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公開番号2024088521
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022203752
出願日2022-12-20
発明の名称有機性廃棄物の処理装置
出願人株式会社下瀬微生物研究所
代理人個人
主分類B09B 3/60 20220101AFI20240625BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】収容部に収容された被処理物を均一に加熱可能な加熱ジャケットを備えた有機性廃棄物の処理装置を提供する。
【解決手段】収容容器21と、収容容器21の収容部216を加熱する収容部加熱手段Hとを備えている。収容部加熱手段Hは、収容容器21の第1周壁部211の周囲に設けられる加熱ジャケット23を有している。加熱ジャケット23は、第1周壁部211の周囲を覆う筒状の第2周壁部231と、複数の蒸気ガイド部材232とを有している。蒸気ガイド部材232は、第1周壁部211と第2周壁部231とに囲まれた空間を複数の蒸気室Rに分割する。第2周壁部231の上部には、各蒸気室Rに対応して加熱用蒸気を導入するための第1供給口231aおよび第2供給口231bが設けられている。蒸気ガイド部材232は、隣り合う蒸気室Rを連通させるための上側切欠部232aを上部に有している。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
有機性廃棄物を収容する収容部を有する収容容器と、前記収容部を加熱する収容部加熱手段と、前記収容部内で前記有機性廃棄物を攪拌する攪拌部材を有する攪拌装置とを含み、微生物を利用して前記有機性廃棄物の有機成分を分解させる有機性廃棄物の処理装置であって、
前記収容容器は、筒状の第1周壁部と、前記第1周壁部の開口端を塞ぐ一対の端壁部とを有し、
前記収容部加熱手段は、前記第1周壁部の周囲に設けられる加熱ジャケットと、加熱用蒸気を発生させるボイラから前記加熱用蒸気を前記加熱ジャケットに供給するための供給配管とを有し、
前記加熱ジャケットは、前記第1周壁部の周囲を覆う筒状の第2周壁部と、前記第2周壁部の軸方向に所定の間隔を隔てて複数配置される環状の蒸気ガイド部材とを有し、
前記蒸気ガイド部材は、前記第1周壁部と前記第2周壁部とに囲まれた空間を複数の蒸気室に分割するように配置され、
前記第2周壁部の上部には、各前記蒸気室に対応して前記加熱用蒸気を導入するための供給口が設けられ、
前記蒸気ガイド部材は、隣り合う前記蒸気室を連通させるための上側切欠部を上部に有している、
ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記上側切欠部は、前記蒸気ガイド部材の上端部に設けられ、
前記供給口は、第1供給口と第2供給口とを有し、
前記第1供給口および前記第2供給口は、複数の前記蒸気室のそれぞれに対応して設けられるとともに、前記第2周壁部を軸方向に見て前記上側切欠部が前記第1供給口および前記第2供給口の中間かつ上方に位置するように、配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置。
【請求項3】
前記第2周壁部の下端部には、前記加熱用蒸気が凝縮されて発生した凝縮水を排出させる水排出口が設けられ、
前記蒸気ガイド部材は、隣り合う前記蒸気室を連通させるための下側切欠部を下端部に有している、
ことを特徴とする請求項2に記載の有機性廃棄物の処理装置。
【請求項4】
前記水排出口の数は、前記供給口の数よりも少ない、
ことを特徴とする請求項3に記載の有機性廃棄物の処理装置。
【請求項5】
前記第2周壁部の上部には、前記収容部と連通する連通管を取り付けるための連通管取付エリアが設けられ、
前記供給配管は、前記第2周壁部に沿って前記第2周壁部の軸方向に延びるとともに平面視で前記連通管取付エリアを挟む第1平行供給管部および第2平行供給管部を有し、
前記第1平行供給管部は、複数の前記蒸気室のそれぞれの前記第1供給口と第1末端分岐管部によって接続され、
前記第2平行供給管部は複数の前記蒸気室のそれぞれの前記第2供給口と第2末端分岐管部によって接続されている、
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の有機性廃棄物の処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性廃棄物の処理装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、有機性廃棄物の被処理物を乾燥して処理する処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。被処理物には、家畜の排泄物(糞尿)、有機汚泥等が対象とされる。特許文献1の処理装置は、被処理物を収容する収容部を有する乾燥容器(収容容器)と、収容部を加熱する加熱ジャケットと、収容部内で被処理物を攪拌する攪拌羽根とを備えている。加熱ジャケットは、乾燥容器の全周に設けられている。
