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公開番号2024094574
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022211205
出願日2022-12-28
発明の名称使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の再生システム、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、および使用済高吸水性樹脂の再生方法
出願人住友重機械エンバイロメント株式会社,トータルケア・システム株式会社,株式会社日本触媒
代理人弁理士法人雄渾
主分類B09B 5/00 20060101AFI20240703BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】本発明の課題の一つは、使用済の体液吸収性物品の構成成分のうち、パルプおよび高吸水性樹脂の分離・洗浄を簡便かつ効果的に行うことが可能な使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および洗浄方法を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するために、高吸水性樹脂およびパルプの混合物と洗浄水が導入される処理槽と、処理槽内を撹拌する撹拌手段とを備え、撹拌手段は、パルプが処理槽水面まで浮上する一方、高吸水性樹脂が処理槽内の一部領域で均一分散するように、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整手段を有する使用済高吸水性樹脂の洗浄装置およびこの装置を用いた洗浄方法を提供する。
この発明によれば、処理槽内で高吸水性樹脂が存在する領域とパルプが存在する領域とを各々独立して形成させることが可能となる。これにより、高吸水性樹脂とパルプの混合物に対し、簡便かつ効果的な分離および洗浄が可能となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
使用済高吸水性樹脂を洗浄する洗浄装置であって、
高吸水性樹脂およびパルプの混合物と洗浄水が導入される処理槽と、
前記処理槽内を撹拌する撹拌手段と、を備え、
前記撹拌手段は、前記パルプが前記処理槽水面まで浮上する一方、前記高吸水性樹脂が前記処理槽内の一部領域で均一分散するように、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整手段を有することを特徴とする、使用済高吸水性樹脂の洗浄装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記処理槽は、前記パルプの浮上により形成されるパルプ層と、前記高吸水性樹脂の均一分散により形成される高吸水性樹脂層の間に、散気を行う散気手段を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置。
【請求項3】
前記処理槽は、上部が縮径した構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置。
【請求項4】
使用済の体液吸収性物品を、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分離する分離手段と、
前記分離手段で分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理手段とを備え、
前記分離手段は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水手段を含み、
前記再生処理手段は、
分離された高吸水性樹脂の洗浄を行う洗浄部と、
前記洗浄部の後段で高吸水性樹脂に強酸を添加する酸反応部と、
前記酸反応部の後段で高吸水性樹脂を濃縮する濃縮部と、
前記濃縮部の後段で高吸水性樹脂を中和する中和部と、
前記中和部の後段で高吸水性樹脂を乾燥させる乾燥部と、を備え、
前記洗浄部は、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置を備えることを特徴とする、使用済高吸水性樹脂の再生システム。
【請求項5】
使用済高吸水性樹脂の洗浄方法であって、
高吸水性樹脂およびパルプの混合物と洗浄水が処理槽内に導入する導入工程と、
前記処理槽内を撹拌する撹拌工程、を備え、
前記撹拌工程は、前記パルプが前記処理槽水面まで浮上する一方、前記高吸水性樹脂が前記処理槽内の一部領域で均一分散するように、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整工程を有することを特徴とする、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法。
【請求項6】
使用済の体液吸収性物品を、パルプ、高吸水性樹脂、プラスチックに分離する分離工程と、
前記分離工程で分離された高吸水性樹脂の吸水性能を回復させる再生処理工程とを備え、
前記分離工程は、多価金属塩の添加による高吸水性樹脂の脱水工程を含み、
前記再生処理工程は、
分離された高吸水性樹脂の洗浄を行う洗浄工程と、
前記洗浄工程後の高吸水性樹脂に強酸を添加する酸反応工程と、
前記酸反応工程後の高吸水性樹脂を濃縮する濃縮工程と、
前記濃縮工程後の高吸水性樹脂を中和する中和工程と、
前記中和工程後の高吸水性樹脂を乾燥させる乾燥工程と、を備え、
前記洗浄工程は、請求項5に記載の使用済高吸水性樹脂の洗浄方法によるものであることを特徴とする、使用済高吸水性樹脂の再生方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および使用済高吸水性樹脂の洗浄方法に関するものである。
