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公開番号2024101480
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-29
出願番号2023005489
出願日2023-01-17
発明の名称歩行者保護装置
出願人豊田合成株式会社
代理人個人
主分類B60R 21/34 20110101AFI20240722BHJP(車両一般)
要約【課題】簡便な構成として、かつ、作動時に、フロントピラーにおけるアウタカバーを迅速に上方移動可能な歩行者保護装置の提供。
【解決手段】歩行者保護装置Mは、アウタカバー10と基材部3との間に配置されて、フロントピラーの長手方向に沿うような長尺状として、両端側をアウタカバーと基材部とに対してそれぞれ回動可能に連結される持ち上げアーム部20と、持ち上げアーム部における基材部との連結部位付近を押圧可能とされるアクチュエータ35と、持ち上げアーム部の回転に連動するリンクアーム部40と、を備える。持ち上げアーム部が、作動時のアクチュエータによって押圧される被押圧部位23を有し、アクチュエータの作動時に、基材部及びアウタカバーに対して回転されるようにして、アウタカバーを基材部に対して上方移動可能とされる。リンクアーム部が、長さ寸法を、持ち上げアーム部の長さ寸法よりも小さく設定されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
車両におけるフロントピラーに搭載されて、
前記フロントピラーの外表面を構成するアウタカバーと、前記アウタカバーの下方に配置されるボディ側の基材部と、の間に配置されて、作動時に、前記アウタカバーを前記基材部に対して上方移動可能な構成とされる歩行者保護装置であって、
前記フロントピラーの長手方向に沿うような長尺状として、両端側を、前記アウタカバーと前記基材部とに対してそれぞれ回動可能に連結される持ち上げアーム部と、
前記基材部側において、前記持ち上げアーム部の前方若しくは後方となる位置に配置されて、前記持ち上げアーム部における前記基材部との連結部位付近を、押圧可能とされるアクチュエータと、
長尺状として、前記持ち上げアーム部の回転に連動して回転可能に、両端側を、前記アウタカバー部と前記基材部とに対してそれぞれ回動可能に連結されるリンクアーム部と、
を備え、
前記持ち上げアーム部が、前記基材部に対して回動自在に軸支される基材部側回動軸部よりも基材部側となる位置に、作動時の前記アクチュエータによって押圧される被押圧部位を有するとともに、前記アクチュエータによる前記被押圧部位の押圧時に、前記基材部及び前記アウタカバーに対して回転されるようにして、前記アウタカバーを前記基材部に対して上方移動可能な構成とされ、
前記リンクアーム部が、長さ寸法を、前記持ち上げアーム部の長さ寸法よりも小さく設定されていることを特徴とする歩行者保護装置。
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
前記持ち上げアーム部の回転移動状態を維持可能なロック機構が、配設されていることを特徴とする請求項1に記載の歩行者保護装置。
【請求項3】
前記持ち上げアーム部と前記リンクアーム部とが、前記アウタカバーによる歩行者受止時に、変形して衝撃吸収可能な変形予定部を、有していることを特徴とする請求項1または2に記載の歩行者保護装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロントピラーに搭載される歩行者保護装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、フロントピラーに搭載される歩行者保護装置としては、内部にパンタグラフ機構を配置させ、このパンタグラフ機構の作動により、フロントピラーの外表面を構成しているアウタカバーを上方移動させる構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。詳細には、従来の歩行者保護装置では、パンタグラフ機構は、フロントピラーの長手方向に沿って複数箇所に配設される構成であり、それぞれ、駆動源として、内部に膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグの膨張力を利用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-50282公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の歩行者保護装置では、駆動源としてエアバッグを使用していることから、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーター等の部材が必要であり、構成を簡便とする点に、改善の余地があった。また、従来の歩行者保護装置では、エアバッグを膨張させることにより、パンタグラフ機構を駆動させて、アウタカバーを上方移動させる構成であることから、作動時に、瞬時にアウタカバーを上方移動させ難く、迅速にアウタカバーを持ち上げる点に改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、簡便な構成として、かつ、作動時に、フロントピラーにおけるアウタカバーを迅速に上方移動可能な歩行者保護装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る歩行者保護装置は、車両におけるフロントピラーに搭載されて、
