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公開番号2024087513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2022202366
出願日2022-12-19
発明の名称標的配列の検出方法及び検出キット
出願人学校法人 名城大学
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類C12Q 1/6869 20180101AFI20240624BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】突然変異などの標的配列を的確にかつ迅速に検出する技術を提供する。
【解決手段】標的配列の検出方法は、標的配列を含むDNA一本鎖と、標的配列を含む一部分に特異的にハイブリダイズするプローブと、がハイブリダイズした部分DNA二本鎖の融解温度を取得する。この部分DNA二本鎖の融解温度は、標的配列特異的である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
標的配列の検出方法であって、
前記標的配列を含むDNA一本鎖と、前記DNA一本鎖の前記標的配列を含む一部分に特異的にハイブリダイズするプローブと、を準備する準備工程と、
前記DNA一本鎖と、前記プローブとが特異的にハイブリダイズした部分DNA二本鎖の融解温度を取得する融解工程と、
を備える、方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記準備工程は、前記DNA一本鎖を優勢的に増幅する核酸増幅反応により取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プローブは標識されていない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記準備工程は、前記DNA一本鎖を、3’末端が核酸増幅反応により伸長されない前記プローブの存在下で前記DNA一本鎖を優勢的に増幅する核酸増幅反応により取得することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記DNA一本鎖は、塩基長が80塩基以上230塩基以下である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プローブの塩基長は、20塩基以上70塩基以下である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記標的配列は、2種以上の特徴をそれぞれ含む2種以上の標的配列を含み、
前記プローブは、前記2種以上の標的配列にそれぞれ特異的な2種以上のプローブを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記標的配列は、微生物又はウイルスの薬剤感受性に関わる、2種以上の変異を含む2種以上の標的配列を含み、
前記プローブは、前記2種以上の標的配列に特異的な2種以上のプローブを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記微生物は、Mycobacterium avium及びMycobacterium intracellulareであり、前記標的配列は、これらの微生物におけるクラリスロマイシン感受性に関する少なくとも1つの変異を含む少なくとも1つの標的配列である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記プローブは、前記クラリスロマイシン感受性に関する点突然変異を含んで30塩基以上50塩基以下であり、前記プライマーセットは、前記点突然変異を含んで80塩基以上150塩基以下の塩基長の前記DNA二本鎖を増幅可能に構成されている、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書は、標的配列を融解温度等により検出する方法及びそのためのキットに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、一塩基多型(SNPs)などの変異を検出するには、例えば、変異を含む部分をPCRにより選択的に増幅して、その増幅物に特異的にハイブリダイズする検出用のプローブを用いることが行われている。
【0003】
例えば、近年、肺MAC症の患者数が増大している。MAC(Mycobacterium avium complex)は、Mycobacterium aviumとMycobacterium intracellulare との近縁な2菌種の総称である。肺MAC症は、MACを原因菌とする肺炎などの肺感染症である。肺MAC症の治療の原則は、キードラッグであるマクロライド系抗菌薬のクラリスロマイシンを含む多剤併用療法である。
【0004】
肺MAC症治療における最も懸念すべき問題の一つとして、クラリスロマイシンに対する感受性が低下した耐性菌による治療効果の低下が挙げられる。肺MAC症の治療においては、こうした菌の耐性化に応じて薬剤を適時に変更していく必要がある。そのため、肺MAC症治療の開始時のみならず、定期的にクラリスロマイシンの感受性試験を実施する必要がある。現在、クラリスロマイシンの薬剤感受性試験は、ガイドラインに基づいた培養法が採用されている。
【0005】