また、本発明は、使用済高吸水性樹脂の再生システムおよび使用済高吸水性樹脂の再生方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッドのように、体液を吸収させることを目的とした物品(以下、「体液吸収性物品」と呼ぶ)は、主にパルプ、高吸水性樹脂(以下、「SAP」とも呼ぶ)、プラスチックから構成されており、幅広く利用されている。特に、高齢者社会を迎える中、一般家庭、病院や福祉施設において、紙おむつの使用量は年々増加している。
そして、大量に排出される使用済の体液吸収性物品の処分については、廃棄物として主に焼却処理が行われている。
【0003】
しかし、水分を多く含む使用済の体液吸収性物品を焼却処理するには、高温処理や焼却設備の大型化が必要となり、炉の劣化を促進するなど、焼却設備への負荷が大きいという問題がある。また、資源の有効活用という観点からも、焼却処理によらず、使用済の体液吸収性物品から構成成分を分離回収し、再利用することが求められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、使用済の体液吸収性物品の処理として、使用済体液吸収性物品に含有されるパルプと高吸水性樹脂(吸水性ポリマー)とのゲル状混合物に、金属塩の混合物を添加して高吸水性樹脂の脱水、収縮・固化を行うとともに、着色した後、パルプおよび高吸水性樹脂を分離回収して洗浄を行う使用済体液吸収性物品からのパルプおよび高吸水性樹脂の分離回収方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-225645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、使用済体液吸収性物品においてはパルプおよび高吸水性樹脂がゲル状混合物となっているため、そのままでは分離回収が困難であることが知られている。そこで、特許文献1には、高吸水性樹脂を着色することで、パルプと高吸水性樹脂との分離を簡易に行うことが記載されている。
一方、特許文献1に記載されるパルプと高吸水性樹脂の分離回収方法では、パルプと高吸水性樹脂との分離が十分に行われているかどうかを判別することは容易であるが、分離操作自体は沈降分離処理を繰り返す必要があり、パルプと高吸水性樹脂の分離回収を簡便に行うという点では課題がある。また、特に高吸水性樹脂においては、単に使用済の体液吸収性物品から分離回収するだけでは、高吸水性樹脂が本来有する吸水性能が低下している状態にあるため、吸水性能を回復させるための適切な処理、すなわち使用済高吸水性樹脂の再生に係る処理を行う必要がある。
【0007】
本発明の課題は、使用済の体液吸収性物品の構成成分のうち、パルプおよび高吸水性樹脂の分離・洗浄を簡便かつ効果的に行うことが可能な使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および使用済高吸水性樹脂の洗浄方法を提供することである。
併せて、本発明の課題は、上記使用済高吸水性樹脂の洗浄装置および使用済高吸水性樹脂の洗浄方法を用い、使用済体液吸収性物品の構成成分のうち、特に高吸水性樹脂を資源として有効に再利用することが可能となる使用済高吸水性樹脂の再生システムおよび使用済高吸水性樹脂の再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、パルプと高吸水性樹脂の混合物を処理槽内で撹拌する際に、パルプと高吸水性樹脂が槽内の異なる領域にそれぞれ存在し得るように撹拌を制御する操作を行うことで、パルプと高吸水性樹脂の分離および洗浄を簡便かつ効果的に行うことができることを見出して、本発明を完成した。
また、本発明者は、パルプと高吸水性樹脂の分離および洗浄に係る上記操作を含み、使用済の体液吸収性物品から高吸水性樹脂を分離し、所定の順序で高吸水性樹脂の吸水性能を回復させるための各処理を行うことで、使用済高吸水性樹脂の再生処理を効果的に進行させ、使用済の体液吸収性物品の構成成分について資源としての利用が可能となることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置、使用済高吸水性樹脂の洗浄方法、使用済高吸水性樹脂の再生システム、および使用済高吸水性樹脂の再生方法である。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置は、高吸水性樹脂およびパルプの混合物と洗浄水が導入される処理槽と、処理槽内を撹拌する撹拌手段と、を備え、撹拌手段は、パルプが処理槽水面まで浮上する一方、高吸水性樹脂が処理槽内の一部領域で均一分散するように、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整手段を有するという特徴を有する。
本発明の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置は、使用済高吸水性樹脂およびパルプの混合物と洗浄水を処理槽内に導入して撹拌するものであり、このとき、撹拌強度ないしは撹拌流方向を調整する調整手段を設けることで、処理槽内で高吸水性樹脂が存在する領域(高吸水性樹脂層)とパルプが存在する領域(パルプ層)とを各々独立して形成させることが可能となる。これにより、高吸水性樹脂とパルプの混合物に対し、簡便かつ効果的な分離および洗浄が可能となる。
【0010】
また、本発明の使用済高吸水性樹脂の洗浄装置の一実施態様としては、処理槽は、パルプの浮上により形成されるパルプ層と、高吸水性樹脂の均一分散により形成される高吸水性樹脂層の間に、散気を行う散気手段を更に備えるという特徴を有する。
この特徴によれば、処理槽内に形成された二層の間に散気手段を設けることで、撹拌流と併せて散気による流体流を利用することができ、処理槽内で形成された高吸水性樹脂層を処理槽内の下方へ効果的に沈降させることが可能となる。これにより、高吸水性樹脂層とパルプ層との分離を更に容易かつ効果的に行うことが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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