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公開番号2024091499
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2023207726
出願日2023-12-08
発明の名称mTORシグナリング系のシグナル伝達抑制を介した色素沈着抑制方法
出願人株式会社 資生堂
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 8/49 20060101AFI20240627BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】シミの根本原因にアプローチする新規の色素沈着抑制方法、美白剤、および美白剤のスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制することを含む、色素沈着抑制方法、mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制する効果を有する物質を含む、美白剤、およびmTORシグナリング系に含まれる分子の阻害剤を選択する工程を含む、美白剤のスクリーニング方法が提供される。
【選択図】 図9
特許請求の範囲【請求項1】
mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制することを含む、色素沈着抑制方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制することが、mTORシグナル伝達、S6キナーゼシグナル伝達、4E-BPシグナル伝達、サイクリンD1シグナル伝達、およびc-Mycシグナル伝達からなる群から選択される少なくとも1つのシグナル伝達を阻害することを含む、請求項1に記載の色素沈着抑制方法
【請求項3】
mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制することが、mTOR阻害剤、S6キナーゼ阻害剤、4E-BP阻害剤、サイクリンD1阻害剤、およびc-Myc阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種を投与することを含む、請求項1に記載の色素沈着抑制方法。
【請求項4】
mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制することが、レインボーアルゲエキス、ラパマイシン、LY2584702トシレート、4EGI-1、およびパルボシクリブからなる群から選択される少なくとも1種を投与することを含む、請求項1に記載の色素沈着抑制方法。
【請求項5】
mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制する効果を有する物質を含む、美白剤。
【請求項6】
mTORシグナル伝達、S6キナーゼシグナル伝達、4E-BPシグナル伝達、サイクリンD1シグナル伝達、およびc-Mycシグナル伝達からなる群から選択される少なくとも1つのシグナル伝達を阻害する物質を含む、請求項5に記載の美白剤。
【請求項7】
mTOR阻害剤、S6キナーゼ阻害剤、4E-BP阻害剤、サイクリンD1阻害剤、およびc-Myc阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項5に記載の美白剤。
【請求項8】
レインボーアルゲエキス、ラパマイシン、LY2584702トシレート、4EGI-1、およびパルボシクリブからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項5に記載の美白剤。
【請求項9】
美白剤のスクリーニング方法であって、
mTORシグナリング系に含まれる分子の阻害剤を選択する工程
を含む、スクリーニング方法。
【請求項10】
mTORシグナリング系に含まれる分子が、mTORシグナル伝達、S6キナーゼシグナル伝達、4E-BPシグナル伝達、サイクリンD1シグナル伝達、およびc-Mycシグナル伝達からなる群から選択される少なくとも1つのシグナル伝達に含まれる分子である、請求項9に記載のスクリーニング方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、色素沈着抑制方法に関し、より詳細には、mTORシグナリング系のシグナル伝達抑制を介した色素沈着抑制方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
シミ(色素斑)とは、肌に色素が沈着することにより生じ、肌の色素が沈着した部位と沈着していない部位との境界が明瞭である程度に色素が沈着した状態等を指す。シミにおける主要な色素成分としては、メラニン成分やヘモジデリン成分が挙げられる。
【0003】
メラニン成分などをターゲットとした化粧用組成物としては、例えば、特許文献1に、皮膚に局所的に適用された時に、表皮のメラニンを分解する子嚢菌(Ascomycete)由来酵素抽出物を含有する美白化組成物が開示されている。
【0004】
また、これまで、シミの原因遺伝子を明らかにするために、老人性色素斑(lentigo senilis)における網羅的遺伝子発現解析(非特許文献1)や、ヒト皮膚組織を用いた関与因子の同定(特許文献2)が行われている。
【0005】
例えば、特許文献3には、皮膚のシミ状況分析方法として、被検対象より採取したヒト表皮組織におけるC19orf28、TRIM63、PI15、KCNE4、HOXD8、IGFBP7、LPL、LOC375295、NLRP2、CRTAC1、DOCK8、PFTK2、C2orf88、TRIM9、HMCN1、AEBP1、FLT1、MAPKBP1及びMKL2から選択される遺伝子の発現量、又は当該遺伝子の発現産物の量を指標とし、被検対象より採取した対照部位の同遺伝子の発現量、又は同遺伝子の発現産物の発現量と比較することにより、当該皮膚のシミ形成の進行度若しくは改善度を把握することを特徴とする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第3967681号公報
特許第3943490号公報
特許第5858601号公報
【非特許文献】
【0007】
Aoki H et al. (2007) Br. J. Dermatol. 156: 1214-1223
