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公開番号2024094873
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022211745
出願日2022-12-28
発明の名称蛍光体粉末の製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人
主分類C09K 11/08 20060101AFI20240703BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】発光特性に優れた蛍光体粉末の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の蛍光体粉末の製造方法は、主結晶相がCaAlSiN3と同一の結晶構造を有し、一般式(Ca1-x-ySrxEuy)AlSiN3で示され、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0である蛍光体を含む蛍光体粉末の製造方法であって、少なくとも2種の原料粉末を混合してなる第一の原料混合粉末を予め焼成する予焼成工程と、目開き850μmの篩を用いたときの篩通過割合が80重量%以上となる予焼成工程で得られた予焼成粉末と他の原料粉末とを混合してなる第二の原料混合粉末を焼成して、焼成物を得る本焼成工程と、を含むものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
主結晶相がCaAlSiN

と同一の結晶構造を有し、一般式(Ca
1-x-y
Sr

Eu

)AlSiN

で示され、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0である蛍光体を含む蛍光体粉末の製造方法であって、
少なくとも2種の原料粉末を混合してなる第一の原料混合粉末を予め焼成する予焼成工程と、
目開き850μmの篩を用いたときの篩通過割合が80重量%以上となる前記予焼成工程で得られた予焼成粉末と、他の原料粉末とを混合してなる第二の原料混合粉末を焼成して、焼成物を得る本焼成工程と、を含む、
蛍光体粉末の製造方法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
請求項1に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程における焼成を、10MPa・G以下の不活性ガス雰囲気下で行う、蛍光体粉末の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程における焼成を、1500℃以上で、0.5時間以上30時間以下行う、蛍光体粉末の製造方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程における焼成を、2100℃以下で、0.5時間以上30時間以下行う、蛍光体粉末の製造方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程において、前記原料粉末が、Alを含む第一原料粉末およびSiを含む第二原料粉末を含む、蛍光体粉末の製造方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程において、前記原料粉末が、窒化物の第一原料粉末および窒化物の第二原料粉末を含む、蛍光体粉末の製造方法。
【請求項7】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程で得られた予焼成粉末において、(Sr,Ca)AlSiN

の結晶相が50%以下である、蛍光体粉末の製造方法。
【請求項8】
請求項1または2に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
得られる蛍光体粉末のメジアン径が5μm以下である、蛍光体粉末の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体粉末の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
白色LEDを製造するため、青色LEDチップからの青色光を赤色光に変換する赤色蛍光体が研究されている。赤色蛍光体としては、カズン(CASN)蛍光体及びエスカズン(SCASN)蛍光体などのCASN系蛍光体が知られている(例えば、特許文献1等)。これらのCASN系蛍光体は、一般に、ユウロピウム酸化物又はユウロピウム窒化物と、カルシウム窒化物、ケイ素窒化物、及びアルミニウム窒化物と、を含む原料粉末を加熱することによって合成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公報第2005/052087号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のSCASN蛍光体の製造方法において、得られる蛍光体の発光特性の点で改善の余地があることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者はさらに検討したところ、原料粉末の一部を事前に焼成する予焼成を行った後に、予焼成した原料粉末の一部と残りの原料粉末とを本焼成することにより、蛍光体粉末の発光特性が向上することを見出した。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、本焼成で使用する予焼成した原料粉末の一部(予焼成粉末)について、目開き850μmの篩を通したときの篩通過割合が所定以上となるものを使用することにより、蛍光体粉末の発光特性を一層向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の一態様によれば、以下の蛍光体粉末の製造方法が提供される。
1. 主結晶相がCaAlSiN

と同一の結晶構造を有し、一般式(Ca
1-x-y
Sr

Eu

)AlSiN

で示され、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0である蛍光体を含む蛍光体粉末の製造方法であって、
少なくとも2種の原料粉末を混合してなる第一の原料混合粉末を予め焼成する予焼成工程と、
目開き850μmの篩を用いたときの篩通過割合が80重量%以上となる前記予焼成工程で得られた予焼成粉末と、他の原料粉末とを混合してなる第二の原料混合粉末を焼成して、焼成物を得る本焼成工程と、を含む、
蛍光体粉末の製造方法。
2. 1.に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程における焼成を、10MPa・G以下の不活性ガス雰囲気下で行う、蛍光体粉末の製造方法。
3. 1.または2.に記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程における焼成を、1500℃以上で、0.5時間以上30時間以下行う、蛍光体粉末の製造方法。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程における焼成を、2100℃以下で、0.5時間以上30時間以下行う、蛍光体粉末の製造方法。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程において、前記原料粉末が、Alを含む第一原料粉末およびSiを含む第二原料粉末を含む、蛍光体粉末の製造方法。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程において、前記原料粉末が、窒化物の第一原料粉末および窒化物の第二原料粉末を含む、蛍光体粉末の製造方法。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
前記予焼成工程で得られた予焼成粉末において、(Sr,Ca)AlSiN

の結晶相が50%以下である、蛍光体粉末の製造方法。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載の蛍光体粉末の製造方法であって、
得られる蛍光体粉末のメジアン径が5μm以下である、蛍光体粉末の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発光特性に優れた蛍光体粉末の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態の蛍光体粉末の製造方法の概要を説明する。
【0009】
本実施形態の蛍光体粉末の製造方法は、主結晶相がCaAlSiN

と同一の結晶構造を有し、一般式(Ca
1-x-y
Sr

Eu

)AlSiN

で示され、0≦x<1、0<y<1、1-x-y>0である蛍光体を含む蛍光体粉末の製造方法であって、少なくとも2種の原料粉末を混合してなる第一の原料混合粉末を予め焼成する予焼成工程と、目開き850μmの篩を用いたときの篩通過割合が80重量%以上となる予焼成工程で得られた予焼成粉末と、他の原料粉末とを混合してなる第二の原料混合粉末を焼成して、焼成物を得る本焼成工程と、を含む。
【0010】
本発明者の知見よれば、目開き850μmの篩を用いたときの篩通過割合が上記下限値以上となる、少なくとも2種の原料粉末を予焼成してなる予焼成粉末を使用して、かかる予焼成粉末と残りの原料粉末とを本焼成することにより、蛍光体粉末の粉末時および樹脂と混合してシートにした時における発光特性を一層向上できることが判明した。
(【0011】以降は省略されています)

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