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公開番号
2024099161
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-25
出願番号
2023002892
出願日
2023-01-12
発明の名称
施錠構造
出願人
中国電力株式会社
代理人
個人
主分類
E05B
67/38 20060101AFI20240718BHJP(錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫)
要約
【課題】異なる2者が別々の南京錠を用いて施錠管理することができる施錠構造を提供する。
【解決手段】一の端部2a寄りに設けられる第1の嵌合部5aと、他の端部2b寄りに設けられる第2の嵌合部5bを備える心棒2と、第1の南京錠4aの第1のシャックル12を掛止する第1の掛止部8を有し、第1の嵌合部5aと嵌合しながら心棒2の外側面2c上に設けられる第1のアダプタ3aと、第2の南京錠4bの第2のシャックル12を掛止する第2の掛止部8を有し、第2の嵌合部5bと嵌合しながら心棒2の外側面2c上に設けられる第2のアダプタ3bと、第1の掛止部8に第1のシャックル12を掛止して施錠することで心棒2に第1のアダプタ3aを固定する第1の南京錠4aと、第2の掛止部8に第2のシャックル12を掛止して施錠することで心棒2に第2のアダプタ3bを固定する第2の南京錠4bを備える施錠構造1Aによる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
一の端部寄りに設けられる第1の嵌合部と、他の端部寄りに設けられる第2の嵌合部を備える心棒と、
第1の南京錠の第1のシャックルを掛止する第1の掛止部を有し、前記第1の嵌合部と嵌合しながら前記心棒の外側面上に設けられる第1のアダプタと、
第2の南京錠の第2のシャックルを掛止する第2の掛止部を有し、前記第2の嵌合部と嵌合しながら前記心棒の前記外側面上に設けられる第2のアダプタと、
前記第1の掛止部に前記第1のシャックルを掛止して施錠することで前記心棒に前記第1のアダプタを固定する前記第1の南京錠と、
前記第2の掛止部に前記第2のシャックルを掛止して施錠することで前記心棒に前記第2のアダプタを固定する前記第2の南京錠を備えることを特徴とする施錠構造。
続きを表示(約 950 文字)
【請求項2】
前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタは、挟持具であることを特徴とする請求項1に記載の施錠構造。
【請求項3】
前記第1の掛止部は、前記第1のシャックルの少なくとも一部が嵌る断面凹状の第1の溝を備え、
前記第2の掛止部は、前記第2のシャックルの少なくとも一部が嵌る断面凹状の第2の溝を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の施錠構造。
【請求項4】
前記第1の溝は、前記第1の南京錠の施錠時に前記第1のシャックルを全て前記第1の溝の内部に収容可能な幅及び深さを有し、
前記第2の溝は、前記第2の南京錠の施錠時に前記第2のシャックルを全て前記第2の溝の内部に収容可能な幅及び深さを有することを特徴とする請求項3に記載の施錠構造。
【請求項5】
前記心棒を挿通させる挿通孔を有し、互いに密着する一対の金具からなる合わせ金具を備え、
前記第1のアダプタは、前記心棒における前記第1の嵌合部と前記合わせ金具の間における前記心棒の前記外側面を全て被覆し、
前記第2のアダプタは、前記心棒における前記第2の嵌合部と前記合わせ金具の間における前記心棒の前記外側面を全て被覆することを特徴とする請求項4に記載の施錠構造。
【請求項6】
前記第1のアダプタは、一対の第1の挟持片からなり、前記第1の挟持片同士が閉合する第1の閉合面を有する第1の挟持具であり、
前記第2のアダプタは、一対の第2の挟持片からなり、前記第2の挟持片同士が閉合する第2の閉合面を有する第2の挟持具であり、
前記第1の掛止部は、ぞれぞれの前記第1の挟持片の周側面上でかつ前記第1の閉合面の平面方向に突設される舌状の第1の突起と、前記第1の突起に穿設され前記第1の南京錠の前記第1のシャックルを挿通して掛止する第1の貫通孔を備え、
前記第2の掛止部は、ぞれぞれの前記第2の挟持片の周側面上でかつ前記第2の閉合面の平面方向に突設される舌状の第2の突起と、前記第2の突起に穿設され前記第2の南京錠の前記第2のシャックルを挿通して掛止する第2の貫通孔を備えていることを特徴とする請求項2に記載の施錠構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、南京錠等の錠前と組み合わせて用いられ門扉等の施錠対象部に使用される施錠構造に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【0002】