MACのクラリスロマイシン耐性化は、23SリボソームRNA(23S rRNA)のドメインVの点突然変異(2058~2059番目)によって誘導されることが知られている。クラリスロマイシン感受性である野生型MACは、23S rRNAの2058~2059番目の塩基配列がAA型である一方で、6種類の突然変異(TA、GA、AG、CA、AC、AT)を有したクラリスロマイシン耐性のMACが存在することが報告されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Inagaki T, Yagi T, Ichikawa K, Nakagawa T, Moriyama M, Uchiya K, Nikai T, Ogawa K. 2011. Evaluation of a rapid detection method of clarithromycin resistance genes in Mycobacterium avium complex isolates. J Antimicrob Chemother 66:722-9.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、こうした変異を検出するクラリスロマイシン感受性試験は、結果を得るまでに2週間以上の時間を要し、クラリスロマイシン耐性菌の出現に十分に適応できていない。このほか、種々の微生物やウイルスなどにおける突然変異やSNPsなどを、適時にかつ的確に検出したい要請があるが、現状、こうした要請に十分対応できてはいない。本明細書は、標的配列を的確かつ迅速に検出する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、PCR増幅産物であるDNA二本鎖の温度上昇に伴う融解曲線の解析を利用することに着目した。さらに、DNA二本鎖の融解曲線のみでは標的配列の相違を識別し難いことが多いことから、本発明者らは、標的配列の相違を、融解温度ないし融解曲線においてできるだけ大きな相違として検出する可能性を検討するに至った。
【0009】
検討の結果、本発明者らは、標的配列を含むDNA一本鎖とこの標的配列を含む一部分に対して特異的にハイブリダイズするプローブとの部分DNA二本鎖が、標的配列特異的であり、他の類似した配列と明確に区別できることを見出した。本明細書は、こうした知見に基づき以下の手段を提供する。
【0010】
[1]標的配列の検出方法であって、
前記標的配列を含むDNA一本鎖と、前記DNA一本鎖の前記標的配列を含む一部分に特異的にハイブリダイズするプローブと、を準備する準備工程と、
前記DNA一本鎖と、前記プローブとがハイブリダイズした部分DNA二本鎖の融解温度を取得する融解工程と、
を備える、方法。
[2]前記準備工程は、前記DNA一本鎖を優勢的に増幅する核酸増幅反応により取得することを含む、[1]に記載の方法。
[3]前記プローブは標識されていない、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記準備工程は、前記DNA一本鎖を、3’末端が核酸増幅反応により伸長されない前記プローブの存在下で前記DNA一本鎖を優勢的に増幅する核酸増幅反応により取得することを含む、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記DNA一本鎖は、塩基長が80塩基以上230塩基以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記プローブの塩基長は、20塩基以上70塩基以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]前記標的配列は、2種以上の特徴をそれぞれ含む2種以上の標的配列を含み、
前記プローブは、前記2種以上の標的配列にそれぞれ特異的な2種以上のプローブを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記標的配列は、微生物又はウイルスの薬剤感受性に関わる、2種以上の変異を含む2種以上の標的配列を含み、
前記プローブは、前記2種以上の標的配列に特異的な2種以上のプローブを含む、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]前記微生物は、Mycobacterium avium及びMycobacterium intracellulareであり、前記標的配列は、これらの微生物におけるクラリスロマイシン感受性に関する少なくとも1つの変異を含む少なくとも1つの標的配列である、[8]に記載の方法。
[10]前記プローブは、前記クラリスロマイシン感受性に関する点突然変異を含んで30塩基以上50塩基以下であり、前記プライマーセットは、前記点突然変異を含んで80塩基以上150塩基以下の塩基長の前記DNA二本鎖を増幅可能に構成されている、[9]に記載の方法。
[11]標的配列を融解によって検出するためのキットであって、
前記標的配列を含むDNA二本鎖を増幅するための一対のプライマーセットと、
前記DNA二本鎖の一方のDNA一本鎖中の前記標的配列を含む一部分に特異的にハイブリダイズする、プローブと、
を備える、キット。
[12]前記一対のプライマーセットは、前記DNA二本鎖のうち前記一方のDNA一本鎖を優勢に増幅する非対照核酸増幅反応のためのセットである、[11]に記載のキット。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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