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公開番号2024100213
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2023004035
出願日2023-01-13
発明の名称光散乱体の非破壊測定装置
出願人長崎県,個人
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 21/49 20060101AFI20240719BHJP(測定;試験)
要約【課題】検量線を必要とせずに被検体内部の性状特性値を良好な測定精度で推定できる光散乱体の非破壊測定装置を提供する。
【解決手段】光散乱体の非破壊測定装置は、複数の波長光を発生する光源7と、光出射口を有し、光出射口から複数の波長光を光散乱体に向けて照射する光照射部と、光出射口の中心に対して互いに異なる距離の位置に受光口を有し、複数の波長光が被検体の内部を透過した後の反射光を受光する2つの受光部と、受光部の各々で受光した光の光強度を検出する光検出部50と、2つの受光部の光強度の比をとった反射率を算出し、被検体内部の性状特性値を算定する演算処理部30とを備える。演算処理部は、波長ごとの反射率を算出し、相対吸光度比を算出する。さらに、相対吸光度比に対応する、性状特性値を変数とする相対吸光度比の理論値を複数個取得し、理論値と相対吸光度比とが最も近似する条件における性状特性値を出力する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数の波長光を発生する光源と、
前記複数の波長光を出射する光出射口を有し、前記光出射口から前記複数の波長光を光散乱体からなる被検体上の1箇所の照射領域に向けて照射する光照射部と、
前記光出射口の中心に対して互いに異なる距離の位置に受光口を有し、前記光出射口から照射された前記複数の波長光が前記被検体の内部を透過した後の反射光を受光する2つの受光部と、
前記受光部の各々で受光した光の光強度を検出する光検出部と、
2つの前記受光部の前記光強度の比をとった反射率を前記複数の波長ごとに算出し、前記反射率に基づいて前記被検体内部の性状特性値を算定する演算処理部と、
を備え、
前記複数の波長光は、複数の波長λ

(i=1,2,…,n)の光を含み、
前記光検出部が、2つの前記受光部のうち、前記距離がρ

、ρ

(ただし、ρ

<ρ

)の2つの受光部で受光した反射光の波長λ

における総受光量をそれぞれJ
1i
、J
2i
として検出したときに、前記演算処理部が、
下記式(1)で表される前記波長λ

ごとの反射率R

を算出し、
下記式(2)で表される相対吸光度比γ

を複数個算出し、
前記相対吸光度比γ

に対応する、前記性状特性値を変数とする相対吸光度比の理論値γ^

を複数個取得し、
前記理論値γ^

と前記相対吸光度比γ

とが最も近似する条件における前記性状特性値を出力する、
光散乱体の非破壊測定装置。


=J
2i
/J
1i
…(1)
γ

=ln(R
k+2
/R

)/ln(R

/R

) …(2)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記演算処理部は、非線形の最小二乗法を用いて前記理論値γ^