一般に、施設等の出入り口として使用される門扉等の施錠には、南京錠等の錠前が使用されるが、多くの場合その施錠に使用できる錠前は1つのみであった。
その一方で、この施錠対象の施設を、異なる2者(例えば使用者A及び使用者B)で共用する場合は、別々の南京錠等の錠前を使用することができず、1つの南京錠等の錠前を共通の1種類の鍵を用いて管理する必要があり、下記の点で不便であった。
(1)万一、使用者の一方(例えば使用者A)が共通の鍵を紛失した場合は、南京錠等の錠前自体と、他方の使用者(例えば使用者B)が保有している鍵を交換する必要がある。
(2)施錠に用いられる南京錠等の錠前自体が破損している場合は、破損した南京錠を破壊するなどして取り除かないと、施錠対象である門扉を開けることができない。
上述のような課題に対処するための先願としては、例えば以下に示すような特許文献1が知られている。
【0003】
特許文献1には「施錠用アダプター装置」という名称で、門扉等の施錠対象部に南京錠等の錠前を使用して施錠する際に好適に用いられる施錠用アダプター装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される施錠用アダプター装置は、一端と他端を有する心棒と、この心棒の一端側が挿入される筒状部を有する第1部材と、心棒の他端側が挿入される筒状部を有する第2部材とを備え、第1部材は、その筒状部の表面から突出する突出片と、その突出片に設けられた受容口とを有し、第2部材は、その筒状部の表面から突出して筒状部の軸線と平行に延び、先端部が受容口に挿入されるアームを有し、第1部材及び第2部材の筒状部には、筒状部の軸線と交差する方向に貫通した第1貫通孔がそれぞれ設けられ、心棒の両端近くには、受容口にアームの先端部が挿入された状態において、第1貫通孔と連通する第2貫通孔がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
上述のような特許文献1に開示される発明によれば、上記課題を解消できる。
さらに、特許文献1の図6や図8に示されている、両端部寄りのそれぞれに第3の挿通孔(51)を備える挿入部材(40)と、上記第3の挿通孔(51)のそれぞれに設置される南京錠(1)の組み合わせを用いることによっても、上述の課題を解消できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-182701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示される施錠用アダプター装置は、その構造が複雑であるため、製造コストが嵩むという課題があった。
その一方で、特許文献1における図6や図8に開示されるような第3の挿通孔(51)を有する挿入部材(40)と、2つの南京錠(1)の組み合わせを用いる場合は、その構造がシンプルであるため、異なる2者が別々の南京錠を用いて施錠管理することができる施錠構造を廉価に提供できるとも考えられる。
しかしながら、上述のような特許文献1に開示される施錠構造を採用する場合は、挿入部材(40)に南京錠(1)のシャックルを挿通するために、第3の挿通孔(51)を形成する必要がある。この場合、第3の挿通孔(51)が形成される部分の挿入部材(40)の強度が著しく低下してしまう懸念があった。
特に、挿入部材(40)の挿通対象に形成される挿通孔のサイズの関係で、挿入部材(40)の直径(太さ)を大きくできない場合は、挿入部材(40)に南京錠(1)のシャックルを挿通するための第3の挿通孔(51)を形成することができないという別の課題が生じていた。
【0006】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、異なる2者が別々の南京錠等の錠前を用いて施錠管理することができ、施錠対象に挿通されて閂として用いられる心棒に、南京錠等の錠前のシャックルを挿通するための貫通孔を形成する必要がない施錠構造を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、南京錠等の錠前のシャックルが不正に切断されるのを防ぐことができる施錠構造を提供することにある。
加えて、本発明の別の目的は、施錠対象に挿通する閂としての心棒が不正に切断されるのを防ぐことができる施錠構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明である施錠構造は、一の端部寄りに設けられる第1の嵌合部と、他の端部寄りに設けられる第2の嵌合部を備える心棒と、第1の南京錠の第1のシャックルを掛止する第1の掛止部を有し、上記第1の嵌合部と嵌合しながら心棒の外側面上に設けられる第1のアダプタと、第2の南京錠の第2のシャックルを掛止する第2の掛止部を有し、上記第2の嵌合部と嵌合しながら心棒の外側面上に設けられる第2のアダプタと、第1の掛止部に第1のシャックルを掛止して施錠することで心棒に第1のアダプタを固定する第1の南京錠と、第2の掛止部に第2のシャックルを掛止して施錠することで心棒に第2のアダプタを固定する第2の南京錠を備えることを特徴とする。
