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公開番号2024088302
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022203405
出願日2022-12-20
発明の名称SiC基板及びSiCエピタキシャルウェハ
出願人株式会社レゾナック
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C30B 29/36 20060101AFI20240625BHJP(結晶成長)
要約【課題】基板の反りを抑えつつ、デバイスへの悪影響の少ない、SiC基板及びSiCエピタキシャルウェハを提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態にかかるSiC基板は、SiC基板の表面に対して結晶面が第1方向に0.5°以上10°以下のオフセット角を有し、(3-3016)を回折面とするX線の反射トポグラフィーで第1測定点を確認すると転位が確認され、前記第1測定点は、前記SiC基板の外周端から5mm以上内側の測定領域の中心から前記第1方向に、前記SiC基板の半径の1/2の長さ分シフトした点であり、前記転位は、前記転位に外接し面積が最小となる長方形の長軸長を短軸長で割ったアスペクト比が5以上の第1転位と、前記アスペクト比が3未満の第2転位とを有し、前記第1測定点は、前記第1転位の密度が前記第2転位の密度より大きい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
SiC基板の表面に対して結晶面が第1方向に0.5°以上10°以下のオフセット角を有し、
(3-3016)を回折面とするX線の反射トポグラフィーで第1測定点を測定すると転位が確認され、
前記第1測定点は、前記SiC基板の外周端から5mm以上内側の測定領域の中心から前記第1方向に、前記SiC基板の半径の1/2の長さ分シフトした点であり、
前記転位は、前記転位に外接し面積が最小となる長方形の長軸長を短軸長で割ったアスペクト比が5以上の第1転位と、前記アスペクト比が3未満の第2転位とを有し、
前記第1測定点は、前記第1転位の密度が前記第2転位の密度より大きい、SiC基板。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
(3-3016)を回折面とするX線の反射トポグラフィーで第2測定点を測定すると転位が確認され、
前記第2測定点は、前記測定領域の中心から前記第1方向と反対方向に、前記SiC基板の半径の1/2の長さ分シフトした点であり、
前記第2測定点における前記転位の密度は、前記第1測定点における前記転位の密度より小さい、請求項1に記載のSiC基板。
【請求項3】
前記第2測定点の転位は、前記第1転位と前記第2転位とを有し、
前記第2測定点は、前記第2転位の密度が前記第1転位の密度より大きい、請求項2に記載のSiC基板。
【請求項4】
前記SiC基板の直径が140mm以上である、請求項1に記載のSiC基板。
【請求項5】
前記SiC基板の直径が190mm以上である、請求項1に記載のSiC基板。
【請求項6】
中心から半径17.5mmの円周と重なる位置にある支持面で支持した際に、
上面のうち厚み方向から見て前記支持面と重なる第1点を繋ぐ面を第1基準面とし、前記第1基準面より上方を正とした際に、BOWが40μm以下である、請求項1に記載のSiC基板。
【請求項7】
中心から半径17.5mmの円周と重なる位置にある支持面で支持した際に、
上面のうち厚み方向から見て前記支持面と重なる第1点を繋ぐ面を第1基準面とした際に、WARPが100μm以下である、請求項1に記載のSiC基板。
【請求項8】
(3-3016)を回折面とするX線の反射トポグラフィーで、第1測定点、第2測定点、第3測定点及び第4測定点を測定すると、それぞれ転位が確認され、
前記第1測定点は、SiC基板の外周端から5mm以上内側の測定領域の中心から第1方向に、前記SiC基板の半径の1/2の長さ分シフトした点であり、
前記第2測定点は、前記測定領域の中心から前記第1方向と反対方向に、前記SiC基板の半径の1/2の長さ分シフトした点であり、
前記第3測定点は、前記SiC基板の外周端から5mm以上内側の測定領域の中心から前記第1方向と直交する第2方向に、前記SiC基板の半径の1/2の長さ分シフトした点であり、
前記第4測定点は、前記測定領域の中心から前記第2方向と反対方向に、前記SiC基板の半径の1/2の長さ分シフトした点であり、
