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公開番号2024110431
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-16
出願番号2023014943
出願日2023-02-03
発明の名称捕獲器
出願人個人
代理人
主分類A01M 1/10 20060101AFI20240808BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】屋外でカシナガキクイムシを捕獲するのに、誘引剤と粘着剤と捕獲水を使用せず、落ち葉の除去作業などの保全作業をしないで長期間にわたり捕獲能力を維持する捕獲器を提供する。
【解決手段】透明部を備えた壁面部(1)により縦向きの谷部(2)が備えられ、谷部(2)の下側に下向きで錐状な漏斗部(3)が備えられ、漏斗部(3)の先に補虫孔(4)が備えられ、捕集部(5)には開口部(6)と排水部(7)が備えられ、漏斗部(3)に補集部(5)の開口部(6)が嵌めて付けられ、補虫孔(4)の外側に逆刺状部(8)が備えられ、屋根部(9)が谷部(2)の上側に備えられる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
壁面部(1)と谷部(2)と漏斗部(3)と補集部(5)と屋根部(9)を備えた捕獲器であって、透明部を備えた壁面部(1)が縦向きの谷部(2)を形成し、漏斗部(3)は頂部が下向きな錐状で谷部(2)の下側に備えられ、漏斗部(3)の先に補虫孔(4)が備えられ、補集部(5)は開口部(6)が備えられた入れ物状で、漏斗部(3)に補集部(5)の開口部(6)が嵌め付けられ、捕集部(5)の排水部(7)が補虫孔(4)より下に備えられ、補虫孔(4)の外側に逆刺状部(8)が備えられ、屋根部(9)が谷部(2)の上側に備えられたことを特長とする捕獲器。
続きを表示(約 210 文字)【請求項2】
捕集部(5)が透明で底に開閉自在口部(15)が備えられたことを特徴とする請求項1記載の捕獲器。
【請求項3】
傾斜した屋根部(9)と壁面部(1)により、上方に尖った錐状の錐状空間部(14)が備えられたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の捕獲器。
【請求項4】
谷部(2)の内側に突き出た逆刺壁(16)が備えられたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の捕獲器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、現在の日本の森林において最も重要な生物害とされている、ナラ枯れの原因となるナラ菌を感染させて、ナラ類集団枯死を発祥させるカシナガキクイムシ(以下、カシナガと記載する)の捕獲器に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、カシナガの食害にあっても対象木が枯れない程度にカシナガの数を減少させることで対象木に耐性を付けさせて枯れないようにすることを目的としたこの種の捕獲器として、後記の非特許文献1に示されるようなトラップ(以後、既知トラップと記載する)が知られている。
【0003】
この既知トラップは、市販のA4サイズのクリアファイルを加工して、補助衝突板と半円形の水抜き孔のある逆三角形状の補虫部分を形成し、補助衝突板を溶着した横幅30cmの背面のクリアファイルの左右の縦縁辺付近の上部と中間部の4箇所に鋲を打ち、対象木の湾曲した樹皮面に沿わせてほぼ密着させて固定し、その後に補助衝突板の下端と捕獲部分の上部中央をホッチキスで固定し、補虫部分に洗剤をまぜた捕獲水を入れて使用する。
【0004】
飛来して対象木に先着したカシナガは集合フェロモンを発し、それに誘引されて多数のカシナガが飛来し、対象木の樹皮面から約2から6cmの間を飛び回りながら、好適部位を探し樹皮にとりつく習性を利用して捕獲するものである。カシナガは既知トラップから透けて見える樹皮に取り付こうとして平滑な合成樹脂面に取り付けずに落下して捕獲水に捕獲され、または飛んでいるときに補助衝突板に衝突し羽根を閉じ自重で落下し捕獲水に捕獲されるようである。手作りできることから多くの森林公園や寺社等の自然愛護活動ボランティア等の団体で使用されている。
【0005】
しかし既知トラップには多くの不都合があり、そのひとつとして雨が降らず日差しの強い日が続くと補虫部分の捕獲水が蒸発してなくなり、カシナガを捕獲できなくなる不都合があった。
【0006】
また、雨天が続くときや夕立のときには、上側に大きく開口している補虫部分に雨水が浸入し捕獲水の石けん成分が希釈されるので、捕獲されたカシナガは捕獲水の表面張力により沈まず死ににくなるため逃げ出すことが多くなる不都合があり、また半円形孔の排水部から補虫水の水面に浮いているカシナガが増加した捕獲水と一緒にこぼれ落ちて逃げる不都合があった。
【0007】
また、梅雨期などは雨水により捕獲水の石けん成分が希釈されて無害になるので、捕獲水にボウフラが湧きヤブ蚊を短期間に大量に繁殖させる不都合があった。
【0008】
カシナガによる被害木は水を吸い上げる能力が著しく阻害されるため、水分の蒸発を少なくし枯れるのを防ぐ自己防衛作用をするためにたくさんの葉を頻繁に落とすので、補虫部分の開口部が上向きに大きく広がっている形状の既知トラップは落ち葉が貯まりやすく、落ち葉が捕獲水の水面に浮いたり、葉の一部が水面から突き出すなどして溜まり、捕獲されたカシナガは落ち葉の水面から突き出している部分を這い上がり飛翔して逃げ出してしまう不都合があった。
【0009】
既知トラップの性能を発揮するには捕中部分が変形せずに取りつけられる、対象木の幹の直径が40cm以上の大木でゆるやかに湾曲した樹皮面が必要であるが、既知トラップを幹の直径が30cm以下の樹皮面の湾曲がきつい小径木に取り付けると、捕中部分の中央がつぶれて変形するので、捕虫部分の開口が狭くなりカシナガが捕獲しにくくなり、また補助衝突板も含めてクリアファイル材の弾性力に対抗して形状を無理に変形させるので取り付けにくく、接合部が外れて破損しやすいという不都合があった。
【0010】
既知トラップは、背面のクリアファイルを対象木の湾曲している樹皮面に沿ってほぼ密着して固定するので、樹皮面を這い回るアリなどの虫類やヤスデなどの多足類などが既知トラップの背面のクリアファイルを這い伝って浸入し、脚を滑らせて捕獲水に落ちて捕獲され溺れ死ぬ不都合があった。
(【0011】以降は省略されています)

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