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公開番号2024098213
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-23
出願番号2023001533
出願日2023-01-10
発明の名称フィルム、及びこれを用いる固体高分子形燃料電池の電解質膜用補強部材
出願人東洋紡株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類H01M 8/0273 20160101AFI20240716BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 高温機械特性や高温耐加水分解性に優れるだけでなく、厚みの均一性や打ち抜き加工性が良好なフィルム、及びこれを用いる固体高分子形燃料電池の電解質膜用補強部材を提供する。
【解決手段】 4-メチル-1-ペンテンに由来する構成単位を全単位に対して90モル%以上含み融点が240℃以上である重合体A1と、ガラス転移温度が170℃以上である樹脂A2を、その合計量として90質量%以上含むA層を少なくとも1層有するフィルムであって、前記重合体A1と前記樹脂A2の質量比A1/A2が95/5~50/50の範囲であることを特徴とする。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
4-メチル-1-ペンテンに由来する構成単位を全単位に対して90モル%以上含み融点が240℃以上である重合体A1と、ガラス転移温度が170℃以上である樹脂A2を、その合計量として90質量%以上含むA層を少なくとも1層有するフィルムであって、
前記重合体A1と前記樹脂A2の質量比A1/A2が95/5~50/50の範囲であるフィルム。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記A層を120℃100%RH下で保持した前後において、引張試験によって測定する最大応力の初期値に対する保持率が60%となる時間が、フィルム面内方向の少なくとも1方向について2000時間以上である、請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記樹脂A2が環状オレフィン系樹脂である、請求項1に記載のフィルム。
【請求項4】
前記質量比A1/A2が95/5~87/13の範囲である、請求項1に記載のフィルム。
【請求項5】
更に、熱融着性層を少なくとも1層有する、請求項1に記載のフィルム。
【請求項6】
固体高分子形燃料電池の電解質膜の外周縁部を補強するための固体高分子形燃料電池の電解質膜用補強部材に使用される、請求項1に記載のフィルム。
【請求項7】
固体高分子形燃料電池の電解質膜の外周縁部を補強するための固体高分子形燃料電池の電解質膜用補強部材であって、請求項1~6いずれかに記載のフィルムを含む、固体高分子形燃料電池の電解質膜用補強部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリメチルペンテン系樹脂のブレンド体を含むフィルム、及びこれを用いる固体高分子形燃料電池の電解質膜用補強部材に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
燃料電池は電解質膜の両面に電極が配置され、水素と酸素の電気化学反応により発電する電池である。発電時に発生するのは水のみであるため、クリーンエネルギーシステムとして注目されている。その中でも固体高分子形燃料電池は作動温度が比較的低く、起動時間が短いという利点があるため、自動車、船舶等の移動体用の電池としての普及が期待されている。しかしながら、電極に高価な白金系触媒が必要なこともあってまだまだ高価であり、製造コストの低下が望まれている。
【0003】
燃料電池は作動温度を高めることにより、出力密度が高くなり、小型化できるため、価格を下げる方策のひとつとして、作動最大温度を高くすることが検討されている。固体高分子形燃料電池の一般的な作動最大温度は90~95℃であるが、今後は120℃程度となり、燃料電池に使用される樹脂部材には、水存在下での高温長期耐久性(高温耐加水分解性)の向上が求められる(2022年公開NEDO技術開発ロードマップ(HDEV用燃料電池)https://www.nedo.go.jp/library/battery_hydrogen.html参照)。
【0004】
固体高分子形燃料電池は、樹脂製の補強枠によって補強された固体高分子からなる電解質膜と電極との接合体、ガス拡散層等が2枚の金属等からなるセパレーターで狭持されたセルが発電単位となる。補強枠とセパレーターはホットメルト接着剤で接着される構成が一般的である。ホットメルト接着剤の融点は、燃料電池の作動温度より十分に高くないと、作動中に接着剤が融けて水素、酸素が漏れてしまう可能性がある。従って、作動温度が120℃程度となる場合は、ホットメルト接着剤の融点は最低でも150℃以上、その接着加工温度は接着剤を十分に融かすためにさらに高く170~180℃とする必要がある。このため補強枠には170~180℃近傍での高温機械特性の向上も求められる。
【0005】
このような補強枠に用いるフィルムとしては、例えば、特許文献1には、燃料電池セルの周縁部に電解質膜を機械的に補強する補強枠を備えること、補強枠としてポリエチレンナフタレンジカルボキシレート(PEN)の2軸延伸フィルムを用いることが開示されている。しかしながら、121℃100%RHでの高温長期耐久時間は高々200時間程度であり、上記のような要求に対して十分ではなかった。
【0006】
一方、ポリメチルペンテン系樹脂は、高温長期耐久性に優れる物質であり、且つポリオレフィン系樹脂のなかでは耐熱性が良好なため、比較的高温を想定した種々の用途に使用されている。
【0007】
例えば特許文献2には、離型フィルムの離型層として、ポリメチルペンテン系樹脂を使用することが提案されている。また、この文献には、175℃での離型層の貯蔵弾性率E’が30MPa以上80MPa以下であることが開示されている。しかし、貯蔵弾性率がこの範囲であると、上記のような高温での接着加工が行なわれる用途に対しては、高温機械特性が十分とは言えなかった。
【0008】
特許文献3には、合成皮革製造用離型シートの離型層として、ガラス転移温度が150℃以上の環状オレフィン系樹脂とポリメチルペンテン系樹脂とを含む環状オレフィン系樹脂組成物を主成分とする離型層が提案されている。また、この文献には、環状オレフィン系樹脂組成物の150℃における貯蔵弾性率E’が100MPa以上であることが開示されている。
【0009】
更に、特許文献4には、第1の表面層/第1の中間層/基材層/第2の中間層/第2の表面層からなる積層体の基材層として、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、メチルペンテンポリマー、からなる群より選択される1種以上を用いるのが好ましいことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第4944419号公報
特開2021-194871号公報
特開2009-279838号公報
特開2018-135467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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