フロントピラーの外表面を構成するアウタカバーと、アウタカバーの下方に配置されるボディ側の基材部と、の間に配置されて、作動時に、アウタカバーを基材部に対して上方移動可能な構成とされる歩行者保護装置であって、
フロントピラーの長手方向に沿うような長尺状として、両端側を、アウタカバーと基材部とに対してそれぞれ回動可能に連結される持ち上げアーム部と、
基材部側において、持ち上げアーム部の前方若しくは後方となる位置に配置されて、持ち上げアーム部における基材部との連結部位付近を、押圧可能とされるアクチュエータと、
長尺状として、持ち上げアーム部の回転に連動して回転可能に、両端側を、アウタカバー部と基材部とに対してそれぞれ回動可能に連結されるリンクアーム部と、
を備え、
持ち上げアーム部が、基材部に対して回動自在に軸支される基材部側回動軸部よりも基材部側となる位置に、作動時のアクチュエータによって押圧される被押圧部位を有するとともに、アクチュエータによる前記被押圧部位の押圧時に、基材部及びアウタカバーに対して回転されるようにして、アウタカバーを前記基材部に対して上方移動可能な構成とされ、
リンクアーム部が、長さ寸法を、持ち上げアーム部の長さ寸法よりも小さく設定されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の歩行者保護装置では、アクチュエータを作動させて、持ち上げアーム部における被押圧部位を押圧すれば、フロントピラーの長手方向に略沿うように配置されている持ち上げアーム部が、基材部から立ち上がるように回転移動することとなり、このような持ち上げアーム部の回転移動により、アウタカバーを、基材部に対して上方移動させることとなる。このとき、リンクアーム部も、持ち上げアーム部の回転移動に連動して、基材部から立ち上がるように回転移動することとなる。このリンクアーム部は、長さ寸法を、持ち上げアーム部よりも小さく設定されていることから、持ち上げアーム部は、リンクアーム部によって、アウタカバー側の端部(アウタカバーの上方移動時における上端)を上死点を超えて回転させるような回転移動を規制されることとなり、リンクアーム部が、持ち上げアーム部の回転移動を止めるストッパとして作用することとなる。そのため、アウタカバーの上方移動状態を安定して維持することができる。すなわち、本発明の歩行者保護装置では、エアバッグやエアバッグを膨張させるためのインフレーターが不要であり、従来の歩行者保護装置と比較して、簡便な構成とすることができる。また、本発明の歩行者保護装置では、アクチュエータを、持ち上げアーム部の被押圧部位を押圧するように作動させれば、持ち上げアーム部の回転移動により、アウタカバーを上方移動させることができることから、アウタカバーを迅速に上方移動させることができる。
【0008】
したがって、本発明の歩行者保護装置では、簡便な構成として、かつ、作動時に、フロントピラーにおけるアウタカバーを迅速に上方移動させることができる。
【0009】
また、本発明の歩行者保護装置では、持ち上げアーム部は、フロントピラーの長手方向に略沿うような長尺状として構成されていることから、持ち上げアーム部の被押圧部位を押圧するようにアクチュエータを作動させて、持ち上げアーム部を、単に立ち上がらせるように回転移動させるだけで、この持ち上げアーム部の長さ分程度、アウタカバーを上方移動させることができる。そのため、所定のアウタカバーの持ち上げ量(上方移動量)を確保しやすく、また、搭載スペースを確保し難いフロントピラーの領域にも、容易に搭載することができる。そして、本発明の歩行者保護装置では、歩行者が、フロントピラーの領域と干渉することとなっても、上方移動させたアウタカバーによって、歩行者を受け止めることができて、歩行者が、フロントピラーにおける基材部等と接触することを、的確に抑制することができる。
【0010】
また、本発明の歩行者保護装置において、持ち上げアーム部の回転移動状態を維持可能なロック機構を、配設させる構成とすれば、アウタカバーの上方移動後に、持ち上げアーム部の位置をロックすることができ、持ち上げアーム部の回転移動状態(基材部に対する立ち上がり状態)を、安定して維持できることから、アウタカバーと基材部との離隔距離(アウタカバーの上方移動状態)を一層安定して確保することが可能となって、好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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