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公開番号2024099505
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-25
出願番号2024003101
出願日2024-01-12
発明の名称重炭酸イオン受容体
出願人学校法人順天堂
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A01K 67/0276 20240101AFI20240718BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】重炭酸イオンの新たな機能を見出し、新たな医薬開発の可能性を見出すこと。
【解決手段】重炭酸イオン受容体機能欠損非ヒト動物、GRP30発現細胞を用いる細胞内カルシウム濃度調節剤のスクリーニング方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
重炭酸イオン受容体機能欠損非ヒト動物。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
重炭酸イオン受容体機能欠損マウス。
【請求項3】
GPR30発現細胞を用いる細胞内カルシウム濃度調節剤のスクリーニング方法。
【請求項4】
GPR30発現細胞を用いる重炭酸イオン受容体拮抗剤のスクリーニング方法。
【請求項5】
GPR30発現細胞を用いる脳梗塞治療剤のスクリーニング方法。
【請求項6】
Gpr30遺伝子導入非ヒト動物を用いる脳梗塞治療剤のスクリーニング方法。
【請求項7】
重炭酸イオン受容体拮抗剤を有効成分として含有する細胞内カルシウム濃度調節剤。
【請求項8】
重炭酸イオン受容体拮抗剤を有効成分として含有する脳梗塞治療剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内における重炭酸イオン受容体及びその応用に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
血液、リンパ液などの体液は、pH7.4付近に保たれており、pHが低くなった状態をアシドーシス、高くなった状態をアルカローシスという。この体液のpHは、主に呼吸と代謝によってコントロールされている。pHのアルカリ側への調整は、主に肺からのCO
2
の放出と、腎臓からの重炭酸イオンの再吸収によって行われる。このように、重炭酸イオンは、生体におけるpH調節因子であると考えられてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、重炭酸イオン濃度が高くなった時の病態及び低くなった時の病態を見ると、単にアルカローシスやアシドーシスだけでは説明できない疾患が隠れている可能性がある。
従って、本発明の課題は、重炭酸イオンの新たな機能を見出し、新たな医薬開発の可能性を見出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明者は、重炭酸イオンが体液中のpH調節因子としての機能だけでなく、新たな機能を有するのではないかと考え、重炭酸イオンを種々の細胞に作用させ、その細胞の機能の変化を検討した。その結果、ヒトを含む動物の細胞において、重炭酸イオンがその受容体を介して生体内でシグナル伝達分子として作用していることを見出した。さらに、重炭酸イオン受容体の活性化によって細胞内カルシウム濃度が上昇すること、その受容体機能欠損マウスでは、脳虚血再灌流モデルにおいて梗塞が軽減されることや、虚血再灌流後のアポトーシスが軽減されることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、次の発明[1]~[8]を提供するものである。
[1]重炭酸イオン受容体機能欠損非ヒト動物。
[2]重炭酸イオン受容体機能欠損マウス。
[3]GPR30発現細胞を用いる細胞内カルシウム濃度調節剤のスクリーニング方法。
[4]GPR30発現細胞を用いる重炭酸イオン受容体拮抗剤のスクリーニング方法。
[5]GPR30発現細胞を用いる脳梗塞治療剤のスクリーニング方法。
[6]Gpr30遺伝子導入非ヒト動物を用いる脳梗塞治療剤のスクリーニング方法
[7]重炭酸イオン受容体拮抗剤を有効成分として含有する細胞内カルシウム濃度調節剤。
[8]重炭酸イオン受容体拮抗剤を有効成分として含有する脳梗塞治療剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、ヒトを含む動物の細胞には重炭酸イオン受容体が存在し、その受容体は、体液のpH調節因子としての機能だけでなく、細胞内カルシウム濃度の調節、脳梗塞の発生やその治癒に関与していることが判明した。この重炭酸イオン受容体の発見により、脳梗塞治療剤などの新たな治療剤の開発が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
GPR30安定発現細胞(MCF-GPR30)における重炭酸イオン濃度と細胞内カルシウム応答の関係を示す。
GPR30安定発現細胞(HEK-GPR30)における重炭酸イオン濃度と細胞内カルシウム応答の関係を示す。
混合無機溶液から重炭酸ナトリウムを枯渇させたときの、GPR30安定発現細胞(MCF-GPR30)における細胞内カルシウム応答を示す。
GPR30の1アミノ酸置換体を安定発現させたHEK293細胞における重炭酸イオン濃度と細胞内カルシウム応答の関係を示す。
GPR30安定発現細胞(HEK293)における重炭酸イオン濃度と細胞内カルシウム応答の関係を示す。
種々の動物種におけるGPR30の重炭酸イオンによる活性化を示す。
GPR30発現初代培養細胞の重炭酸イオンによる活性化を示す。
野生型マウスを用いて重炭酸イオン受容体発現細胞が脳ペリサイトであることを示す(抗pdgfrb RNAプローブによるin situ hybridization)。
Gpr30遺伝子座ノックインマウスを用いて重炭酸イオン受容体発現細胞が脳ペリサイトであることを示す(抗CD13抗体による免疫染色)。
脳虚血再灌流モデルにおける梗塞巣の大きさを示す。
脳虚血再灌流モデルにおける血液脳関門の破綻状態を示す。
脳虚血再灌流後のアポトーシスの変化を示す。
脳虚血再灌流時の血流の経時変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者は、候補受容体遺伝子を導入したヒトを含む動物細胞に、重炭酸イオンを作用させ、その細胞の変化を測定することにより、重炭酸イオン受容体が存在することを見出した。重炭酸イオン受容体はGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であり、その遺伝子を発現する細胞は、後述の実施例1に記載のように、重炭酸イオンに反応して細胞内カルシウムを上昇させる。
【0009】
具体的には、本発明はGPCRの一種であるGPR30が、重炭酸イオン受容体としての機能を有することを見出したことにある。GPR30は従来エストラジオール(E2)の非ゲノム作用を有することが知られていたが(Revankar,C.M.,Cimino,D.F.,Sklar,L.A.,Arterburn,J.B.&Prossnitz,E.R.A transmembrane intracellular estrogen receptor mediates rapid cell signaling.Science 307,1625-1630(2005).)、重炭酸イオンによって活性化されることは知られていなかった。また、GPR30の遺伝子は、ヒト、マウス、ラット、ゼブラフィッシュなどで確認されている。
ヒトGPR30のDNA配列は、NCBI Reference Sequence:NC_000007.14 Reference GRCh38.p14 Primary Assembly、REGION:1087118..1093810、NCBI Gene ID:2852、マウスGPR30のDNA配列は、NCBI Reference Sequence:NC_000071.7 Reference GRCm39 C57BL/6J、REGION:139408905..139413555、NCBI Gene ID: 6854、として知られている。
【0010】
重炭酸イオン受容体は、ヒトを含む種々の動物細胞に存在し、重炭酸イオンにより活性化し、シグナル伝達分子として機能している。
重炭酸イオン受容体を安定発現させた細胞では、重炭酸イオンを作用させることにより、細胞内カルシウム濃度が上昇することから、重炭酸イオンがこの受容体を介して細胞内のカルシウム濃度を調節していることがわかる。
従って、重炭酸イオン受容体発現細胞を用いれば、細胞内カルシウム濃度調節剤をスクリーニングすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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