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公開番号2024100703
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2023215935,2023215825
出願日2023-12-21,2023-12-21
発明の名称塗工紙
出願人日本製紙株式会社
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類D21H 19/62 20060101AFI20240719BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】紙基材への定着性に優れる塗工層を有する塗工紙を提供すること、または、良好なヒートシール性を有する塗工紙を提供すること。
【解決手段】紙基材の少なくとも一方の面上に、PHBH(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート))と無機顔料と接着剤を含む塗工層と、前記塗工層上に、PHBHを含む第2塗工層を有し、前記塗工層が、PHBHと無機顔料との固形分重量比(PHBH:無機顔料)が、90:10~0.01:99.99であることを特徴とする塗工紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
紙基材の少なくとも一方の面上に、PHBH(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート))と無機顔料と接着剤を含む塗工層と、
前記塗工層上に、PHBHを含む第2塗工層を有し、
前記塗工層が、PHBHと無機顔料との固形分重量比(PHBH:無機顔料)が、90:10~0.01:99.99であることを特徴とする塗工紙。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記無機顔料の体積50%平均粒子径(D50)が、8.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗工紙。
【請求項3】
前記塗工層中のPHBHと無機顔料との固形分重量比が、90:10~5:95であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗工紙。
【請求項4】
前記第2塗工層中のPHBHの重量平均分子量が、前記塗工層中のPHBHの重量平均分子量よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の塗工紙。
【請求項5】
ヒートシール強度が、5.0N/15mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗工紙。
【請求項6】
JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.41:2000によるキットナンバーの平均値が4以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗工紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、PHBHを含む塗工液を塗工した塗工紙に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックごみによる環境破壊を防ぐための動きが始まっており、プラスチック製使い捨て製品を、環境への負荷の小さな材料で代替することが求められている。プラスチックの代替材料としては、生分解性プラスチック、木材、紙等が挙げられる。
生分解性プラスチックとして、ポリ乳酸やポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルが知られている。しかし、脂肪族ポリエステルは、温度が低いと生分解に時間がかかり、海洋などの自然環境での分解速度が遅いという問題がある。
【0003】
ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂は、好気性、嫌気性下での分解性に優れた、微生物産生の熱可塑性プラスチックであり、海洋中などの水中でも微生物により短期間で分解されるという特筆すべき性能を有している。
特許文献1には、3-ヒドロキシブチレートと3-ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体であるポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)(以下、PHBHともいう)を含む生分解性ポリエステル水性分散液が、成膜性に優れ、かつ、塗料、接着剤、繊維加工、シート・フィルム加工、紙加工等に適用する際、柔軟で伸びがよく、折り曲げに対して強い樹脂塗膜を与えることが記載されている。
特許文献2、3には、PHBHを紙基材表面に塗工する場合に、塗工液に接着剤を添加することにより、PHBHの紙基材表面への定着性が向上することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2004/041936号
特開2021-195716号公報
特開2021-195717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者らは、これら従来技術を参考に塗工紙の開発を行っていた所、PHBHと接着剤を含む塗工液で塗工紙を製造する際、乾燥条件が弱くなると、紙基材表面への塗工層の定着性が悪くなることを見出した。例えば、ドライヤー乾燥温度が変動して低くなった場合、塗工層の定着性が低下し、結果、塗工層剥がれ等の不良品が発生する。このため、乾燥条件が弱い場合でも、塗工層の定着性を向上させる技術が求められていた。
また、塗工液に含まれる接着剤の配合率が高くなると、塗工層の紙基材表面への接着性は改善される反面、接着剤配合の影響でヒートシール性が悪くなることが知られている(特許文献2、3の実施例等参照)。これは、塗工層中の接着剤(PVAや澱粉)が熱融着性を有さないため、ヒートシールを阻害するためと考えられる。しかし、そのような場合でも良好なヒートシール性を実現できる技術が求められていた。
本発明は、このような背景に基づいて検討されたものであり、乾燥時の乾燥条件が弱い場合でも紙基材への定着性に優れる塗工層を有する塗工紙を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、塗工層に接着剤が含まれていても良好なヒートシール性を有する塗工紙を提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
1.紙基材の少なくとも一方の面上に、PHBH(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート))と無機顔料と接着剤を含む塗工層を有し、
前記塗工層が、PHBHと無機顔料との固形分重量比(PHBH:無機顔料)が、90:10~0.01:99.99であることを特徴とする塗工紙。
2.前記無機顔料の体積50%平均粒子径(D50)が、6.0μm以下であることを特徴とする1.に記載の塗工紙。
3.前記塗工層中のPHBHと無機顔料との固形分重量比が、70:30~20:80であることを特徴とする1.または2.に記載の塗工紙。
4.前記塗工層上に、PHBHを含む第2塗工層を有することを特徴とする1.に記載の塗工紙。
5.前記無機顔料の体積50%平均粒子径(D50)が、8.0μm以下であることを特徴とする4.に記載の塗工紙。
6.前記塗工層中のPHBHと無機顔料との固形分重量比が、90:10~5:95であることを特徴とする4.または5.に記載の塗工紙。
7.前記第2塗工層中のPHBHの重量平均分子量が、前記塗工層中のPHBHの重量平均分子量よりも大きいことを特徴とする4.~6.のいずれかに記載の塗工紙。
8.ヒートシール強度が、5.0N/15mm以上であることを特徴とする4.~7.のいずれかに記載の塗工紙。
9.JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.41:2000によるキットナンバーの平均値が4以上であることを特徴とする4.~8.のいずれかに記載の塗工紙。
【発明の効果】
【0007】
本発明の塗工紙は、塗工層の定着性に優れており、塗工層の剥がれ等が起こりにくい。
第2塗工層を有する本発明の塗工紙は、ヒートシール強度に優れており、ヒートシール紙として好適に用いることができる。さらに、塗工層が体積50%平均粒子径(D50)が8.0μm以下の無機顔料を含む場合には、耐油性、耐水性に優れており、耐油性ヒートシール紙、耐水性ヒートシール紙、耐水耐油性ヒートシール紙として好適に用いることができる。
本発明の塗工紙は、塗工紙全体に対する生分解性材料の比率が高く、仮に環境中に流出しても、迅速に分解される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の塗工紙は、紙基材の少なくとも一方の面上に、PHBH(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート))と無機顔料と接着剤を含む塗工層を有し、
この塗工層が、PHBHと無機顔料との固形分重量比(PHBH:無機顔料)が、90:10~0.01:99.99である。
なお、本明細書において「A~B」(A、Bは数値や比率)との記載は、A、Bを含む数値範囲を意味する。
【0009】
(紙基材)
紙基材は、主としてパルプからなるシート(以下、「基紙」ともいう。)であり、さらに填料、各種助剤等を含む紙料を抄紙して得られる。
パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未漂白パルプ(NUKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプなどの木材繊維、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維などが挙げられ、これらの1種または2種以上を適宜配合して用いることができる。これらの中でも、紙基材中への異物混入が発生し難いこと、古紙原料としてリサイクル使用する際に経時変色が発生し難いこと、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好となり、特に包装材料として使用した場合の使用価値が高くなることなどの理由から、木材繊維の化学パルプ、木材繊維の機械パルプを用いることが好ましく、木材繊維の化学パルプを用いることがより好ましい。具体的には、全パルプに対するLBKP、NBKP等の木材繊維の化学パルプの配合量は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がさらに好ましく、100重量%が最も好ましい。
【0010】
填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの無機填料、尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール系樹脂、微小中空粒子等の有機填料等の公知の填料を使用することができる。なお、填料は、必須材料ではなく、使用しなくてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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