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の美白化粧品でターゲットとされているメラニン増加やターンオーバー停滞はシミの根本原因ではない。シミにおける生理機能は未だ未解明な点が多く、シミの根本原因を解明および制御することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、mTORシグナリング系が、シミの根本原因であるシミ化スイッチとしてシミの形成に寄与すること、具体的には、シミ部位ではmTORシグナリング系が活性化されていること、mTORシグナリング系の活性化がその下流のシグナル伝達を介して、シミの形成に寄与することを見出した。そして、mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制することで、色素沈着抑制効果を得られることを発見した。本発明はこのような知見に基づくものであり、以下の態様を包含する。
【0010】
(態様1-1) mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制することを含む、色素沈着抑制方法。
(態様1-2) 色素沈着抑制において使用するためのmTORシグナリング系のシグナル伝達抑制剤。
(態様1-3) 色素沈着抑制剤の製造のための、mTORシグナリング系のシグナル伝達抑制剤の使用。
(態様1-4)mTORシグナリング系のシグナル伝達抑制剤を含む色素沈着抑制剤。
(態様2) mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制することが、mTORシグナル伝達、S6キナーゼシグナル伝達、4E-BPシグナル伝達、サイクリンD1シグナル伝達、およびc-Mycシグナル伝達からなる群から選択される少なくとも1つのシグナル伝達を阻害することを含む、態様1-1に記載の色素沈着抑制方法。
(態様3) mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制することが、mTOR阻害剤、S6キナーゼ阻害剤、4E-BP阻害剤、サイクリンD1阻害剤、およびc-Myc阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種を投与することを含む、態様1-1又は2に記載の色素沈着抑制方法。
(態様3-2)mTORシグナリング系のシグナル伝達抑制剤が、mTOR阻害剤、S6キナーゼ阻害剤、4E-BP阻害剤、サイクリンD1阻害剤、およびc-Myc阻害剤からなる群から選択される少なくとも1の阻害剤を含む、態様1-2~1-4に記載の発明。
(態様4) mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制することが、レインボーアルゲエキス、ラパマイシン、LY2584702トシレート、4EGI-1、およびパルボシクリブからなる群から選択される少なくとも1種を投与することを含む、態様1~3のいずれか1つに記載の色素沈着抑制方法。
(態様4-2)mTORシグナリング系のシグナル伝達抑制剤が、レインボーアルゲエキス、ラパマイシン、LY2584702トシレート、4EGI-1、およびパルボシクリブからなる群から選択される少なくとも1である、態様3-2に記載の発明。
(態様5-1) mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制する効果を有する物質を含む、美白剤。
(態様5-2)美白剤の製造のための、mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制する効果を有する
物質の使用。
(態様5-3)美白において使用するための、mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制する効果を有する物質。
(態様5-4)mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制する効果を有する物質を投与することを含む、美白方法。
(態様6) 前記mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制する効果を有する物質が、mTORシグナル伝達、S6キナーゼシグナル伝達、4E-BPシグナル伝達、サイクリンD1シグナル伝達、およびc-Mycシグナル伝達からなる群から選択される少なくとも1つのシグナル伝達を阻害する物質を含む、態様5-1~5-4に記載の発明。
(態様7) 前記mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制する効果を有する物質がmTOR阻害剤、S6キナーゼ阻害剤、4E-BP阻害剤、サイクリンD1阻害剤、およびc-Myc阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む、態様5-1~6のいずれか一項に記載の発明。
(態様8) 前記mTORシグナリング系のシグナル伝達を抑制する効果を有する物質が、レインボーアルゲエキス、ラパマイシン、LY2584702トシレート、4EGI-1、およびパルボシクリブからなる群から選択される少なくとも1種を含む、態様5-1~7のいずれか1つに記載の美白剤。
(態様9) 美白剤のスクリーニング方法であって、 mTORシグナリング系に含まれる分子の阻害剤を選択する工程を含む、スクリーニング方法。
(態様10) mTORシグナリング系に含まれる分子が、mTORシグナル伝達、S6キナーゼシグナル伝達、4E-BPシグナル伝達、サイクリンD1シグナル伝達、およびc-Mycシグナル伝達からなる群から選択される少なくとも1つのシグナル伝達に含まれる分子である、態様9に記載のスクリーニング方法。
(態様11) mTORシグナリング系に含まれる分子が、mTOR、mTOR複合体、S6キナーゼ、4E-BP、eIF4F複合体、サイクリンD1、サイクリンD1・CDK4/6複合体、c-Myc、およびc-Myc/Max二量体からなる群から選択される少なくとも1種の分子である、態様9または10に記載のスクリーニング方法。
(態様12)
前記方法が以下の:
被験物質を含む培地で皮膚細胞を培養する工程、
培養後の皮膚細胞においてmTORシグナリング系の活性を測定する工程、及び
測定されたmTORシグナリング系の活性を、対照のmTORシグナリング系の活性と比較する工程
を含み、mTORシグナリング系の活性が抑制された場合に、被験物質を色素沈着抑制剤、美白剤、又はシミ改善剤としてスクリーニングする、態様9に記載のスクリーニング方法。
(態様13)レインボーアルゲエキスを含む、mTORシグナリング系のシグナル伝達抑制剤。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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