と前記相対吸光度比γ

とが最も近似する条件を特定する、
請求項1に記載の光散乱体の非破壊測定装置。
【請求項3】
被検体の温度を測定する温度検出部をさらに備え、
前記演算処理部は、前記温度検出部で測定した被検体温度を直接用いて、前記性状特性値を算出する、
請求項1に記載の光散乱体の非破壊測定装置。
【請求項4】
2つの前記受光部の前記受光口が前記距離ごとに偶数設けられ、かつ前記光出射口の中心を挟んで対向する対を形成するように配置されている、
請求項1に記載の光散乱体の非破壊測定装置。
【請求項5】
2つの前記受光部の前記受光口が前記距離ごとに複数設けられ、それぞれ前記光出射口を中心とする同心円上に等間隔で配置されている、
請求項1に記載の光散乱体の非破壊測定装置。
【請求項6】
2つの前記受光部の各受光口が、それぞれ前記光出射口を中心とする同心円と同一の円環状または前記同心円の一部を構成する円弧状である、
請求項1に記載の光散乱体の非破壊測定装置。
【請求項7】
2つの前記受光部の前記受光口が前記距離ごとに複数設けられ、
前記光検出部は、複数の前記受光口に入射する光を前記距離ごとにまとめて検出するように構成されている、
請求項1に記載の光散乱体の非破壊測定装置。
【請求項8】
2つの前記受光部の前記受光口が前記距離ごとに複数設けられ、
前記光検出部は、複数の前記受光口に入射する光をそれぞれ検出し、前記受光口の各々における光強度を演算することにより前記受光部ごとの光強度を検出するように構成されている、
請求項1に記載の光散乱体の非破壊測定装置。
【請求項9】
前記光照射部の光出射口側の端部と、2つの前記受光部の受光口側の端部とが、それぞれの離間距離を固定する固定保持部材に一体に保持されている、
請求項1に記載の光散乱体の非破壊測定装置。
【請求項10】
前記光照射部の光出射口および2つの前記受光部の受光口が、前記固定保持部材の表面またはその近傍の位置に整列して配置されている、
請求項9に記載の光散乱体の非破壊測定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光散乱体を被検体とし、その性状特性値を測定する光散乱体の非破壊測定装置に関する。例えば、光散乱体である生体を被検体とし、その水分、脂肪、蛋白質等の組成を測定する生体組成の非侵襲測定装置として好適となる光散乱体の非破壊測定装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば果物の糖度測定、食肉の脂肪や水分等の測定など、光散乱体からなる被検体の内部の性状に関する特性値を光学的に測定する種々の光散乱体の非破壊測定方法が知られている。
例えば、特許文献1には、被検対象の牛枝肉からの反射光を受光し、近赤外領域の波長に対する吸光度スペクトルを測定し、これらの吸光度スペクトルの2次微分値を演算し、この演算結果から脂肪や水分の含量を推定する牛肉の成分含量測定方法および測定装置が記載されている。ここで、吸光度スペクトルの2次微分値から牛肉の成分含量を推定するには、吸光度スペクトルの2次微分値と成分含量とを関連付ける検量線を重回帰分析等により予め作成し、前記検量線を用いて測定した吸光度スペクルの2次微分値の演算結果から成分含量を推定している。
【0003】
また、特許文献2には、測定部位に3つの異なる波長の光を照射し、測定部位内を透過したそれぞれの反射光を異なる距離をおいた2箇所で受光してその反射光量を検出し、検出した2箇所での同波長の反射光量の比である反射率を各波長で算出し、同各波長の反射率を用いて算出される相対吸光度比から果実の糖度等の被検体の性状特性値を推定する光散乱体の非破壊測定装置が記載されている。ここで、相対吸光度比から被検体の性状特性値を推定するには、相対吸光度比と性状特性値を関連付ける検量線を重回帰分析等によりあらかじめ作成し、前記検量線を用いて測定した相対吸光度比の演算結果から性状特性値を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平9-119894号公報
特開2007-271575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術で牛肉の成分含量を推定するには、吸光度の2次微分値の多項式で表された検量線をあらかじめ作成する必要がある。
特許文献2に記載の技術で被検体の性状特性値を推定する際も、相対吸光度比の多項式で表された検量線をあらかじめ作成する必要がある。
検量線を作成するためには、牛肉の水分や脂肪などの成分含量や果実糖度等の被検体の性状特性値を目的変数として吸光度の2次微分値、または相対吸光度比を説明変数とした多項式で表される検量線の回帰係数を重回帰分析等の統計処理で決定する必要がある。そのためには、サンプルを粉砕して成分含量などの目的変数を分析したり、成分含量などの性状特性値が測定精度の約10倍程度の範囲を有する50~100個のサンプルを準備したりする必要がある。しかしながら、上記のいずれも、ヒトを含む生体を被検体とする測定では難しく、サンプル破壊を伴う検量線の作成は実質的に不可能である。
このような事情から、特許文献1や2に記載の技術をヒト組織の成分測定に用いることは容易ではない。
【0006】
上記事情を踏まえ、本発明は、検量線を必要とせずに被検体内部の性状特性値を良好な測定精度で推定できる光散乱体の非破壊測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の波長光を発生する光源と、複数の波長光を出射する光出射口を有し、光出射口から複数の波長光を光散乱体からなる被検体上の1箇所の照射領域に向けて照射する光照射部と、光出射口の中心に対して互いに異なる距離の位置に受光口を有し、光出射口から照射された複数の波長光が被検体の内部を透過した後の反射光を受光する2つの受光部と、受光部の各々で受光した光の光強度を検出する光検出部と、2つの受光部の光強度の比をとった反射率を複数の波長ごとに算出し、反射率に基づいて被検体内部の性状特性値を算定する演算処理部とを備えた光散乱体の非破壊測定装置である。
複数の波長光は、複数の波長λ

(i=1,2,…,n)の光を含む。
光検出部が、2つの受光部のうち、距離がρ

、ρ

(ただし、ρ

<ρ

)の2つの受光部で受光した反射光の波長λ

における総受光量をそれぞれJ
1i
、J
2i
として検出したときに、演算処理部は、下記式(1)で表される波長λ

ごとの反射率R

を算出し、下記式(2)で表される相対吸光度比γ

を複数個算出する。
さらに、相対吸光度比γ

に対応する、性状特性値を変数とする相対吸光度比の理論値γ^

を複数個取得し、理論値γ^

と相対吸光度比γ

とが最も近似する条件における性状特性値を出力する。


=J
2i
/J
1i
…(1)
γ

=ln(R
k+2
/R

)/ln(R

/R

) …(2)
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る光散乱体の非破壊測定装置は、検量線を必要とせずに被検体内部の性状特性値を良好な測定精度で推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第一実施形態に係る光散乱体の非破壊測定装置の概略構成を示す模式図である。
(a)は、同非破壊測定装置の受光部の側面図であり、(b)は、(a)のB-B線における断面図である。
同非破壊測定装置の制御系の機能構成を示す機能ブロック図である。
同非破壊測定装置の使用時の一過程を示す図である。
(a)は、同非破壊測定装置の第一変形例における受光部の側面図であり、(b)は、(a)のB-B線における断面図である。
(a)は、同非破壊測定装置の第二変形例における受光部の側面図であり、(b)は、同非破壊測定装置の第三変形例における受光部の側面図である。
本発明の第二実施形態に係る光散乱体の非破壊測定装置の概略構成を示す模式図である。
(a)は、非破壊測定装置の測定例における反射率の実測値を示すグラフであり、(b)は、同測定例における相対吸光度比の実測値と、それを用いたフィッティングを示すグラフである。
反射率の実測値を用いたフィッティングを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第一実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る光散乱体の非破壊測定装置(以下、単に「非破壊測定装置」と称する。)の概略構成を示す模式的な構成図である。
(【0011】以降は省略されています)

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