそれを用いた光電変換素子が開示されている。但し、アミン誘導体は光電変換素子作製時に脱離され素子内に残らず、光電変換層では量子ドットが凝集している状態となっていて、光電変換素子への印加電圧が顕著に高くなっている。
また、特許文献2においては、芳香族チオール誘導体及びハロゲン元素で表面を保護された量子ドット及びそれを用いた光電変換素子が開示されている。この光電変換素子における波長域は可視光から1200nmであり、用いられた量子ドットは、凝集が起こりにくい小粒径のものであった。しかし、これより粒径が大きい、より長波長域の量子ドットを用いる場合は、量子ドット表面での凝集、また酸化や分解など、好ましくない化学反応による変質が起こりやすくなる。
特許文献1におけるアミン誘導体では量子ドットの表面に露出した陰イオンのみ、特許文献2におけるチオール誘導体及びハロゲン元素では量子ドットの表面に露出した陽イオンのみしか保護できない。そのため、いずれも量子ドットの表面では配位子により保護されていない元素が露出した状態である。従って、長波長領域に感度を有する光電変換膜に量子ドットを用いた光電変換素子においては暗電流が多く、光電変換効率が低いことが課題である。
特許文献3には、陽イオン性の配位子および陰イオン性の配位子が記載されている。しかし、保護配位子の大きさが大きいので量子ドット表面の被覆が不十分であり、暗電流の低減が十分でない。
本発明は、暗電流を低減した光電変換素子及び光電変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光電変換素子は、第一電極と、第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されている光電変換層と、を有する光電変換素子であって、
前記光電変換層は、量子ドットを有し、
前記量子ドットは、ナノ粒子と保護配位子とを有し、
前記ナノ粒子は、第11族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素及び第16族元素からなる群から選ばれる少なくとも2種の元素を含み、
前記保護配位子は、陽イオン性配位子と、陰イオン性配位子とを含み、
前記陽イオン性配位子および前記陰イオン性配位子のいずれも、分子量が250以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、暗電流を低減した光電変換素子及び光電変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本実施形態における光電変換装置を示す断面模式図である。
本実施形態における量子ドット(QD)の表面構造の一例を示す模式図である。
本発明の一実施形態に係る光電変換素子を用いた撮像システムの一例を示す図である。
本実施形態による撮像システム及び移動体の構成を示す図である。
本実施形態により作製した光電変換素子の外部量子効率の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明に係る光電変換素子について説明する。各実施形態は、いずれも本発明の一例を示すのであり、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続などは、本発明を限定するものではない。例えば、各実施形態においてトランジスタや半導体領域などの説明を行うが、その導電型は適宜変更可能である。
【0009】
各図面において同じ符号が付されている構成は、同等の構成を指すものとして説明を省略する。また、繰り返しパターンや同一の構成物と理解できるものについては、符号を省略する場合がある。
【0010】
≪光電変換素子及び光電変換装置≫
図1は、光電変換装置の3つの単位セル120を示す断面模式図である。ここで、図1は上方向であるZ方向とX方向を含む面での断面である。単位セル120は画素や副画素とも称される。各単位セル120は等価な回路構成を有し、少なくとも1つの光電変換素子を有する。本実施形態では、各単位セル120が1つの光電変換素子を有する構成を示している。光電変換素子は、後に説明する光電変換層133の材料を適宜、選択することによって構成される。また、光電変換装置の単位セルの回路構成については、適宜、設定される。次に、図1の光電変換装置について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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