前記転位は、前記転位に外接し面積が最小となる長方形の長軸長を短軸長で割ったアスペクト比が5以上の第1転位と、前記アスペクト比が3未満の第2転位とを有し、
前記第1測定点、前記第2測定点、前記第3測定点及び前記第4測定点はそれぞれ、前記第1転位の密度が前記第2転位の密度より大きい、SiC基板。
【請求項9】
請求項1に記載のSiC基板と、前記SiC基板の表面に成膜されたSiCエピタキシャル層と、を有する、SiCエピタキシャルウェハ。
【請求項10】
請求項8に記載のSiC基板と、前記SiC基板の表面に成膜されたSiCエピタキシャル層と、を有する、SiCエピタキシャルウェハ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、SiC基板及びSiCエピタキシャルウェハに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界が1桁大きく、バンドギャップが3倍大きい。また、炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて熱伝導率が3倍程度高い等の特性を有する。そのため炭化珪素(SiC)は、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。このため、近年、上記のような半導体デバイスにSiCエピタキシャルウェハが用いられるようになっている。
【0003】
SiCエピタキシャルウェハは、SiC基板の表面にSiCエピタキシャル層を積層することで得られる。以下、SiCエピタキシャル層を積層前の基板をSiC基板と称し、SiCエピタキシャル層を積層後の基板をSiCエピタキシャルウェハと称する。SiC基板は、SiCインゴットから切り出される。
【0004】
SiC基板は、転位を含む。転位は、SiCデバイスに致命的な欠陥を引き起こすデバイスキラー欠陥となる場合がある。例えば、基底面転位(Basal plane dislocation:BPD)は、デバイスキラー欠陥の一つである。バイポーラデバイスに順電流を印加すると、BPDを起点として積層欠陥が拡張し、高抵抗な積層欠陥となる。デバイス内に生じた高抵抗部は、デバイスの信頼性を低下させる。BPDは、その近傍で少数キャリアが再結合すると積層欠陥を形成しながら拡張する性質がある。
【0005】
例えば、特許文献1には、SiC基板に含まれる転位を少なくできる炭化珪素単結晶の製造方法が記載されている。また例えば、特許文献2には、デバイスに影響の大きい部分の転位密度を下げることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-64015号公報
特開2015-231950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
SiC基板は、サイズが大きくなるほど反りやすくなる。SiC基板の反りは、センサーの検出不良や吸着不良等の不良の原因となる場合がある。またSiCエピタキシャルウェハの反りは、半導体デバイスのプロセスに悪影響を及ぼす場合がある。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、基板の反りを抑えつつ、デバイスへの悪影響の少ない、SiC基板及びSiCエピタキシャルウェハを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者は鋭意検討の結果、転位は欠陥の原因となりうるが、反りの原因となる応力を緩和する一因となることを見出した。そして、発明者は、転位の中でも応力緩和への寄与が大きい転位と、応力緩和への寄与が小さい転位とがあることを見出した。本開示は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
【0010】
(1)第1の態様にかかるSiC基板は、SiC基板の表面に対して結晶面が第1方向に0.5°以上10°以下のオフセット角を有する。このSiC基板は、(3-3016)を回折面とするX線の反射トポグラフィーで第1測定点を測定すると転位が確認される。前記第1測定点は、前記SiC基板の外周端から5mm以上内側の測定領域の中心から前記第1方向に、前記SiC基板の半径の1/2の長さ分シフトした点である。前記転位は、前記転位に外接し面積が最小となる長方形の長軸長を短軸長で割ったアスペクト比が5以上の第1転位と、前記アスペクト比が3未満の第2転位とを有する。前記第1測定点は、前記第1転位の密度が前記第2転位の密度より大きい。
(【0011】以降は省略されています)

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