【0003】
加熱ジャケットの下方端部には、蒸気コネクタが取り付けられ、加熱ジャケットの上方端部には排気コネクタが取り付けられている。蒸気コネクタには、蒸気管が接続されている。また、排気コネクタには戻管が接続されている。これらの蒸気管と戻管は、ボイラに接続されている。ボイラで発生した加熱用蒸気が加熱ジャケットに供給され、乾燥容器の全内周壁が加熱される。
【0004】
加熱ジャケットの内部には、加熱用蒸気が加熱用ジャケットの中で短絡しないように複数のガイド板が設けられている。これにより、加熱ジャケットは、複数個の蒸気室に分割されている。各蒸気室には、分岐した蒸気管から加熱用蒸気が供給される。加熱ジャケットを複数個の蒸気室に分割することにより、分割しない場合と比較して、加熱用蒸気が加熱ジャケット全体に行き渡らせやすくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-71269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のような従来の処理装置では、被処理物の処理中、収容部における被処理物の位置、密度、温度、材質が均一ではなかった。この収容部の被処理物のムラにより、乾燥容器の外壁に加える熱の必要量は、乾燥容器の外壁の場所によって異なっていた。従来の処理装置の加熱ジャケットは、蒸気室毎に同じ圧力の加熱用蒸気を全蒸気室でほぼ同時に供給口から供給するという考え方で構成されていたので、上記ムラに対応して加熱ジャケット内の蒸気圧力や加熱温度を柔軟に調整することができなかった。
【0007】
具体的には、第1の蒸気室の壁が被処理物のうち温度が低い部分に接している場合、第1の蒸気室では、加熱用蒸気の凝縮量が増える。すると、第1の蒸気室の蒸気圧力が急激に低下してしまい、それに伴って加熱温度も低下するという問題があった。一方で、第2の蒸気室の壁が被処理物のうち温度が高い部分に接している場合、第2の蒸気室の加熱用蒸気の凝縮量は第1の蒸気室と比較して少なかった。その結果、第1の蒸気室と第2の蒸気室とで蒸気圧力と加熱温度に差が出ていた。
【0008】
また、上記特許文献1の処理装置は、加熱ジャケットの下方端部から蒸気室に加熱用蒸気を導入し、加熱ジャケットの上方端部から排気する構造であった。被処理物として食品残渣を使用する場合、汚泥よりも比較的水分量が少ない。これにより、収容部の下部に溜まった食品残渣に対して導入直後の加熱用蒸気を凝縮させて加熱を行うことが効率良くできた。しかし、被処理物として汚泥を使用する場合は、水分が多いために熱の必要量が多い。これにより、被処理物として汚泥を使用する場合、加熱ジャケットと蒸気管との接続部近傍において導入された加熱用蒸気が導入直後に凝縮されてしまうという問題点があった。その結果、局所的に蒸気圧力が低下するとともに加熱温度も低下することによって、蒸気室全体を均一に加熱できないという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、その目的は、収容部に収容された被処理物を均一に加熱可能な加熱ジャケットを備えた有機性廃棄物の処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために本明細書に開示する発明は、以下のように構成されている。すなわち、第1の発明は、有機性廃棄物を収容する収容部を有する収容容器と、前記収容部を加熱する収容部加熱手段と、前記収容部内で前記有機性廃棄物を攪拌する攪拌部材を有する攪拌装置とを含み、微生物を利用して前記有機性廃棄物の有機成分を分解させる有機性廃棄物の処理装置であって、前記収容容器は、筒状の第1周壁部と、前記第1周壁部の開口端を塞ぐ一対の端壁部とを有し、前記収容部加熱手段は、前記第1周壁部の周囲に設けられる加熱ジャケットと、加熱用蒸気を発生させるボイラから前記加熱用蒸気を前記加熱ジャケットに供給するための供給配管とを有し、前記加熱ジャケットは、前記第1周壁部の周囲を覆う筒状の第2周壁部と、前記第2周壁部の軸方向に所定の間隔を隔てて複数配置される環状の蒸気ガイド部材とを有し、前記蒸気ガイド部材は、前記第1周壁部と前記第2周壁部とに囲まれた空間を複数の蒸気室に分割するように配置され、前記第2周壁部の上部には、各前記蒸気室に対応して前記加熱用蒸気を導入するための供給口が設けられ、前記蒸気ガイド部材は、隣り合う前記蒸気室を連通させるための上側切欠部を上部に有している。
(【0011】以降は省略されています)

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