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公開番号2024099392
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-25
出願番号2023003309
出願日2023-01-12
発明の名称メタン製造装置及びメタン製造方法
出願人水ing株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C12M 1/113 20060101AFI20240718BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】水素の液体への溶解を促進して効率良くメタンを生成でき、水素の装置外部への流出を抑制しながら装置内の圧力を適切に調整可能なメタン製造装置及びメタン製造方法を提供する。
【解決手段】液相部11と液相部11の上方に気相部12とを備え、微生物を用いたメタネーション反応により二酸化炭素と水素とを反応させてメタンを生成させる反応部1と、液相部11内に水素と二酸化炭素とを流入させるガス流入部3と、液相部11内の水素を含むガスを収集するガス収集部4と、ガス収集部4内の水素を含むガスを回収し液相部11へ循環させるガス循環部5とを備えるメタン製造装置である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液相部と前記液相部の上方に気相部とを備え、微生物を用いたメタネーション反応により二酸化炭素と水素とを反応させてメタンを生成させる反応部と、
前記液相部内に水素と二酸化炭素とを流入させるガス流入部と、
前記液相部内の水素を含むガスを収集するガス収集部と、
前記ガス収集部内の前記水素を含むガスを回収し前記液相部へ循環させるガス循環部と
を備えることを特徴とするメタン製造装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ガス循環部のガス圧力を検出可能な圧力検出部と、
前記ガス圧力の検出結果が予め定められた基準圧力を下回る場合に、前記気相部に収容されたメタンを含むガスを回収し、回収したガスを前記ガス循環部へ供給するガス回収部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のメタン製造装置。
【請求項3】
前記ガス回収部と前記ガス循環部とに接続された切替部と、
前記ガス循環部のガス圧力が前記基準圧力を下回る場合は、前記ガス収集部内の前記水素を含むガスと前記気相部に収容されたメタンを含むガスとを前記液相部に循環させるように前記切替部を制御し、前記ガス循環部のガス圧力が前記基準圧力を上回る場合は、前記ガス循環部のガス圧力が前記基準圧力となるまで前記気相部に収容されたメタンを含むガスの供給を停止させる様に前記切替部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする請求項2に記載のメタン製造装置。
【請求項4】
前記液相部へ循環させるガスの圧力を調整する補充ガスを前記ガス循環部に供給するガス補充部を更に備える請求項1~3のいずれか1項に記載のメタン製造装置。
【請求項5】
前記気相部内のメタンを含むガスを導入し、前記メタンを含むガスから二酸化炭素を分離するガス分離部を更に備える請求項1~3のいずれか1項に記載のメタン製造装置。
【請求項6】
前記反応部が、前記二酸化炭素と水素とを前記反応部の下部から上向流で流入させる上向流式反応器を備え、前記ガス収集部が、前記上向流式反応器の高さ方向に沿って複数配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のメタン製造装置。
【請求項7】
前記反応部が、前記液相部で二酸化炭素と水素とを反応させてメタンを生成させるための反応流路を備え、前記反応流路の上方に前記気相部と前記反応流路から浮上する水素を含むガスを収集する前記ガス収集部とを備える横向流式反応器を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のメタン製造装置。
【請求項8】
微生物を用いたメタネーション反応により、二酸化炭素と水素とを反応させてメタンを生成させるメタン製造方法であって、
液相部と気相部とを備える反応部の前記液相部内に二酸化炭素と水素とを流入させ、
前記液相部内の水素を含むガスを収集し、
収集した前記水素を含むガスを回収して前記液相部内へ循環させ、
前記気相部内のメタンを含むガスを回収すること
を含むことを特徴とするメタン製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素と水素を反応させてメタンを生成するメタン製造装置及びメタン製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
メタン化触媒又は微生物の存在下で水素と二酸化炭素とを反応させ、都市ガス等に用いられるメタンを合成する「メタネーション」と呼ばれる技術が知られている。メタネーションに用いられる原料として、発電所又は工場等から回収した二酸化炭素と、風力発電や太陽光発電等の再生可能エネルギー由来の水素とを利用することにより、化石燃料由来でない再生可能エネルギー由来のメタンが合成できる。このように、メタネーション技術は、脱炭素社会への移行過程における環境を配慮した有用な技術の一つとして注目されている。
【0003】
下水汚泥や生ごみ等のバイオマス資源を嫌気性消化処理することにより、バイオガスを生成させる技術が知られている。バイオガスはメタンと二酸化炭素とを主な構成成分として含む。バイオガス中の二酸化炭素からメタネーション反応によりメタンを生成させるバイオメタネーションによってバイオガス中のメタンの濃度を高めることにより、バイオガスの更なる有効活用が期待されている。
【0004】
有機性廃水からバイオガスを効率良く精製させるためのバイオガス反応器として、例えば、特開2010-42352号公報(特許文献1)には、グラニュール汚泥及び/又は担体を充填した、ガス・液・固分離部を多段に有する上向流嫌気性処理装置の例が記載されている。特許文献1では、最上段に設置されたガス・液・固分離部よりも下方に配置した循環水の取水口から、処理装置内の水を循環水として引き抜く。引き抜いた循環水は、処理装置内の底部及び/又は原水流入箇所及び/又は上向流嫌気性処理装置の前段処理装置に循環させる。
【0005】
特開平06-78744号公報(特許文献2)には、活性バイオマスで全部または部分的に満たされている反応器ハウジングを備えたバイオガス反応器の例が記載されている。反応器ハウジングの内部には、その反応器セグメント内に上昇するガスための溢出エッジを有する、一個又は数個の柱状に重なって配設された分離エレメントを備える。分離エレメントにより、発酵懸濁液から上昇するガス収集用のガス収集室および活性バイオマス汚泥粒子沈降用のガス泡の希薄な沈降室が形成されると共に、この室内にガス排出用の絞り装置を備えた導管が導かれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-42352号公報
特開平06-78744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のバイオガス反応器は、ガス発生量の増減に伴いガス圧力バランスが取れなくなると、汚泥界面が上昇し、ガス・液・固分離部から汚泥が流出する。或いは、ガスラインの汚泥流入による詰まり等を引き起こすことがある。特許文献2のバイオガス反応器は、反応器セグメント内の分離エレメントに接続されたガス取出し装置の設置と定期的なメンテナンスが必要であるため、処理が煩雑である。また、特許文献2のバイオガス反応器は槽内の圧力制御もされていない。
【0008】
水素は液体に溶けにくい物質である。そのため、メタン製造装置内で二酸化炭素と水素を反応させて効率良くメタンを生成させるためには、水素の液相への溶解を促進することが望ましい。また、メタン製造装置内で未反応の水素が生じると未反応の水素が処理ガスと共に外部へ流出することがある。そのため、未反応の水素の外部への流出は極力抑制することが望ましい。メタネーション反応においては、反応の進行により反応器内の圧力が下がることがある。メタンを効率良く生成させるためには、反応器内の圧力を適切にすることが望ましい。
【0009】
上記課題に鑑み、本発明は、水素の液体への溶解を促進して効率良くメタンを生成でき、水素の装置外部への流出を抑制しながら装置内の圧力を適切に調整可能なメタン製造装置及びメタン製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、微生物を用いたメタネーション反応により二酸化炭素と水素とを反応させてメタンを生成させる反応部において、反応部の液相部内の水素を含むガスを利用することが有用であるとの知見を得た。
(【0011】以降は省略されています)

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