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公開番号2024100058
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2023003769
出願日2023-01-13
発明の名称樹脂組成物の回収方法および粉状体
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C08J 11/08 20060101AFI20240719BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリカーボネート樹脂組成物から効率的に有用成分であるポリカーボネート樹脂を含む成分を選択的に回収する樹脂組成物の回収方法および該樹脂組成物から得られる粉状体を提供する。
【解決手段】ドリップ防止剤および難燃剤を含有するポリカーボネート樹脂組成物から、ポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を得る樹脂組成物の回収方法において、(1)ポリカーボネート樹脂組成物の一部または全部を有機溶媒に浸漬する工程、(2)未溶解固体成分と有機溶媒溶液とを分離する工程、(3)分離後の有機溶媒溶液からポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を固体として回収する工程を少なくとも含む樹脂組成物の回収方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ドリップ防止剤および難燃剤を含有するポリカーボネート樹脂組成物から、ポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を得る樹脂組成物の回収方法において、(1)ポリカーボネート樹脂組成物の一部または全部を有機溶媒に浸漬する工程、(2)未溶解固体成分と有機溶媒溶液とを分離する工程、(3)分離後の有機溶媒溶液からポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を固体として回収する工程を少なくとも含む樹脂組成物の回収方法。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
有機溶媒が、ジクロロメタンおよびテトラヒドロフランからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒である請求項1に記載の樹脂組成物の回収方法。
【請求項3】
浸漬する工程の処理温度が10~80℃である請求項1に記載の樹脂組成物の回収方法。
【請求項4】
ドリップ防止剤がフッ素系樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物の回収方法。
【請求項5】
難燃剤がリン系難燃剤である請求項1に記載の樹脂組成物の回収方法。
【請求項6】
ポリカーボネート樹脂組成物は、さらにスチレン系樹脂を含む請求項1に記載の樹脂組成物の回収方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物の回収方法により得られたポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を含有する樹脂組成物の粉状体。
【請求項8】
平均粒径が0.3~3.0mmである請求項7に記載の樹脂組成物の粉状体。
【請求項9】
ポリカーボネート樹脂成分100重量部に対して、難燃剤成分を5~50重量部含有する請求項7に記載の樹脂組成物の粉状体。
【請求項10】
ポリカーボネート樹脂成分と難燃剤成分との合計量が樹脂組成物の粉状体の70重量%以上である請求項7に記載の樹脂組成物の粉状体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物からポリカーボネート樹脂を含む成分を選択的に得る樹脂組成物の回収方法および該樹脂組成物から得られる粉状体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂(以下、PCと略すことがある)は優れた機械的性質、電気的性質、耐熱性、耐寒性、透明性等を有しており、レンズ、コンパクトディスク等の光ディスク、建築材料、自動車部品、OA機器のシャーシー、カメラボディー等様々な用途に利用されている材料であり、その需要は年々増加している。PCの需要の増加に伴い、廃棄されるPC製品の多くは焼却若しくは地中に埋める等の方法で処理される。これは、PCの需要の増加から石油資源の枯渇を加速させるだけでなく、地球環境の悪化を促進する。そのため、廃棄されたプラスチックを再利用(リサイクル)することが重要になってきた。
【0003】
廃PCおよびその組成物をリサイクルする方法は、熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクル、製品にある割合で混合し、加工して製品とするマテリアルリサイクル、化学的に分解してプラスチックの原材料にまで戻して、プラスチック製造に再使用するケミカルリサイクルがある。サーマルリサイクルは、プラスチックを焼却して熱を取りだすので、二酸化炭素と水が生成し、本質的には地球環境を破壊し、資源を減少させていることになる。今後は、サーマルリサイクル比率の低減が望まれている。PC樹脂組成物のマテリアルリサイクルは、資源の消費に関しては、一番環境の負荷が少なく、環境的に望ましい。しかしながら、PC以外にも様々な樹脂や添加剤を含むため、混合できる製品が限定され、製品に混入できる割合が少なく、リサイクルできる量が限られるという課題がある。ケミカルリサイクルは、PC成分を原材料であるビスフェノールAまで分解するので、そのまま製造に利用することが可能であり、産業上有用なリサイクル方法である(特許文献1、2)。一方で分解には多大なエネルギーを要するという課題がある。また、PC以外の樹脂を含む樹脂組成物からのケミカルリサイクルは分解効率が低いことが報告されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特公昭40-016536号公報
特開2002-212335号公報
特開2001-302844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ポリカーボネート樹脂組成物から効率的に有用成分であるポリカーボネート樹脂を含む成分を選択的に回収する樹脂組成物の回収方法および該樹脂組成物から得られる粉状体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、ドリップ防止剤および難燃剤を含有するポリカーボネート樹脂組成物を有機溶媒に浸漬させることにより、驚くべきことに、温和な条件でポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を主に含有する有機溶媒溶液と未溶解固体成分に分離できること、その有機溶媒溶液を分離し、分離した溶媒溶液よりポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を固体として回収する工程を経ることで、ポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を選択的に回収できることを見出した。さらに回収した樹脂組成物から得られる粉状体(パウダー)がリサイクル材料として好適であることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0008】
1.ドリップ防止剤および難燃剤を含有するポリカーボネート樹脂組成物から、ポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を得る樹脂組成物の回収方法において、(1)ポリカーボネート樹脂組成物の一部または全部を有機溶媒に浸漬する工程、(2)未溶解固体成分と有機溶媒溶液とを分離する工程、(3)分離後の有機溶媒溶液からポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を固体として回収する工程を少なくとも含む樹脂組成物の回収方法。
2.有機溶媒が、ジクロロメタンおよびテトラヒドロフランからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒である前項1記載の樹脂組成物の回収方法。
3.浸漬する工程の処理温度が10~80℃である前項1に記載の樹脂組成物の回収方法。
4.ドリップ防止剤がフッ素系樹脂である前項1記載の樹脂組成物の回収方法。
5.難燃剤がリン系難燃剤である前項1記載の樹脂組成物の回収方法。
6.ポリカーボネート樹脂組成物は、さらにスチレン系樹脂を含む前項1に記載の樹脂組成物の回収方法。
7.前項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物の回収方法により得られたポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を含有する樹脂組成物の粉状体。
8.平均粒径が0.3~3.0mmである前項7に記載の樹脂組成物の粉状体。
9.ポリカーボネート樹脂成分100重量部に対して、難燃剤成分を5~50重量部含有する前項7に記載の樹脂組成物の粉状体。
10.ポリカーボネート樹脂成分と難燃剤成分との合計量が樹脂組成物の粉状体の70重量%以上である前項7に記載の樹脂組成物の粉状体。
11.前項7~10のいずれかに記載の方法により得られた樹脂組成物の粉状体を用いてポリカーボネート樹脂組成物へリサイクルする方法。
12.リサイクルされたポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を含み、ポリカーボネート樹脂成分100重量部に対して、難燃剤成分を5~50重量部含む樹脂組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポリカーボネート樹脂組成物から効率的にポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を選択的に回収でき、回収したポリカーボネート樹脂成分および難燃剤成分を含有する樹脂組成物から得られる粉状体がリサイクル性に優れた原料として利用できることから、本発明の奏する工業的効果は格別である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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