上記構成の第1の発明において、心棒は施錠対象である門扉等に設けられる合わせ金具等の挿通孔に挿設されて、その門扉等の閂として作用する。
また、心棒の外側面上に設けられる第1の嵌合部は、第1のアダプタをこの第1の嵌合部に嵌合させつつ上記心棒の外側面上に取設した際に、第1のアダプタが心棒の中心軸方向にスライドするのを規制するという作用を有する。同様に、心棒の外側面上に設けられる第2の嵌合部は、第2のアダプタをこの第2の嵌合部に嵌合させつつ上記心棒の外側面上に取設した際に、第2のアダプタが心棒の中心軸方向にスライドするのを規制するという作用を有する。
さらに、第1のアダプタは、心棒の一の端部寄りの外側面上に第1の南京錠を固定する際に、心棒の外側面と第1の南京錠の第1のシャックルの間を埋める隙間埋め材として作用する。なお、第1のアダプタにおける第1の掛止部は、第1のアダプタに第1の南京錠を取設する際に、第1のシャックルの受け部となる。同様に、第2のアダプタは、心棒の一の端部寄りの外側面上に第2の南京錠を固定する際に、心棒の外側面と第2の南京錠の第2のシャックルの間を埋める隙間埋め材として作用する。なお、第2のアダプタにおける第2の掛止部は、第2のアダプタに第2の南京錠を取設する際に、第2のシャックルの受け部となる。
さらに、第1の南京錠は、心棒の一の端部側に第1のアダプタを介して固設されることで、心棒の一の端部寄りに、第1のアダプタと共同して拡径部を形成するという作用を有する。そして、心棒の一の端部寄りに形成される、第1のアダプタと第1の南京錠からなる拡径部は、心棒の挿設対象である例えば合わせ金具等の貫通孔から心棒の一の端部側が抜けて外れるのを防ぐという作用を有する。
同様に、第2の南京錠は、心棒の他の端部側に第2のアダプタを介して固設されることで、心棒の他の端部寄りに、第2のアダプタと共同して拡径部を形成するという作用を有する。そして、心棒の他の端部寄りに形成される、第2のアダプタと第2の南京錠からなる拡径部は、心棒の挿設対象である例えば合わせ金具等の貫通孔から心棒の他の端部側が抜けて外れるのを防ぐという作用を有する。
【0008】
第2の発明は、上述の第1の発明であって、第1のアダプタ及び第2のアダプタは、挟持具であることを特徴とする。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第2の発明において、第1のアダプタ及び第2のアダプタが挟持具であることで、心棒に対する第1、第2のアダプタの着脱操作を容易にするという作用を有する。
【0009】
第3の発明は、上述の第1又は第2の発明であって、第1の掛止部は、第1のシャックルの少なくとも一部が嵌る断面凹状の第1の溝を備え、第2の掛止部は、第2のシャックルの少なくとも一部が嵌る断面凹状の第2の溝を備えることを特徴とする。
上記構成の第3の発明は、上述の第1又は第2の発明による作用と同じ作用を有する。また、上述の第3の発明において、第1の溝は、第1のアダプタに第1の南京錠を取設して施錠する際に、第1のアダプタに対する第1の南京錠の第1のシャックルの位置ずれを防ぐという作用を有する。
同様に、第2の溝は、第2のアダプタに第2の南京錠を取設して施錠する際に、第2のアダプタに対する第2の南京錠の第2のシャックルの位置ずれを防ぐという作用を有する。
よって、第3の発明によれば、施錠対象に対する第3の発明の取り付け作業を容易にするという作用を有する。
【0010】
第4の発明は、上述の第3の発明であって、第1の溝は、第1の南京錠の施錠時に第1のシャックルを全て第1の溝の内部に収容可能な幅及び深さを有し、第2の溝は、第2の南京錠の施錠時に第2のシャックルを全て第2の溝の内部に収容可能な幅及び深さを有することを特徴とする。
上記構成の第4の発明は、上述の第3の発明による作用と同じ作用を有する。また、上述の第4の発明において、第1の南京錠の施錠時に、第1のシャックルの全てが第1の溝の内部に収容されることで、第4の発明の使用時に、第1の南京錠の第1のシャックルが不正に切断されるのを防ぐという作用を有する。
同様に、第2の南京錠の施錠時に、第2のシャックルの全てが第2の溝の内部に収容されることで、第4の発明の使用時に、第2の南京錠の第2のシャックルが不正に切断されるのを防ぐという作用を有する。
よって、第4の発明によれば、その使用時に第1の南京錠の第1のシャックルが切断されて、また第2の南京錠の第2のシャックルが切断されて、第4の発明の施錠構造が不正に開錠されてしまうのを防ぐという作用を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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